「努力しようとしても挫折しがちで、数日やったらエネルギーが切れてしまうような、普通の人に読んでほしい。95%くらいの人は努力が継続できないはずですから」と語る、投資信託「ひふみ」シリーズを運用するレオス・キャピタルワークス会長兼社長の藤野英人さん。よい相場でも悪い相場でも、継続して市場を見つめて努力をし続けてきた藤野さんが、『 努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学 』(山根承子著、日経BP)の魅力を紹介します。
努力が継続できない「普通の人」のための本
「努力」っていう字を見ると「力」が2つも入っている。いやあ文字からして力が入っているなあと思います。 努力が大事だというけど、継続は本当に難しい。継続は力なりとかいうけれども(ここでもまた力とかいっている!)、その継続が難しいのよ。力を継続できないの。どうしたらいいの?
そんなあなたに、行動経済学のプロの山根承子さんが科学的に寄り添ってくれるのが、この本です。努力しないで努力する方法? いやあ自己矛盾でしょ、と思いつつ読み進めると、ああこれなら続くかもしれないと思わされます。山根さんは、根性いっぱいのスーパーマンを前提に語っていません。挫折しがちで数日やったらエネルギーが切れてしまうような、普通の人目線で語ってくれています。
そうそう、こういう本が欲しかったのだ。私は若いときに根性をフル活用して努力をしたほうだと思うけれども、この仕組み化の方法があったらもっと楽ができたと思います。
私自身、投資の仕事をしていて、よい相場でも悪い相場でも、継続して市場を見つめて努力をし続けることの重要性を感じています。また投資家としての経験を重ねる中で、努力をしても結果がすぐに表れない場合が多いことを理解しています。本書は、努力を仕組み化し、そのプロセスを楽しむことが、人生やビジネスで成功するために不可欠なんだと教えてくれています。根性に頼らない努力をする力が欲しい方、必読です。