透明なもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 09:11 UTC 版)
透明な生物は種々存在し、クラゲや魚(グラスフィッシュなど)、サボテンの内部組織などが挙げられる。人体の中では、透明なものに羊膜、角膜、水晶体、半透明なものとして爪があるが、皮膚科的には爪母が乳白色であるのに反し、爪が半透明であることが論じられた。透明ということは、物質が特に密になっているもので、内部反射もない。もし空気があれば、そこから反射するので白っぽくなる。すりガラスに水を注ぐと反射がなくなり透明になる。薄いシャツなどを着て、水に濡れると内部が透けてみえるのはこの理由による。 死んだ生物の標本や組織を薬品で透明化しての観察も行われている。骨格を目立たせる透明骨格標本はその一例である。理化学研究所などは、より精密な研究にも利用できる透明化試薬を開発している。 透明な材料は製造に高い技術を必要とする。ガラス製の容器や宝飾品も、大量生産が可能となる以前は貴重な存在だった。現代においては、一般的なガラスのほかポリ袋、ラッピングフィルムのような透明な合成樹脂は安価に量産できる。純度や耐久力が高く、大きな透明材料を作るのは難しいが、科学技術の発展によって様々な透明素材が開発・製造されるようになった。現在では水族館の水槽に使用されるアクリル樹脂や、光ファイバーに使用される石英ガラスなど、透明度が非常に高い素材が作られている。 ビッグバン理論によると、宇宙はできてからしばらくは不透明であった。
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