春夏秋冬、季節ごとにお届けしております「手前みそ」企画。2024年秋も、ぜひお読みいただきたい「日経の本」を全力でご紹介してまいります。推し担当は、「日経の本」の作り手が30人以上も所属する日経BOOKSユニット第1編集部を率いる赤木裕介部長。聞き手は日経BOOKプラスの常陸佐矢佳編集長が務めます。そして当連載、これまでは【BOOK Selection】コラムに収録していましたが、読者のみなさんからのご好評を受け、このたび【手前みそですが、部長が全力でお薦めする「日経の本」 】という独立コラムになりました。引き続きのご愛読、よろしくお願い申し上げます。

読書の秋、到来! お薦めの「日経の本」、ズラリと取りそろえております
読書の秋、到来! お薦めの「日経の本」、ズラリと取りそろえております
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ビジネススキルをアップデート

赤木裕介(以下、赤木):せっかくの読書の秋。このチャンスに書籍で新しいビジネススキルを身に付けてみるのもいいかもしれません。まずは、コスパのよい文庫から、3タイトルをご紹介したいと思います。

 『 知的戦闘力を高める 独学の技法 』は、人気の山口周さんによる書籍です。「独学」についての知識を得ようとすると、たいていが「読書の方法」みたいな話になってしまって、あまり実務の役に立たない。「戦略」「インプット」「抽象化・構造化」「ストック」という4つのステップをたどることで、書名にある通り「戦闘力」として使いこなせるようになる、と本書は教えてくれます。むやみやたらに勉強に手を付けるより、戦略を立ててから効率的に学ぶべし、というのが、とても納得できる一冊です。

『知的戦闘力を高める 独学の技法』(山口周著)を読むと、見えてきます。なぜ戦略をしっかり立てるべきなのか
『知的戦闘力を高める 独学の技法』(山口周著)を読むと、見えてきます。なぜ戦略をしっかり立てるべきなのか
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常陸佐矢佳(以下、常陸):いくら本を読んで努力を重ねても、「戦略」が定まらないと説得力のあるアウトプットができないという指摘にはドキッとしました。「記憶に定着する効率のいい読書方法」を知っておくと、知識の蓄積に違いが出そうですよね。日経BOOKプラスでも書籍からの抜粋記事「 山口周 勉強する前に、まずは『独学の戦略』が必要 」「 山口周 記憶に定着する『効率のいい読書』、2つの方向性 」はどちらもよく読まれました。

赤木:日経プレミアシリーズ『 「指示通り」ができない人たち 』がベストセラーになった榎本博明さんによる『 ビジネス心理学大全 』は、職場のさまざまなモヤモヤの解消に役立つヒントを、心理学の視点から与えてくれる本です。「言い訳する社員への対応」「自信のない上司との付き合い方」といった、誰でも思い当たるコミュニケーションに関する不満や不安への対処法を教えてくれます。

『ビジネス心理学大全』(榎本博明著)で職場のさまざまな悩みやストレスをスッキリと。『「指示通り」ができない人たち』も、ぜひ
『ビジネス心理学大全』(榎本博明著)で職場のさまざまな悩みやストレスをスッキリと。『「指示通り」ができない人たち』も、ぜひ
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常陸:「言い訳の仕方で、その人のモチベーションが分かる」という指摘から、「言い訳されたこと」にがっかりするのではなく、そこから見えるチームメンバーの深層心理に着目するという視点を得られました。日経BOOKプラスでも「 すぐパニックになる人の特徴は? 『ワーキングメモリ』の問題 」「 仕事ができないのを環境のせいにする人への対処法 」「 心が折れすぎてしまう人たち レジリエンスを高める方法は? 」が好評でした。職場でのコミュニケーションやマネジメントに悩む人たちに刺さったようです。

赤木:次にご紹介するのも、そんなコミュニケーションに悩む方への一冊です。「怒ったときは6秒待つ」というライフハックは、みなさん聞いたことがあるでしょう。そんな「怒りの扱い方」をまとめたのが『 アンガーマネジメント大全 』です。怒りの感情が湧くことを否定するのではなく、伝え方を工夫することで、円滑なコミュニケーションに変えていくための方法を教えてくれます。仕事はもちろん、円満な家庭生活のためにも応用できる内容です。

思わず大激怒! そんな自分をどうコントロールすればいいのか。『アンガーマネジメント大全』(戸田久実著)が頼りになります(写真はイメージです)
思わず大激怒! そんな自分をどうコントロールすればいいのか。『アンガーマネジメント大全』(戸田久実著)が頼りになります(写真はイメージです)
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常陸:「6秒待つ」、これがいざとなると意外と難しいんですよね。「ここで折れちゃダメだ」「引っ込んだら終わり」といった気持ちが湧いてきて、平常心が試されます。「 相手に不満を感じたら、『叱る』のではなく『リクエスト』する 」はそんなときに思い出したい記事で、担当したデスクも「これはいい提案ですね!」と絶賛していました。

赤木:さて、2024年も残すところ2カ月ほどになってしまいましたが、みなさん、年初に立てた目標は達成できたでしょうか。私を含め「あ、まずい」と思った方は多いことでしょう。そんな小さな後悔をなくすための方法について教えてくれるのが『 努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学 』です。

 多くの人間は、サボりがちで、かつそのことにいろいろと言い訳をしてしまう悲しい生き物です。本書では、行動経済学で有名な「ナッジ」の理論なども使いながら、「努力」というものの正体を明らかにし、なるべく意志の力に頼らずに継続できる考え方を教えてくれます。とてもライトなタッチで分かりやすく書かれていますので、明日からやってみようかな、という気にさせてくれること、請け合いです。

常陸:『努力は仕組み化できる』は日経BOOKプラスの連載「 『努力できる』は才能か?<努力の行動経済学> 」を中心にまとめた書籍で、サイトとしては初の“デジタルファースト本”なんですよ。こんなすてきな一冊に仕上がって、増刷も重ねてうれしいです!

『努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学』(山根承子著)は日経BOOKプラスの人気連載から生まれました
『努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学』(山根承子著)は日経BOOKプラスの人気連載から生まれました
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 この本を担当した書籍編集者2人による体験記「 『努力の仕組み化』に挑戦 楽器の反復練習は毎日続けられたのか? 」「 『努力の仕組み化』に挑戦 三日坊主でも日記を続けられるコツとは 」も興味深いので読んでみてくださいね。あ、レオス・キャピタルワークス社長の藤野英人さんによる書評「 “根性に頼らない努力”をする力が欲しい方、必読です 」もぜひ。推しが止まらなくてすみません!

赤木:日経BOOKプラスも始まって2年以上になり、いろいろなコンテンツが蓄積されてきましたよね。読者のみなさんに改めて感謝です!

 続いては、人気の「ベストセラー100冊」シリーズの最新作、『 「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 』です。担当編集者が数えてみたところ、本書で取り上げられているベストセラー書籍の発行部数の合計は、1000万部を優に超えるとのこと。それだけの知恵をコンパクトな一冊にまとめているのですから、コスパ最高!と言わざるを得ません。

『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(藤吉豊、小川真理子著)。大人気「100冊」シリーズの5作目です
『「時間術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(藤吉豊、小川真理子著)。大人気「100冊」シリーズの5作目です
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 「優先順位をちゃんとつける」「大事なことほど朝にやる」などのコツが書かれていますが、私のお気に入りは「午後のスタミナ切れは昼寝で防ぐ」。これからも、知らぬ間にメンバーに加えられたような不可思議なオンライン会議などは画像をオフにして積極的に寝ていこう…いや次の仕事のために英気を養おうと思います。

常陸:では私もそうします(笑)。著者の藤吉豊さんには2022年の日経BOOKプラス創刊イベントにご登壇いただき、その際、共著者の小川真理子さんにもお目にかかることができました。穏やかな語り口のお二方がとんでもないインプット量から編み出す大人気の100冊シリーズは「文章術」「話し方」「勉強法」「お金の増やし方」に続いて5冊目ですね。今回は「時間術」がテーマということで、気になる方も多いのではないでしょうか。日経BOOKプラスでも「 『100冊の知恵』本当に正しい“ToDoリスト”の活用法 」をはじめ、「時間」の使い方のうまい人たちに共通する「時間管理ツール」を紹介しています。

世の中の仕組みを知る

赤木:難しそうな経済についての疑問に日経記者がスパッと答えてくれるのが『 Q&A日本経済のニュースがわかる! 2025年版 』です。時事ニュースを押さえておきたい就活生や若手ビジネスパーソンにとって頼りになる本ですが、私のようなおじさんでも「GPU(画像処理半導体)、あーあれはね」なんて知ったかぶりできる、素晴らしい一冊です。

 景気はどうなる? 給料はこれからも上がる? 将来、年金はもらえる?といった素朴な疑問にしっかり答えてくれます。1項目5ページですぐに読めるので、知りたいところだけ拾い読みするのもいいかもしれません。

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『Q&A日本経済のニュースがわかる! 2025年版』(日本経済新聞社編)。例えば「GPU」の仕組みとスゴさが一目で「あ~なるほど!」
『Q&A日本経済のニュースがわかる! 2025年版』(日本経済新聞社編)。例えば「GPU」の仕組みとスゴさが一目で「あ~なるほど!」
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常陸:若手の編集者2人が担当した本ですね! 新人だけではなく、中堅もベテラン社員も、実はよく知らない経済用語や事象ってありますよね。この本を手元に置いて、辞書的に使ってもよさそうです。日経BOOKプラスに掲載した抜粋記事「 日経記者に聞く、『大阪・関西万博』の経済効果と影響は? 」や「 日経記者に聞く、国内の不動産価格はなぜ高騰しているのか? 」は取っ掛かりとしてもお薦めです。

赤木:同じく、日経記者が経済の最先端情報を分かりやすく教えてくれるのが『 日経業界地図 2025年版 』です。こちらは、さまざまな業界の勢力図とその動向を解説した定番書籍です。もちろん、関心のある業界を探してじっくり読む、というのもいいのですが、索引からたどる読み方もお勧めです。

 例えば「パナソニック(ホールディングス)」。索引を見ると、16個のページ番号が入っています。つまり、これだけ多くの業界に関わっている、ということがすぐに分かります。「パナソニック○○」と付いている関連会社も含めると、業界数はさらに増えます。それらの業界を、その企業を中心に眺めることで、戦略や競争の様子が違った角度から見えてきます。新聞やニュースなどで気になる企業が出てきたら、業界地図の索引から探してみる、という読み方を、ぜひお試しください。

『日経業界地図 2025年版』(日本経済新聞社編)。例えば「パナソニック」のつながりも競合も、立体的に捉えることができます
『日経業界地図 2025年版』(日本経済新聞社編)。例えば「パナソニック」のつながりも競合も、立体的に捉えることができます
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常陸:この時期恒例の人気シリーズですが、初刊行は2004年と20年以上の歴史があるんですよね。本書の活用法について聞いた記事「 上田晶美 業界や企業への視野が広がる 就活に効く『日経業界地図』 」や「 KPMGコンサルティング 『日経業界地図』で各業界を事前リサーチ 」を読むと、ビジネスパーソンや就活生、転職希望者などから信頼され続けてきた理由が伝わってきます。

赤木:次にご紹介するのが、意外と知らない驚きの事実を教えてくれる一冊です。2023年末時点で、在日中国人は約82万人だそうです。これは山梨県や佐賀県の人口に匹敵します。東京都では約25万人で、こちらも港区や渋谷区の夜間人口と大差ありません。大勢の中国人が彼らだけの経済圏を形成している、その知られざる実態を描くのが日経プレミアシリーズ『 日本のなかの中国 』です。

在日中国人82万人。その知られざる、そして変わりゆくコミュニティーの実態が垣間見えます。『日本のなかの中国』(中島恵著)
在日中国人82万人。その知られざる、そして変わりゆくコミュニティーの実態が垣間見えます。『日本のなかの中国』(中島恵著)
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 中国人のコミュニティー内を中心に行動している人も多く、日本人との交流があまりない。使うSNSも日本人とは異なるため、日本人もあまり在日中国人について知らない。同じ国に住んでいながら起きるすれ違いを、深刻になりすぎない柔らかなトーンで伝えてくれるのが本書です。これからますます多様になる日本社会で暮らす我々にとって、ぜひ知っておきたい事実がたくさん入った一冊です。

常陸:この本、ページをめくるごとに驚きの連続でした。在日中国人の受験のリアルを伝える「 日本人が知らない在日中国人『受験情報SNS』 日本メディアは不要 」や、中国人富豪の実態を取材した「 中国人富豪“新・新華僑”が続々と日本に移住も『憧れはない』 」など、ジャーナリスト・中島恵さんのルポはどれも読み応えがあります。読者からも大反響で、公開から長く読まれています。

赤木:自動車業界では、ソフトウエアで自動車の機能をアップデートするソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)が話題になっています。あらゆる企業でハードからソフトへの転換が進み、本当の意味でのDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められるようになりました。ソフトウエアで新たな価値を生み出そうとする企業と、そうでない企業との差は、ますます開きつつあるようです。

 とはいえ、とりあえずDXと名の付く部門だけつくって「形だけの改革」「丸投げの開発」「問題の先送り」をやっている会社、まだまだ多いのではないでしょうか。ソフトウエアを「手の内化」して、本当の意味でのDXを成功させる方法を解説したのが『 ソフトウェアファースト第2版 あらゆるビジネスを一変させる最強戦略 』です。初版もデジタル化に後れる多くの日本企業に刺激を与えてくれましたが、第2版ではさらにパワーアップした内容になっています。

『ソフトウェアファースト第2版 あらゆるビジネスを一変させる最強戦略』(及川卓也著)。本気の開発、本気の改革を目指すあなたに
『ソフトウェアファースト第2版 あらゆるビジネスを一変させる最強戦略』(及川卓也著)。本気の開発、本気の改革を目指すあなたに
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常陸:著者の及川卓也さんは、グーグルやマイクロソフトで活躍してきた著名エンジニアですよね。その及川さんが本書に込めた思いをつづった「おわりに」には胸を打たれました。「 なぜ今『ソフトウェアファースト第2版』が必要なのか 」として掲載しています。大きな話題を呼んだ第1版は2019年の刊行ですが、5年をへて第2版を執筆した理由を記した序文「 はじめに:『ソフトウェアファースト第2版 あらゆるビジネスを一変させる最強戦略』 」とともに、とてもよく読まれました。

緊迫化する世界の様子を捉える

赤木:レバノンでポケベルなどの通信機器が爆弾になった、というニュースには、本当に驚かされました。テクノロジーがこれまでにない使われ方をして、脅威になる。『 THE COMING WAVE AIを封じ込めよ DeepMind創業者の警告 』は、そんな未来に警鐘を鳴らす書籍です。本書ではAIに限らず、「武器をもったロボット」「研究所からの意図せざる生物兵器の漏洩」など、思わず背筋が寒くなる話がたくさん出てきます。

 人類はこれまで多くのテクノロジーの暴走を封じ込めることができなかった。AIが人間より賢い知性となれば、ヒトは動物園のゴリラのように支配されかねないなど、極めて強い危機感をもって書かれています。著者はアルファ碁で世界を驚かせた「DeepMind」の共同創業者であり、テクノロジーの可能性と危険性を熟知しています。先端技術が急激な進化を遂げる今だからこそ読んでおきたい本です。

『THE COMING WAVE AIを封じ込めよ DeepMind創業者の警告』(ムスタファ・スレイマン、マイケル・バスカー著、上杉隼人訳)。今ここにある危機から目をそらさず、考える
『THE COMING WAVE AIを封じ込めよ DeepMind創業者の警告』(ムスタファ・スレイマン、マイケル・バスカー著、上杉隼人訳)。今ここにある危機から目をそらさず、考える
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常陸:人間が生み出したAIの知性との戦いですね。「タンパク質の折り畳み」という科学界最大の難問の一つを解決した「AlphaFold2」については「 ノーベル賞受賞のAlphaFold2は、合成生命の時代を切り開いた 」を、AI研究の一大ブレイクスルーとなった「AlexNet」については「 ノーベル賞を受賞したAI研究は、世界を飲み込みつつある 」を読むと、理解の糸口がつかめます。「 ハチ型の超小型攻撃ロボットが炭疽(たんそ)菌をばらまく日 」では、新しいテクノロジーがもたらす負の側面に震えました。自律型致死兵器はここまで進んでいるのですね。

赤木:本当に、先端技術の進歩には驚かされるばかりです。一方で、戦争における人間集団の行動というのは、そうそう変わるわけではないようです。続いてご紹介するのが、戦略論のバイブルとも言われているカール・フォン・クラウゼヴィッツの『 全訳 戦争論 』。上下巻で計850ページを超える大著です。ナポレオンの時代に書かれた古典ですが、難解で「読まれざる名著」とさえ言われていた同書を、全面的に分かりやすい日本語で訳し直しています。

『全訳 戦争論 (上・下)』(カール・フォン・クラウゼヴィッツ著、加藤秀治郎訳)。名著待望、全訳を新訳で。大迫力の計872ページ
『全訳 戦争論 (上・下)』(カール・フォン・クラウゼヴィッツ著、加藤秀治郎訳)。名著待望、全訳を新訳で。大迫力の計872ページ
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 戦争とは何か、どうやってエスカレーションし、停止するのはどういう条件がそろった場合か、などを理解しておくのは、緊張感を増す国際情勢を読み解く上でも大切になります。この機会にぜひ一度、チャレンジしてみてはどうでしょうか。

常陸:既訳に比べてかなり読みやすくなったということで、パレスチナのガザ地区やウクライナが戦禍にある今、戦争を深く知る上で挑戦に値する一冊です。「 はじめに:クラウゼヴィッツ『全訳 戦争論』 」では、「著者〔クラウゼヴィッツ〕序」が読めます。

赤木:さて、最後にちょっと変わった「一冊」を。『 日めくりカレンダー 毎朝1分の整える習慣 』です。シリーズ40万部のベストセラーとなった『整える習慣』から、名言をピックアップし、カレンダーにしました。毎朝これを眺めて、心地よい一日のスタートを切ってみてください。

『日めくりカレンダー 毎朝1分の整える習慣』(小林弘幸著)。お気づきでしょうか…部長が「整いました! …あかぎっちです!」のポーズをしております
『日めくりカレンダー 毎朝1分の整える習慣』(小林弘幸著)。お気づきでしょうか…部長が「整いました! …あかぎっちです!」のポーズをしております
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常陸:どうしようもなく疲れたときにめくると、シンプルだけど心に染みるメッセージが目に飛び込んできます。「 はじめに:『日めくりカレンダー 毎朝1分の整える習慣』 」にもあるヒント「とにかく『10分』やってみる」は、作業をつい後回しにしてしまうときに実践するようにしています。今年も気が付くと残り2カ月ちょっとですが、眺めるだけで自律神経が整う言葉、美しいビジュアルのカレンダーをパートナーに年内を乗り切りましょう!

長かった夏が終わり、ほっと一息。秋の夜長の読書のお供に「日経の本」をどうぞ
長かった夏が終わり、ほっと一息。秋の夜長の読書のお供に「日経の本」をどうぞ
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写真=長野洋子 構成=坂巻正伸 (日経BOOKプラス 手前みそ班)