2007-01-01から1年間の記事一覧

湖西晶 『ソーダ屋のソーダさん。』

湖西晶(こにし・あき)の新刊『ソーダ屋のソーダさん。』(ISBN:4758080003)を読みました。 「私…… 死んでしもうたみたいなんよ……」 というプロローグから始まる。息もしていない,体温も冷たい,心臓も動いていない。なのに,しゃべって動くのは島唯一の…

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上月雨音 『SHI-NO 黒き魂の少女』

上月雨音 『SHI-NO ―シノ― 黒き魂の少女』(ISBN:4829163429)を読みました。小学5年生の志乃ちゃんが,毎日,大学1年生の僕の家に来て,隅っこに餌を食べてコクコクする話。 無口っ娘なのでほとんどしゃべらないのだが,ルナティックな存在であるが故に真っ…

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海堂尊 『螺鈿迷宮』

海堂尊(かいどう・たける)『チーム・バチスタの栄光』が面白かったので,もう1冊読んでみようという気になりました。原則として文庫落ちを待つことにしているので,ハードカバーを買うのは久しぶり。 店頭には水色の赤色の黒いのと取りそろえてあったので…

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海堂尊 『チーム・バチスタの栄光』

文学研の読書会に参加。今回のお題は,海堂尊(かいどう・たける)『チーム・バチスタの栄光』*1。近く映画化されるのに合わせ文庫化もされたということで。 「このミステリーがすごい!」で大賞を取った作品。ですが,これってミステリーなん? ――と聞いた…

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清涼院流水 『カーニバル・イヴ』

清涼院流水(せいりょういん・りゅうすい)『カーニバル・イヴ――人類最大の事件』(1998年,asin:4061819976)を読んだ。 『コズミック』を読んだとき,続作は読まない方がいいだろうと思った。その後,舞城王太郎らに接して清涼院に対する認識を(好意的に…

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越沢明 『東京の都市計画』

越沢明(こしざわ・あきら)『東京の都市計画』(岩波新書,ISBN:4004302005)の初版は1991年。執筆当時は長岡造形大学の助教授。その後どうされたのか調べてみたら,北大の教授であらせられました(^^; 先日の出張で移動中に読んだ本で,ボストンバッグの中…

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紙屋高雪 『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』

発売日に注文してあった紙屋高雪(かみや・こうせつ)『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』(asin:4806713562)が届きました。 「紙屋研究所」については御存知の方も多いでしょう。これまでその存在を知らなかったという人は,私から本書の内容解説を通し…

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セザンヌ+モリゾ

Art

昨夕,東京でお仕事があったのですが,帰りの便が満席で取れなかったもので泊まっていくことにしました。 搭乗便までの待ち時間を利用して,ブリヂストン美術館での「セザンヌ4つの魅力 ―人物・静物・風景・水浴―」と,損保ジャパン東郷青児美術館の「美しき…

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レンブラント+ロートレック

Art

とある研究会に参加のため名古屋へお出かけ。帰りの飛行機まで時間があったので美術館に寄ってきました。 まずホテルの近くであった愛知県美術館での「ロートレック展――パリ、美しき時代を生きて」。19世紀末の頽廃的文化を表象するかのようなポスター作品を…

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西尾維新 『不気味で素朴な囲われた世界』

西尾維新(にしお・いしん)『不気味で素朴な囲われた世界』(ISBN:9784061825574)を読了。 キャラクターの魅力と,文章に押し込められた言葉遊びは,それだけで十分に小説としての楽しさをもたらしてくれる。ミステリーとしての要素はアンチとしてのそれで…

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大学院はてな :: 降格が人事権の濫用にあたるとされた例

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国際観光振興機構事件(東京地裁・平成19年5月17日・労働経済判例速報1975号20頁)を検討してきました。 人事評価については一般的に会社の裁量の幅が広く,低い評価がなされたことの是正を求めて争うのは難しいと言わざるを得ません。それが,本件では原告…

時雨沢恵一 『キノ』

先週末から,時雨沢恵一(しぐさわ・けいいち)『キノの旅 -The Beautiful World-』を読んでおりました。 人の死が忌避されていないこと,主人公が旅人であるという設定の故にエピソードの中にあっても当事者にはなりきらないこと,主人公は銃器の名手という…

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岡田温司 『マグダラのマリア』

岡田温司(おかだ・あつし)『マグダラのマリア――エロスとアガペーの聖女』(ISBN:4121017811)を読む。 娼婦の身であった者が改悛したことにより聖女に列せられたという伝説を持つ人物像の成立に興味があったのだが,これについて述べているのは第1章〈揺ら…

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西尾維新 『きみとぼくの壊れた世界』

戯言シリーズを読み終えた後,零崎一賊シリーズやりすかシリーズに手を出してみたのですけれど面白いと思えなかったもので,そこで広げるのをやめておりました。 それが,ここ最近ミステリーを読みたい気分になっていたところに,続作が発表されたということ…

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神坂一 『ドアーズ』

神坂一(かんざか・はじめ)の『スレイヤーズ!』は初登場の時からずっと(ちんまいやつも含めて)読み続けてきていますが,他のシリーズは相性が悪いらしく読んでおりません。とはいえ,12年も前の認識を持ち続けているのもどうかと思いまして,最新刊を買…

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石持浅海 『月の扉』

久しぶりにミステリ読書会に参加。『CRITICA 2』を『永遠の現在』との物々交換で入手してくる。 さて,今回の課題図書は石持浅海(いしもち・あさみ)『月の扉』*1。ハイジャックした航空機の中,衆人環視の下にありながらトイレで一人の乗客が死んでいた――…