静水圧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/15 03:53 UTC 版)
平衡の状態では、流体の性質は無限小の立方体による制御体積分析によって決定される。この立方体の全ての面にかかる応力は法線方向であり大きさが等しいことより、圧力勾配はポテンシャル勾配によって線形に増加する。このポテンシャル勾配は重力によるものと考えられることが多いが、電場や他のポテンシャル場によって生じることもある。重力によるポテンシャル勾配下では、流体中の圧力は流体の密度と重力の積により線形に増加する。多くの流体は圧縮しないと考えられるため、流体の密度は場所によらず一定であると仮定することができる。ガスの環境では同様の仮定をすることはできない。流体中の圧力を決定するために積分を実行すると、流体が開放空気に接する場合には積分定数は気圧に依存する。水が閉じた系である場合、積分の圧力定数は系内の基準圧力に等しい。 ∇ P = ρ f {\displaystyle \nabla P=\rho f\,} ここで P {\displaystyle P} は静水圧 (Pa) ρ {\displaystyle \rho } は液体の密度 (kg/m3) f {\displaystyle f} は単位体積あたりの流体に作用する物体力 (N/m3) 重力ではこれはgである。また電磁場では流体の電荷に依存する。 重力のみ作用する水の場合では、水は非圧縮と考えられ、変数は重力方向(上下)にのみ依存する。 P = ρ g h + P 0 {\displaystyle P=\rho gh+P_{0}\,} ここで P {\displaystyle P} は静水圧 (Pa) ρ {\displaystyle \rho } は液体の密度 (kg/m3) g {\displaystyle g} は重力加速度 (m/s2) h {\displaystyle h} は水の高さ (m) P 0 {\displaystyle P_{0}} は基準圧力 (Pa)。 上記の式を一般化すると、重力場における密度が一定でない流体の圧力を求めることができる。 P = ∫ h 0 ρ ( s ) g ( s ) d s {\displaystyle P=\int _{h}^{0}\rho (s)g(s)\,ds\,} ここで変数 s {\displaystyle s} についての積分の範囲は、求めたい場所から圧力が0と定義されている場所(液体の表面が多い)までである。
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