宇宙天使隊(スペース・エンジェルス)
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「銃夢 LastOrder」の記事における「宇宙天使隊(スペース・エンジェルス)」の解説
森羅天頂武闘大会(ZOTT)に出場するために即席で結成されたチーム。当初は ZOTT のお祭騒ぎを利用してイェール最深部にあるコンピュータシステムにアタックを仕掛けるための目晦ましとして活動する。実際にはメンバー其々の思惑があって戦いに身を投じるが、最終的には「地上の独立自治権」を手に入れるための闘いとなる。 ガリィ 『銃夢』より続く本編の主人公。女性。火星に発祥した伝説の格闘技術「機甲術」(パンツァークンスト)の使い手。地上にてザレムのエージェント「TUNED」として活動していたが、ノヴァの思惑により新ボディ「イマジノス体」を与えられ、ザレムに降り立つこととなった。その際、脳をチップに換えられており、『銃夢』のガリィとは記憶を共有しているものの、オリジナル脳(旧作のガリィ)は健在である為、本作で活躍しているガリィは旧作のガリィと一線を画している。自分を庇って捕えられ消息不明となったTUNED時代の友人ルゥを救出することを第一目標として、空中都市ザレム・宇宙都市イェール・森羅天頂武闘大会(ZOTT)等において、再び戦いの中へ身を投じていく。朧げであった火星時代の記憶は宇宙世界での様々な体験から次第に蘇りつつあり、それに伴って失われた機甲術の奥義をも少しずつ使用可能になっている。イマジノス体の高ポテンシャル、高度の機甲術による格闘技術、地上での幾多の戦闘経験、さらに人々との触れ合いから得た精神力とにより、戦闘者として確実に高みに近づきつつある。しかし、火星での過去と現在の記憶という、2つの分断された記憶の間で常に揺り動かされており、過去の経験のフラッシュバックに襲われたり、大切な人々との絆に関する精神的圧迫に苦悩する場面も多い。 元々の名を陽子(ヨーコ)といい、火星でのテラフォーミング戦争の際に家族を殺害された戦災孤児である。自分を救ってくれた師・ゲルダの下で機甲術を修め、やがて秘密部隊「カンマーグルッペ」の一員として宇宙都市イェールの中央電脳「メルキゼデク」への破壊工作を行ったが、作戦後カエルラに敗れて捕縛され、大気圏投下刑に処された(この「墜落」が『銃夢』冒頭につながる)。なお、火星当時の実力は機甲術9位階のうち第6位の「戦職人(ゲゼレ)」だが、作中内での実力は第3位の「達人(マイスター)」に匹敵するまでに向上しているとされる。 ZOTT決勝戦の最中に電脳空間に飛ばされ、そこでメルキゼデクとユピタン、ふたつの量子観測機から現実世界への復帰と引き換えにエージェント「ラストオーダー」として指名される。復帰後、ZOTTに勝利し優勝を果たすが、ムバディがパージしたオニオン・フレームの月面落下をナノマシン侵食によって防いだ後、行方不明となる。ガリィ(生脳) 前作「銃夢」ラストでノヴァのトラップに引っかかって爆殺される。脳組織の欠片の状態からノヴァによって再構築され、イマジノス体を与えられるも覚醒前にノヴァの気まぐれにより脳チップと換装され、脳自体はPボックス内に保存されていた。 イエールへの潜入作戦でS・ノヴァから聞かされるまでガリィ(脳チップ)もそうとは知らなかった。インキュベータ内のルゥの脳とトレードされインキュベータに収容される。 ZOTT決勝後、100号の手で守られていたが、イドの口利きで他のインキュベータ内の脳と共に肉体を再生され、フォギアと再会した。 ゼクス ザレムの地上監察局によりガリィの能力・知識をコピーして製造された12体のアンドロイド「GRシリーズ」のNo.6で、自らのナンバーより「ゼクス(ドイツ語の6を意味する)」を名乗る。ガリィを模して作られたにも関わらず完全な男性人格を持つ。地上監察局の崩壊によりアイデンティティを失った彼は、戦いに存在意義を見出した。同位体であるGRシリーズを戦いの中で葬ることで自らを高め、エルフ・ツヴェルフ以外の残存していた全7体のGRシリーズを撃破する。その後、自らのオリジナルであるガリィを倒すべくノヴァのボディーガードとしてザレムに同行し、ガリィと交戦するも敗北。その際ガリィに諭されたことから、以後は単にガリィを越えるだけではなく、真の戦士として一本立ちすることを目指して己の理想を模索するようになる。元々戦闘用マシンである上に出生後2年にも満たないことから、当初は粗暴で情緒理解に稚拙な面が見られたが、様々な敵との戦いを通じて、精神的にも成長しつつある。 戦闘面では機甲術を基本に「第六攻撃(ゼクスト・アングリフス)」など独自の格闘術を模索しており、折り畳み式の巨大な両刃「ティタンブレード」を駆使して戦う。ボディは当初右腕を一種の電磁投射砲に改造したTUNEDの制式ボディを使っていたが、後に強靭な「フィジロイ体」を入手する。ZOTTにおいては、ガリィの留守を預かり2・3回戦をほとんど1人で勝ち上がる等、能力には確かなものがあるが、人生経験の不足から信念を持つ相手と対峙して畏怖するなど、精神面では依然成長途上である。決勝戦でも絶火を相手に健闘するが、脇腹と顔面を破られボディが爆散、敗北した。 決勝後、ヤニの手で「ぷちゼクスサイズのフィジロイ体」を与えられ、100号とエルフ、ツヴェルフの独裁を鎮伏した。ぷちゼクス 地上監察局のルゥのコンソールに設置されていたガリィ人形(インタラクティブ・インターフェース)をゼクス型に改造したもの。ガリィとの戦いで体が大破したゼクスの脳チップがはめ込まれ、一時期彼の本体になっていた。小柄で頭でっかちながら機甲術の技を使うことも可能。 ゼクスがフィジロイ体を手に入れて以降は本体とコードで接続されて意識を共有している。普段は左肩のアーマー内に隠れているが、本体が破壊された場合はバックアップにもなる。一見ただのマスコットだが、本体が視界を塞がれた際に目の役目を果たしたり、本体が縛られた際にストラップをニッパーで切断したりと、隠し腕的な活躍も多い。 エルフ & ツヴェルフ ゼクスと同じGRシリーズのNo.11(エルフ)とNo.12(ツヴェルフ)。性格はガリィにもゼクスにも似ず能天気かつ享楽的で、常識的には理解し難いユーモアのセンスを発揮し、専らギャグパート担当となっている。常に2人一緒に行動し、基本的に外見上も額の識別番号以外に見分けがつかない。ノヴァのボディガードとしてザレムに同行し、ZOTTでは宇宙天使隊の一員として戦う。戦闘でもコンビプレイを行い、目に見えない極細の単分子ワイヤーで敵を切り裂くトラップ戦術を得意とする。地上監察局の指揮下でのGRシリーズの任を離れて以降、地上で歌姫として酒場でコンビを組んでいたらしく「歌って踊れる」殺人マシーンである。揃ってお洒落かつコスプレ趣味で、きぐるみからガリィの真似まで幅広いファッションセンスを発揮する。 エルフは二回戦で頭部を損壊、デロッシと『おそろい』にされてしまう。決勝前には(本人曰く試合前の緊張でテンパッテいた)羅姦に襲われて両者ともボディを破壊されリタイア。 脳チップ本体はペットロボであるキムピー(11)、キムポー(12)の中に移してあり、サイボーグボディは遠隔操作のスレイブ・ユニットとなっている。 決勝後、100号に(面白そうだから)協力してロボアジールを支配するが、復活したゼクスに鎮圧される。 ピング・ウー イェール到着早々にムバディに捕らわれ宇宙空間に放り出されたガリィ達を救出した男。生身の人間だが左腕を失っており、手首から先の部分にAIを持つ義手「ケイル」を装備している。イェールを保守するロボットたちの王国「ロボアジール」唯一の人間として世捨て人のような生活をしていた。その正体は、かつてメルキゼデクにハッキングを仕掛け、不老不死技術を盗み出し世に広めた希代のハッカー「ウィーゼル」である。目的に突き進もうとするガリィに触発され、錆び付いていた野心に再び目覚める。表向きは「ノヴァの脳チップ」「Pボックスの中身」を報酬に、ルゥを救うガリィの計画に協力を申し出て、様々な後方支援を担当。ガリィの動きに気づいたムバディに電脳戦を挑み、右腕と左足を失う瀕死の重傷を負いつつもガリィ達を機密区画に送り出した。 決勝戦の5日前に仕込んだ「フォークス・ウィルス」によってユナニマスを停止、同時にムバディのアンフェアな行いをリークする事によって一矢を報いた。 ディスティ・ノヴァ 『銃夢』から登場するザレムを追放されたマッドサイエンティスト。「業子力学」という独自の情報理論のもと様々な発明を行っている。前作のクライマックスでガリィに一旦は敗北したが、その後腹部に仕込んだ己の記憶をバックアップした脳チップを元に復活。ガリィを罠にはめて殺害する。その後ザレムに招聘されて帰還する際に秘密裏にガリィの脳組織を持ち込み、戦闘用サイボーグボディ「イマジノス体」を与えて復活させる。非常にきまぐれで、己の知的欲求のためなら人体実験も大量殺戮も他人の精神的傷を責めることにも全く罪悪感を見せる事がなく、彼にとっては自分を殺害しかねないガリィですら業子力学上の観察対象でしかない。その一方で、ノヴァ自身もLADDERによって人為的に生み出された存在であり、精神的自由を求めて葛藤してきたことが明らかにされる。ガリィやジム(サテュモド)に対して年長者らしい諭旨を与える場面もあり、単なる考えなしの狂者ではない。 もともと2つの脳チップ(頭蓋内部と、腹部に設けたバックアップ)を体内に持っていた上、ザレムに帰還後に本体が死亡すると自動的に原子レベルからの復活を行うプログラムを実行するナノマシンを空気中に散布したため、記憶・経験の異なる複数のノヴァが同時に複数名この世に存在するという混沌とした状況が起こっている。現在、ザレムで再生したノヴァ・Xと、ムバディと組んでガリィを狙うスーパーノヴァ(後述)の2人が生存している。ピングとはテクノロジーを玩具代わりにするところでどうも気が合うらしく、「ポータブルノヴァ(通称ポタノヴァ)」というインタラクティブ装置に脳チップを組み込まれた存在が行動を共にしていたが、スーパーノヴァによって破壊された。まだ予備チップがひとつ残っている筈だが、所在不明。 デッキマン100号 『銃夢』に登場した10番系のデッキマンを単独行動可能な仕様にノヴァが改造したもの。イマジノス体の予備細胞を体内に備え、ガリィの体の整備・補修を行わせるために作られた。またエルフ・ツヴェルフのボディも修理することができる。ガリィを「ご主人様」と呼んで忠実につき従う。頬ぶくれで、語尾に「ぢゅ」がつくのが口癖。イマジノス体の補修には大量の電力が必要となるらしく、これを蓄えるためのコンデンサも内蔵しているが、フル充電しようとすると小都市が丸ごと停電するほどの「大喰らい」である。 決勝後、「ヘカトン」を名乗ってロボアジールを支配し、イェール全体を掌握するが、それはガリィから託された物を守る為だった。 ヤニ スペースコロニー「レヴァイアサン1」在住のサイバネ技師。ゼクスと絶火の使うサイボーグボディ「フィジロイ体」の開発者でアフターサービス兼優勝後に名誉国民として税金免除での保護を交換条件に協力する。 LADDER及び軌道連合政府によって民間特許には莫大な税金がかかる為、開発した技術も大半が公表できず貧乏暮しをしているらしい。典型的な職人系頑固オヤジだが、自ら製作したフィジロイ体の使い手であるゼクスや絶火を息子の様に感じている。 デロッシ ヤニの助手。技術そのものは並の技師を上回っているが、のんき者で独立の気概に欠ける部分がある。 マルチン・ツァン 宇宙天使隊のスポンサー。「レヴァイアサン1」の取引を仕切るディストリビューターで元はピングとコンビを組んでいたハッカー『スカンク』。
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