オービタとは? わかりやすく解説

スペースシャトル・オービター

(オービタ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/10 10:10 UTC 版)

スペースシャトル・オービター
所属 NASA
任務 軌道周回
周回対象 地球
打上げ機 スペースシャトル固体燃料補助ロケット
打上げ場所 ケネディ宇宙センター
公式サイト 公式サイト
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スペースシャトル・オービタースペースシャトル・オービタ英語: Space Shuttle Orbiterスペースシャトル軌道船)とは、スペースシャトルを構成するモジュールのうち、実際に宇宙と地上を往還する宇宙船本体部分である[1]

1981 年 4 月 12 日の最初の打ち上げから 2011 年 7 月 21 日の最終着陸まで、NASA のスペース シャトル フリートは 135 回のミッションを遂行し、国際宇宙ステーションの建設に貢献し、世代を超えて人々を鼓舞してきました。

NASA のスペース シャトル フリートは、1981 年 4 月 12 日の最初の打ち上げから記録を打ち立て始め、30 年にわたるミッションを通じて高い成果と耐久性を達成し続けました。コロンビアから始まり、チャレンジャー、ディスカバリー、アトランティス、エンデバーと続くこの宇宙船は、繰り返し人を軌道に乗せ、衛星の打ち上げ、回収、修理を行い、最先端の研究を実施し、宇宙最大の構造物である国際宇宙ステーションを建設してきました。最後のスペース シャトル ミッションである STS-135 は、2011 年 7 月 21 日にアトランティスが母港であるフロリダ州の NASA ケネディ宇宙センターに停止したときに終了しました。

概要

スペースシャトル・オービターロケットであり宇宙船であり飛行機でもある有翼の"スペースプレーン"である。このスペースプレーンは地球を周回する軌道へ乗員と貨物を輸送し、大気圏を滑空機のように飛行して帰還する。

胴体後尾に再使用可能な液体ロケットエンジンSSMEを3基搭載し、オービター外部に取りつける固体ロケットブースタの推力を合わせて、ロケットのように打ち上げられる。宇宙空間で活動を行った後、大気圏に再突入し、グライダーのように滑空して地上の滑走路に着陸する。完全なリフティングボディでなく、帰還時の滑空にによる揚力を利用しているため、従来の宇宙船に比べると飛行機に近い形状をしており、垂直尾翼も設置されている。胴体前部にキャビンがあり、胴体中央部は貨物室となっている。機体腹面には大気圏再突入時の摩擦熱断熱圧縮による高温に耐えるために耐熱タイルが貼り巡らされている。

大気圏内の長距離輸送はシャトル輸送機(SCA)と呼ばれる専用のボーイング747改造機に搭載される。この際、胴体尾部にはエンジン保護と空力改善のためのフェアリングが被せられる。

ちなみに、ロシア(ソ連)が開発したブランもオービターと呼ばれ、外見はアメリカのスペースシャトルと比べて多少鋭角的なこと以外ほとんど同じだが、中身はかなり違う。詳細はブラン (オービタ)を参照

全部でエンタープライズコロンビアチャレンジャーディスカバリーアトランティスエンデバーの6機あり、全機が南カリフォルニアを拠点とするロックウェル・インターナショナルで生産された。最初に飛行したエンタープライズは1977年にボーイング747旅客機を改造したシャトル輸送機に載せられて滑空、着陸試験に使用され、実際に宇宙飛行を行う他のスペースシャトルに役立てられた。

コロンビアは1981年に打ち上げられた宇宙飛行を行った初のスペースシャトルである。チャレンジャーディスカバリーアトランティスの初飛行はそれぞれ1983年、1984年、1985年である。1986年にチャレンジャー号爆発事故によってチャレンジャーが失われたのでエンデバーが代替機として建造され1992年に初めて打ち上げられた。2003年にはコロンビアが大気圏再突入時にコロンビア号空中分解事故によって失われた。そのため、3機で運用されるようになった。アトランティスは2010年5月、ディスカバリーは11月、エンデバーは2011年1月に退役する予定だったがいずれも延長され、2011年7月8日のアトランティスの打ち上げが最後となった。

特異な操縦特性とやり直しのきかないアプローチに習熟するため、NASAではガルフストリーム IIを改造したシャトル訓練機での着陸訓練を行っていた。

諸元

エンデバー, OV-105の場合)

  • 全長:37.24 m
  • 全高:17.25 m(着陸時)
  • 翼幅:23.79 m
  • 空虚重量:約78トンSSME搭載時)68,585 kg
  • 離陸時重量:109,000 kg
  • 最大着陸時重量:104,000 kg
  • 主エンジン:ロケットダイン製ブロック2-ASSME3基
  • 推力:1基あたり178 ton(SSME, 真空中)1.75MN(海面高度)
  • 燃料 / 酸化剤液体水素(LH2) / 液体酸素(LO2)
  • 最大積載量:25,060 kg
  • 貨物室寸法:4.6m x 18.3 m
  • 運用高度:190から960 km
  • 速度:7,743 m/秒, 27,875 km/h, 17,321 m.p.h.
  • 航続距離:2,010 km
  • 乗員:6から8人(最少2人)
  • 乗員空間:65.8 m3(内部エアロックを含む)または74.3 m3(貨物室内の外部エアロックを含む)

オービターの最大滑空比/揚抗比は速度によって変化する。極超音速では1:1、超音速では2:1、接近から着陸にかけての亜音速では4.5:1である[2]

一覧

運用開始順に記載する。

上記のほか、模型のパスファインダー (Pathfinder) もオービターとしてカウントされることがある。さらに試験用以外にも展示用として、いくつかの実物大のオービターが作られた。

シャトルの打ち上げの様子 左から右へ順番に: コロンビア, チャレンジャー, ディスカバリー, アトランティス,エンデバー.
試験用
番号 名称 備考
OV-095 - シャトル・アビオニクス・インテグレーション・ラボラトリーアビオニクスの試験と訓練用の模擬装置
OV-098(名誉的) パスファインダー オービターの移動と取り扱い訓練用の模擬機
MPTA-098 - 推進と燃料供給システムの試験機
STA-099 - 疲労試験と熱試験に使用された構造体で後にチャレンジャーとして使用される
OV-101 エンタープライズ 1977年10月26日に初めて大気圏内の無動力飛行を行った。進入・着陸試験に使用され宇宙飛行へは転換されなかった。
オービター
番号 名称 備考
OV-099 チャレンジャー 1983年4月4日初飛行。1986年1月28日、打ち上げ直後に爆発事故で喪失。
OV-102 コロンビア 1981年4月12日初飛行。2003年2月1日に再突入時に分解した。
OV-103 ディスカバリー 1984年8月30日初飛行。
OV-104 アトランティス 1985年10月3日初飛行。
OV-105 エンデバー 1992年5月7日初飛行。
展示用
番号 名称 備考
OV-100 インディペンデンス ヒューストン宇宙センターに展示されている実物大模型。ケネディ宇宙センターに展示されていた頃はエクスプローラと呼ばれていた。
- アドベンチャー ヒューストン宇宙センターに機首の部分が展示されている実物大模型
- アメリカ シカゴ郊外のテーマパーク「シックス・フラッグス・グレート・アメリカ」にかつて存在したアトラクション(実物大模型)。2007年閉鎖、2009年末解体。
STA-098(二代目) パスファインダー 原型はクリアランスの確認や多くの地上での運用の試験に使用された。大スペースシャトル展で使用された2代目が寄贈されアラバマ州ハンツビルスペースキャンプで展示されている。
Houston宇宙センターのアドベンチャー号の展示

脚注

  1. ^ Facts About the Space Shuttles”. NASA. 16 March 2008閲覧。
  2. ^ Space Shuttle Technical Conference” (pdf). NASA Office of Logic Design. 2020年9月21日閲覧。
  3. ^ “退役シャトルの「終の棲家」4カ所発表 初飛行30周年”. asahi.com (朝日新聞社). (2011年4月13日). オリジナルの2011年4月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110416222606/http://www.asahi.com/science/update/0413/TKY201104130082.html 2020年10月8日閲覧。 

関連項目

外部リンク


オービタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 05:49 UTC 版)

バイキング1号」の記事における「オービタ」の解説

太陽との合が始まった1976年11月5日にオービタの最初のミッション終了し、合が終わった後の1976年12月14日から再開された。1977年2月にはフォボスへの接近が行なわれた。1977年3月11日には近点が 300km になったミッション通じて小規模な軌道調整が行なわれ、1979年7月20日には近点が 357km まで大きくなった。バイキング1号のオービタの高度制御ガス少なくなり、火星への衝突汚染2019年まで起きないように、1980年8月7日357 x 33943km から 320 x 56000km へ軌道上げた。1485周回した後、1980年8月17日運用終了した

※この「オービタ」の解説は、「バイキング1号」の解説の一部です。
「オービタ」を含む「バイキング1号」の記事については、「バイキング1号」の概要を参照ください。

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