◇吉井－上州一ノ宮、１往復２本のみに 上信電鉄は、貫前神社（富岡市）への二年参り客向け臨時電車の全線運行（高崎－下仁田）を、今年の大晦日（おおみそか）から中止することを決めた。利用客の激減によるもので、比較的乗降客のいる吉井－上州一ノ宮間のみ１往復２本運行する。 二年参り向けの臨時電車は０４年正月まで５往復１０本を運転していた。同神社最寄りの上州一ノ宮駅では９２年に約１０００人の降車客がいたが、９８年には５００人と半減、その後も減り続けた。同電鉄は運行本数を０５年に４往復、０６年からは２往復に減らして対応。今年の正月は運行が１往復となり降車客が約６０人まで落ち込んだ。このため、同電鉄は全線運行を中止することにしたという。 同電鉄の小島博運輸課長は「自動車利用が増えたうえ、二年参りをする人自体が減っている。時代の流れとはいえ寂しい」と話す。 同電鉄は初詣でや買い物客用臨時電車は１月１～３日の

堺市の中心部で計画されていた次世代型路面電車（ＬＲＴ）をめぐり、経営予定者に決まっていた阪堺電気軌道（大阪市）の山本拓郎社長と、中止を表明している竹山修身市長が２８日、堺市役所で初めて顔を合わせる。中止の場合には、ＬＲＴと一体的に整備・運営する方向で協議していた同社の阪堺線の堺市区間（７．９キロ）の存続が焦点となり、堺市が具体的な支援策を提示するかが注目される。　ＬＲＴ計画は堺市が南海高野線堺東駅−同本線堺駅（１．７キロ）を新設し、阪堺線の堺市区間（浜寺駅前−我孫子道）と一体的に低床型のＬＲＴとして整備する方向で協議していた。阪堺線の鉄道設備を市に譲渡、土地も貸与して、運営を同社が担当する「公有民営」方式で基本的に合意ができつつあったという。　ところが９月の堺市長選で初当選した竹山市長がＬＲＴ事業の中止を明言。市議会ではＬＲＴ関連予算の削減を盛り込んだ一般会計補正予算案が否決されるなど混乱

整備新幹線の未着工区間が、来年度にも新規着工される可能性が出てきた。 国土交通省が、参院選後の来年夏までに費用対効果を検討し、着工の可否と優先順位を判断する新たな方針を打ち出した。財源は、来年度予算の整備新幹線関連事業費から捻出（ねんしゅつ）する。 北海道新幹線・新函館−札幌間の建設を具体化する好機ととらえたい。道や経済界は、札幌延伸の優位性を国にアピールし、早期着工をたぐり寄せてもらいたい。 前原誠司国交相は、来年度着工を「白紙」にする方針だった。この変更には、与党の声が大きくものを言った面もある。 だが、整備新幹線の建設は、国が責任を持って進めるべき事業である。この原点を忘れてはならない。 国交省は年明けから事業認可に向けた協議を関係自治体などと開始する。未着工区間を抱える自治体間で激しい誘致合戦が予想される。 とりわけ札幌延伸は建設距離が長く、費用は１兆円を超える。不利をはね返すため

来年３月１１日予定の茨城空港開港に合わせ、鹿島鉄道の石岡駅（石岡市）－常陸小川駅（小美玉市）間で両市が推進中のかしてつ跡地のバス専用道が、計画の遅れにより、空港開港に間に合わないことが確実となった。あおりで、同専用道を使った空港直通バスの運行計画も全く進まず。国内線の就航めどが立たない同空港は、ＪＲから空港へのアクセスでも出はなをくじかれ、見切り発車を余儀なくされそうだ。【橋口正】 毎日新聞の取材に久保田健一郎石岡市長は、空港開港前のバス専用道開通は困難との見方を示したうえで「市民の足としての期待が高いだけに、できる限り早急に実現させたい」と語った。市長によると計画遅れは「交通安全対策で調整に時間がかかっている」ことが最大の要因という。 先月１１日に行われた「かしてつ沿線地域公共交通戦略会議」（座長・石田東生筑波大大学院教授）の第４回協議会では、一般道との交差点に設けられるゲートの運用や、

１０月に行われた川崎市長選で３選を果たした阿部孝夫市長。選挙は無所属４人の激戦となったが、行政改革で財政を健全化するなどした阿部市長の安定した手腕を市民が評価した格好となった。　選挙の大きな争点となったのが、阿部市長が一貫して主張する市の南北を結ぶ川崎縦貫高速鉄道線（市営地下鉄）建設の是非。地下鉄整備は市財政を圧迫する懸念が指摘されており、市長選でも４候補のうち阿部市長が唯一の推進派だった。　「派手なパフォーマンスはなく、手堅い」と評される阿部市長。事業費４０００億円を超える大型プロジェクトの推進にこだわる背景には、電気自動車（ＥＶ）などに使われるリチウムイオン電池を取り入れた「電池電車」の採用で建設コストの大幅削減を実現する見通しを立てていることがある。　電池電車はリチウムイオン電池を動力源にして、架線を使わずに走ることができる。このため、トンネルを通常の地下鉄より狭くすることが可能で、

初詣では列車でゆったりと―。新年を控え、ＪＲなど鉄道各社が便利な切符や臨時列車をＰＲしている。鉄道をうまく利用し、岡山、倉敷から足を延ばす初詣での一端を紹介する。 ＜西日本編＞ ＪＲ西日本は元日に限り、管内と智頭急行線全線に乗り放題の「元日・乗り放題きっぷ」（大人１万４千円、同グリーン車用１万７千円、子どもは半額）を販売中。山陽新幹線を含むすべての特急列車に乗車できる。岡山、倉敷駅からは京阪神はじめ北陸、北九州地区の神社仏閣巡りを楽しむことも可能。春日大社（奈良県）や出雲大社（島根県）など１０社寺でおみくじ授与といった特典もある。「日帰りという制約はあるが、乗れば乗るほどお得な切符でゆったりとした旅を」と同社。発売は３０日まで主な駅や旅行センターで。 県内は沿線に最上稲荷、吉備津神社、吉備津彦神社がある吉備線に元日の午前０時１５分岡山駅発から１時間おきに計５本、備中高松駅方面へ臨時列車を運