マズルカとは? わかりやすく解説

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マズルカ【(ポーランド)mazurka】

読み方:まずるか

ポーランド農民から起こった舞踊および舞曲三拍子で第2拍または第3拍にアクセントをもつ。


ドビュッシー:マズルカ

英語表記/番号出版情報
ドビュッシー:マズルカMazurka作曲年1890?年  出版年1904年  初版出版地/出版社: Fromont 

作品解説

2007年8月 執筆者: 和田 真由子

嬰へ短調 4分の3拍子
1890年頃の作曲であると推定されるが、それ以前作品である可能性もある。ショパンや、ボロディンなどの影響指摘される習作的なもの。ドビュッシー自身はこの作品出版することに反対していたが、結局1904年初版出されている。


マズルカ

英語表記/番号出版情報
ロイプケマズルカ ホ長調Mazurka
ピエルネ:マズルカMazurka Op.28bis作曲年1892年 
リャードフマズルカ ヘ長調Mazurka Op.38出版年1896年  初版出版地/出版社: Belaïev 
グリンカマズルカ ト長調Mazurka G. vi, 70作曲年1828年  出版年1829年 
グリンカマズルカ 変イ長調Mazurka G. vi 160作曲年: 1833-34年  出版年1834年 
グリンカマズルカ ヘ長調Mazurka G. vi 161作曲年: 1833-34年  出版年1834年 
グリンカマズルカ ヘ長調Mazurka G. vi, 162作曲年: 1835?年  出版年: c1836年 
グリンカマズルカ ハ長調Mazurka G. vi, 256作曲年1852年  出版年1878年  初版出版地/出版社モスクワ 
アルベニス:マズルカ(思い出Mazurka(RecuerdosOp.80
フィビヒフィビフ):マズルカ ロ長調Mazurek in B major作曲年1871年  出版年1936年  初版出版地/出版社Urbánek 
バークリー:マズルカMazurka Op.101b出版年1983年  初版出版地/出版社Chester 
マルティヌー:マズルカMazurka作曲年1941年  出版年1942年 
ヘラーマズルカ ロ長調Mazurka, H-dur Op.158出版年1879年  初版出版地/出版社: Kistner 
グリフィス(グリフェス):マズルカMazurka作曲年: 1898-1900年 
セーヴェルー:マズルカMazurka
エルツヘルツ):マズルカMazurka Nationale Op.196
バダジェフスカ:マズルカMazurka
ドライショック(ドライショク):マズルカMazurka Op.14
ドライショック(ドライショク):マズルカMazourka Op.64
ピクシス:マズルカmazurka Op.146
ヴォルフ, エドゥアール:マズルカMazurka Op.95
シラス:マズルカMazurka
シラスマズルカ 変ロ長調Mazurka, B-dur
ザジツキ:マズルカMazourka Op.38
ベルコヴィッチ(ベルコヴィチ):マズルカMazurka
スクリャービンスクリアビン):マズルカ ヘ長調Mazurka作曲年1889年 
スクリャービンスクリアビン):マズルカ ロ短調Mazurka作曲年: 1889?年 
ファリャ:マズルカMazurka作曲年1900年 

ショパン:マズルカ 変イ長調

英語表記/番号出版情報
ショパン:マズルカ 変イ長調Mazurka As-Dur KK.IVb/4 CT104作曲年1834年  出版年1930年  初版出版地/出版社: Gebethner & Wolff  献呈先: Stammbuch Maria Szymanowska

作品解説

2007年7月 執筆者: 齊藤 紀子

 1834年作曲され20世紀入ってから、1930年出版された。正式な献呈ではないが、マリア・シマノフスカアルバム書かれていた。クヤヴィアク挿入されるオベレクとなっている。また、曲の最後に序奏再現されることが特徴的である。

クヤヴィアクマズル、オベレクの説明こちら佐藤展子さんの連載ページ)。

Fryderyk Chopin “Mazurki na fortepian”ed. I.J. Paderewski, L. Bronarski, J. Turczynski Warszawa : Instytut Fryderyka Chopina 1996

フォーレ:マズルカ 変ロ長調

英語表記/番号出版情報
フォーレ:マズルカ 変ロ長調Mazurka Op.32作曲年1878年  出版年1883年  初版出版地/出版社: Hamelle 

作品解説

2007年10月 執筆者: 齊藤 紀子

 フォーレ初期ピアノ作品属するこの《マズルカ》は、1875年頃に作曲されたと考えられている。出版は、1883年になされ、初演それより更に遅い、1886年1月国民音楽協会において、ボルド=ペーヌ夫人により行われた。この演奏会では、《夜想曲 第3番》もボルド=ペーヌ夫人により初演されており、《マズルカ》も《夜想曲 第3番》もアデール・ボオモレツ嬢に捧げられている。
 フォーレ作品は、タイトルにおいてショパン作品との親近性感じさせるものが多く、この曲もその1つである。しかし、このようなタイトルは曲種を表すものであり、その音楽内容各々作曲家により異なる。モデラート変ロ長調書かれたこの作品では、マズルカのリズム使用ショパン作品比べ表面上のものに留まっている。また、曲の長さ曲の構成ショパンとは異なる。フォーレのこの《マズルカ》では、「ABA’ CCD A’B’」という3部形式の形をとっている。


マズルカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/11 05:14 UTC 版)

マズルカポーランド語: mazurek, クラシックの曲名としては mazurka が古くより一般的に使われている)は、4分の3拍子を基本とする特徴的なリズムを持つ、ポロネーズと並んで有名なポーランドの民族舞踊、舞曲およびその形式[1]

概要

マズルカ; 1845

16世紀に国内のポーランド貴族(シュラフタ)の間で流行し、17世紀には近隣のヨーロッパ諸国に、19世紀にはイギリスアメリカにも普及していった[1]。元々はポーランド民謡の歌がつき、バグパイプの伴奏のうえで踊ったりもした[1]。ポーランドのロマン派の作曲家であるショパンは諸地方の舞曲の要素を統合し、マズルカを芸術作品として昇華させた。19世紀にはマズルカのリズムを持ったポルカ「ポルカ・マズルカ」も誕生した。また、現在のポーランド国歌は『ドンブロフスキのマズルカ』で、勇壮なマズルである。

マズルカには幾つかの種類があるが、いずれも3拍子で第2拍もしくは第3拍にアクセントが置かれる[1]。最も基本的な踊りである「マズル(Mazur)」は、速い踊りで多種多様なリズムが用いられる[1]。「クヤヴィヤック(Kujawiak)[注釈 1]」は抒情的でゆっくりとしたテンポの踊りで、「オベレク(Oberek)」は非常に急速な踊りで、アクセントやリズムもより豊かになっている[2]。このように地方により多様な名称のものがあり、これらは伝統的には別種の舞曲として認識されるが、ショパンはそれらを曲の中で並置させて1曲のマズルカとしてまとめている。同じ3拍子の舞曲としてワルツがあるが、これとは違い、振付はより野性的で即興的要素も強い[1]

名称

マズルカのポーランド語での名称は「マズレク」(mazurek)であり、この名称は現在のポーランド中央部(マゾフシェ県)の歴史的地名及び住民名に由来している。古いマズレクは14世紀に流行した記録が残っており、この時代にはまだワルシャワは建設されておらず漁を営む者ばかりいる寒村だったとされる。

曲調はテンポの遅いクヤビアク(kujawiak)中庸の早さのマズレク、テンポの速いオベレク(oberek)があり、これらまとめてマズレクと呼ぶことが多い。ショパン以降マズルカの名称が広く知られるようになったがフランスやドイツで19世紀前半から20世紀にかけて流行したマズルカは「ポルカ・マズルカ」と呼ばれ、これはポーランドの伝統的な民俗舞曲マズレクとは音楽的に異なったものであり区別されている[3]

主なマズルカの作曲家

ポーランド

ポーランド以外

ロシア、フランスなどの作曲家がマズルカを書いた。その多くはショパンの影響を受けたピアノ曲である。

マズルカはバレエにしばしば組み込まれた。なかでもドリーブコッペリア』(舞台はポーランド)第1幕のマズルカは有名である。またチャイコフスキーも『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』にマズルカを組み込んでいる。

他にも全日本吹奏楽コンクールにて、2013年課題曲Iとして三澤慶作曲の「勇者のマズルカ」という曲が作られている。この曲はテンポがはじめ160とかなり速めで、中間部が88でゆったり、そして再び160、終盤で168と急緩急の構成で作られている。

脚注

注釈

  1. ^ 「クヤヴィアク」との表記もあり[1]

出典

  1. ^ a b c d e f g 湯浅 2020, pp. 48.
  2. ^ 湯浅 2020, pp. 48–49.
  3. ^ 平凡社改訂新版「世界大百科事典」-マズルカ[1](佐藤允彦)

参考文献

  • 湯浅玲子「ショパンのポロネーズ、マズルカとは。」『ショパン』第37巻第8号、株式会社ハンナ、2020年8月、46-49頁。 

関連項目

外部リンク


マズルカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 05:44 UTC 版)

大戦隊ゴーグルファイブ」の記事における「マズルカ」の解説

1 - 48話に登場。デスダークの諜報部長。爆撃麻酔ガス放つスティック武器変装を得意とするが、第4・39話で変装して活動していた際、子供に「おばさん扱いされ、怒ったこともある。

※この「マズルカ」の解説は、「大戦隊ゴーグルファイブ」の解説の一部です。
「マズルカ」を含む「大戦隊ゴーグルファイブ」の記事については、「大戦隊ゴーグルファイブ」の概要を参照ください。

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