2022・1・12(水)青木涼子の「現代音楽×能 vol.9」
サントリーホール ブルーローズ 7時
能声楽家として活躍中の青木涼子が新作を委嘱して世界初演するこのシリーズは、2010年から続けられており、既に世界各国39名の作曲家たちから新作を受けている由。
彼女のステージには、以前にも「くちづけ」(☞2019年3月9日)や、アンサンブル・コンテンポランと共演した「二人静」(☞2021年8月22日)で接し、感銘を受けたことがあるので、今回はそのシリーズを初めて聴きに行ってみる。
今日は、シルヴィア・ボルゼッリの「旅人」、稲森安太己の「舞うもの尽くし二首」、ミケル・ウルキーザの「小さなツバメ」の3曲が、いずれも青木涼子の謡と上村文乃のチェロとの協演で演奏された。2曲目のみに、青木涼子の舞が入る。
なお演奏の他に、青木涼子自身による解説と、沼野雄司・桐朋学園大教授の解説、3人の作曲者による解説(外国人2人はラインで出演)、終演後には全員が出席しての質疑応答━━など盛り沢山。司会を飯田有抄、通訳を井上裕佳子が受け持っていた。
「現代音楽×能」というコンセプトは、20世紀以降の洋楽と、日本の古典芸能の音楽との組み合わせ、ということを意味するだろうが、洋楽にとっては「新しく加わった」能の音楽がすでに現代音楽の一部になり得る要素とも考えられるだろうし、この辺が興味深いところだろう。
今日の3作の中で、2人の外国人作曲家が能の音楽を「現代音楽」の中に取り込んでいたのに対し、日本人作曲家はその両者の区別を明確にした上で合体させるという形を(これらはあくまで大雑把に言えばの話だ)採っていたのが面白い。
ただ、青木にとっては「チェロ」はいわばゲストの立場にあるはずだろうが、今日の3曲ではそのゲストの方に花を持たせ過ぎていたような━━という印象もなくはない。
能声楽家として活躍中の青木涼子が新作を委嘱して世界初演するこのシリーズは、2010年から続けられており、既に世界各国39名の作曲家たちから新作を受けている由。
彼女のステージには、以前にも「くちづけ」(☞2019年3月9日)や、アンサンブル・コンテンポランと共演した「二人静」(☞2021年8月22日)で接し、感銘を受けたことがあるので、今回はそのシリーズを初めて聴きに行ってみる。
今日は、シルヴィア・ボルゼッリの「旅人」、稲森安太己の「舞うもの尽くし二首」、ミケル・ウルキーザの「小さなツバメ」の3曲が、いずれも青木涼子の謡と上村文乃のチェロとの協演で演奏された。2曲目のみに、青木涼子の舞が入る。
なお演奏の他に、青木涼子自身による解説と、沼野雄司・桐朋学園大教授の解説、3人の作曲者による解説(外国人2人はラインで出演)、終演後には全員が出席しての質疑応答━━など盛り沢山。司会を飯田有抄、通訳を井上裕佳子が受け持っていた。
「現代音楽×能」というコンセプトは、20世紀以降の洋楽と、日本の古典芸能の音楽との組み合わせ、ということを意味するだろうが、洋楽にとっては「新しく加わった」能の音楽がすでに現代音楽の一部になり得る要素とも考えられるだろうし、この辺が興味深いところだろう。
今日の3作の中で、2人の外国人作曲家が能の音楽を「現代音楽」の中に取り込んでいたのに対し、日本人作曲家はその両者の区別を明確にした上で合体させるという形を(これらはあくまで大雑把に言えばの話だ)採っていたのが面白い。
ただ、青木にとっては「チェロ」はいわばゲストの立場にあるはずだろうが、今日の3曲ではそのゲストの方に花を持たせ過ぎていたような━━という印象もなくはない。