カロチンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > カロチンの意味・解説 

カロチン【carotin/carotene】

読み方:かろちん

カロテン


カロテン

(カロチン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 07:06 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
β-カロテンの3次元モデル
カロテンはニンジンを始めとした野菜・果物の橙色成分である。

カロテンカロチン: carotene [ˈkærəˌtiːn][1]: Carotin)は、カロテノイドのうち炭素水素とから成る化合物の総称である。植物によって生合成されるが、動物は生合成することができない。カロテンは光合成において重要な橙色光合成色素の一つである。ニンジン: carota: carrot)の橙色の元であり、これがカロテンの語源となっている[2]。しかし、ニンジンだけでなく多くの果物野菜(例えばサツマイモマスクメロン)に含まれている。枯れ葉の橙色や乳脂肪、バター、卵黄の黄色も、カロテンによる着色である。ヒトやニワトリの典型的な黄色脂肪は、それら食物由来のカロテンの脂肪貯蔵の結果である。

カロテンは、吸収した光エネルギークロロフィルへ伝送することで光合成に寄与している。また、カロテンは、光合成中に形成する酸素分子の活性型である一重項酸素のエネルギーを吸収するので、植物組織の保護に役立っている。

化学的には、カロテンはテルペンの一つであり、8個のイソプレン単位から生合成される。カロテンには、主にα-カロテンとβ-カロテンの2種の異性体がある。カロテンは酸素原子を含まない炭化水素分子なので、脂溶性であり水には溶けない。

ビタミンAへの変換

β-カロテンは2つのレチニル基から構成されている。動物の小腸の粘膜中で酵素 β-カロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼ(EC 1.14.99.36)によってビタミンA(レチノイド)の一種であるレチナールに分解され、 肝臓体脂肪に蓄えられる。ヒトや数種の哺乳類ではレチノールの形にする。

動物の種類によって、カロテンをレチナールにする能力には差がある。肉食動物では一般に摂取したカロテノイドを変換する能力は低く、特にネコフェレットなど純粋な肉食動物はβ-カロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼを欠いているので、レチナールへは全く変換されない。つまり、それらの動物ではカロテンからはビタミンAは形成されない。

異性体

α-カロテン
β-カロテン

カロテンの異性体には、主にα-カロテンとβ-カロテンの2種があり、これらの他にγ-, δ-, ε-およびζ-カロテンも存在する。α-カロテンとβ-カロテンでは、その末端の環の二重結合の位置が異なる。

β-カロテンのほうがα-カロテンよりも一般的であり、黄色、橙色および緑葉の果物野菜で見られる。橙色がより鮮やかな果物および野菜ほど、より多くのβ-カロテンが含まれている傾向にある。

命名法

カロテンは炭素と水素だけで構成されたカロテノイドであり、それ以外の元素を含むものはキサントフィルと呼ぶ。

β-カロテンの両末端は同一の環構造であり、これをβ環(β-rings)と呼んでいる。一方、α-カロテンは末端の片方にβ環をもち、反対側の末端にはε環(ε-ring)と呼ばれる構造をもつ(α環というものは存在しない)。これらとカロテノイド分子の末端の構造によって基準となる組織名をつける。

2000年11月改訂の『日本食品標準成分表』(五訂)から、表記が「カロチン」 ではなく 「カロテン」と統一された。

出典

[脚注の使い方]

関連項目

外部リンク


「カロチン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「カロチン」の関連用語










10
カロテン デジタル大辞泉
38% |||||

カロチンのお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カロチンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカロテン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS