ずいぶん前の話だけど、巣鴨に嫁と買い物に出かけたとき目の前で街頭演説が行われてたんですよ。
嫁がお店を眺めている間ベビーカーに子供をのせつつそれとなく聞いていたんだけど、応援に駆けつけた著名政治家が外国人の選挙権に対する反対を声高に叫んでいたわけです。
演説のテンションが上がってくると後援会の方々もビラ配りに熱が入ってきて、まぁ当然自分のところにも熱意たっぷりな表情でビラを持ってきました。
巣鴨ではめずらしい(?)子連れの若いお父さんに政治の熱意を伝えたいって感じだったと思うのだけど、ぼくにはないんですよね。選挙権。
いわゆる在日三世ってやつなのでそういうことにはもはや慣れきってる話なのだけど、そのことを伝えたらこの人はどんな顔をするんだろうと考えてしまって。
当然そんなことは口に出しませんよ。
ここで勘違いしてほしくないのは人種差別って話をしたいわけじゃないんです。こんなこと書くと怒られそうだけどどちらかといえばぼく自身も外国人参政権はないほうがいいと思ってますし。
そのことについての是非はひとまずまたの機会ということで。
言いたいことは、特定の立場の正しさを主張するということはその反対の立場にいる人から反感を買う可能性も十分にあるってことなんです。
演説に耳を傾ける人の中にだって当然反対意見を持っているからこそ聞いている人もいるわけなので、当然熱心に聞いているからって演説に同意しているとは限らないんです。
場合によっては暴力沙汰に巻き込まれる可能性だってあるわけですし。
街中に街頭演説が鳴り響く季節になると、そういった危険性なんて微塵も想像できていないような後援会の人々のまっすぐな目の輝きを見る度に少し違った意味で応援したい気持ちになります。
かと言って解決策がある話でもないと思うので、どうか有権者の皆さんは穏便にお過ごしください。