グラディエーター(リドリー・スコット)

 (1と2両方ネタバレです。)先日2作目を観た時に、「あれ?マキシマスは復讐を遂げて妻と子の待つ故郷(安息の地)に還ったのではなかったかな、それからすると1作目の感動を棄損するような話だよな…」と思ったのですが、今回見返してみると、ギリギリそういうこともあったかもな、と取れる描写になっていて、2作目をひねり出した脚本家の技術に感心しました。とはいえ、この1作目でマキシマスのセリフとして(ルッシラの子ども=ルシアスが)私の息子と同じ年だ、と言っている箇所があって、えー、じゃあそれって最愛の妻と息子といいながら浮気してたということになるのでは?とやはりもやもやしました。まあ2作目をつくる前提じゃないからね。

 さて今作ですが、史劇スペクタクルとして隙のないつくりでとても面白かったです。特に剣闘士たちに指示を出して、圧倒的に不利な状況から逆転するところなど、将軍だったのは伊達じゃないということを説得力をもって示す場面がきっちりあって、こういうところが好きだったんだよな、と改めて思い出しました。そこからいくと2作目はやはりちょっと物足りなかったかな。

☆☆☆☆