キャッチャー・イン・ザ・ファースト

http://www.zakzak.co.jp/spo/2005_08/s2005082402.html

 一塁に阿部が定着すれば当然、清原の守る所はない。阿部のコンバートは、「清原は巨人で不必要」と、チーム内外にアピールすることになる。

 阿部慎之助が一塁守備に入ったと聞いたときは、巨人ファンならぬ俺も「ついにか」と思ったものだ。巨人も我が広島と同じく投壊気味にある。その原因の一つを、阿部のリードに求める巨人ファンの声も少なからず見てきた。そして、ついにコンバートなのか、と。打撃の方は脅威の存在であり、野手としての守備力は未知数といえども、あの強肩が必ずや活きてこよう。……って本当に一時的なものかもしれないけれど。
 で、この夕刊フジの記事は、ちょっと違った方向からのものであった。清原和博、江藤智への“あてつけ”だというのである。うーん、なるほど、そういう意図があるかどうかはともかく、両者にとって背筋の寒くなる話ではある。
 ああ、しかし江藤。俺は広島時代から江藤はあまり好きでなかったけれど、さすがに今の姿は見るに忍びない。選球眼の良さはまだ生きているようだけれど、肝心のホームランが打てない。今さら言ったところでどうしようもないが、横浜あたりに行った方が選手生活としては良かったんじゃないのか。もちろん、引退後の人生の方が長い。巨人の肩書きはどれほどの魅力かは言うまでもない。
 話は戻って阿部。果たしてコンバートはありうるのだろうか。巨人の捕手事情まではうかがい知れないが、正捕手のスケールを持つ戦力はいるのだろうか(西山秀一?)。いや、阿部が野手になったところで、阿部以上の捕手でなければ意味がない。目下最下位争いのライバルである巨人だけに、注目していきたいところだ。
 最後に一つ。一塁に入った阿部の姿は、なんというか頼りない。もの凄くか細いというか、不自然というか。これは古田だろうと城島だろうと同じ事になるだろう。どれだけ捕手という存在が、そのマスクとプロテクターと一体化しているのか、あらためて思い知ったような気がする。