■匿名ダイアリーに愚痴を書こうと思っている人へ

増田にはよくリアルの愚痴や独白が投稿されますね。

人生模様の縮図に関心のある人は少なくないらしく、毎週そのうちの幾つかが数十から数百のブックマークを集めますね。

しかし、ぼくも増田で愚痴ってスッキリしたい/人気者になりたいよーと思っている人が居たら早まる前に少し考えてみて下さい。

わざわざ大勢の見る場所に愚痴を書くメリットとは何でしょうか？他のやり方では得られない雑多な意見が得られるかも知れませんが、あなたには本当にそれほど多くの意見が必要でしょうか。「君は悪くない」「大変だったね」「壮絶な環境だなあ」という同意や同情や感嘆だとか、あるいは真面目な見解とか、ある特定の種類の反応が欲しいのではないですか？もしそうならば、大勢の前で注目を集めるよりも精神科にでも相談した方が良いと思います。もちろんカウンセラーや精神科医にも変な人は居るでしょうが、彼らは専門家であり話を聞く事に慣れています。守秘義務もありますし、特定の人にしか相談していないという状況は、その話が漏れたとき犯人を突き止めやすいので、それがまた抑止力になります。もちろん信頼できる友人や家族でもいいでしょう。しかしネットに誰でも読める形で垂れ流してしまえば、「そういうもの」として扱われます。

その書き込みが現実の知人にバレてもあなたは後悔しませんか？

特定集団内の事情をネット上にばらまく人と付き合いたいと思いますか？

当事者と解決を模索する前に愚痴を無差別にばらまくような人と付き合いたいと思いますか？

あいつは無闇に内情を暴露するやつだと思われて社会的信用を失くすとは思いませんか？

嘘を交えればバレやしないと思うかも知れません。

本当のイニシャルなんて出すわけないし、話の大筋に関係のない部分にフェイクぐらい入れる、と。

しかしいくらぼかして書いても知っている人が見れば何かしら勘付く可能性があります。細部に嘘を書き、話の筋まで同種の別の物に置き換えても、あいつがこれを書いていても不思議じゃないなぐらいの事は考えられます。人間はメタファーを解釈できます。基本的な構造が似通っていれば連想してしまいます。勿論そんな思いつきですぐに人を疑ったら妄執と思われますから黙っているでしょう。しかし疑いの種が芽生えた時の人間の観察力は侮れません。

大勢の前で愚痴って注目を集めることで、本当に満足が得られるでしょうか？お気の毒と言ってくれる人も実際に助けてくれるわけではないのです。同情されても事態が改善するわけではないのです。現実の事態はそのままに、少量の欲しいアドバイスや同情が貰え、多数の野次馬が群がるのです。その投稿は溜め込んだ感情を爆発させて一時的にスッキリするだけのものではないでしょうか？もしそうなら布団の中で涙を流したり車の中やカラオケや山で叫ぶ方が良い選択かも知れません。わざわざ目立つ場所で号泣するという選択をする必要があるかどうか考えた方がいいでしょう。

はてな匿名ダイアリーに投稿され注目を集めた記事はたいてい似たような経緯を辿ります。みんな思い思いに、いや、好き勝手にコメントをして、勿論有用な答えもあるでしょうが、多数の愚かさによって議論はわき道に逸れ迷走しながら数日から1,2週間のうちに終わりを迎える。匿名ダイアリーではそれが繰り返されています。考えさせられる問題提起だ。そう言っているブックマーカーも大抵数日後には問題意識を忘れています。

ブックマークした人のうちどれだけの人が実際にその内容を咀嚼しているでしょうか。

自分の事情の暴露という血肉を切っても他人にそれほど影響は与えられないと思った方がいいでしょう。

ブックマーク数500usersとか1000usersというとすごい！と思うかも知れません。

しかし、その記事を咀嚼した人の数が500人、1000人なのではなく、ブックマークレットを操作して登録した人の数が500人、1000人なのです。その中にはとりあえずホッテントリをブクマしたい収集家や、あとで読まない人、ダジャレを言いたいだけの人、流し読みしかしない人、分かった気になりたいだけの人、他人の内情を聞いてニヤニヤしたいだけの人や、ぼくのかんがえた一家言を一方的にお披露目したいだけの人が含まれているのです。

布団にもぐって泣いて発散するほうが良い選択なんじゃないか。

誰か特定の人に相談した方が良いのではないか。

自分は十分に当事者と話し合っただろうか。

匿名ダイアリー以外の選択肢にも考えを巡らせてみてください。

追記

以下は元増田です

http://anond.hatelabo.jp/20090406060135

Permalink | 記事への反応(12) | 14:40

ツイートシェア