窓側の席で向かい合う二人。
はるかはストローをくわえながら、じっと角乃の顔を見つめている。
「角乃さん、今日ずっと私と一緒にいるけど……もしかして好きなんですか?」
角乃
「なっ……! や、やめてくださいよ、急にそういうこと言うの……!」
はるかは口元をむにっと緩めて、
「えへへ。手、あったかい」
角乃
「なんで握るんですか!?」
角乃は耳まで真っ赤になる。
しかし手は引っ張らない。
それに気づいたはるかが、にやっと笑う。
「握り返してますよね?」
「つまり好きってことですよね?」
角乃
「……うるさい……」
拗ねたように下を向く角乃。
そして角乃の隣にぴとっと座り込んだ。
角乃
「ちょ、ちょっと!? 近い近い近い!」
「角乃さん、いい匂い。落ち着く……」
(肩にもたれる)
角乃
「角乃さんのこと、好きですよ。ちゃんと」
角乃は一瞬黙る。
角乃
はるかの目がぱあっと輝く。
「えっ、今の録音したい! もう一回言って!」
角乃
「絶対言いません!!!」
「じゃあ直接聞く!」
(角乃の肩にぎゅっと抱きつく)
角乃
はるかは満足そうに微笑む。
「角乃さんが言うと、全部嬉しい」
二人の距離は、
テーブルの向こう側よりも、ずっと近く。
もはや、くっついて離れないほど甘くなっていた。