統計

繰り返し横断面に対する不均一な処置効果の柔軟な差の差推定量

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「A Flexible, Heterogeneous Treatment Effects Difference-in-Differences Estimator for Repeated Cross-Sections」で、著者はPartha Deb(ハンター大)、Edward C. Norton(ミシガン大)、Jeffrey M. …

一般化された単調性の平均処置効果に対する識別力について

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「On the Identifying Power of Generalized Monotonicity for Average Treatment Effects」で、著者はYuehao Bai(南カリフォルニア大)、Shunzhuang Huang(シカゴ大)、Sarah Moon(MIT)、Azeem Shaik…

定式化誤りへの適応

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Adapting to Misspecification」で、著者はTimothy Armstrong(南カリフォルニア大)、Patrick M. Kline(UCバークレー)、Liyang Sun(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)。 以下はその要旨。 Empir…

ローカル予測の二重の頑健性と幾ばくかの不愉快なVAR計算

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Double Robustness of Local Projections and Some Unpleasant VARithmetic」で*1、著者はJosé Luis Montiel Olea(コーネル大)、Mikkel Plagborg-Møller(プリンストン大)、Eric Qian(同)、Christi…

信頼できる数字:パラメータ推計で統計的な正確さを報告する手順

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Credible Numbers: A Procedure for Reporting Statistical Precision in Parameter Estimates」で、著者はNicolas Astier(パリ経済学校)、Frank A. Wolak(スタン…

連続的な処置における差の差手法

直近のNBER論文から差の差関係の論文をもう一丁。表題の論文(ungated版)の原題は「Difference-in-differences with a Continuous Treatment」で、著者はBrantly Callaway(ジョージア大)、Andrew Goodman-Bacon(ミネアポリス連銀)、Pedro H. C. Sant'An…

積み重ね差の差分析

というNBER論文が上がっている。原題は「Stacked Difference-in-Differences」で、著者はCoady Wing(インディアナ大)、Seth M. Freedman(同)、Alex Hollingsworth(オハイオ州立大)。 以下はその要旨。 This paper introduces the concept of a "trimme…

非定常系列の主成分分析

というNBER論文をジェームズ・ハミルトンらが上げている(ungated版)。原題は「Principal Component Analysis for Nonstationary Series」で、著者はJames D. Hamilton(UCサンディエゴ)、Jin Xi(同)。 以下はその要旨。 This paper develops a procedur…

変則的な推定量についてのブートストラップ診断

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Bootstrap Diagnostics for Irregular Estimators」で、著者はIsaiah Andrews(MIT)、Jesse M. Shapiro(ハーバード大)。 以下はその要旨。 Empirical researchers frequently rely on normal approxi…

操作変数法で「1.96」信頼区間を使えない場合にどうすべきか

というNBER論文が上がっている。原題は「What to do when you can't use '1.96' Confidence Intervals for IV」で、著者はDavid S. Lee(プリンストン大)、Justin McCrary(コロンビア大)、Marcelo J. Moreira(FGV)、Jack Porter(ウィスコンシン大学マ…

金融政策、金融環境、および実体経済活動:今回は違うのか?

というBISレポートをMostly Economicsが紹介している。原題は「Monetary policy, financial conditions and real activity: is this time different?」で、著者は同行のFernando Avalos、Deniz Igan、Cristina Manea、Richhild Moessner。 以下はその要旨。 …

構造的操作変数推計の因果解釈

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Causal Interpretation of Structural IV Estimands」で、著者はIsaiah Andrews(MIT)、Nano Barahona(UCバークレー)、Matthew Gentzkow(スタンフォード大)、As…

人々は統計をどのように使っているのか

というNBER論文をアンドレイ・シュライファーらが上げている(ungated版)。原題は「How People Use Statistics」で、著者はPedro Bordalo(オックスフォード大)、John J. Conlon(スタンフォード大)、Nicola Gennaioli(ボッコーニ大)、Spencer Yongwook…

信頼性革命はどの程度信頼できるのだろうか?

というNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン)。原題は「How Credible is the Credibility Revolution?」で、著者はKevin Lang(ボストン大)。 以下は本文からの引用。 Suppose you test a null hypothesis, and the t turns out to be 1.96. As…

経済学の実験における効率的な柔軟回帰調整のための機械学習の利用

というNBER論文が上がっている(ungated(IDEAS)版)。原題は「Using Machine Learning for Efficient Flexible Regression Adjustment in Economic Experiments」で、著者はJohn A. List(シカゴ大)、Ian Muir(Lyft)、Gregory K. Sun(シカゴ大)。 以下…

市場効率性とカバー無し金利平価の新たな検証

というNBER論文をFrancis X. Dieboldらが上げている(ungated版)。原題は「A New Test for Market Efficiency and Uncovered Interest Parity」で、著者はRichard T. Baillie(ミシガン州立大)、Francis X. Diebold(ペンシルベニア大)、George Kapetanio…

機械学習のモデル化

というNBER論文が上がっている。原題は「Modeling Machine Learning」で、著者はAndrew Caplin(NYU)、Daniel J. Martin(ノースウエスタン大)、Philip Marx(ルイジアナ州立大)。 以下はその要旨。 What do machines learn, and why? To answer these qu…

選択の単純な検証:操作変数からのさらなる学習

というNBER論文が上がっている(Labour Economics掲載版、2015年時点のWP)。原題は「Simple Tests for Selection: Learning More from Instrumental Variables」で、著者はDan A. Black(シカゴ大)、Joonhwi Joo(テキサス大学ダラス校)、Robert LaLonde…

ローカル予測対VARs:数千のDGPから得られた教訓

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Local Projections vs. VARs: Lessons From Thousands of DGPs」で、著者はDake Li(プリンストン大)、Mikkel Plagborg-Møller(同)、Christian K. Wolf(MIT)。 以下はその要旨。 We conduct a simu…

経済学における実証戦略:原因から結果への経路の解明

MITのヨシュア・アングリスト(Joshua Angrist)が表題(原題は「Empirical Strategies in Economics: Illuminating the Path from Cause to Effect」)の昨年のノーベル賞記念講演をNBER論文として上げている。以下はその要旨。 The view that empirical st…

TSLSが実際にLATEとなるのはどのような場合か?

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「When is TSLS Actually LATE?」で、著者はChristine Blandhol(プリンストン大)、John Bonney(スタンフォード大)、Magne Mogstad(シカゴ大)、Alexander Torgovitsky(同)。 以下はその要旨。 Line…

研究者の自由度と差の差推定の信頼性:コロナ禍対策の評価による実証研究

というNBER論文が上がっている。原題は「Researchers' Degrees-of-Flexibility and the Credibility of Difference-in-Differences Estimates: Evidence From the Pandemic Policy Evaluations」で、著者はJoakim A. Weill(UCデービス)、Matthieu Stigler…

バングラデシュのマスク研究から何を結論すべきか?・再訪

以前、バングラデシュでのマスク着用に関するRCTについて、Ben Rechtによる批判的な検証を取り上げたことがあった。その後、研究者がデータを公開したとのことで、Rechtが公開自体は賞賛しつつも改めてそのデータを批判的に検証している(H/T タイラー・コー…

実効再生産数に波が生じる理由

Philippe Lemoineというコーネルの博士課程にいる研究者が、自らが所属するThe Center for the Study of Partisanship and Ideology(CSPI)という組織のブログに「Have we been thinking about the pandemic wrong? The effect of population structure on …

イベルメクチン問題が教えてくれること

Scott Alexanderという有名ブロガー(cf. Slate Star Codex - Wikipedia)によるイベルメクチンのCovid-19への効果のメタ分析をタイラー・コーエンが推奨している。日本語記事では既にgigazineがその概要を紹介している。 そのブログでアレキサンダーは、イ…

SIRモデルでの実効再生産数の極限は?

以下のツイートを目にして、実際の測定値はともかく、感染モデル上は感染が収まった時に実効再生産数はどうなるのか、という疑問を抱いた。皆さん大事なことなので誤解の内容にお願いします。この数字は感染者数が下がりきると必ず1になります。 https://t.c…

バングラデシュのマスク研究から何を結論すべきか?

バングラデシュでのRCTの結果を基に、マスクはコロナ感染防止に有効である、という報告が出されたが、UCバークレーの機械学習の研究者であるBen Rechtが「Effect size is significantly more important than statistical significance.」と題したブログエン…

操作変数法について有効なt値の推計

というNBER論文が先月上がっている(昨年10月時点のWP)。原題は「Valid t-ratio Inference for IV」で、著者はDavid S. Lee(プリンストン大)、Justin McCrary(コロンビア大)、Marcelo J. Moreira(FGV)、Jack Porter(ウィスコンシン大学マディソン校…

イスラエルのデータをどう解釈すべきか

アンドリュー・ゲルマンやタイラー・コーエンが紹介しているが、ペンシルベニア大学ペレルマン医学部のJeffrey S. Morris生物統計学教授が立ち上げたコロナ関連の特設サイトで、イスラエルの重症者の数字をどう読むべきか解説している。 以下はその概要。 イ…

手法が問題:経済学の因果分析におけるpハッキングと掲載バイアス

というAER掲載予定論文をタイラー・コーエンが紹介している。論文の原題は「Methods Matter: P-Hacking and Publication Bias in Causal Analysis in Economics」で、著者はAbel Brodeur、Nikolai Cook、Anthony Heyes(いずれもオタワ大)。 以下はその要旨…