年末になり、仕事も一段落して少しずつ時間が取れるようになってきたので、先週半ばぐらいから、来年の計画を立てはじめています。ばっちり見えているプロジェクトもあれば、これから少しテコ入れしていかなければならないプロジェクトもあります。

この機会にプロジェクト推進に関しての自分の考えをまとめ、ついでにいろいろな人からツッコミを頂きながら更にノウハウに磨きをかけていこうと思います。


■プロジェクト推進のツール

能力のある人だったら、Eメールだけで凄くいいマネジメントをするのだと思いますが、僕はそこまで自信がないので、ある程度ツールに頼るようにしています。

世の中にはいろいろなプロジェクト推進のためのツールがありますが、いろいろ試した結果、僕はGoogleSites に結局のところ落ち着きました(今のところ)。理由としては、

  1. 無料である
  2. ウェブベースのツールである
  3. Gmailは皆持ってる、あるいは簡単に取れるので、権限の管理が簡単。改変の履歴も残る。
  4. GoogleSpreadSheetsやカレンダーなどウェブベースのフリーツールと相性がいい
  5. 利用ユーザーが多く、継続的にブラッシュアップされる
  6. HTMLを用いてちょっとしたカスタマイズも可能

といったところなのですが、もう少し詳しく説明すると次のようになります。

・無料である。ってのは大事なことで、社外の様々な立場、組織に属する人とプロジェクトを進める場合、誰でも気軽に使うことが出来るツールじゃないと使ってもらえない。

・ウェブベースのツールじゃないと、インストールしたりするのがめんどくて使ってもらえない。

・権限の管理が簡単じゃないと使ってもらえない&権限の管理が出来ないと、情報共有ツールとして危険。

・Officeじゃなくて、原則SpreadSheetsやDocsを使ってドキュメントを管理するってのも大事なことで、紛失の恐れがなく、バージョンの違いによる使いにくさもなく、改変の履歴が残るのはステキ。

・継続的にブラッシュアップされるし、利用したことがある人は徐々に増えていくし、Googleだから当分はバージョンアップが中止になることもないだろう。

・ウェブに詳しい人がいれば、高度なカスタマイズも可能。

こんな感じになります。

■実際の使用例

実際の使用例はこんな感じ。プロジェクトメンバーのみが見ることの出来るサイトをつくり、共有します。
設定しておけば更新されたときに自動でメールが送られるので便利です。

sites


Sitesに載せる情報は多すぎると大変だし、少なすぎると見られなくなります。
僕がこれまでのプロジェクトでいつも盛りこむようにしている項目を洗い出しておきます。


0.写真など

載せておくと、なんとなく「このメンバーでプロジェクトを推進させるぞ!」というやる気につながります。


1.代表者の日報

これは実は凄く大事で、プロジェクトは最初は盛り上がるんだけど、あとでどうせメンバー全員のモチベーションが下がってきます。リーダーは調子がいいときは休んでいればいいんだけど、プロジェクトの立ち上げの時とか、困難にぶつかってメンバーのモチベーションが下がっている時とかは先頭に立って問題を解決したり、メンバー間のコミュニケーションの強化につとめたりしなければいけません。

その時に、リーダーが「動いているぞ」という姿勢を示したり、リーダーの考えを示したり、自然とリーダーに集まってくる情報を皆に共有することが大事になってくるので、僕はプロジェクトを円滑に進めるに、リーダーは頻度高く情報発信をしていくのがいいのではないかと思っています。


2.タスクリスト

まぁ、これはよくあるタスク管理表ですね。Sitesには標準でTodoリスト的なものもついてきますが、なんだったらSpreadSheetsなどで本格的なタスク管理表を作って、載せてもいいと思います。プロジェクトの進捗を測るのに効果的です。

会議のたびに作り直し、進捗を確認します。
終わったタスクは各自が更新するようにして、会議時間を短縮するよう努力します。


3.議事録(とアジェンダ)

一番大事なのがこの議事録とアジェンダ。会議の主催者がアジェンダをつくり、しっかりした議事録をつくる必要があります。代表者はもちろん、皆が最低限議事録には目を通し、コメントをつける(「了解」程度でもいいので)ようなルールを設けておくのもいいと思います。


4.ideabox

思いついたアイディアを放りこんでおく箱。ML等で運用しているのであれば、MLで投げるのもいいですが、自分で放りこんで自分で処理する。ぐらいの覚悟のほうが、利用出来る時間も能力も様々なメンバーが集まる「プロジェクト」では効果的です。誰かの協力が必要になる場合は思いついた人が、お願いする人に働きかける形で。

これはGoogleのプロジェクト・マネジメントの発想に近いかもしれません。


5.数値計画

僕が一番重要視しているのが、この数値計画ですね。
SpreadSheetsで作って(正確にはExcelで作ったあと、SpreadSheetsにアップロードしてます。)、Sitesに表示するように設定しています。権限のある人全員が閲覧できます。

売上でも、利益でも何でもいいのですが、とにかくプロジェクトの成功まで必要な予算や成果のマイルストーンを決め、会議のたびに確認します。

当初立てていた計画と、数値の実績が異なってくると、何かを見直したほうがいい。
というアラームなので、プロジェクトがうまくいっているかどうかはとにかくこの数値計画をもとに判断するようにしてます。

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あとは、スタッフのプロフィールや共通のスケジュール、共通のフォトアルバムなど載せておくと
、もっといいかもしれません。ファイル置き場や、プロジェクトのゴールや目的、ルールを書いたページも作っておきます。

枠をつくるだけなら、ここまで1時間もかからず出来ます。



■プロジェクト、その後

慣れてくると、プロジェクトの会議は全部このSitesの画面を見ながら出来るようになります。
プロジェクトに関する全ての資料やルールを、このSites上にまとめるのが適切だと思います。

いろいろな立場の人が集まるプロジェクトではありますが、1回限りのイベントなどではなく、継続的なビジネスにしうるものであれば、早いタイミングでリーダーが中心となって法人を立ち上げてしまったほうが、その後の管理は楽になると思います。出資配分によって責任者も明確になりますし。

サークル等であれば、長年にわたってこのSitesに蓄積された情報そのものが財産になるんでしょうね。僕が学生の時はこういうツールは全然なく、パソコンを使えるだけでスゴイ。みたいな感じでしたが、今大学でサークルやってる人たちは実はこれぐらいの管理をフツーにやってるんでしょうね。

ビジネスプランコンテストを主催したりする団体は確実にやってます。大学生恐るべし。

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あと、プロジェクトを推進しているときっちり時間をかけて貢献する人と、なんとなく参加しているだけの人がかならず出てきます。投下できる時間は人それぞれ違うので、出来る範囲で頑張り、他の人を責めないというのが基本のルールだとは思いますが、やるといったことは必ずやってもらう。ようにしないと多分、プロジェクト自体が崩壊します。何度かそのルールが破られた場合はプロジェクトメンバーの見直しもやむなしだと思います。

プロジェクトを推進することによって得られる報酬は3つあると思います。

ひとつは、プロジェクトそのものから得られる金銭的な報酬や満足。
ふたつめは、プロジェクトを成功に導いたという経験や実績。
みっつめは、プロジェクトの仲間から得られる信頼。

見落とされがちなのが、三つ目の報酬「仲間からの信頼」です。参加していただけのメンバーはこの報酬は得られません。それどころかマイナスになったりします。いったんプロジェクトが終了し、解散したあと、しっかりした信頼を得られていれば、近い将来新たなプロジェクトが他のメンバーから舞い込んできます。

実はそれが一番の財産ではないかと思うのです。