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長く足立区で小学校の先生を勤めた絹田幸恵は、あるとき社会科の授業で、近くを流れる荒川放水路(現在... 長く足立区で小学校の先生を勤めた絹田幸恵は、あるとき社会科の授業で、近くを流れる荒川放水路(現在の名称は、荒川)は、人が掘った人工の川だと教えたとき、「うそだぁ。あんな大きな川、人間が掘れるはずないよ」「どうやって掘ったの」「なんで川を掘ったの」「この川どっちに流れてんの」、、つぎつぎ噴出す子どもたちの素朴な疑問に十分に答えることができなかった。子どもたちを納得させられるような放水路についての詳細な資料は、探したけれど見つからなかった。 絹田は、それではと、自力で放水路の歴史を調べ始めた。夏休みごとに放水路の近くの昔からの家を訪ね、話を聞き、また、荒川や利根川の工事事務所に行き、多数の聞き書きと写真と資料を集めた。それらは、スライドや台本にまとめられて授業で使われた。 絹田は、いよいよ小学校を退職するというときに、これらの資料を一冊の本にまとめて出版することにした。題して『荒川放水路物語』
2013/08/13 リンク