2004年02月25日
■ ついでだから…
あっさだぁ~。イギリスの朝。
おぉ~。外で鳴いている鳥の声もイギリスしてるよ。
日本だとスズメの‘ちゅんちゅん’だけど、何だか違うよ。
‘くぇ~くぇ~’だって。何の鳥だろ?
あれ、彼氏は昨日の夜遅くまでおじさんと話し込んでたのに、
今日も朝早くからおじさんと話しているよ。
まぁ、2年ぶりだから積もる話もたくさんあるんだろうなぁ。
でも、おじさんにだってお仕事があるんだから、(タダで泊らせてもらった
ことだし)早目にオイトマしなきゃと思って身支度をしていると、おじさんと
彼氏が談笑しながら巨大なボストンバッグを抱えて部屋に入ってきた。
なんでも
「お前のイトコ(ドイツの叔父さんの息子)が2年前にうちに来て
忘れていった」シロモノらしい。
しっかし、これめちゃ重そうですね。
しかも鍵がかかってるし。
「まさか、ヤバいもん(薬とか)入ってないでしょうね」と言いながら
鍵をぶっ壊す彼氏。
んで、その巨大なカバンからわらわらと出てきたのは、
何十体もの陶器の人形だったのです。
しかし、かわいぃ~のとか、高級っぽいのとかではなく、
(多分)ドイツ製なだけにデザインがカワイクない。
はっきり言って、グロい!
しかも、アンティークと呼ぶには中途半端に新しい。
(あと60年くらい寝かせたらイイ味出るかもしれんけど)
さらに、鍵を壊した時に何体か壊しちゃいました。
何故にドイツのイトコ殿はイギリスまでこがぁな人形を持って来て、
そして忘れて行ったのでしょうか?
て言うか、いらなくなったからワザと置いて行ったのでは?
しかし、おじさん的には(大量すぎて)捨てるに捨てられんし、
(鍵を壊すまでは謎の物体だったから)引き取り手はいないし、
(デカいし、重いし、外国なので)送るにしても高いしで、
ジャマでしょうがなかったらしい。
結局、その大荷物を押し付けられてしまった私たち。
せっかく、二人でキャリーバッグ一つとショルダーバック一つという
軽武装で来たのに…。
タダほど高くつくものはありません…。
■ 何か忘れてないか?
さぁって、ドイツまで重い荷物を運ばなければならないのですから、
食料を補給しましょう。
イースト・ロンドンの朝市は、新鮮な野菜や果物があふれている。
し・か・も、やすいィ~!
昼までずっと見物していたいけど、そんな時間はない。
いっぱい買い込みたいけど、荷物が増えるので少しにする。
さ、今日のバスパスを買ってロンドン市内に向か………
………………………………………ん?
↓もしかして、フランスのお兄さんに全然連絡してないのでは?
*韓国から出発する直前に電話をかけたけど、通話中だった。
*関西空港から私のテレカでかけろと言ったのに、日本の通話料は高い
からと言ってかけなかった。
*しかも50度数を50円とカン違いしていた。
*ロンドン市内で国際テレカを買うと高いからと買わなかった。
*イースト・ロンドンに着いたのは夜で、店が閉まっていた。
↑ハイ。
ぜんっぜん連絡とれてませんね。
いくら兄弟とは言え、アポなしはマズイでしょう。
あわてて国際テレカを買い、お兄さんに電話をかけた。
韓国にいるハズの弟から、
「今イギリスにいるから明日フランス行く」
という唐突な連絡を受けたお兄さんの心境はいかに?
しかも、女(?)連れである。
彼氏から受話器を奪い、
「ぐっど・もーにん・さー」と挨拶した。
受話器の向こうでウケてる。ウケてる。
幸い、門前払いをくらうことはなさそう。
彼氏に受話器をかえしたが、お兄さんと話がなんか盛り上がっている。
ここらへんからウルドゥー(パキスタン語)で話し出したので、
私には理解不可能。
まぁ、今日の夜ロンドンを出て、明日の朝フランスに着くバスで行くと
いう事はとりあえずちゃんと伝えたらしい。
バスターミナルまでお兄さんが車で迎えに来てくれるらしい。
バスの到着時間がわかったらまた連絡くれとのこと。
あ~、やれやれ。
■ サービス最っ低
われわれが旅行の前日に立てた計画では、
ロンドン(どっかで一泊)→ フランス(パリ郊外のお兄さんちで数日)→
→ ドイツ(キールの叔父さんちで数日) → ロンドンで数日
というコースを、一番格安な長距離バスで移動するハズだったのです。
しかーし、予定通りにいかないのが、この世の常でございます。
この計画は、バス会社の窓口で無情にも崩壊してしまいました。
窓口いわく、
「ロンドンからそのような周遊チケットは発行していない」
「ドイツのキール?どこだそれは?」
「こっからドイツへの直通はハンブルグ行きしかない」
「ドイツの他の都市に行きたきゃフランス行ってから買え」
「フランスからドイツの運賃?フランスで聞いてくれ」
「フランスまで往復で55ポンドだけど片道だと47ポンドだ」
(片道だとメッチャ割高やんけ!)
だそうです。
なんじゃそりゃ?
このバス会社は‘全ヨーロッパとロシアの各都市を結ぶ’をウリに
しているのではなかったのか?
もしかして大英帝国はヨーロッパじゃなかったのか?
広島から金沢への直通はないから、京都に行ってから買えなどとは
言いませんよね?日本のJRは。
あまりにもヒドいサービスの悪さと、計画が崩れたことにダブルショックを
受けたが、とにかく、計画を立て直さなければならない。
時間がもったいないが、
ロンドン→ フランス→ ドイツ(キール)→ フランス→ ロンドン
ちうルートに予定変更。
ここで、ドイツの事を言っても仕方がないので、とりあえずパリへの
往復チケットを買うために、もう一度、窓口に並んだ。
■ どこ?
しっかぁーし、また窓口が聞いてくるには
「で、パリのどこさ?」
であった。
はうっ。
パリのバスターミナルは一つじゃないのね。
そりゃ、パリぃと一口で言っても大きゅうございますものね。
またまた打ちのめされて窓口からスゴスゴと退散する私たち。
公衆電話からお兄さんに電話をかけ、最寄りのバスターミナル名を聞く。
今度は私はその公衆電話の横で荷物の見張り番をして、
彼氏が一人だけでイザ、窓口へ。
しかし、10分後、彼氏はまたお兄さんに電話をかけにもどってくる。
どうやら発音が正しくなくて通じなかったらしい。
「スペルは?」「もっかい発音してみて」と言っている。
あ、ちなみにここで解説しておきますと、彼氏も私も、フランス語能力は
まったくのゼロ。皆無であります。
その約15分後、ようやくロンドン-パリの往復バスチケットを手にした
彼がもどってきた。
バスの出発は夜の10時。
パリに到着するのは朝の6時半。
お兄さんに電話をかけ、到着時刻を告げる。
その時、時間はお昼をちょっと過ぎたくらい。
はぁ~。
すでに、ドッと疲れてしまったぞ。
バスの出発時刻まで、まだかなり時間があるが、ロンドン観光などする
心の余裕はない。しかも荷物はデカい。重い。
しかし、このバスターミナルは寒いし、イスも硬い。
こんなトコロにいたら、ココロもカラダも寒くなってしまいそう。
だもんだから、2階建てバスにテキトー乗り、2階の最前列に座る。
イースト・ロンドンで買った果物や、飛行機から持ってきた非常食を
食べながら、車内からロンドンの街を眺める。
終点まで行ったら、また戻ってくる。(バスパスがあるから乗り放題)
これを繰り返してビッグ・ベンやロンドン橋を見物し、
フランス行きまでの時間をつぶしたのでした。
あぁ、なんて有意義なロンドンの1日。
《ようやくフランス編・ぱーと4へ続く》