韓国の農業団体や消費者団体が、韓国産牛に対する狂牛病全頭検査を求めているのに、韓国政府・農林水産食品部(日本の農林水産省みたいなの)はそれを拒否しているそうです。今なにかと話題の米国産牛肉ではなく、国産牛肉に対する検査ですよ。わけがわかりません。
韓国政府の言い分は、「全頭検査は費用対効果が低い」からなんだとか。う~ん、ここで政府が言っている“効果”って、狂牛病になった牛を検出することのみなんでしょうかね?それよりも、全頭検査を行うことによって国産牛肉の安全性を証明することの方が大事でしょ。農民や消費者が求めているのはそういうことなんだし。
下の韓国政府の弁明を読めば読むほど、「アメリカ牛にまで検査が及ぶとヤヴァいし~」というのが透けて見えます。まぁ、大韓民国政府の韓昇洙(ハン・スンス)国務総理さまにおかれましては「アメリカ牛は韓国牛とは比較にならないほどウマイ」とのたまわれたうえに、米国産牛肉を12kgもお買い上げになられたそうなので、それほどアメリカ牛が大事なのでしょう。あぁ、やれやれ。
どうせ私はワーキングプアーなんで、牛肉なんて長いこと買って食べていませんけどねぇ、多くの消費者が牛肉を忌避しているとばっちりで、鶏肉や豚肉まで値上がりしてるのよ(今年に入って100g当たり30~40円くらい値上がりしたと思う)。貧乏人はどうやって動物性たんぱく質を確保しろっていうのよ。ブツブツ・・・。
「国産牛の狂牛病全頭検査」異常な論争
農民は「しよう」と言っているものの、政府は「ダメ」
» YMCA全国連盟や女性民友会生協などの市民・消費者団体が12日、果川(カチョン/地名)政府総合庁舎前で記者会見を開き、国内で屠畜される牛に対する牛海綿状脳症全頭検査の試行を求めている。【果川/イ・ジョンア記者】
米国産牛肉の騒動で狂牛病の危険に対する国民的な憂慮が高まっているなか、農民団体や消費者・市民団体が国内産牛の狂牛病全頭検査を要求している。しかし政府は「狂牛病の全頭検査は国際的に事例がなく、費用対効果も低い」とこれらの要求を事実上拒否している。
全国農民会総連盟など12の農民団体で構成された農民連合と韓牛協会は先月21日、政府に国内産牛の狂牛病全頭検査を求める農民宣言を発表し、その後ハンサルリムなどの消費者団体の支持宣言や署名運動が続いた。また、‘民主社会のための弁護士の会’は狂牛病全頭検査を柱とする「狂牛病国内対策特別措置法制定法律案」を打ち出し、立法請願運動を展開している。今月21日には‘狂牛病全頭検査推進のための農民-消費者団体連席会議’が全頭検査の法制化のための討論会を国会で開く。
農民・消費者団体などが狂牛病全頭検査法制化を求める理由は、まず国内産牛の狂牛病に対する安全性を立証し、消費者が安心して食べられる牛肉を確保するためだ。また、韓国の狂牛病危険度を正確に把握し、合理的な狂牛病根絶対策を整備するという目的もある。これと同時に国内産牛肉に対してまず狂牛病全頭検査を実施しておけば、米国産輸入牛肉にも強化された狂牛病検査を要求することができるという判断だ。
農民・消費者団体などは農林水産食品部の資料を引用し、狂牛病全頭検査を行うには施設設置費用552億ウォン(約58億円)と検査キット、施設維持費、人件費などで年間722億ウォン(約76億円)の予算が必要だと説明した。施設費用を除けば牛肉1kg当たり425ウォン(約45円)の費用がかかることになる。実際、済州島は今年の3月から食肉処理施設に出荷されるすべての牛を対象に狂牛病検査を実施している。
しかし、農林水産食品部は狂牛病全頭検査法制化要求に強い拒否感を表している。農林水産食品部が打ち出した反対論理の核心は、世界のどの国も全頭検査を実施していないということだ。農林水産食品部は「世界で唯一全頭検査を実施した日本も2005年からは法的に21ヶ月以上の牛に限って狂牛病検査を行うことにしている」とし、「全頭検査を行った場合、むしろ防疫体系に弱点があるのではないかという疑いを持たれかねない」と主張した。また、農林水産食品部は2007年から実施している起立不能牛など高危険群中心の狂牛病検査が全頭検査よりも費用対効果が高く、狂牛病遮断のためには検査よりも動物性飼料禁止措置がより重要だという論理を提示した。
キム・スホン記者
(ハンギョレ 2008年8月18日)