海底地形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:44 UTC 版)
火山活動により形成された東側(伊豆半島ブロック)と堆積活動により形成された西側(静岡ブロック)が接する。伊豆側は水深1500m付近まで硬い岩石で構成されるため急斜面が発達しており、海底谷は少なく、海食崖や、島嶼が多くなる。一方で、静岡側は削れやすい礫・砂・泥岩で構成され水深1000m付近まで谷地形の発達する斜面が広がっている。特に静岡側はトラフ陸側斜面に特徴的な逆断層により、階段状に発達した平坦面と急斜面が繰り返す複雑な地形が見られ、多くの海底谷を有する。また、静岡側には、最大12kmに達する平坦な大陸棚(水深100~150m以浅)が発達しており、これらは2万年前の氷河期に海面が低下したために形成された浸食地形である。ただし例外的に、三保半島沖には大陸棚が発達しておらず、東へ約4km進むと一気に水深500mまで落ち込む谷地形となっている。 湾南西域には水深平均100m、最浅部32m、最大比高約1800mを呈する石花海(せのうみ、または石花海堆)と呼ばれる台地が存在し、好漁場となっている。この石花海は2つの高まりからなり、北側を石花海北堆(地図)、南側を石花海南堆(地図)と呼ぶ。この石花海の山頂は水深約40~60mの平らな地形であり、砂質堆積物が表層を覆っている。山頂は非常に浅いため、イサキ・マダイ・カサゴ・イカなど多様に富んだ釣りが盛んである。石花海の西側には傾斜の緩やかな斜面が水深800mまで広がっており、北堆西側斜面上には馬蹄形状の地すべり地形が見られるが、この地すべりは1854年に発生した安政地震の際に起きたものと推定される。さらに西方には焼津まで続く平坦な地形(石花海海盆:最大水深900m)が発達している。 一方で、石花海の東側斜面はこれとは異なり水深150m付近から一気に深さを増し1800~2000mの駿河トラフ底まで落ち込んでいる。この斜面は45~50°の急角で約4kmに渡って発達しており、この斜面上には礫岩層と泥岩層が分布している。この礫岩の種類は、有度丘陵や三保海岸を構成する円礫とほぼ同じ種類あり、いずれも古安倍川から供給されたものと推定され、200万年~数十万年前に起こった隆起運動によって山地となった。これらの円礫のほとんどに割れ目が入っていたことから隆起運動の際に強い圧力がかかったと考えられる。 また、石花海北堆東側に発達する急斜面底(水深1850m)付近は石花海ゴージと呼ばれる幅約200mの峡谷が約4kmわたって広がっている。この峡谷付近は深海底であるにもかかわらず、2ノットを超える潮の流れがあり、潜水調査船の操作を困難にしている。 全ての座標を示した地図 - OSM全座標を出力 - KML 表示
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