泥岩
【英】: mudstone
堆積岩{たいせきがん}の一種。岩石学的には粒径が 1/16mm 以下のシルトおよび粘土が固結してできた岩石の総称で、粒径が 1/16 ~ 1/256mm のシルト岩と、1/256mm 以下の粘土岩に分けられる。わが国では粘土岩だけを泥岩と呼ぶことが多い。泥岩のなかで、特に層理にほぼ平行した剥離{はくり}や割れ目のできやすいものを頁岩{けつがん}とよぶ。石油地質学的にみると、堆積環境によって有機物に富んだ泥岩は油・ガスの根源岩として、また、ち密で不浸透性が一般的性質の泥岩は帽岩としてそれぞれ有用であり、泥岩の分布、発達状況を把握、推定することは、貯留岩のそれを把握、推定するのと同様に石油探鉱上、重要な作業である。 |

泥岩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/04 04:46 UTC 版)
堆積岩 | |
![]() シルト岩 | |
構成物 | |
---|---|
泥(シルト・粘土) | |
プロジェクト:地球科学/Portal:地球科学 |
泥岩(でいがん、英: mudstone[1])は、その主要な構成物質の粒の大きさが1⁄16mm以下のもの(泥)でできている一般的な堆積岩の一種。海底や湖沼底などに堆積した泥(シルト・粘土)が、脱水固結して岩石となったものである。
いろいろな泥岩
泥岩は、粒径により、さらにシルト岩(しるとがん、siltstone[1])と粘土岩(ねんどがん、claystone[1])に細分できる[2]。粒径の境界は 1/256 mmであり、それより粗粒なのがシルト岩、細粒なのが粘土岩である[3]。
一般に[要検証 ]剥離性に乏しく塊状に割れる。特に、剥離性を示す場合は頁岩と呼んで区別することが多い。変成作用により、さらに剥離性が発達した粘板岩(スレート)、千枚岩、結晶片岩(片岩)という変成岩になる。
石油地質学の分野では、有機物を多く含む泥岩を根源岩(ソースロック)と呼んでいる。
脚注
- ^ a b c 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2。
- ^ 周藤・小山内 2002, p. 235.
- ^ 周藤・小山内 2002, p. 230.
参考文献
- 都城秋穂、久城育夫「22・2 砂岩」『岩石学II - 岩石の性質と分類』共立出版〈共立全書〉、1975年、151-154頁。ISBN 4-320-00205-9。
- 黒田吉益、諏訪兼位「7.1 砕屑堆積岩」『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年、274-277頁。ISBN 4-320-04578-5。
- 周藤賢治、小山内康人『記載岩石学 : 岩石学のための情報収集マニュアル』共立出版〈岩石学概論〉、2002年。ISBN 4-320-04639-0。
関連項目
外部リンク
- “でい岩(泥岩)”. 地質標本館. 産業技術総合研究所地質調査総合センター. 2012年9月21日閲覧。[リンク切れ]
粒径 (mm) | 砕屑物 | 砕屑岩 | 火山砕屑物 | 火山砕屑岩 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
64 以上 | 礫 | 礫岩 | 火山岩塊 | 火山角礫岩、凝灰角礫岩 | ||
64 - 2 | 火山礫 | ラピリストーン、火山礫凝灰岩 | ||||
2 - 1⁄16 | 砂 | 砂岩 | 火山灰 | 凝灰岩 | ||
1⁄16 - 1⁄256 | シルト | 泥 | シルト岩 | 泥岩 | ||
1⁄256 以下 | 粘土 | 粘土岩 | ||||
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