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エイム・タップ・シンデレラ 未熟な天才ゲーマーと会社を追われた秀才コーチは世界を目指す

著者:朝海ゆうき

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同僚を庇い、左遷させられてしまった秀才OLの結衣。ひょんなことから、著名ベンチャー企業創業者の作るeスポーツチームのマネージャーに誘われる。日本初のプロゲーマーと言われた父、「魔王」と呼ばれるトッププロゲーマーで、妹の凛のこともありそれを引き受けることに。選手を集めをする中、彼女が見出したのは奇しくも妹と同じ名前を持つ女子高生・リンで……
eスポーツを題材とした物語。
……ではあるのだけど、どちらかというと、そんなものを題材として、結衣、そして、リンの人物像、成長と言ったものを描いた作品だな、というのを思う一作。
日本初のプロゲーマーと言われた父を持つ結衣。だが、ある大会で不正疑惑をかけられ、自分は反面教師として優等生の道を歩んできた。だが、そんな優等生としての日々も、左遷によってそれも失われた。研究職についていたが、果たして、自分は研究職に情熱を持っていたのか? 湧き上がる疑問。そんな中で担当することとなったeスポーツチームのマネージャー。さらに、そこからのコーチ業。
昔、妹とやっていたゲーム。そこで彼女は、「次はこうくるだろう」と的確な指示を出していた。それは、研究のたまもの。そして、そんな時代の凛とそっくりなリンの出会い。チームメンバーを集め、大会に挑んでいくが、妹と同じようなトラブルも控えていて。でも……
優等生という仮面を捨てて、自分の道を歩みだす結衣。そんな結衣の手によって、自分のトラウマを克服するリン。そんな二人の前に立ちはだかる「魔王」凛。途中、挫折と言える状況があり、けれども、自分が何をしたいのか、というのに気づいていく。そして、自分の道へ。結構、駆け足な展開だとは思うのだけど、描きたい主題がはっきりとわかるので読んでいて心地よかった。
まぁ、リン、凛、さらに言えば結衣が引っ張るチームの面々のキャラクターの掘り下げ不足と感じる部分はある。また、ゲームのルールがイマイチわからなかった部分もある。その辺りが足を引っ張っていると言えばそうかもしれない。でも、結衣の成長物語だと考えれば、十分に楽しむことができた。

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Tag:小説感想電撃文庫朝海ゆうき

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