享年は60歳です。
(北斗晶さんと同じ症状。頑張って欲しいです)
死にゆく人に生き残る人がしてあげられることは、
一体何がベストなのでしょうか。
二ヶ月ほど生きました。
一ヶ月を過ぎた辺りでも何とか元気だったので、
もしかしたら治るのかな?と思い始めました。
そんなある日、母が家に帰りたいと言いました。
久しぶりに家に帰って色々家のことをやりたいと。
私は言いました。体調は安定していないし、
無理したら治るものも治らないよ、と。
母は珍しく声を荒げ、どうしても帰りたいの!
と主張しました。ですが私も譲れません。
そんなのは嫌だと。
ただ、それに加えて、母が家に帰ることが、
まるで終わりに向かってしまうような気もして。
怖くて、
母の主張を聞き入れてあげられませんでした。
結局家に戻ることはありませんでした。
その次の日以降、
母の具合は徐々に悪くなりました。
喋ったり笑顔を見せてくれていたのに、
日に日に喋らず、顔色も悪くなり…。
悲しくて、
ただ泣きました。
何で帰らせてあげなかったんだ。
やり残したことがあったんじゃないか。
その結果、もしかしたら気力が戻って、
病状が良くなったんじゃないか。
私があそこで母の帰宅を認められなかったのは、
その時、
それ以外の選択肢が考えられなかったのです。
でも…。
私はあの時どうすれば良かったのか、
正解は今でも分かりません。
家族の、親の死なんてきっと、
余命宣告を受けたって、うまくいけば、
もしかしたら助かるんじゃないか、
と思いたいのです。
きっと母はもう長くないことを、
だから帰りたいと。
ただ身辺整理のために帰りたいとは言えず、
こんなことになってしまいました。
でも、そんなこと言えるはずがないことは、
子供の私が、
一番分かってあげなきゃならなかったんです。
分かってあげたかった。
やりたいことをやることの努力をされていました。
でも、その裏には家族の、
私が母に対してしてしまったことが、
間違っていたとは決して思っていません。
ただ、ただ悔いが残るだけです。
ですが、もし、次に同じような機会があるならば、
たとえ少し間違っていても、
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