先日、目にして気になっていた記事なのですが、他にいろいろとネタが飛び込んでくるわ、本業が忙しくなるわで後回しになっておりました。
え~っと、日本共産党の志位委員長が今月7日から10日にソウルで開かれたアジア政党国際会議に出席するため、共産党党首としては初めて韓国を訪問しました。今さらなんですけども、韓国は“
反共”の国なので、韓国で「共産党」と言えば、もう“
悪魔の手先”かなんかのイメージなんですわ(←ちょっとネタ入ってますけど)。
韓国社会で日本の右傾化が憂慮されるなか、韓国を訪問した志位委員長の動向は、「日本国内にも右傾化や改憲の動きに反対する政治勢力はある」というメッセージにはなったかと思います。(日本共産党のホームページに書いてあるほど韓国メディアには注目されていなかったようですけどね。)
そのへんの様子をハンギョレ新聞の9月11日の社説にわりと詳しく書いてあるので翻訳してみました。それではどうぞ。
日本共産党委員長の訪韓と交流の多様化
志位和夫日本共産党委員長が5泊6日の訪韓日程を終えて昨日、帰国した。日本共産党所属の議員が国際会議に参加するために訪韓したことはあったが、共産党の代表が南側の地へ足を踏み入れたのは初めてのことだ。日韓両国の情勢と政治風土に極めて特殊な事情があったとは言え、冷戦の対立体制が崩壊してかなりの時間が経過した後に実現した共産党委員長の訪韓は、突拍子もないもののようにも感じる。
50代前半の志位委員長が韓国を訪問した名目上の目的は、第4回アジア政党国際会議への出席だ。彼が所属議員を派遣せず、直接訪問したのは韓国の政治指導者との交流を通じて関係を改善し、自身の政治的地位を高めようという意図が働いたのだろう。彼は今回の訪問でイム・チェジョン国会議長をはじめ、キム・クンテ(与党)ウリ党議長、キム・ヒョンオ(保守系野党)ハンナラ党院内代表など、主要政党の首脳部にもれなく会うという多忙な日程をこなしたが、韓国内のメディアからはそれほど注目されなかった。日本共産党の議席が衆・参それぞれ9議席に過ぎないため、弱小政党の代表という認識もあったのだろうが、共産党に対する韓国社会の根深い不信感と警戒心も作用したのかもしれない。
志位委員長は訪韓日程の最初にソウル西大門刑務所を訪れ、共産党が1922年の結党以来、朝鮮人の独立闘争を支援してきたことや、軍国主義時代の過ちを先立って是正してきたという点をアピールした。日本共産党は北朝鮮と長期にわたって友好関係を維持してきたが、主体思想論争、ラングーン事件などの余波で80年代中盤には朝鮮労働党との関係を断絶した。韓国に対してはベルリンの壁崩壊と民主化定着を契機として接近路線をとってきた。
日本国内の右傾化の動きとの関連でも、共産党の動向を注視する必要がある。次期首相として確実視されている安倍晋三内閣が発足すれば、平和憲法の改定作業に力を入れることが予想される。旧社会党が没落した後、改憲推進に反対する政党としては共産党が最大議席を持っていることになる。日本の中央政治で共産党の役割は限定されているが、地方では市民団体や労働運動勢力と連帯し、護憲運動の中心を成している。
日韓両国が相互不信を根源的に解消するには多様な集団が政治的見解の差を越え、機会があるごとに胸襟を開いて対話を続けることが重要だ。日本共産党を対話の対象から除外する理由はない。