どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は久振りに高校時代の友人とLINEでやりとりしたのですが、やはり僕と同じく満員電車に苦しんでいました(苦笑)秋学期からは一限とるのやめようかな…
さて、今回紹介するのは福井晴敏さんの「川の深さは」です!
福井晴敏さんは「Twelve Y.O.」で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。その後「亡国のイージス」で日本推理作家協会賞、日本冒険小説会大賞を受賞。「終戦のローレライ」で吉川英治文学新人賞を受賞。著作のいくつかは映画化も果たしています。また、ガンダムのノベライズでも有名です。
福井晴敏さんは今まで未読でガンダムと架空戦記を書く方というイメージしかなかったのですが、この作品で結構印象が変わりましたね。
ざっくりとしたあらすじ。
警視庁を退職し、妻とも離婚し、警備員として働きながら日々をのうのうと暮らす桃山は、ある日傷だらけの少年と出会う。ヤクザから逃げたきた少年と連れの少女を匿い介抱する中で、桃山は底なしの川へと引きずり込まれていく…とこんな感じです!
ジャンルはサスペンスにアクションと言った感じでしょうか? 最初の100pくらいまではハードボイルドかな? と思っていたのですが、最後でハリウッドばりのアクションがきてびっくりしましたΣ(・□・;)
物語の方は一言で言えば中年の再起ですね。桃山という残りの人生をただ過ごすだけの男が、ヤクザに追われ怪我をした少年を匿い傷の手当てをするうちに情熱を取り戻していくところは素直にかっこいいと思いました。
また、この作品の刊行は2000年なのですが、オウムの事件が作品に取り入れられていて、映像でしかオウムを知らない僕にとってオウム事件当時の社会的雰囲気を感じるという点も評価できます。あくまで架空ですが、テロが世界的に広まる中でオウムという原点を取り入れている作品は少ないので、新鮮でした。
また、川が作品のメタファーになっているのが素晴らしいと思いました。こういったメタファーは他の作品では物語と関わりのないものであることがほとんどですが、この作品では非常に上手な使われ方がされています。作品内で川を使った心理テストが出てくるのですが、この答えが登場人物にマッチしていて良いスパイスとなっていました。ちなみに読んだ方に向けて言うと、僕は腰まででした。
テロや国の陰謀論を一般人が裏の世界と関わることで知っていく。どんどんスケールが大きくなっていく作品を読みたい方にはオススメです。ただ作品自体はかなり硬派で重厚なので、時間に余裕がある時に一気に読んでもらいたいです!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)