対局での流儀とは? わかりやすく解説

対局での流儀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:13 UTC 版)

加藤一二三」の記事における「対局での流儀」の解説

対局中勝負所で駒を持つ手に力が入り駒音ひときわ高くなることで知られる。しかし、駒を割ったことは一度もない。ただし、対局中に盤が自然に割れたことがあった。愛知県蒲郡市の「銀波荘」で行われた1967年第16期王将戦第3局大山康晴王将加藤挑戦加藤それまで王将戦大山に6連敗していた)での出来事対局2日目入り加藤考慮していると、突如として加藤右側香車跳ね上がった驚いた加藤盤面目をやると、将棋盤乾燥が不十分であったのか、盤に亀裂入っていた。直ち将棋盤交換して対局続行され加藤快勝した中原誠同様に対局中に盤が割れ経験をしており(挑戦者米長邦雄迎えた35期名人戦第4局1976年5月13・14日)、中原棋士人生唯一のできごとであった加藤には漆アレルギーがある。そのため、加藤が大棋士となってからは、連盟東京本部では「加藤専用の駒」を用意し加藤2017年引退するまで、少なくとも35年以上にわたって使われていた。逆算すると、1980年ごろには既に用意されていたことになる。 対局に臨む際は、ネクタイ長く結ぶ(立ち上がると、ネクタイ先端ベルトより20ほど下になる程度)。 偶然ネクタイ長く結んで対局向かった際、普段以上に澄んだ心持ち集中して臨むことができ、快勝したため、以降ネクタイ長く結ぶのが対局時の流儀になった1978年度の第28期王将戦中原誠王将挑戦した際に、3勝1敗で迎えた第5局で、思わしい指し手が見つからず長考沈んでいた。その間中原席を外した時、ふと思いついた加藤は、中原座っていた場所から盤面見て絶妙手を発見して勝利し通算成績を4勝1敗として、4度目挑戦王将位を初め奪取した加藤は、反対側から盤面を見なければその手発見できなかったと述べている。それ以来時には対局相手側から盤面を見るようになったニコニコ生放送ドワンゴ)では、加藤のこの習慣にちなみ、中継中に天井カメラから映す盤面上下反対に表示することを「ひふみんアイ」と名づけ棋戦生中継使用している。ドワンゴは、自社主催する第3期叡王戦決勝七番勝負生中継2018年4月 - 6月)では、スタジオ解説に使う大盤回転軸設け物理的に上下反転できる構造とした。 タイトル戦番勝負では、対局を行う旅館ホテルで、前日に両対局者立会人が「検分」を行う。加藤は、検分の際に対局する部屋のそばに人工の滝があるのに気づき対局中にその音が精神集中妨げならないよう、その場依頼して滝を止めて貰ったことが数回ある。また、加藤タイトル戦宿泊する部屋にも気を配っており、国道沿い、あるいは川沿い部屋案内され、より静かな部屋替えてもらったことが三回あり、三回とも勝利した真夜中に騒音で目が覚めてしまってからでは、仮に部屋替えて貰えたとしても既に手遅れであり、寝不足の状態で対局することになる。対局中人工滝の音集中乱されしまってからでも同様に既に手遅れである。対局室の環境宿泊室環境気を配り必要なら事前に手を打って後顧の憂い絶つべし、というのが加藤考えであった1993年度NHK杯決勝戦佐藤康光竜王下して7回目優勝飾った際、対局後の打ち上げの席で、日本将棋連盟会長であり、決勝戦解説者でもあった二上達也が、加藤対局中空咳について苦言呈した。すると、NHK担当者即座に画面動き少な将棋番組において、加藤先生のように様々なパフォーマンス見せ視聴者飽きさせない先生は貴重です」という旨を答えて弁護してくれた。また当時はA級棋士であった加藤は、NHK杯予選免除され毎期出場していた。終局後の感想戦沈黙作らないように、加藤積極的に話すよう心がけていた。NHKに「加藤九段喋りすぎ。若手棋士委縮する」という旨の投書があったが、NHK担当者意に介さず加藤支持してくれた。

※この「対局での流儀」の解説は、「加藤一二三」の解説の一部です。
「対局での流儀」を含む「加藤一二三」の記事については、「加藤一二三」の概要を参照ください。

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