形式と内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/15 01:58 UTC 版)
「アメリカン・コミックスの読者欄」の記事における「形式と内容」の解説
アメリカの大手メインストリーム出版社の慣行では、コミックブックの制作スタッフの一人が読者欄の構成を行う。ふつうは編集者(後には編集アシスタント)だが、ライターが参加することもある。 読者欄は編集者の演台でもあり、読者のコメントに返答するほかにも、作中世界の舞台裏を詳しく説明したり、シリーズや制作チームに関する変更を告知したり、もっとたくさんの(あるいはもっとマシな)手紙を送るよう嘆願したり、ライバル社を当てこするなど、いろいろな方法で読者とコミュニケーションを取るために使われてきた。 コミックブックの各号の間には1か月以上の間隔があるため、読者欄に掲載されるのは通例3~5か月前の号に対する反応である。時には、その号のストーリーが長くなりすぎたり、印刷機に問題が発生したため読者欄が載らないこともあった。その場合、後の号の読者欄では投稿の機会を奪われた読者からの抗議が殺到し、編集者が謝罪と釈明を行うのが常だった。 かつて読者欄はコミックブックの中ほどに掲載されるのが普通だったが、1970年代末にはほとんどの本で最後から2ページ目になった(最終ページにはおおむね広告が載せられた)。 1960年の終わりごろ、DCの編集者ジュリアス・シュワルツは読者欄に投稿者の住所を掲載する決断を下した。これには少なからず、ジェリー・ベイルズ(英語版)(後に「コミックス・ファンダムの父」として知られるようになる)やロイ・トーマス(英語版)(後にマーベルの総編集長になる)のような熱心な読者からの訴えが影響を与えていた。SF雑誌ではすでに住所の掲載が習慣化されており、シュワルツの出自であるSFファンダムもそれに助けられて成立したものだった。住所を初めて掲載したコミックブックは『ブレイブ&ボールド』第35号(1961年5月)であった。この慣習によって多くの読者が互いに連絡を取ってペンパルとなり、ファンコミュニティを結成したりファンジンの発行を行った。『X-メン』の作画を行ったデイブ・コックラムなど、読者欄を通じて将来の伴侶と出会ったという事例も多い。 ピーター・サンダーソンはシュワルツが担当した投稿欄について以下のように書いている。 「 ジュリー・シュワルツの投稿欄はコミック界の最高峰だった。… シュワルツが選び出して掲載するのは、ウィットがあってセンスが良く知性を備えた、発展途上でこそあれ真の批評の才能を見せる投稿ばかりだった。… シュワルツは自分の読者欄を、コミック本体と同じように読者を知的に楽しませる手段として扱っていた。無署名の編集員が愚にもつかない回答を返すだけの読者欄がどれだけあったことか。それとは対照的に、シュワルツは読者の意見を尊重していることはいつでも明らかだった。シュワルツは投稿者の実名と住所を掲載することで、コミックショップやコンベンションがまだなかった時代に読者間のコミュニケーションを育てた。… その上彼は、創造性のある寄稿者を激励してその多くにコミック関係者となる道を歩ませた。初めて自分の文章が印刷されたのが1960年代のシュワルツの読者欄だったというコミック業界人はかなりの人数に上る。 … 」 マーベル・コミックも、総編集者・発行人であったスタン・リーの指示によってDCと同じく住所の掲載に踏み切った。リーは読者コミュニティを形成することを第一に考え、読者がマーベル社とその刊行物に共同体意識を持つように仕向けた。このような気風を醸成しようというリーの野望は圧倒的な成功を収め、多くのマーベルファンは投稿を "Make Mine Marvel!" という決まり文句で締めくくるようになった。 多くのファンにとって投稿が掲載されることは名誉の印であり、読者欄の中でも注目度の高いものならなおさらだった。ファンの間では、優れた投稿を積み重ねればそのコミックやお気に入りのキャラクターに影響を与えられるという認識があった。コミックに意見を反映させるために投稿家たちが協調し始めると、多くの投稿欄は編集者と読者が長期にわたる議論を繰り広げるフォーラムとなった。論題は「ミュータント」の定義から、現実の問題(宗教、人種差別、フェミニズム、ゲイの権利、障碍者の権利など)まで幅広かった。例えば、『セレバス(英語版)』の読者欄 Aardvark Commentにおいて作者デイブ・シム(英語版)が開陳した女性に関する意見は、著しく長い険悪な論戦を引き起こした。 読者欄を埋めるだけの投稿がなかなか集まらないタイトルでは、マーベルとDCの両社とも、もっと手紙を送るよう読者に懇願することも珍しくなかった。人気タイトルには毎月40通以上の投稿がある一方で、それ以外には1ページ分の投稿も来ないこともあった。どちらの社でも、あまりにも投稿が足りない場合、読者欄の構成者が適当な名で投稿をねつ造しているのは周知の事実だった。 1970年代のある期間、マーベル社の編集者は(そしてマーク・グルーンウォールド(英語版)のような編集アシスタントは)読者欄では「フレンドリー・アルマジロ」と名乗っていた。1980年になると、新総編集長ジム・シューター(英語版)のもとでマーベルの読者欄の編集方針が一新された。変更の一つは、一部のタイトルで読者欄の構成を編集者ではなくライターに任せるというものだった。同時に「アルマジロ」のおふざけは一掃され、投稿への回答は担当者の名で行われるようになった。 後年、DC社の一部タイトル(『ロボ(英語版)』や『アンブッシュ・バグ』など)の読者欄で、主人公が直接投稿に回答するというユーモラスな仕掛けが用いられた[要出典]。マーベル社では、日常的に第四の壁を破っているキャラクターのデッドプールが自らへの手紙に回答を行った。 読者欄はまた自社広告の手段としても使われており、そのタイトルや同じラインのタイトル、あるいはその出版社の刊行物全般のプロモーションが行われることがある。また、デニス・オニールがライターを務めていた1980年代の『ザ・クエスチョン(英語版)』では、その号のストーリーで扱われた哲学的観点について理解するための読書ガイドが読者欄に含められていた。
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形式と内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/08/24 15:45 UTC 版)
この詩は49節からなるが、1節は7行であり、同じくシェイクスピアの物語詩『ルークリース陵辱』などと同様に、いずれもライム・ロイヤル(帝王韻詩)。弱強五歩格でababbccの形で押韻する)で書かれている。 詩の内容は以下の通りである。 語り手は、川辺で悲嘆に暮れている若い女性を見かける。彼女は破った手紙や指輪などといった愛の印を投げ捨てていた。年配の羊飼いが彼女に悲しみの理由を尋ねると、彼女は自分をつけ回し、誘惑し、最後には自分を捨てて去っていったかつての恋人のことを話しはじめる。しかし男がふたたび同じやり口で自分を誘惑してきたら、自分はまた同じように騙されてしまうだろうと認めて彼女は話を終える。
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