化学兵器(Chemical Weapons : CW)
【化学兵器】(かがくへいき)
Chemical weapon.
人体に悪影響を及ぼす液体や気体などの化学物質を使用した兵器。
短時間に広範囲を汚染し、多数の人間を殺傷することが可能。
最初に使われたのは第一次世界大戦時であり、ドイツ軍がベルギーのイペールでマスタードガスを散布した(イペールで使用されたことから、イペリットガスとも言われる)。
近年では日本の地下鉄サリン事件が記憶に新しい。
主な種類
- 神経剤:サリン、VXガスなど。
呼吸器や皮膚などから人間の神経系にダメージを与える。
もっとも殺傷力の高い部類に入る。 - びらん剤:マスタードガス(イペリット)など。
呼吸器や皮膚など接触面に炎症を起こし、激しい痛みと痕を残す。 - 窒息剤:塩素など。
呼吸器にダメージを与え、呼吸を困難にする。 - シアン化物:青酸ガスなど。
吸入後、血液によって体細胞まで運ばれて細胞器官を破壊、酸素利用を阻害する。 - 無力剤 LSDなど。
幻覚症状などを引き起こし、長時間の間行動を停止させる。 - 暴動鎮圧剤:アダムサイトなど。
嘔吐、流涙、くしゃみなどを引き起こし、相手の行動の自由を短時間奪う。
暴徒鎮圧に当たる警察機関などが利用する「催涙剤」もこれに類する。
化学兵器
化学兵器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 00:21 UTC 版)
サリン 池田大作サリン襲撃未遂事件、滝本太郎弁護士サリン襲撃事件(1993年)、松本サリン事件(1994年)や地下鉄サリン事件(1995年)で使われた毒ガスで、1993年8月に土谷正実が製造に成功する。サリン70t製造を目指してサリンプラントの建設も試みた。教団内の隠語は魔法使いサリーからとられた「魔法」「魔法使い」「サッチャン」「サリーちゃん」「サリー」「魔法使いサリー」または「妖術」「S」「チャチャ」。麻原は、サリンは原爆と違って建造物が残るため「省エネ原爆」だと説明していた。 VX 1994年9月に土谷が製造に成功、主に教団に敵対する人物の殺害に使われた。松本サリン事件でサリンが有名になったことによる代替物としての意味もあった。教団内の隠語は土谷が命名した「神通力」。井上嘉浩によると「ツァンダリー」という隠語もあった。麻原はVXを使用することを「ひっかける」と表現していた。 青酸ガス 1994年に土谷が青酸ガスの製造に成功した。後に警察の捜査かく乱のために、青酸ガスの原料であるシアン化ナトリウムを使って、新宿駅青酸ガス事件を起こすことになった。 ホスゲン 1990年秋より研究を開始した。ホスゲンプラント計画もあった。しかし同年、国土法事件で熊本県警の強制捜査が入るとの情報を得たため、製造装置を解体し中断した。捜査した熊本県警は、まさか毒ガス製造装置があるとは思わず発覚することはなかった。その後1994年に新実智光らが坂本弁護士一家殺害事件とオウムを追及していたジャーナリスト江川紹子宅に散布し、江川に全治2週間の傷害を与えた(江川紹子ホスゲン襲撃事件)。 イペリットガス 1994年頃にイペリットガスの製造に成功した。隠語は「おでん」だったとの説があるが藤永孝三が「おでんはない」と否定している。外部に漏れ出て、信者に火傷を負わせたことから、「スパイの仕業」ということになり、疑われた男性信者が殺害された(オウム真理教男性現役信者リンチ殺人事件)。 ソマン 1994年3月に土谷がソマンの製造に成功した。サリンのほうがコストが若干安いので量産されなかった。
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