メインメモリーとは? わかりやすく解説

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メイン‐メモリー【main memory】

読み方:めいんめもりー

主記憶装置


メーン‐メモリー【main memory】

読み方:めーんめもりー

主記憶装置


主記憶装置

(メインメモリー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/04 01:18 UTC 版)

パーソナルコンピュータ等の主記憶装置等に使われるRAMモジュール

主記憶装置(しゅきおくそうち)は、記憶装置の分類で、コンピュータのメインバスなどに直接接続されている記憶装置のこと。比較的CPUから近い位置にあるため、一般に外部バスなど比較的CPUから離れていて大容量だが低速な記憶装置である「補助記憶装置」と比較すると、高速(低レイテンシかつ高スループット)だが小容量である。特に、CPUが入出力命令によって外部のインタフェースを操作するのではなく、「ロード・ストア命令」や、さらには通常の加算などの命令において直接読み書きできる対象であるものを指す。メインメモリ、一次記憶装置[注釈 1]とも。

汎用CPUのパッケージに内蔵されているキャッシュメモリよりは低速だが大容量であり、ソフトウェアのプログラムデータを補助記憶装置から読み込んで展開したり、CPUに処理させるデータの読み出し・書き込みをプログラマが明示的に制御可能な作業領域として使われたりする。

21世紀前半において一般的に使われているノイマン型コンピュータでは、フォン・ノイマン・ボトルネックが生じるため、計算負荷が高くなることが想定される場合には可能な限り高速なメインメモリを搭載する必要がある。

概要

コンピュータが初期の頃には、水銀遅延線ブラウン管記憶装置(ウィリアムス管)(1950年代)、磁気ドラムメモリ、あるいは磁気コアメモリ1960年代)等が利用されていたが、現在では通常は半導体メモリを利用している。

磁気コアメモリを用いた主記憶装置は、電源の供給が切れても記憶の内容が保持できる。これを不揮発性メモリと呼ぶ。一方、通常の半導体メモリを使ったRAMでは、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置と比べて動作が高速ではあるものの、記憶容量が小さく、また電源の供給が切れると記憶の内容が消えてしまう性質がある。これを揮発性メモリと呼ぶ。そのため、記憶の内容を補助記憶装置に適宜書き出しておいて、必要なときに再度読み込んで利用するという方式が取られる。

書き込み可能なRAMには、(リフレッシュ動作をせずに)ある程度の時間が経つと記憶の内容が消えてしまうダイナミックRAM(DRAM)と、電気が供給されている限り記憶の内容が保持できるスタティックRAM(SRAM)の2種類がある。通常、SRAMはDRAMよりもアクセスが高速であるが、両者の構造上の違いから、DRAMの方がビットあたりの必要なトランジスタの数が少なく済み、記憶容量あたりの価格が安くなるので、現在の多くのコンピュータでは主記憶装置にSRAMではなくDRAMを採用している。なお、容量よりも高速性が要求されるキャッシュメモリにはSRAMが採用されている。

最近[いつ?]プロセッサ(以下、特にCPUについて記述)は、CPU内部の処理速度は極めて高速化したにもかかわらず、主記憶装置を構成するDRAMへのアクセス速度の向上はそれに追いついていないため、主記憶装置とCPUとの処理速度のアンバランスが生じている(ノイマンズ・ボトルネック参照)。そのために、両者のギャップを埋め、より高速にデータを得るため、DRAMで構成された主記憶装置へのアクセスを直接行わず、高速動作が可能なSRAMで構成されたキャッシュメモリを経由してアクセスすることが多い。「Pentium 4」や「Athlon」など、おおよそ2000年以降に出回ったCPUでは、2段階およびそれ以上の段階のキャッシュメモリを経由して主記憶装置へアクセスする方式を採用している。

なお、UNIXプログラムが異常終了したときの動作を「コアダンプ」というが、これは、主記憶装置が磁気コアメモリを利用していた時代(1960年代)の名残である。

パーソナルコンピュータ (PC) が普及を始めた時代の初期(1980年代)では、8ビットまたは16ビットCPUを使っていた。これらは通例16ビットのアドレスバスを持ち、そのアドレス空間は216バイトすなわち64KiBに制限される。しかし当時であっても、この程度のアドレス空間では拡大を続けるソフトウェアの要求に応えることはできず、すぐにCPUのアドレス空間が不足するようになった。これに伴い、バンク切り換えセグメント方式EMSなど、実際のCPUのアドレス空間よりも広い主記憶装置の利用を可能にする技術が使われるようになった[1]。ただし、これらの技法はソフトウェアの複雑化やシステムの不安定化を招く要因にもなった。

32ビットCPUになってからは、アドレス空間が232バイトすなわち4GiBに拡大され、シンプルな形態で大容量メモリを扱えるようになったため、主記憶切り替え機能はいったん廃れたが、さらなるメモリ容量への需要に伴って、仮想記憶機能と連動して、一部の32ビットCPUでは、アドレス範囲が32ビットを超えたメモリのアクセスを可能とするような機能が提供されている。[要出典]

2024年現在は64ビットCPUの普及が進んでおり、サーバーワークステーションやPCだけでなく、スマートフォンタブレットといったモバイルデバイスでも64ビットアーキテクチャへの移行がほぼ完了している。アドレス空間は264バイトすなわち16EiBに拡大されているが、搭載可能な物理メモリ量は理論的なアドレス空間よりもずっと小さく制限されている。これは、現状ではオペレーティングシステム (OS) もアプリケーションソフトウェアもそこまでの巨大なメモリ空間を必要としているわけではなく、また64ビットアドレス空間をフルサポートするようなハードウェアを実装しようとすると、必要以上にトランジスタ数が増えてしまうからである[2]

主記憶装置の使われ方

現代的な多くのコンピュータシステムでは、オペレーティングシステムとメモリ管理ハードウェア[注釈 2]の連携により、プロセスごとに保護された主記憶装置のメモリ空間を仮想的に割り当てる、仮想記憶を採用している。そのため、主記憶装置の空間を一定の単位に区切って管理しつつ利用するメモリ管理機能が利用されている。その方法には、セグメント方式ページング方式がある。

本来の主記憶装置の容量で足りない時は外部の容量を主記憶装置代わりとすることもある。これは仮想メモリとも言われる。

故障

サーバパーソナルコンピュータのハードウェアで、故障が最も発生し易いものの一つが主記憶装置である。従ってWindows 10などのOSでは「Windowsメモリ診断」ツールが利用できる。主記憶装置が故障すると以下のような事象が発生する。

  • 電源を投入してもOSが立ち上がらずブルースクリーンが表示される。
  • OSの起動途中に再起動し繰り返す。
  • OSが立ち上がってPCを一定時間操作している途中で、画面がスノーノイズのようになって操作不可能になる。

PCに複数の主記憶装置を装填している場合、1つでも故障した主記憶装置があると他の主記憶装置が正常でも上記のような不具合が発生する。主記憶装置を1つ1つ抜いてどの主記憶装置が故障しているかを特定する必要がある。

脚注

注釈

  1. ^ 近年[いつ?]はCPUキャッシュなどが3段近く入っていることもあったりするので、これ[どれ?]を指して「一次記憶装置」というのは不適切になりつつある。
  2. ^ 以前[いつ?]MMUと呼ばれる独立したチップだったこともあったが、現代の高性能・高機能なプロセッサではほぼ内蔵されている。

出典

関連項目

外部リンク


メインメモリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/16 23:21 UTC 版)

IBM PC XT」の記事における「メインメモリー」の解説

標準搭載メモリは128Kだったが、すぐに256KBに増加された。また拡張スロットメモリー拡張用にも使用できた。

※この「メインメモリー」の解説は、「IBM PC XT」の解説の一部です。
「メインメモリー」を含む「IBM PC XT」の記事については、「IBM PC XT」の概要を参照ください。

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