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白猫夢 あとがき


    Index ~作品もくじ~

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    シュウ「さて、ようやく『白猫夢』が終わりましたー。
        と言うわけで黄輪さん、恒例のアレ、即ちあとがきインタビューのコーナーですよー」


    ――まず質問させ……

    シュウ「はいちなみに! わたしはインタビュアーのシュウと申しますー。
        そう何回も同じ質問はさせませんよー?」


    ――それは残念。恒例の挨拶にしようかと思ったんですが。
       と言うか、シュウさんはもしかしたら、読者の皆さんに忘れられてるんじゃないかって気がします。
       改めて詳しく説明しておいた方がいいんじゃないでしょうか?

    シュウ「それは黄輪さんのせいです。
        前回の登場から3年半も『白猫夢』の連載を続けちゃったからですよ、もう!」


    ――うーん耳が痛い。ともかくもう一度、このコーナーのことも含めて簡単に説明をば。
       このコーナーは長編「双月千年世界」が一つ終わるごとに設けている、
       重要キャラを交えたインタビューの形式を取った、あとがきとなります。
       「シュウさん」ことシュウ・メイスンは、このインタビューの司会を担当してくれるキャラです。

    シュウ「ご紹介ありがとうございますー。
        それでは早速、第1回のゲストさんの紹介ですー。
        まずは今作を通して主人公の皆さんを見守ってきた『黄家の守り神』、克渾沌さんにお越しいただきましたー」


    渾沌「こんにちは」

    ――こんにちは。今回も拙作にて活躍していただき、本当にありがとうございました。

    渾沌「そうね。インタビューも2回目だし。わたしのこと、使い回し過ぎでしょ」

    ――いやいや、これは物語の展開上、どうしても必要だったもんで。
       ご周知の通り、今作はころころ主人公が代わりました。はじめは秋也、続いて月乃ことルナ、そして葵と葛。
       この全員に関わるキーパーソンがいないと、同じ話として成立させるのが難しくなってしまうので……。

    シュウ「まあ、確かに同じドラマやマンガで、
        登場人物が一人残らず全員入れ替わるコトなんて無いですもんね」


    ――例えば渾沌さんがまったく話に関わってこない、登場しないとなると、
       前編における秋也の活躍と月乃の遍歴、
       そして後編における葵と葛の戦いをつないでくれる人がいなくなってしまいます。
       そうなると同じ「白猫夢」じゃなく、別々の物語になってしまうわけで。

    渾沌「それが何かまずいの?
       分けておけば、シュウさんだって登場回数がもう一回増えて、お得でしょうに」


    シュウ「渾沌さんの言う通りですよー。
        2つに分けとけばわたし、3年も放って置かれるコトも無かったんですよー?」


    ――それにも、ちゃんと理由があります。
       今作は「白猫と言う強大な存在に、いかにして立ち向かっていくか」をテーマにしています。
       だからこその「白猫夢」と言うタイトルなわけで。
       前編は秋也のような「ごく一般的な人間」が誘惑されて、それを打ち払っていく話。
       そして後編は、葵のような「並外れた力を持つ人間」が強大な存在と手を組むことで現れる、
       とてつもない脅威を打ち砕いていく話なんです。
       以前にも自分がどこかで言っていたと思いますが、
       昨今流行りの「最強勇者が圧倒的能力をちょっと使って敵を片っ端から打ち砕いていく」と言った、
       半世紀前のアメコミヒーローみたいな話より、
       「強大な存在に敢然と立ち向かい、全力を尽くして勝利を手にする」と言った、
       四半世紀前のジャパニメーションの方が好きなんです。
       白猫と言う一つの強敵に対して、色んなアプローチでその目論見を打ち砕いていく。
       そう言う話を書くためには、どうしても主人公が複数必要でした。

    渾沌「ルナの話はどうなのよ?
       前編の秋也の話にも、後編の葵たちの話にも該当しないじゃない。
       そもそも秋也や葵たちと違って、白猫と直接戦ってないわよ、ルナは」


    ――それについては次回、第2回で。彼女本人も交えて話すこととします。

    シュウ「そろそろお時間が来てしまいました。また次回、お会いしましょう! さよならー」
    「白猫夢」あとがき ①主人公たちをつなぐ
    »»  2016.01.18.
    シュウ「あとがきインタビュー、第2回のはじまりですー。
        本日のゲストは、黄輪さんが『思わぬ活躍をした』とうならせたダークホース、
        黄月乃ことルナ・フラウスさんですー」


    ルナ「どーも」

    シュウ「事後確認になっちゃいましたが、
        お名前はルナさんでよろしかったでしょうか?」


    ルナ「ええ。実際、今作で名前呼ばれた回数は『月乃』や『マロン』より、
       『ルナ』の方が圧倒的に多いしね。
       って言うか今、聞き捨てならないことを聞いた気がするんだけど」


    シュウ「なんでしょう?」

    ルナ「あたし、まさか黄輪さんから期待されてなかったの? 『思わぬ活躍』って……」

    ――えーと、まあ、……はい。

    ルナ「なんでよ? 自分で言うのもなんだけど、あたし、かなり頑張ったと思うんだけど」

    ――ええ。その点は本当に、僕が当初予定していた以上の、獅子奮迅の大活躍を見せてくれました。
       それはもう、当初考えていたシナリオの後半部分を、半分近く変更・修正しなければならなかったほど。
       「蒼天剣」における小鈴さん以上の大化けっぷりでした。

    ルナ「ちなみに元々のシナリオだと、あたしはどこまで出番がある予定だったの?」

    ――第4部で晴奈か雪乃に討たれる予定でした。

    ルナ「早っ!? しかもあたし、殺されるの!? その上母さんか雪乃先生に!?」

    ――ただ、作中で最初に雪乃に出会ったタイミング(白猫夢・逐雪抄)だとあまりにも早過ぎますし、
       そこでは気絶程度に抑え、生かすことにしました。
       その後の話の展開上、晴奈たちと会う機会も無くなってしまい、その結果、まんまと生き延びました。

    ルナ「生き残ってほしくなかったみたいな言い方するわね」

    ――いやいや、おかげで後半は非常に助かりました。各所各所で姉御肌と母性を発揮してくれたので、
       色んなキャラとの親和性が非常に高く、絡ませやすかったです。
       後半はかなりキャラの登場数が多かったんですが、ルナさんを中心として「フェニックス」ができたおかげで、
       敵となる白猫党に対して、明確に味方陣営としてまとめることができ、物語を円滑に進められました。
       恐らくルナさんや「フェニックス」が無ければ、葛は最悪、単騎で葵に挑む羽目になっていたかも知れません。

    シュウ「なんという無理ゲー……」

    ルナ「勝てそうにないわね、確かに。
       仮に勝たせるとしたら、相当ご都合主義に走らないと駄目なんじゃない?」


    ――仰る通り。そうなっちゃうと、以前のあとがきで言っていた「リアリティ」なんて、
       完全にブッ飛んでしまっていたでしょうね。
       それに、その展開だと恐らく、葵のことを相当悲惨な境遇に追い込み、
       かつ、残念な性格で描写しなければならなかったと思います。
       となるとあのエンディングに至ることはまず、あり得なかったでしょう。
       今作、渾沌さんとルナさんと、あと天狐ちゃん・一聖ちゃんペアがいなければ、
       「白猫夢」はただ殺伐とした、無味乾燥でパッサパサの物語になっていたかも知れません。
       同時に、話量が2倍近く増えた主原因でもありますが。

    シュウ「そ、そう言われると素直に喜べないような。(わたしの出番……ゴニョゴニョ)」

    ――とは言え、今後の作品でも出せるなら出したいキャラです。
       そう言う構想も今のところ、無くはないですし。

    ルナ「期待してるわ」

    シュウ「あれあれ? もう次回作のお話ですか?」

    ――いえ、その話はまだ後で。
       とりあえず今回は、こんなところですかね。

    シュウ「はいー、お疲れ様です。
        次回は、双子よりそっくりなあの人たちにスポットを当てます。お楽しみにー」
    「白猫夢」あとがき ②大化けしたルナ
    »»  2016.01.19.
    シュウ「と言うわけで、あとがきインタビュー第3回!
        今回はこの方たちにお越しいただきました! 見た目は別物、中身は一緒!
        その名も天狐ちゃんと一聖ちゃんです!」


    天狐「おーっす」
    一聖「よろしくなー」

    シュウ「よろしくお願いしますー。
        ところで今、さらっと紹介させていただいたんですけど、お二人は同じ人格なんですよね?」


    一聖「おう。人格に限らず、実は遺伝子とかもほぼ同じなんだぜ。違いは体型と種族だけだ」

    シュウ「体型?」

    天狐「コイツ、自分の理想をオレに盛り込みやがったんだよ。
       麒麟の姉さんみたく、スレンダーで中性的な感じにしたいっつって。
       いくらなんでもぺったんこ過ぎだっつの」


    シュウ「言われてみると、カズセちゃんの方はもうちょっと、メリハリがあるような」

    一聖「まーな。流石にちっと削り過ぎたかなーとは思ってるけど。
       直したきゃ勝手に直していいぜ?」


    天狐「んー、別に? 正直、ブラいらねーから楽」

    一聖「いや付けろよ。女の子のたしなみだろーが」

    シュウ「あのー?」

    一聖「ん?」
    天狐「どした?」

    シュウ「お二人って、本当に同じ人格なんですか?」

    一聖「そうだよ」
    天狐「何度も言わせんな」

    シュウ「でも何か、ビミョーに違わなくないですか?」

    天狐「そりゃそうだろ」
    一聖「な、黄輪さんよ?」

    ――あー、やっと自分の話す番が回ってきた。
       この二人をしゃべらせると延々、話が続くんですよね。(何回これで尺を稼いだことか……)
       まあ、ともかくとして。
       自分の考えとしては、例えまったく同じ性別、同じ性格、同じ年齢、……と言うように、
       その人を形成する情報が何もかも一致する人間が2人いたとしても、
       その2人が寸分違わず思考が一致することは、決して無いだろうと考えています。
       2つの物質がまったく同時に、1ミクロンも違わず同じ位相を占めることはできないですし、
       体が2つあれば同じ場所に重なることは現実的に、まったくあり得ません。
       ちょっと古い3Dゲームなら起こるかも知れませんが。

    シュウ「つまり……?」

    ――位置に違いがある以上、それぞれが取得する情報の質と量は必ず異なるだろう、と言うことです。
       現実的に例えるなら、昨日までまったく同じように育った双子がいたとしても、
       それぞれが明日、冬のニューヨークと夏のインドに1日でも滞在したら、
       まったく話が噛み合わなくなるだろう、と言う感じですね。

    シュウ「分かったような、分からないような。
        そもそもコレって何の話なんでしょうか……?」


    天狐「コイツが言いたいのは、その拡大解釈だ。
       つまり別の章、別の物語に同じキャラが出たとしても、
       言うコトが違うかも知れねーってコトだろ?」


    ――まあ、そんなところです。
       実際、現実における人間であっても、10歳の頃と30歳の頃とでは考えることは違うでしょうし、
       寒いニューヨークを旅行した時と、暑いインドを旅行した時とでは、
       同じ「旅行をした」と言う体験であっても、抱く感想はまるで違うはずです。
       だからいつか、例えば克一門が全盛期だった頃の物語を書くようなことがあれば、
       そこにいる麒麟は「白猫夢」のようにゲスじゃないかも知れませんし、
       一聖ちゃんはもっと女の子っぽい言葉遣いをしてるかも知れません。

    一聖「あ、なるほど。お前さん、言い訳したいんだな?」

    ――え。

    天狐「『蒼天剣』の頃と『白猫夢』とで、白猫の性格が違い過ぎんだろってコトだよ。
       特に『蒼天剣』第8部最後のシーンと『白猫夢』第10部はじめのド外道発言とじゃ、完全に別人じゃねーか。
       マジでコイツ同一人物なのかよ、偽者なんじゃねーのかって思うだろーぜ、みんな」


    一聖「そーそー。あんまりにも人物像が違い過ぎるから、
       『夢神抄』でエクスキューズしやがったよな、お前。
       アレこそご都合主義じゃねーか」


    ――あれは本当にすみません。本気でしくじりました。
       「白猫夢」を書いているうちに、何故か白猫が、ゲスの極みのような奴になってしまったんです。
       本当に自分でも、どうしてああなっちゃったのか、さっぱり分かりません……。

    天狐・一聖「言い訳乙」

    ――orz

    シュウ「と、と言うわけで、今回はここまでっ!
        次回は作中の描写、表現について! ではまたー」
    「白猫夢」あとがき ③同一人物?
    »»  2016.01.20.
    シュウ「みなさん、こんにちはー! あとがきインタビュー第4回、はじまります!
         今回のゲストはあの『旅の賢者』! モール・リッチさんです!」


    モール「どーも。ってか、また私? 今回、そんなに出張ってないのに。
         渾沌もそうだったけど、こんな何回も同じヤツを出しててていいのかね? 使い回し過ぎじゃないね?
         昔の文章だって、あっちこっちで何べんも使い回してるし」


    シュウ「って言うと?」

    モール「例えば『白猫夢・荒野抄 4』の、秋也がズルズル音立ててパスタ食ってるシーン。
         アレってまんま、『蒼天剣・湯治録 1』で晴奈がやったコトじゃないね。
         そもそも『白猫夢』のはじまりだって、『蒼天剣・騒心録 2』で晴奈が夢で見た、
         教会のシーンがそのまんま使われてるしね」


    シュウ「言われてみれば。
         これは釈明がいるんじゃないですか、黄輪さん?」


    ――そうですね、機会があれば言及しておこうと思っていました。
       まずはっきりさせておきたいのは、これは何も、以前に書いた文章を流用して楽をしようだとか、
       同じような文章しか書けなくなってしまったとか、そう言うことではありません。
       そもそも5年前、10年前の文章は今の自分が読むとあまりに拙く、
       何の意味も無しにわざわざ真似ると言う気にはなりません。
       同じような文章しか書けなくなっていたとしたら、それを「拙い」と思うようなことは無いですし。
       前者のパスタをすするシーンなどについては、前回のインタビューで言っていた
       「同じ人間が違う環境に行けば、違う考えを持つだろう」とする持論の派生で、
       「似た人間が同じ環境に遭遇すれば、似たような行動を取るだろう」とする考えに基づく描写です。
       基本的に、秋也はある程度晴奈に似ていますし、その秋也が晴奈と同様、異国文化に触れる機会があれば、
       同じ行動を取るだろうと考えて、その2つのシーンは似せて描写していました。
       なお、葛も秋也とある程度似ているので、恐らく葛が央南でご飯を食べると言うようなシーンがあったら、
       同じような描写をしただろうと思います。

    シュウ「なるほどなるほど。
         では後者の表現、教会のシーンについては?」


    ――こちらについては、「同じ出来事を別視点で描写する」と言う表現が、単純に好きなもんで。
       天狐ちゃんとネロの会話を3回も書いたのは、その典型的な例ですね。
       大河ドラマや舞台演劇なんかでも、同一人物であるはずの人間、キャラクタを、
       色んな人が色んな性格付け、色んな脚色をして、多種多様な人物像を作っていますし、
       そう言うことを自分の作品でもやってみたかったと言う感じですね。
       今後も同じ環境、状況下で、「あの事件や戦争が起こっている裏で、この人はこんなことをしていた」
       「この主人公と戦っていたあの相手は、実はこんなことを考えていた」と言うような別視点の描写を、
       ちょくちょく入れていきたいと考えています。
       折角作り上げた世界を、1回しか使わないのは勿体無いですし。

    モール「ビンボーくさい考え方だねぇ。君、紅茶のパック2回使うタイプだね」

    ――カウンタや待受などの素材を作っていると、どうしても1種類のモノを1個だけ作って終わらせてしまうと言うのが、
       勿体無く感じてしまうもので。すっかり性分になってますね。
       あれ1個作るのに、割りと労力と時間を費やしてますし。
       4種類くらいバリエーションを作らないと、使う相手も選ぶ楽しさが無いだろうな、と。

    シュウ「話がずれてますよー。これは『白猫夢』のあとがきです」

    ――そうでした。

    モール「すぐ脇道にそれるのも君の悪いクセだね。
         集中して作ってりゃ、『双月千年世界』だって『DW』だって『クルマのドット絵』だって、
         もっとサクサク進んでるだろうにね」


    ――前回と同じく、耳が痛い意見です……。

    シュウ「と言うわけで、今回はここまで!
         次回はあとがきインタビューの最終回! 今作における最強のキャラをお招きする予定です! ではまたー!」
    「白猫夢」あとがき ④1つの場所、2つの視点
    »»  2016.01.21.
    シュウ「みなさん、こんにちは! 本日はあとがきインタビュー、最終回!
        最後まで張り切ります! よろしくです!
        と言うわけで、本日のゲストをご紹介します!
        あのテンコちゃんをはじめとする克一門さんたちをも圧倒してしまった、
        超バランスブレイカーの実力者!
        今作最強! 双月世界のチートキャラ! その果てには、神になった女!
        アオイ・ハーミットさんです!」


    葵「ども」

    シュウ「おぉ、何と言う無反応。タイカさんでもニヤッとしていたのに」

    葵「そうなんだ」

    シュウ「(……話し辛いなぁ、この人)
        えーと、まあ、今回アオイさんをお招きしたのは、今わたしが挙げたような要素、
        即ち『ものすごく強い』キャラを作品に登場させる理由について語ってもらうため、なんですがー」


    ――これも以前からちょくちょく言っていましたし、第1回でも説明していましたが、
       自分の好み、趣向として、「滅茶苦茶強い主人公が圧倒的な実力差で格下の敵をプチプチ潰していく」
       と言うような話は書きたくないんです。
       これはご都合主義に他なりませんし、何より話の流れが幼稚で簡単なものになってしまい、
       話の展開、バリエーションも乏しくなってしまう。だって結局「強い奴が強い攻撃で敵を倒して終わり」ですから。
       たった20文字足らずで説明できてしまうくらい話が単純。情報量が新聞のテレビ欄以下です。
       それよりも、「普通か、あるいは他の人よりは強い程度だった主人公が強大な敵と立ち向かうことになり、
       様々な努力と閃きを重ねた末に勝利を勝ち取っていく」と言う話の方が好き。
       はじめから勝つことが決まってるような天才主人公の「アカギ」より、
       絶望的状況から必死で考え抜いて閃き、逆転勝利するダメ主人公の「カイジ」派。
       最初から主人公が最強に強いジョジョ第3部より、段々と主人公が強くなっていく第6部派です。

    葵「なのに、なんであたしが登場したの?
      あたし、途中で敵役になったけど、最初からそれが狙いだった?」


    ――そうなります。
       ただ、「単純に強い奴が敵になった」と言う展開だけでは無く、
       もっと強い敵(白猫)に対してどうやって戦っていくか、と言うことも考えてのキャスティングです。
       今作における最終的な敵はあくまで白猫であり、それにどうやって対抗し、撃退していくのかが主眼ですから。
       実際、最終的には葵は、葛たちの仲間になりましたし。

    葵「ボロボロの、死にかけの状態でだけどね。かなりひどいでしょ、あたしの扱い」

    シュウ(あ、怒ってる。だから無愛想だったのかなー)

    ――それについては、本当にごめんなさい。
       次回、いや、次々回作の予定ですが、その時登場する際には、もっといい扱いにしたいと思います。
       何と言っても、今回「神様」になりましたし。このまま出番が終わりでは、非常に勿体無い。
       それに散々「滅茶苦茶強い主人公が出るのは嫌い」とは言いましたが、葵はかなりお気に入りのキャラです。
       ルナさんと同様、出せそうな機会があれば積極的に出していこうと考えています。

    シュウ「あ、ソレ。そう言えばちゃんと聞いてませんでしたねー。
        まず次回作、どんな話になるのか教えて下さい!」


    ――次回作はまた時代が遡ります。双月暦1世紀、と言うか双月暦ができて間も無いくらいの頃です。
       また、それと並行して「火紅狐」よりちょっと後くらいの時代の話もする予定です。
       こちらは今作における「麒麟抄」みたいな感じですね。フォコも出す予定です。

    シュウ「なんでまた……?」

    ――ちょっと聖書を作ろうと思って。
       「白猫夢 第5部」で天帝教の人が話をする時に引用してた「大卿行北記」とか、
       聖書っぽい名前はちょくちょく出ているので、それをはっきりと形にしておこうかと。

    葵「変なところで凝り性だよね、あなた。『白猫夢 第8部』書いてた時も、
      実は金火狐の財団典範を本当に作ってたりするし」


    ――10分の講義をするためには20分相当の文章を書いておかなきゃいけない、って言う話ですよ。
       ともかく次回作は、聖書っぽいお話。タイトルは「双英雄 -Double Myst Maker-」。
       ちなみに主人公は2人。その片方はこれまで何度も登場してきた、あの人。

    葵「はっきり言ったらいいのに。エリザさんでしょ? 『見えた』よ」

    ――まあ、はい。エリザが主人公の一人です。
       そして同時にもう一人の視点からも、物語を進めていきます。それが二人の英雄、即ち「『双』英雄」と言うわけです。
       そしてその次、次々回作もある程度は考えています。なので、「双英雄」はそんなに長く続かないかも。
       ……どうでしょう?

    葵「……(無言で首を横に振る)」

    シュウ「長くなるんですね……また」

    ――よ、予知は100%じゃないですから!
       とにかく次々回作の構想も、現時点である程度は考えてあります。こちらは逆に、「白猫夢」より後の話です。

    シュウ「なんでそっちの話を先に書かないんですか?」

    ――これは「蒼天剣」から「火紅狐」に移った時と同じで、
       話を次に進めるための骨組みを作りたいと言う考えもあってのことです。
       さっき言ったことですが、1つのしっかりした話を作るには、2つ3つは裏の設定やストーリーがいりますからね。
       そしてそれを、完全に裏方にしてしまうのも勿体無い。出せる分は出したいところ。
       と言って、そのためにどんどん話の舞台が古くなって行くのも、一向に前へ進んでない感があります。
       とりあえず今のところは、シーソーのように時代を前後させつつ展開していこうと考えています。
       ただ、「双英雄」に取り掛かる前に、「白猫夢」でちょっと登場したけど、
       その後の見せ場が無くなっちゃったキャラたちを再度取り上げる機会を、
       短編として設けようと思います。



    シュウ「それではラスト恒例のスペシャルサンクス、お世話になった人たちのご紹介です!」

    ――まず、今回も「
    クリスタルの断章」のポール・ブリッツさんには、大変お世話になりました。
       色々と機知的でシニカルなコメントをいただき、とても参考になりました。

       また、「いろいろ考え中」のカテンベさんからも、多数のコメントをいただいています。
       ポールさん同様、短編やショートショートにもコメントをいただき、大変感謝しています。

       前作「火紅狐」や前々作「蒼天剣」に、熱心にコメントを寄せていただきました
       「LandM製作所」の才条蓮さんにも感謝しています。
       そのうち「白猫夢」も読み進めていただけるかな、と期待しています。

       そして大火と天狐、白猫のイラスト3点をを提供していただいた
       「アリとアリクイ」の森野夜市さん、とにもとさんも、大変ありがとうございました。
       現在はブログでの活動が見受けられず、ツイッターでもほとんど発言をお見かけしませんが、
       元気にされていることを願っています。またイラストを提供していただければと密かに願っています。

       その他、当ブログ「黄輪雑貨本店 新館」にお越しいただいた皆様、
       小説をご笑覧いただいた皆様、ありがとうございました!

    シュウ「ありがとうございましたー!」
    「白猫夢」あとがき ⑤葵について
    »»  2016.01.22.

    シュウ「さて、ようやく『白猫夢』が終わりましたー。
        と言うわけで黄輪さん、恒例のアレ、即ちあとがきインタビューのコーナーですよー」


    ――まず質問させ……

    シュウ「はいちなみに! わたしはインタビュアーのシュウと申しますー。
        そう何回も同じ質問はさせませんよー?」


    ――それは残念。恒例の挨拶にしようかと思ったんですが。
       と言うか、シュウさんはもしかしたら、読者の皆さんに忘れられてるんじゃないかって気がします。
       改めて詳しく説明しておいた方がいいんじゃないでしょうか?

    シュウ「それは黄輪さんのせいです。
        前回の登場から3年半も『白猫夢』の連載を続けちゃったからですよ、もう!」


    ――うーん耳が痛い。ともかくもう一度、このコーナーのことも含めて簡単に説明をば。
       このコーナーは長編「双月千年世界」が一つ終わるごとに設けている、
       重要キャラを交えたインタビューの形式を取った、あとがきとなります。
       「シュウさん」ことシュウ・メイスンは、このインタビューの司会を担当してくれるキャラです。

    シュウ「ご紹介ありがとうございますー。
        それでは早速、第1回のゲストさんの紹介ですー。
        まずは今作を通して主人公の皆さんを見守ってきた『黄家の守り神』、克渾沌さんにお越しいただきましたー」


    渾沌「こんにちは」

    ――こんにちは。今回も拙作にて活躍していただき、本当にありがとうございました。

    渾沌「そうね。インタビューも2回目だし。わたしのこと、使い回し過ぎでしょ」

    ――いやいや、これは物語の展開上、どうしても必要だったもんで。
       ご周知の通り、今作はころころ主人公が代わりました。はじめは秋也、続いて月乃ことルナ、そして葵と葛。
       この全員に関わるキーパーソンがいないと、同じ話として成立させるのが難しくなってしまうので……。

    シュウ「まあ、確かに同じドラマやマンガで、
        登場人物が一人残らず全員入れ替わるコトなんて無いですもんね」


    ――例えば渾沌さんがまったく話に関わってこない、登場しないとなると、
       前編における秋也の活躍と月乃の遍歴、
       そして後編における葵と葛の戦いをつないでくれる人がいなくなってしまいます。
       そうなると同じ「白猫夢」じゃなく、別々の物語になってしまうわけで。

    渾沌「それが何かまずいの?
       分けておけば、シュウさんだって登場回数がもう一回増えて、お得でしょうに」


    シュウ「渾沌さんの言う通りですよー。
        2つに分けとけばわたし、3年も放って置かれるコトも無かったんですよー?」


    ――それにも、ちゃんと理由があります。
       今作は「白猫と言う強大な存在に、いかにして立ち向かっていくか」をテーマにしています。
       だからこその「白猫夢」と言うタイトルなわけで。
       前編は秋也のような「ごく一般的な人間」が誘惑されて、それを打ち払っていく話。
       そして後編は、葵のような「並外れた力を持つ人間」が強大な存在と手を組むことで現れる、
       とてつもない脅威を打ち砕いていく話なんです。
       以前にも自分がどこかで言っていたと思いますが、
       昨今流行りの「最強勇者が圧倒的能力をちょっと使って敵を片っ端から打ち砕いていく」と言った、
       半世紀前のアメコミヒーローみたいな話より、
       「強大な存在に敢然と立ち向かい、全力を尽くして勝利を手にする」と言った、
       四半世紀前のジャパニメーションの方が好きなんです。
       白猫と言う一つの強敵に対して、色んなアプローチでその目論見を打ち砕いていく。
       そう言う話を書くためには、どうしても主人公が複数必要でした。

    渾沌「ルナの話はどうなのよ?
       前編の秋也の話にも、後編の葵たちの話にも該当しないじゃない。
       そもそも秋也や葵たちと違って、白猫と直接戦ってないわよ、ルナは」


    ――それについては次回、第2回で。彼女本人も交えて話すこととします。

    シュウ「そろそろお時間が来てしまいました。また次回、お会いしましょう! さよならー」

    「白猫夢」あとがき ①主人公たちをつなぐ

    2016.01.18.[Edit]
    シュウ「さて、ようやく『白猫夢』が終わりましたー。    と言うわけで黄輪さん、恒例のアレ、即ちあとがきインタビューのコーナーですよー」――まず質問させ……シュウ「はいちなみに! わたしはインタビュアーのシュウと申しますー。    そう何回も同じ質問はさせませんよー?」――それは残念。恒例の挨拶にしようかと思ったんですが。   と言うか、シュウさんはもしかしたら、読者の皆さんに忘れられてるんじゃないかっ...

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    シュウ「あとがきインタビュー、第2回のはじまりですー。
        本日のゲストは、黄輪さんが『思わぬ活躍をした』とうならせたダークホース、
        黄月乃ことルナ・フラウスさんですー」


    ルナ「どーも」

    シュウ「事後確認になっちゃいましたが、
        お名前はルナさんでよろしかったでしょうか?」


    ルナ「ええ。実際、今作で名前呼ばれた回数は『月乃』や『マロン』より、
       『ルナ』の方が圧倒的に多いしね。
       って言うか今、聞き捨てならないことを聞いた気がするんだけど」


    シュウ「なんでしょう?」

    ルナ「あたし、まさか黄輪さんから期待されてなかったの? 『思わぬ活躍』って……」

    ――えーと、まあ、……はい。

    ルナ「なんでよ? 自分で言うのもなんだけど、あたし、かなり頑張ったと思うんだけど」

    ――ええ。その点は本当に、僕が当初予定していた以上の、獅子奮迅の大活躍を見せてくれました。
       それはもう、当初考えていたシナリオの後半部分を、半分近く変更・修正しなければならなかったほど。
       「蒼天剣」における小鈴さん以上の大化けっぷりでした。

    ルナ「ちなみに元々のシナリオだと、あたしはどこまで出番がある予定だったの?」

    ――第4部で晴奈か雪乃に討たれる予定でした。

    ルナ「早っ!? しかもあたし、殺されるの!? その上母さんか雪乃先生に!?」

    ――ただ、作中で最初に雪乃に出会ったタイミング(白猫夢・逐雪抄)だとあまりにも早過ぎますし、
       そこでは気絶程度に抑え、生かすことにしました。
       その後の話の展開上、晴奈たちと会う機会も無くなってしまい、その結果、まんまと生き延びました。

    ルナ「生き残ってほしくなかったみたいな言い方するわね」

    ――いやいや、おかげで後半は非常に助かりました。各所各所で姉御肌と母性を発揮してくれたので、
       色んなキャラとの親和性が非常に高く、絡ませやすかったです。
       後半はかなりキャラの登場数が多かったんですが、ルナさんを中心として「フェニックス」ができたおかげで、
       敵となる白猫党に対して、明確に味方陣営としてまとめることができ、物語を円滑に進められました。
       恐らくルナさんや「フェニックス」が無ければ、葛は最悪、単騎で葵に挑む羽目になっていたかも知れません。

    シュウ「なんという無理ゲー……」

    ルナ「勝てそうにないわね、確かに。
       仮に勝たせるとしたら、相当ご都合主義に走らないと駄目なんじゃない?」


    ――仰る通り。そうなっちゃうと、以前のあとがきで言っていた「リアリティ」なんて、
       完全にブッ飛んでしまっていたでしょうね。
       それに、その展開だと恐らく、葵のことを相当悲惨な境遇に追い込み、
       かつ、残念な性格で描写しなければならなかったと思います。
       となるとあのエンディングに至ることはまず、あり得なかったでしょう。
       今作、渾沌さんとルナさんと、あと天狐ちゃん・一聖ちゃんペアがいなければ、
       「白猫夢」はただ殺伐とした、無味乾燥でパッサパサの物語になっていたかも知れません。
       同時に、話量が2倍近く増えた主原因でもありますが。

    シュウ「そ、そう言われると素直に喜べないような。(わたしの出番……ゴニョゴニョ)」

    ――とは言え、今後の作品でも出せるなら出したいキャラです。
       そう言う構想も今のところ、無くはないですし。

    ルナ「期待してるわ」

    シュウ「あれあれ? もう次回作のお話ですか?」

    ――いえ、その話はまだ後で。
       とりあえず今回は、こんなところですかね。

    シュウ「はいー、お疲れ様です。
        次回は、双子よりそっくりなあの人たちにスポットを当てます。お楽しみにー」

    「白猫夢」あとがき ②大化けしたルナ

    2016.01.19.[Edit]
    シュウ「あとがきインタビュー、第2回のはじまりですー。    本日のゲストは、黄輪さんが『思わぬ活躍をした』とうならせたダークホース、    黄月乃ことルナ・フラウスさんですー」ルナ「どーも」シュウ「事後確認になっちゃいましたが、    お名前はルナさんでよろしかったでしょうか?」ルナ「ええ。実際、今作で名前呼ばれた回数は『月乃』や『マロン』より、   『ルナ』の方が圧倒的に多いしね。   って言...

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    シュウ「と言うわけで、あとがきインタビュー第3回!
        今回はこの方たちにお越しいただきました! 見た目は別物、中身は一緒!
        その名も天狐ちゃんと一聖ちゃんです!」


    天狐「おーっす」
    一聖「よろしくなー」

    シュウ「よろしくお願いしますー。
        ところで今、さらっと紹介させていただいたんですけど、お二人は同じ人格なんですよね?」


    一聖「おう。人格に限らず、実は遺伝子とかもほぼ同じなんだぜ。違いは体型と種族だけだ」

    シュウ「体型?」

    天狐「コイツ、自分の理想をオレに盛り込みやがったんだよ。
       麒麟の姉さんみたく、スレンダーで中性的な感じにしたいっつって。
       いくらなんでもぺったんこ過ぎだっつの」


    シュウ「言われてみると、カズセちゃんの方はもうちょっと、メリハリがあるような」

    一聖「まーな。流石にちっと削り過ぎたかなーとは思ってるけど。
       直したきゃ勝手に直していいぜ?」


    天狐「んー、別に? 正直、ブラいらねーから楽」

    一聖「いや付けろよ。女の子のたしなみだろーが」

    シュウ「あのー?」

    一聖「ん?」
    天狐「どした?」

    シュウ「お二人って、本当に同じ人格なんですか?」

    一聖「そうだよ」
    天狐「何度も言わせんな」

    シュウ「でも何か、ビミョーに違わなくないですか?」

    天狐「そりゃそうだろ」
    一聖「な、黄輪さんよ?」

    ――あー、やっと自分の話す番が回ってきた。
       この二人をしゃべらせると延々、話が続くんですよね。(何回これで尺を稼いだことか……)
       まあ、ともかくとして。
       自分の考えとしては、例えまったく同じ性別、同じ性格、同じ年齢、……と言うように、
       その人を形成する情報が何もかも一致する人間が2人いたとしても、
       その2人が寸分違わず思考が一致することは、決して無いだろうと考えています。
       2つの物質がまったく同時に、1ミクロンも違わず同じ位相を占めることはできないですし、
       体が2つあれば同じ場所に重なることは現実的に、まったくあり得ません。
       ちょっと古い3Dゲームなら起こるかも知れませんが。

    シュウ「つまり……?」

    ――位置に違いがある以上、それぞれが取得する情報の質と量は必ず異なるだろう、と言うことです。
       現実的に例えるなら、昨日までまったく同じように育った双子がいたとしても、
       それぞれが明日、冬のニューヨークと夏のインドに1日でも滞在したら、
       まったく話が噛み合わなくなるだろう、と言う感じですね。

    シュウ「分かったような、分からないような。
        そもそもコレって何の話なんでしょうか……?」


    天狐「コイツが言いたいのは、その拡大解釈だ。
       つまり別の章、別の物語に同じキャラが出たとしても、
       言うコトが違うかも知れねーってコトだろ?」


    ――まあ、そんなところです。
       実際、現実における人間であっても、10歳の頃と30歳の頃とでは考えることは違うでしょうし、
       寒いニューヨークを旅行した時と、暑いインドを旅行した時とでは、
       同じ「旅行をした」と言う体験であっても、抱く感想はまるで違うはずです。
       だからいつか、例えば克一門が全盛期だった頃の物語を書くようなことがあれば、
       そこにいる麒麟は「白猫夢」のようにゲスじゃないかも知れませんし、
       一聖ちゃんはもっと女の子っぽい言葉遣いをしてるかも知れません。

    一聖「あ、なるほど。お前さん、言い訳したいんだな?」

    ――え。

    天狐「『蒼天剣』の頃と『白猫夢』とで、白猫の性格が違い過ぎんだろってコトだよ。
       特に『蒼天剣』第8部最後のシーンと『白猫夢』第10部はじめのド外道発言とじゃ、完全に別人じゃねーか。
       マジでコイツ同一人物なのかよ、偽者なんじゃねーのかって思うだろーぜ、みんな」


    一聖「そーそー。あんまりにも人物像が違い過ぎるから、
       『夢神抄』でエクスキューズしやがったよな、お前。
       アレこそご都合主義じゃねーか」


    ――あれは本当にすみません。本気でしくじりました。
       「白猫夢」を書いているうちに、何故か白猫が、ゲスの極みのような奴になってしまったんです。
       本当に自分でも、どうしてああなっちゃったのか、さっぱり分かりません……。

    天狐・一聖「言い訳乙」

    ――orz

    シュウ「と、と言うわけで、今回はここまでっ!
        次回は作中の描写、表現について! ではまたー」

    「白猫夢」あとがき ③同一人物?

    2016.01.20.[Edit]
    シュウ「と言うわけで、あとがきインタビュー第3回!    今回はこの方たちにお越しいただきました! 見た目は別物、中身は一緒!    その名も天狐ちゃんと一聖ちゃんです!」天狐「おーっす」一聖「よろしくなー」シュウ「よろしくお願いしますー。    ところで今、さらっと紹介させていただいたんですけど、お二人は同じ人格なんですよね?」一聖「おう。人格に限らず、実は遺伝子とかもほぼ同じなんだぜ。違いは体...

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    シュウ「みなさん、こんにちはー! あとがきインタビュー第4回、はじまります!
         今回のゲストはあの『旅の賢者』! モール・リッチさんです!」


    モール「どーも。ってか、また私? 今回、そんなに出張ってないのに。
         渾沌もそうだったけど、こんな何回も同じヤツを出しててていいのかね? 使い回し過ぎじゃないね?
         昔の文章だって、あっちこっちで何べんも使い回してるし」


    シュウ「って言うと?」

    モール「例えば『白猫夢・荒野抄 4』の、秋也がズルズル音立ててパスタ食ってるシーン。
         アレってまんま、『蒼天剣・湯治録 1』で晴奈がやったコトじゃないね。
         そもそも『白猫夢』のはじまりだって、『蒼天剣・騒心録 2』で晴奈が夢で見た、
         教会のシーンがそのまんま使われてるしね」


    シュウ「言われてみれば。
         これは釈明がいるんじゃないですか、黄輪さん?」


    ――そうですね、機会があれば言及しておこうと思っていました。
       まずはっきりさせておきたいのは、これは何も、以前に書いた文章を流用して楽をしようだとか、
       同じような文章しか書けなくなってしまったとか、そう言うことではありません。
       そもそも5年前、10年前の文章は今の自分が読むとあまりに拙く、
       何の意味も無しにわざわざ真似ると言う気にはなりません。
       同じような文章しか書けなくなっていたとしたら、それを「拙い」と思うようなことは無いですし。
       前者のパスタをすするシーンなどについては、前回のインタビューで言っていた
       「同じ人間が違う環境に行けば、違う考えを持つだろう」とする持論の派生で、
       「似た人間が同じ環境に遭遇すれば、似たような行動を取るだろう」とする考えに基づく描写です。
       基本的に、秋也はある程度晴奈に似ていますし、その秋也が晴奈と同様、異国文化に触れる機会があれば、
       同じ行動を取るだろうと考えて、その2つのシーンは似せて描写していました。
       なお、葛も秋也とある程度似ているので、恐らく葛が央南でご飯を食べると言うようなシーンがあったら、
       同じような描写をしただろうと思います。

    シュウ「なるほどなるほど。
         では後者の表現、教会のシーンについては?」


    ――こちらについては、「同じ出来事を別視点で描写する」と言う表現が、単純に好きなもんで。
       天狐ちゃんとネロの会話を3回も書いたのは、その典型的な例ですね。
       大河ドラマや舞台演劇なんかでも、同一人物であるはずの人間、キャラクタを、
       色んな人が色んな性格付け、色んな脚色をして、多種多様な人物像を作っていますし、
       そう言うことを自分の作品でもやってみたかったと言う感じですね。
       今後も同じ環境、状況下で、「あの事件や戦争が起こっている裏で、この人はこんなことをしていた」
       「この主人公と戦っていたあの相手は、実はこんなことを考えていた」と言うような別視点の描写を、
       ちょくちょく入れていきたいと考えています。
       折角作り上げた世界を、1回しか使わないのは勿体無いですし。

    モール「ビンボーくさい考え方だねぇ。君、紅茶のパック2回使うタイプだね」

    ――カウンタや待受などの素材を作っていると、どうしても1種類のモノを1個だけ作って終わらせてしまうと言うのが、
       勿体無く感じてしまうもので。すっかり性分になってますね。
       あれ1個作るのに、割りと労力と時間を費やしてますし。
       4種類くらいバリエーションを作らないと、使う相手も選ぶ楽しさが無いだろうな、と。

    シュウ「話がずれてますよー。これは『白猫夢』のあとがきです」

    ――そうでした。

    モール「すぐ脇道にそれるのも君の悪いクセだね。
         集中して作ってりゃ、『双月千年世界』だって『DW』だって『クルマのドット絵』だって、
         もっとサクサク進んでるだろうにね」


    ――前回と同じく、耳が痛い意見です……。

    シュウ「と言うわけで、今回はここまで!
         次回はあとがきインタビューの最終回! 今作における最強のキャラをお招きする予定です! ではまたー!」

    「白猫夢」あとがき ④1つの場所、2つの視点

    2016.01.21.[Edit]
    シュウ「みなさん、こんにちはー! あとがきインタビュー第4回、はじまります!     今回のゲストはあの『旅の賢者』! モール・リッチさんです!」モール「どーも。ってか、また私? 今回、そんなに出張ってないのに。     渾沌もそうだったけど、こんな何回も同じヤツを出しててていいのかね? 使い回し過ぎじゃないね?     昔の文章だって、あっちこっちで何べんも使い回してるし」シュウ「って言うと?」...

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    シュウ「みなさん、こんにちは! 本日はあとがきインタビュー、最終回!
        最後まで張り切ります! よろしくです!
        と言うわけで、本日のゲストをご紹介します!
        あのテンコちゃんをはじめとする克一門さんたちをも圧倒してしまった、
        超バランスブレイカーの実力者!
        今作最強! 双月世界のチートキャラ! その果てには、神になった女!
        アオイ・ハーミットさんです!」


    葵「ども」

    シュウ「おぉ、何と言う無反応。タイカさんでもニヤッとしていたのに」

    葵「そうなんだ」

    シュウ「(……話し辛いなぁ、この人)
        えーと、まあ、今回アオイさんをお招きしたのは、今わたしが挙げたような要素、
        即ち『ものすごく強い』キャラを作品に登場させる理由について語ってもらうため、なんですがー」


    ――これも以前からちょくちょく言っていましたし、第1回でも説明していましたが、
       自分の好み、趣向として、「滅茶苦茶強い主人公が圧倒的な実力差で格下の敵をプチプチ潰していく」
       と言うような話は書きたくないんです。
       これはご都合主義に他なりませんし、何より話の流れが幼稚で簡単なものになってしまい、
       話の展開、バリエーションも乏しくなってしまう。だって結局「強い奴が強い攻撃で敵を倒して終わり」ですから。
       たった20文字足らずで説明できてしまうくらい話が単純。情報量が新聞のテレビ欄以下です。
       それよりも、「普通か、あるいは他の人よりは強い程度だった主人公が強大な敵と立ち向かうことになり、
       様々な努力と閃きを重ねた末に勝利を勝ち取っていく」と言う話の方が好き。
       はじめから勝つことが決まってるような天才主人公の「アカギ」より、
       絶望的状況から必死で考え抜いて閃き、逆転勝利するダメ主人公の「カイジ」派。
       最初から主人公が最強に強いジョジョ第3部より、段々と主人公が強くなっていく第6部派です。

    葵「なのに、なんであたしが登場したの?
      あたし、途中で敵役になったけど、最初からそれが狙いだった?」


    ――そうなります。
       ただ、「単純に強い奴が敵になった」と言う展開だけでは無く、
       もっと強い敵(白猫)に対してどうやって戦っていくか、と言うことも考えてのキャスティングです。
       今作における最終的な敵はあくまで白猫であり、それにどうやって対抗し、撃退していくのかが主眼ですから。
       実際、最終的には葵は、葛たちの仲間になりましたし。

    葵「ボロボロの、死にかけの状態でだけどね。かなりひどいでしょ、あたしの扱い」

    シュウ(あ、怒ってる。だから無愛想だったのかなー)

    ――それについては、本当にごめんなさい。
       次回、いや、次々回作の予定ですが、その時登場する際には、もっといい扱いにしたいと思います。
       何と言っても、今回「神様」になりましたし。このまま出番が終わりでは、非常に勿体無い。
       それに散々「滅茶苦茶強い主人公が出るのは嫌い」とは言いましたが、葵はかなりお気に入りのキャラです。
       ルナさんと同様、出せそうな機会があれば積極的に出していこうと考えています。

    シュウ「あ、ソレ。そう言えばちゃんと聞いてませんでしたねー。
        まず次回作、どんな話になるのか教えて下さい!」


    ――次回作はまた時代が遡ります。双月暦1世紀、と言うか双月暦ができて間も無いくらいの頃です。
       また、それと並行して「火紅狐」よりちょっと後くらいの時代の話もする予定です。
       こちらは今作における「麒麟抄」みたいな感じですね。フォコも出す予定です。

    シュウ「なんでまた……?」

    ――ちょっと聖書を作ろうと思って。
       「白猫夢 第5部」で天帝教の人が話をする時に引用してた「大卿行北記」とか、
       聖書っぽい名前はちょくちょく出ているので、それをはっきりと形にしておこうかと。

    葵「変なところで凝り性だよね、あなた。『白猫夢 第8部』書いてた時も、
      実は金火狐の財団典範を本当に作ってたりするし」


    ――10分の講義をするためには20分相当の文章を書いておかなきゃいけない、って言う話ですよ。
       ともかく次回作は、聖書っぽいお話。タイトルは「双英雄 -Double Myst Maker-」。
       ちなみに主人公は2人。その片方はこれまで何度も登場してきた、あの人。

    葵「はっきり言ったらいいのに。エリザさんでしょ? 『見えた』よ」

    ――まあ、はい。エリザが主人公の一人です。
       そして同時にもう一人の視点からも、物語を進めていきます。それが二人の英雄、即ち「『双』英雄」と言うわけです。
       そしてその次、次々回作もある程度は考えています。なので、「双英雄」はそんなに長く続かないかも。
       ……どうでしょう?

    葵「……(無言で首を横に振る)」

    シュウ「長くなるんですね……また」

    ――よ、予知は100%じゃないですから!
       とにかく次々回作の構想も、現時点である程度は考えてあります。こちらは逆に、「白猫夢」より後の話です。

    シュウ「なんでそっちの話を先に書かないんですか?」

    ――これは「蒼天剣」から「火紅狐」に移った時と同じで、
       話を次に進めるための骨組みを作りたいと言う考えもあってのことです。
       さっき言ったことですが、1つのしっかりした話を作るには、2つ3つは裏の設定やストーリーがいりますからね。
       そしてそれを、完全に裏方にしてしまうのも勿体無い。出せる分は出したいところ。
       と言って、そのためにどんどん話の舞台が古くなって行くのも、一向に前へ進んでない感があります。
       とりあえず今のところは、シーソーのように時代を前後させつつ展開していこうと考えています。
       ただ、「双英雄」に取り掛かる前に、「白猫夢」でちょっと登場したけど、
       その後の見せ場が無くなっちゃったキャラたちを再度取り上げる機会を、
       短編として設けようと思います。



    シュウ「それではラスト恒例のスペシャルサンクス、お世話になった人たちのご紹介です!」

    ――まず、今回も「
    クリスタルの断章」のポール・ブリッツさんには、大変お世話になりました。
       色々と機知的でシニカルなコメントをいただき、とても参考になりました。

       また、「いろいろ考え中」のカテンベさんからも、多数のコメントをいただいています。
       ポールさん同様、短編やショートショートにもコメントをいただき、大変感謝しています。

       前作「火紅狐」や前々作「蒼天剣」に、熱心にコメントを寄せていただきました
       「LandM製作所」の才条蓮さんにも感謝しています。
       そのうち「白猫夢」も読み進めていただけるかな、と期待しています。

       そして大火と天狐、白猫のイラスト3点をを提供していただいた
       「アリとアリクイ」の森野夜市さん、とにもとさんも、大変ありがとうございました。
       現在はブログでの活動が見受けられず、ツイッターでもほとんど発言をお見かけしませんが、
       元気にされていることを願っています。またイラストを提供していただければと密かに願っています。

       その他、当ブログ「黄輪雑貨本店 新館」にお越しいただいた皆様、
       小説をご笑覧いただいた皆様、ありがとうございました!

    シュウ「ありがとうございましたー!」

    「白猫夢」あとがき ⑤葵について

    2016.01.22.[Edit]
    シュウ「みなさん、こんにちは! 本日はあとがきインタビュー、最終回!    最後まで張り切ります! よろしくです!    と言うわけで、本日のゲストをご紹介します!    あのテンコちゃんをはじめとする克一門さんたちをも圧倒してしまった、    超バランスブレイカーの実力者!    今作最強! 双月世界のチートキャラ! その果てには、神になった女!    アオイ・ハーミットさんです!」葵「ども」シ...

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