★新規公開作品
【53】ジャニスと踊ろう(原稿用紙100枚)
この物語は大学同級生の桟敷、博美、南郷の3人其々の人生の選択と彼らより5年先輩の林田さんとの関わり合いを中心に展開していく。
桟敷は大学1年生から林田さんの喫茶店でアルバイトをしていて、卒業後もずっとそこに留まっていた。同級生だった博美と南郷は南郷の故郷で大学卒業後結婚生活を始めたが、離婚をして博美だけが東京に戻って来ていた。桟敷は喫茶店で流していた数多くのLPレコードの備忘録をもとに《ジャニスと踊ろう》と言う本を出版した。
林田さんと博美の再婚、林田さんの死、南郷の再びの不幸、桟敷の感性の移り変わりが次々と展開していく。
ジャニス・イアンの楽曲♪Will you dance Take a chance on romance and a big surprise?《踊ろうよ ロマンスや思いがけない出来事を掴もう》に自分の生きざまを重ねた主人公桟敷が掴まえたものとは・・・?
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★下記の作品を、小説投稿コミュニティ~E★エブリスタで無料公開中です。よろしければ、お楽しみください!
◆《既投稿分》
短編(投稿サイトに字数制限があるため長編は不可)小説を、全作品投稿いたしました。ブログ連載でなく、一気に読んでいただける方はそちらでもお楽しみいただければと思います。
【1】神楽坂で聴くサウンドオブサイレンス(原稿用紙90枚)
主人公榎本は大学時代の4年間を下宿のあった神楽坂で過ごした。榎本は卒業後の進路で生まれて初めて自分自身と真剣に向き合った。そして結果として夢の欠片を神楽坂の街に残して、故郷岡崎に帰り地元信用金庫に就職した。
それから38年後地元で定年退職を迎えた榎本は、再び神楽坂に出てきてアパート暮らしを始めた。38年前の下宿でも定年後に借りたアパートでも。部屋の中には絶えずポールサイモンのサウンドオブサイレンスが流れていた。
60歳になっていた榎本が2度目の神楽坂で出会った、懐かしいキッチン神楽坂のご夫婦、アパートの隣人で大学4年生の吉田君、新たな出会いの中で再び榎本が手に入れた夢の欠片は・・・?
【2】懐かしいね、ガントレ!(原稿用紙90枚)
この物語は中学、高校と偶然同じ学校へ進んだ4人が45年ぶりに高校の文化祭で再開するところから始まる。
学校に通っていた時から親友などとよべるほど近い関係でなかった4人は年賀状1枚だけの関係が学校卒業後も続いていた。63歳になっていた4人は池谷からの文化祭での再会をという申し出を受け入れて集合した。
45年ぶりに訪れた高校で、唯一変わっていなかったグランドで4人は《ガントレ》という無茶苦茶な体育の授業を懐かしく思い出す。
ただ、遠い昔、必死になって勝ち取った《制服撤廃》が、何と標準服という制服が導入されていた。その現実を前に、45年前校長室を占拠してまでその活動を推進していた植木がとった行動とは・・・?
【3】あの日聴いた夢のカリフォルニア(原稿用紙90枚)
主人公箕田は20歳のころモトレーサーに挑戦していたが、出来たばかりの筑波サーキットで大事故に巻き込まれ脊髄をひどく痛めた。その日、箕田の夢は儚く消え失せた。自暴自棄になっていた箕田に声を掛けてくれたバイクショップに誘われて、そのまま店までも引き継いで箕田は60歳になっていた。そんな箕田の前に18歳のモトライダーを夢見る目加田君と、定年退職して長年の夢であるオートバイで風を感じたいという夢を手に入れた森田さんが現れた。
箕田の夢を失くしたその日からずっと聴きつづけてきた♪夢のカリフォルニアは、3人の心根にどう響いたのだろうか・・・・?
【4】いつか観たジョンレノン(原稿用紙90枚)
主人公は定年を迎える以前から、古本屋通いを始めた。公私ともども様々な義務と責任とを背負い続けた長いサラリーマン生活がいよいよ終ろうとしていた。主人公はやがて手に入れるであろう100%自由な時間を前にして、義務教育期間を終えてやっと高校入学時に手に入れた自由な空気を再び感じるためにその高校生時代にいつも眺めていたジョンレノンが写っていた音楽雑誌に載った写真を捜すことを思いついた。
そんな主人公の前に主人公の父親と同年代の福田書店のご主人、主人公の息子と同年代の大学生の孝信君が現れた。
古書店福田書店の存続問題を前にしてとった孝信君の行動とは・・・?
【5】私は夢見るシャンソン人形(原稿用紙90枚)
主人公坂谷は60歳、大学卒業後ずっと音楽教室で働いていた。大学時代今や坂谷が勤めている音楽教室の代表になっていた仁平と演奏活動をしていた。大学卒業時にかなり評価されていた演奏活動を前に、仁平は野心を取り、坂谷はあっさりと野心を捨てた。
ある夏、坂谷の前に小さい頃ピアノを習いに来ていて今は大学4年生になっていた、裕子、朋子、孝典、英明の4人が現れた。坂谷はようやく自由気ままな引きこもり生活を手にしたが、4人の大学生たちは各々どんな未来に向かって歩みだすのだろうか?夢見るシャンソン人形のイラストを残して、フランスに旅だった裕子は・・・?
【6】ウクレレの音が流れる夏(原稿用紙90枚)
定年退職したばかりの主人公は、社会から隔絶したプライベートな時間を満喫していたがお世話になった先輩から定年退職者の親睦会である社友会への参加を懇願された。1回限りという約束で参加した主人公は、二度と参加しないという強い思いを胸に抱きながら帰る途中、ふと流れてきたウクレレの音に自由な気持ちをだぶらせた。
あれほど独りきりに拘っていた主人公は、ウクレレの音に誘われるようにカルチャーセンターのウクレレ講座に通い始めた。
そこで出会った主人公と同年齢の2人の定年退職者たちとのやりとり、さらにはお祖母ちゃんに聴かせてあげたいと参加していた大学生との不思議なつながりは思わぬ展開をみせていく・・・・。
【7】チェスターの空の下(原稿用紙90枚)
この物語は夏目漱石が小説の中で登場させた《高等遊民》を目指した60歳の主人公と20歳の甥っ子との奇妙な話である。一人暮らしの主人公は60歳の定年を区切りに事前に準備していた《高等遊民》の生活を始めていた。そこにこの1年間大学にも行けず家の中に引きこもってしまった《ニート》暮らしになった甥っ子が現れる。甥っ子は《やることが見つからない》ことがきっかけで引きこもってしまったが、そんな甥っ子に主人公はともに《高等遊民》になることを持ちかける。はたして、その結果は・・・?
【8】天窓から眺めるロンドンの街(原稿用紙90枚)
40年前主人公の相沢は写真専門学校を卒業して、地元の小さな写真屋に就職した。専門学校で講師をしていたライアンと偶然にも主人公が20歳の時に、ライアンの地元であるイギリスへ2人で旅した。その時以来相沢はライアンが講師として生徒たちに話してくれたある言葉の真意が掴めぬまま今に至っていたが、ライアンの残した言葉とは・・・?また主人公と同じ高校を卒業して同じ写真電門学校に通った越川は、名のあるプロのカメラマンを多く輩出しているスタジオに就職したが、彼は40年後意外な姿で主人公の前に現れる。越川が歩んだ道標とは・・・?そして40年ぶりに訪れたライアンの家の天窓から眺めたロンドンの街に、主人公相沢は何を見たのか・・・?
【9】ワーズワースそして教授と私の旅(原稿用紙90枚)
主人公は大学の事務員として長年勤めていたが、この春に定年を迎えていた。40年近く前に大学の職員に誘ってくれたゼミでお世話になった和久井教授はすでに亡くなっていたが、その教授が好きだったワーズワースの詩と湖水地方を巡る旅に定年になり自由時間を手に入れた主人公は出発した。その地で交わした主人公といるはずもない教授との会話は・・・・?
さらに主人公の仕事は学生相手の就職相談だったが、主人公が最後に面談した学生が選んだ道は・・・?
【10】アルバート・ドッグに吹く風(原稿用紙90枚)
主人公小田切は定年退職した直後、暇な時間を潰すために母校である大学で開催された公開講座に参加した。そして唯一人と交わっていた職場から離れた寂しさからか、彼は就職活動中の現役大学生加崎君からの声掛けに素直に応じた。親子ほど年の違う2人だったが、たまたまの出会いから公開講座のテーマだった『変革の担い手は若者か?』をきっかけに様々な話(人生における選択の重要性など)をしていくこととなった。
その話の中で飛び出した『ビートルズはオールディーズ?』で異常な盛り上がりを見せた2人は、なんとリバプールまで旅行をすることなった。旅行後、加崎君がとった選択肢とは?そして小田切が孤独をどう受け止めたか・・・・?
【11】高校3年生のネアンデルタール人(原稿用紙88枚)
高校3年生の主人公は、卒業間際に担任の先生から《人間は進歩しているか?》についてのレポート提出という課題が出された。
主人公は図書館に籠って色々な資料に目を通していが、その中でネアンデルタール人の歩行CG映像に夢中になり、更に自分の中にネアンデルタール人の遺伝子が2%あるという衝撃的な事実を知ることとなった。
そしてあまりにもそのことに熱中してしまった主人公が、ある日ネアンデルター人の歩き方をし始めた。
果たしてこの世に突然現れた高校3年生のネアンデルタール人は・・・?
【12】ゲバ字の消えた夏(原稿用紙91枚)
この小説は半世紀も前ゲバ字の旗が振られていた新宿西口地下広場でのフォークゲリラを回想するところから始まる。そして同時期主人公が入学した大学には全盛期は過ぎていたものの、大学構内にはゲバ字の立て看板が至る所に見かけられた。
そんな大学構内で出会った、弱さ・絶望・沈黙だけしか持ち合わせていない主人公羽場と 強さ・希望・雄弁さを自然と身に付けていた友人長坂との不思議な巡り合わせを描きながら物語を進めていきます。
大学1年生の時に長坂の紹介で放送制作会社で2人一緒にアルバイトを始めた。羽場はそのアルバイト先に卒業後も留まり、紹介した長坂は新聞社に就職した。
そして互いに60歳になった現在、羽場は職場を去り、長坂はその職場に社長として戻ってきた。待ち合わせた懐かしい大学構内からはゲバ字は消えていた。
2人はふと手に入れたまとまった休日を利用してビートルズを生んだリバプールに旅立つ。
【13】キャロルキングをお寺で(原稿用紙90枚)
主人公若林は鹿児島で高校生まで育ち、大学進学を機会にその後定年まで東京暮らしが続いた。定年を迎えた今年、昨年相次いで亡くなった両親の家やお墓などに対する手当てのために鹿児島を訪れた。
そして若林家のお墓のあった小樹寺で、急きょ父親が倒れたためにその寺を継ぐことになった笹間に再会した。ある日、その小樹寺の境内で♪キャロルキングのYou ‘ve got a friendを唄っている女の子に出会う。その女の子は小樹寺の有力寺子の娘さんで、高校不登校で家に引きこもっているという。
偶然に出会った若林と女の子は、《君の友達》は《私自身》というこについて話をするが・・・?
【14】サウンドトラックはユーミンで(原稿用紙90枚)
この物語は大学時代にユーミンが大好きだったという共通項目だけで繋がっていた主人公有馬と友人の中田と浜中たちとの40年ぶりの再会を中心に進んで行く。
定年を目の前にした3人はそれぞれ異なった定年後の生活に対する思いを胸に秘めていた。有馬は『若い頃の夢は《諦めるための大きな夢》であり、60歳になった有馬が抱いている夢は《叶えるための小さな夢》に変わった』ということだけに拘っていた。
40年ぶりに再会した有馬たち3人は学生時代と同じように、急に思いったように《ドルフィン》に向かった。車中の中で流れたサウンドトラックはあの日と同じユーミンだった。
【15】ルート66への誘い(原稿用紙90枚)
定年を迎えた主人公向後は、1日中部屋に閉じこもって好きなことをして楽しんでいた。そんな向後のもとに、以前一緒に仕事をしたことのあった秋元君から連絡が入った。向後は出社できずに自宅で長い間療養していた秋元君を預かったことがあったが、またしても彼は出社できずに虚しさを胸に秘めたまま自宅寮生活をしていた。
そんな時、定年延長していた向後の同期が長年の単身赴任生活の果て独りきりで突発性心筋梗塞で死亡した。葬儀に集まった同期たちも虚しさをみんな口にした。
同じように家の中に引きこもった向後と秋元君の2人が、たまたまルート66への妄想を膨らませることでたどり着いた先は・・・?
【16】俺たちのジュークボックス(原稿用紙90枚)
主人公大江は60歳で定年退職した翌月に、半世紀ぶりに中学時代の担任の先生の米寿を祝うクラス会への誘いの連絡が高校まで一緒だった池谷から入った。同じ中学からたまたま同じ高校へ進んだ、植木と細野も含めた4人が高校卒業後初めて揃うこととなった。クラス会が無事終了した日に、とても居心地の良い時間が漂っていた3人を前にして、細野が《オヤジたちの秘密基地》を作ろうと真顔で提案してきた。
その秘密基地の中にあった古いジュークボックスを前にして、4人はそれぞれ昔よく聴いていたドーナッツ盤を3曲選んで持ち寄って《俺たちのジュークボックス》を創るようになたが、4人の個性にぴったりの12曲とは・・・?
【17】キックオフは、これから!(原稿用紙90枚)
主人公本間は大学を出てから、私設のグランド整備と子供相手のサッカークラブの運営に携わってきた。本間は17歳の時に両膝を壊して、サッカーを通して夢見ていた世界からドロップアウトした。
本間が教えた子供たちでの中でその実力が高かった小林君は、本間と同じ17歳の時に所属クラブのユースにエントリーすることができずにサッカーを手放した。同じく高い実力のあった福里君は、大学進学という進路から夢を求めてドイツにサッカー留学することに切り替えた。
夢の欠片を手放すことができなかった本間が60歳になってやり始めたことは?早々と夢を手放した小林君が選んだ進路とは?夢に向かって突き進んでいく福里君の行く先は?
【18】タイムカプセルからビートルズ(原稿用紙90枚)
主人公荒木の自宅に45年前中学3年生の時に、校庭に埋めたタイムカプセルを開示する連絡のハガキが届いた。荒木は断片的な想い出を繋ぎ合せていく中で、当時の仲間3人と一緒に《60歳になったら4人でビートルズナンバーを演奏しよう》というメッセージをタイムカプセルに放り込んだ記憶まで辿りつくことができた。
中学3年生だった4人は、学校の規則を破って校内放送でビートルズの楽曲を流した。45年前荒木たち4人がメッセージに込めた《自由への思い》とは?そして残念がら45年後の再会が叶わなかった亡くなった津田の子供聡君との出合いでの中で感じた《自由の思い》の違いは?
【19】2人のランナウェイ(原稿用紙90枚)
主人公篠山は定年を迎えて、かねてより考えていたイギリスに向けての独り旅に向かった。動機となったのはノーマン・ロックウェルのランナウェイ(家出)のイラストだった。イラストに描かれていた少年のように篠山は家族公認のランナウェイを始めた。
旅先のホテルで故意に卒業を1年延ばしてまでも自分捜しの独り旅に来ていた大学4年生の飯島君と偶然出会い、翌日から2人のランナウェイが始まった。
旅先で2人して語り合った、自分捜しの旅の行きつく先とは・・・?
【20】もうラヴソングは唄えない(原稿用紙90枚)
物語は、主人公井口が大学生時代に突然姿を消した暁美と多くの時間を過ごした神楽坂の街を訪問するところから始まる。
大学生の井口が暁美のことを想って創ったラヴソングを、親友清水と唄ったデモテープがレコード会社に渡り、あっという間にその楽曲は大ヒットした。やがて清水もレコード会社も井口に2曲目のラヴソングを創ることを井口に求めたが、その時には井口の前から暁美の姿は消えており、井口にはラヴソングは創ることができなかった。
そんな井口が60歳になって久し振りに、暁美との想い出が眠る神楽坂の街に戻ってきた。そこで路上ライブをしていた若者本橋君と、井口は偶然出会った。本橋君の唄うラヴソングを聴いた井口が、とった行動とは?そして井口とそっくりな声でそっくりな曲調のラヴソングを唄っている本橋君は、突然井口の前から姿を消した暁美と井口の・・・?
物語は井口も本橋君も『もうラヴソングは唄えない』事情を解きあかしながら進んで行く
【21】遅れてきたラヴレター(原稿用紙90枚)
紀彦は、今92歳の祖父ちゃんと2人暮らしだった。紀彦の両親は、彼が小学生の時に交通事故で2人一緒に亡くなっていた。その後紀彦は昨年祖母ちゃんが亡くなるまで、祖父母に育てられてきた。
ある日祖父ちゃんの文箱の下に収められていたセピア色した手紙を、紀彦は祖父ちゃんから見せられた。何と、その手紙は紀彦が高校生時に紀彦に送られてきていた女性からの手紙だった。その手紙を祖母ちゃんの反対を押し切って祖父ちゃんが、独断で隠匿してしまっていた。
それ以来そのことをずっと気にしていた祖父ちゃんが、生きているうちに差出人に直接会って詫びたいと突然紀彦に言い出した。
奇妙な『遅れてきたラヴレター』を巡る2人の小さな旅が始まった。
その旅の途中で、2人の間で交わされる『独りきり』についての会話の中身とは・・・?
【22】君にとどけボーントゥーラン(原稿用紙100枚)
1968年10月21日高校2年生の主人公正明は、修学旅行前日泊まることtになっていた友人のアパートから新宿の街に独り向かった。その日新宿の街は学生デモ隊と警官隊との間で激しい騒動が繰り返されていた。傍観者として眺めていた正明はいつしか警官隊に追われることとなり、途中投石により頭部に激しい痛みを感じる中必死になって歌舞伎町の街を逃げ回った。正明はある閉まっていたパチンコ屋のシャッターをこじ開け身を隠した。
翌日目を覚ました正明は、記憶を完全に失っていた。そんな彼と偶然出会うことになった家出中の静子と始まった不思議な生活、そして正明の父親洋二は突然姿を消した息子を部屋の中にあったBRUCE SPRINGSTEENのBORN TO RUNというアルバムを手掛かりに息子を捜すためミニFMの電波からその楽曲だけを流し続けた。
果たして父親の流すBORN TO RUNは正明に届くのか?独りきりに拘った静子と正明が行き着いた先とは・・・?
【23】母はクラプトンが大好き(原稿用紙100枚)
主人公隆弘は、高校卒業後広島でギターを弾きながら貸スタジオでアルバイトをしていた。隆弘の母親は東京の親元から大学卒業後好きだった男性(ひと)を追って独りで広島に飛び出していった。そしてその男性(ひと)に彼との間に生まれた隆弘の存在を告げないまま、独りで隆弘を育ててきた。
そんな隆弘は東京にいる母親の年の離れた兄である守幸叔父さんのもとで、ギター演奏での仕事を始めた。そんな生活の中で隆弘の母親が好きだったクラプトンの♪いとしのレイラと言う楽曲を巡って、いろいろな出来事が繰り拡げられていく。
【24】タイム・アフター・タイムなんて(原稿用紙100枚)
主人公彰彦は大学卒業前の就職活動を前にして、大学4年生になって生まれて初めて真剣に自分のやりたい事を捜し始めた。考えても考えても結論は見えてこず、ただ大学卒業後までみんなと同じ道を流されていくことだけからは逃れたいと考えていた。
彰彦のやりたい事の先には、自分自身が一番居心地が良かった独りきりの世界が待っているような気がしていた。
そんな中、親戚の叔父さんのコテージに長期滞在していた彰彦は何と若年性健忘症に罹った芝居を始めた。そんな芝居に巻き込まれた彰彦の彼女である留美が、最終的にとった行動とは?その2人の間で行き交った♪タイム・アフター・タイムの入ったCDの最終的な行く先は?
【25】シャーリーンの唄ですよね(原稿用紙100枚)
主人公津本は大学を出て3年間小さな出版社で業界紙から請け負って記事を書くライターの仕事をしていた。ある日、ダイバーシティ取組の成功企業に取材に行き、その取材先で広報の担当をしていた同じ年の優子に出会った。その後の偶然の出会いから《こんなんでいいのか?》《いいはずがない!》と悩んでいた津本と《本当のことに素直に反応していきたい》と考えた優子がとった行動とは・・・?
そして2人が偶然聴くことになった懐かしいシャーリーンのI‘ve Never Been To Meをどんな気持ちで、2人は受け止めたのか?そのことを絡ませながら物語は進んで行く。
【26】気分はハロー・グッバイ(原稿用紙100枚)
この物語はビートルズの武道館コンサートの余韻が残っていた1970年代とビートルズの武道館コンサートから半世紀後2015年のポール・マッカートニーの武道館コンサートとの2つの時間軸の間で進んでいく。
1976年大学4年生の主人公宗田は大学の軽音楽部で同級生の野崎、杉坂、永戸たちとで、ビートルズのコピーをして楽しんでいた。関西女子大への演奏旅行や卒業コンサートなど、彼等4人はビールズの武道館コンサートの完全コピーをして楽しんだ。
大学卒業後年賀状だけの付き合いだけが続いていたが、卒業後40年後突然野崎からポールの武道館コンサートのチケットが宗田たち3人に送られてきた。野崎のとった行動の裏には・・・?
【27】クロスロードとオヤジたち(原稿用紙100枚)
主人公は大学卒業時、バンド活動からの脱退時、定年退職時など、様々のシーンで《Crossroads》の前で立ち止まった。ぞれぞれの時代で主人公は、その場で夢と希望の違いをどう受け止めて、どの道を選択して行ったのか?
物語は偶然出会う、大学4年生の愛美と同年代の定年退職組の高嶋さんたち4人との間での、クラプトンの《Cream》時代の楽曲《Crossroads》との不思議な関わり方を交えながら進んで行く。
そして最後の《Crossroads》を前にして、主人公が選んだ道とは・・・?
【28】サザンカンフォートを抱えた娘(原稿用紙100枚)
大学生時代クラプトンのギター演奏のコピーに明け暮れていた主人公は、突然オートバイ事故で左手に重たい後遺症を負ってしまった。突然閉ざされた将来への夢、希望への道を前にして、固まってしまった主人公に手を差し伸べたのが、古本屋を営んでいた祖父だった。
そんな主人公の前に、ある夏突然大学生で音楽ジャーナリストを目指している雪代と同じく大学生で主人公と同じようにクラプトンのコピーに夢中になっている孝太が現れる。そして幻想の中で、20年前に突然主人公の前から姿を消した女の子まで現れた。
夢や希望を強制的に過去に追いやり淡々と生きてきた主人公が、ひと夏の出会いからとった行動とは・・・?
【29】あなたがトミーで私がジーナ(原稿用紙100枚)
主人公の圭は、沖縄で高校卒業までシングルマザーの元で育った。圭は高校入学後米軍人相手のライブハウスに通った。そのオーナーから、圭はフェンダー・ジャパンST62を譲り受けた。高校卒業して何をするかも見えていなかった圭は、その日からギターに夢中になった。
母親の視界からとっくに圭の姿が消えていたのが分かっていた圭は、高校卒業を機会に家出を決意した。沖縄のライブハウスのオーナーの紹介で、圭はオーナーから選別代わりにもらったフェンダー・ムスタングを抱えて家を飛び出し横須賀にあるライウハウスに向かった。
横須賀で出会った同じ家庭環境、同じ18歳の愛は、ボン・ジョヴィの「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」が大好きで、圭がトミーで愛がジーナの生活を夢見た。
18年間独りきりの世界の向うに見えていた自由に拘ってきた圭に、待ち受けていた愛との生活の行方は・・・?
【30】ロールプレイング・ラヴをあなたと(原稿用紙100枚)
物語は、主人公ヨシが2014年2月18日(火)日本武道館でのエリック・クラプトンの来日200回目のコンサートに来て、40年前の1973年11月8日のレオン・ラッセルの公演で当時同じ大学同じ学年だったエリと出会ったことを追憶するところから始まる。
当時エリには役者になる夢があり、ヨシはやりたいことが見つからずにサラリーマンになることを受け入れていた。ある日、オーディションに合格するためにエリがヨシの住むアパートでロールプレイング・ラヴを演じて欲しいと頼み込んできた。いったい何の話なのか分からぬまま、1か月間という限られた間だけそれをヨシは受け入れた。
ロールプレイング・ラヴを終えた後、ユミがとった行為とは?そして追憶の中から感じ取った60歳を過ぎていたヨシがとった行動とは?
【31】パンタロンじゃなくベルボトムさ!(原稿用紙100枚)
30歳の時にTV局を辞めた主人公西井は、自身が激しく自分自身と向き合った高校3年生の1969年から名付けたBar《1969》を始めていた。その日から時は流れて西井は64歳になっていた。
そんな西井の店に、彼と同じ風景を眺めてきた同年齢の常連客達が集い、1969年を振り返り楽しむ。ある日TV局時代から仲が続いていた吉田のもとから青柳君という若者が送り込まれる。
物語は主人公の友である吉田をおとしいれようとする局内の吉田のライバルが企てた悪だくみを、西井は青柳君や昔のTV局仲間たちと一緒につぶしにかかる。
いよいよ長年続けてきていたBar《1969》の閉店祝いの餞別品のバイク、ベルモトム、ヘルメットをもって主人公は自由に憧れ自由の怖さも考えさせられたイージーライダー気取りでカリフォルニアからニューオリンズを目指して旅に出る。
【32】俺は根っからのランブリング・マン(原稿用紙100枚)
物語は64歳の主人公千賀が末期の胃がんで余命3か月と医者から宣告されるところから始まる。すべての延命治療に背を向けて、リュックサックを背負い、もう半世紀近くも愛用していたGibsonJ50を手にして千賀は東京を晴れた。
ヒッチハイクで行き着いた街で、千賀は同じ歳の寺の住職と出会い、その住職から週末のコンサートまでというの滞在を求められた。その間住職の幼なじみで1年前に亡くなった友人がやっていたミュージックBar《君の友だち》で、千賀はその友人の娘の留美さんに出会う。
話を聞くと留美さんも、千賀と同じように独りきりになっていた。物語は、旅先で出会った住職と留美さんとのふれあいながら、そして留美さんとの《♪君の友だち》の演奏も交えながら、主人公の最後へと向かっていく。
【33】タイムタイムタイム~冬の散歩道(原稿用紙100枚)
この物語は芝居を志している62歳の主人公が死体役で、20歳の女の子が通行人役であるロケ地で出会うところから始まる。62歳の主人公が若い頃に聴いたサイモン&ガーファンクルの《冬の散歩道》は夢に向かっての応援歌に聴こえたが、初老になった今同じこの楽曲がどう聴こえてくるのか?
物語は女の子が所属する劇団からの脱退、主人公がそれを手伝って長年所属していた劇団を解雇される。その後、女の子の希望で、62歳の今までずっと独りきりだった主人公のもとでルームシェアの生活が始まる。
物語は高齢者劇団への主人公の関わりから、意外な方向へ進んで行く。《冬の散歩道》を聴きながら語った女の子の夢の行方は・・・?
【34】タ俺のロード・ソングは、ウィリン(原稿用紙100枚)
この物語は大学を卒業してから大型トラックの独りきりのコックピット内での生活を続けていた主人公征二が、最後の仕事である東京から鹿児島までの道中で大学4年生で自分探しの旅に出ようとしていた玄作君と出会うところから始まる。
征二の定番であるロード・ソングだったウィリンを聴きながら旅を続けていく途中に、玄作君と同じ年の大学4年生の恵子さんが同乗してくる。恵子さんは1年前に東京を離れ故郷の鹿児島に帰っていた先輩に会いに行くという。それは勝手に自分をいつかは迎えに来てくれると信じていた自分との決別の旅だった。
病気でもうハンドルを握ることができなくなった征二、自分探しの旅に出てようやく結論にたどり着いた玄作君、先輩への想いを捨て去る旅の重さからようやく解き放たれた恵子さん、3人の前に開けた新たる風景とは・・・?
【35】アメリカ《名前のない馬》から始まった(原稿用紙100枚)
この物語は主人公幸一のもとに大阪から甥っ子の高校1年生の純太が訪ねてくるところから始まる。純太の父親は彼が幼い頃に急死していた。純太の父親は幸一とは違って両親の言うことをよくきく優秀な弟だった。残った幸一は両親の期待をことごとく裏切ってきていた。唯一そんな幸一を見守ってくれていたのが、幸一が引き継いだ喫茶店を営んでいた死んだ祖父ちゃんだった。
夏休みに訪れた純太は大好きなサッカーが膝を壊したおかげでできなくなって家に引きこもってしまうほど落ち込んでいた。そんな純太を受け入れた幸一は、純太とツーリングや野外フェスティバルに出かけた。それは何も純太のことばかりを考えたからではなかった。
64歳になって悶々とした日々を過ごしていた幸一に、純太がもたらしてくれたものとは?幸一が純太に手渡したMartinD12=2への想いとは?そして純太の同級生理恵も巻き込みながら物語は進んで行く。 果たして主人公幸一が死んだ祖父ちゃんから引き継いだ喫茶店に名付けた《名前のない馬》に込めた想いとは・・・?
【36】ツェッペリンに包まれて(原稿用紙100枚)
物語は主人公の岩城が、レコード会社の重役面接に行くところから始まる。岩城は大学時代に自らの作詞作曲による楽曲を中心としたバンド活動をしていた。ところが岩城自身は自分の才能を限界を感じて、バンド仲間の期待を裏切りバンドを脱退した。それでも岩城はサウンド創り対する興味は失っていなかったので、レコード会社に入社する道を選択した。
ところがそんあ岩城に待っていたのは、突発性難聴というサウンド創りには致命的な病だった。そんな岩城が幼い頃に通ったスポーツジムでインスタラクターとしてまだ勤めていた内野と出会った。内野には大学時代にサッカー選手としての選手生命を、相手チームの選手に競技生活を奪うほどのダメージを与えていたという過去があった。
内野の車の中で聴いたレッド・ツェッペリン♪天国への階段の歌詞《あなたが進むことのできる道は2つある。そこにはあなたの道を変える時間はまだある》と言う楽曲に導かれて行った岩城と内野行く先とは・・・?
【37】ロイ・ブキャナンの流れる家(原稿用紙100枚)
物語は60歳になって自宅で40年近く続けてきていた個人学習塾を辞めるところから始まる。主人公小林は、生活のために広い家の中の空き部屋を4人の若者たちに貸すことになった。
OLをしながら川村さんは自分で作詞作曲したオリジナル楽曲を駅前の路上ライブで披露している。フリーターの佐藤君は自分で描いた建物の絵画を駅前の歩行者天国の通りで販売している。医学部を目指して浪人中の佐々木君は子供たちに教育をする現場を思い描いている。そして大学4年生の関口君は映画評論家になる道筋を思い描いている。
そんな夢にあふれた若者4人と主人公小林の大好きなロイ・ブキャナンの♪メシアが再びを聴きながら、語り合った夢の行く先とは・・・?
【38】フォークソングが消えた日(原稿用紙100枚)
1969年4月物語は主人公井口が大学1年生になりYAMAHAFG150を抱えてフォークソング部に入部しに行くところから始める。井口はそこで高校時代からニッポン放送バイタリス・フォーク・ビレッジで聴いていたピーター・ポール・アンド・マリー、キングストン・トリオ、ブラザース・フォア、ボブ・ディランたちのコピーを楽しんだ。だが角材をギターに持ち替えたと言っていた部長の池田は、井口に単なるコピーではなく自らのメッセージを伝えられるプロテスト・ソングやメッセージ・ソングを唄うことを求めた。
自らの進むべき道に迷いが生じていた井口の前に、大学のそばでフォーク喫茶《ハイウェイ61》をやっていたフォークソング部の先輩海老沢に出会った。高校時代から独りきりの世界に閉じ籠っていた井口だったが、海老沢さんとだけは同じ風景を眺めたいと井口は思えた。
物語はそんな3人を中心に新宿西口広場でのフォークゲリラ集会、学生運動を簡単に捨て去り企業に就職していった池田部長のスーツ姿、学生運動から離れることができなかった海老沢さんの冷たくなった身体、ボブ・ディランのアルバム《追憶のハイウェイ61》に拘った店名であるフォーク喫茶《ハイウェイ61》への想いを引き継いだ井口、様々な展開をしていく。
【39】終わらないメロディー(原稿用紙100枚)
今から40年前大学卒業前にして立ち止まっていた主人公千賀は、自分の進むべき道を見失っていた。最後の夏休み、当時の千賀にとって唯一居心地の良かった喫茶店に通った。そこで敏子に出会い、彼女の後押しも受けて千賀は小説を書きあげた。そしてその小説は懸賞小説で佳作となり、出版社からの勧めもあったので千賀は2作目を書くことになった。勢いに任せて千賀は大学卒業後職業作家を目指そうと考えた。
そんな千賀の前から敏子が急に姿を消した。交通事故死だった。その日以来千賀は小説を書くことできなくなり、最終的に子供相手の個人学習塾を60歳になる今まで細々と続けてきた。60歳になって来年はその学習塾を閉めようと考えていた夏に、卒業が危なくなっていた高校3年生の義之が現れた。彼は千賀の部屋のあった大量の古いレコードに魅せられ、それを聴くために千賀のもとに通った。
義之は千賀のもとに通うようになってレコーディングエンジアとしての道を見つけ、その姿に刺激されるように千賀も40年ぶりに原稿用紙を前にすることに決めた。そんな千賀が義之に高校卒業祝いに贈呈したビーチボーイズのアルバム《ペット・サウンズ》に込められた想いとは・・・?
【40】俺もお前も、ストレンジャー(原稿用紙100枚)
物語は主人公早川が勤める中古レコード専門店に従姉弟の幸三が訪ねてくるとことから始まる。用事は幸三の子供浩一が高校中退をしたので、昔同じように高校を中退して大検を受け大学に進学した早川に浩一にアドバイスをして欲しいということだった。劣等生だった早川が優等生だった浩一にアドバイスなどできないと思ったが、好きにするように伝えた。
高校を中退して家に引きこもっていた浩一が早川の家に現れた。古いレコードと古いピアノに出会った浩一は、高認を受験して音楽大学へ進学した。遠い昔音楽評論家になりたいという夢を捨てた早川は、オリジナル楽曲創作に夢中にのめりこんでいく浩一の姿を見て再び自分のやりたいことを見つめ直す。そんな2人にビリージョエルの♪The Strangerが与えた影響とは・・・?
【41】ジョニ・ミッチェルで聴きたいね(原稿用紙100枚)
この物語の主人公は、小学生の時に兄が手放したエレキギターを手にして、更には仕事が忙しくなってまったく聴かなくなっていた父親の古いレコードをずっと聴いていた、得意な音楽経験をもった18歳の聡史の物語である。
アルバム4枚を出したところで、聡史は曲作りができなくなりバンドは解散した。このアルバム創りに関わった片桐プロデューサーが始めたミュージックアカデミーに、聡史は誘われる。その教室で聡史は反発だらけの生徒の中から、18歳の啓太という若者だけが聡史についてきた。
伸一と意外な場所での再会、啓太の進むべき道、そして60歳代の片桐さんが18歳の時に聴いた
【42】今さら、ハートに火をつけて(原稿用紙100枚)
主人公英男は大学卒業後区の学芸員として長年勤めていたが、自ら引き起こした交通事故を原因としてその職場を去った。被害者睦美は大学入学したばかりで、高校からの延長で陸上選手としての活躍を夢見ていた。
物語は守行と紀子のバンド活動の様々葛藤と睦美の学芸員への挑戦、そして若い頃自分の進むべき道が見えなかった英男がよく聴いていたザ・バンドの♪ハートに火をつけてを改めて聴きながら、英男が見据えた道筋とは・・・?
【43】アフリカを聴きながら(原稿用紙100枚)
主人公光一は、休日出社した職場に床清掃のアルバイトに来ていた健太と出会う。光一は映画配給会社に勤めていた。健太は映画を観ることに夢中になっていて、何と親には内緒に勝手に大学を中退して授業料の全てを映画鑑賞費用に充てていた。そんな健太は光一が2年前に交通事故で亡くした1人息子と同じ20歳だった。
光一は大学卒業後商社に勤めていたが、映画評論をまめに映画配給会社に送りつけていたことが縁でその会社に27歳で転職した。その転職の時に光一がしきりと聴いていたのが、TOTOの♪アフリカだった。 ♪アフリカを聴きながら、3人が夢に向かって歩み始めた行先とは・・・?
【44】プロコル・ハルムが唄っている(原稿用紙100枚)
主人公佑輔は22歳の大学生、両親は幼い頃海外赴任先の列車事故で亡くなってからずっと祖父母に育てられてきた。彼が路上でパントマイムを披露していた菜々美という20歳の女性に出会う。菜々美は20歳になった時に、両親から自分が特別養子縁組の親子だと伝えられた。
ある日佑輔が車に轢かれそうになり、その時菜々美の『危ない!』という叫び声で菜々美は声を取り戻した。そんな2人が新しく目指した世界とは・・・?
【45】ゼーガーとエバンズが教えてくれた(原稿用紙100枚)
定年退職したばかりの勇夫は、近所にあるJリーグの練習グランドで偶然九来歩(クライフ)君と出会う。ヨハン・クライフの大ファンだった父親から九来歩と名付けられていた高校3年生の彼は、所属クラブのユースに選抜されていた。
偶然出会った九来歩君は高校卒業後の進路で大いに悩んだ挙句、クラブでJリーガーに昇格することや大学に進学してサッカーを続けることと言う選択を捨てさり、イギリスの大学へ留学して学問とサッカーの両方に挑戦する道を選択した。
物語が進んで行く過程で、昔懐かしいサッカーに対する想いやゼーガーとエバンズのヒット曲♪西暦2525年1の歌詞《Ain't gonna need to tell the truth, tell no lie...本当のことを言うつもりはないし、嘘もつかなくていい…》がどんな形で語られていくか・・・?
【46】ビタースウィート・サンバを取り戻せ(原稿用紙100枚)
この物語は高校3年生の時に熱心に《君が踊り僕が歌うとき、新しい時代の夜が生まれる。太陽の代わりに音楽を、青空の代わりに夢を、フレッシュな夜をリードする オールナイト・ニッポン》と言うオプニングで始まる深夜放送を聴いていた3人の仲間たちの物語である。
久し振りに再会した3人は、《ビタースウィート・サンバを取り戻せ》そして《おっさんたちは深夜を解放する》と言う言葉に背中を押され、何とミニFM放送を引始めた。そんな彼らがその騒動を引き起こしていく中で考えた事とは?そして最終的にそんな3人が辿り着いた世界とは・・・?
【47】ティアーズ・イン・ヘヴンなんて(原稿用紙100枚)
43歳の主人公白井は郊外にある小さな音楽教室で、ギターの個人レッスンを行っていた。ある日そんな白井のもとに20歳の圭樹が生徒として姿を現した。その圭樹が最初に演奏したのが、エリック・クラプトンの♪ティアーズ・イン・ヘヴンだった。
白井は23歳の時に当時一緒に暮らしていた聡美との間にできた幼い子供を急病で失っていた。幼い子供亡くした喪失感から立ち直るために聡美は、白井のもとを去ることを選択した。それをすべて受け入れた白井は、クラプトンがこの楽曲に込めた想いを受け止めながらこの楽曲をずっと弾き続けいていた。
物語は圭樹のギターリストとして将来を語りながら、白井、聡美、佐々木さんの3人の将来まで見据えて行く。2度とエリック・クラプトンの♪ティアーズ・イン・ヘヴンは演奏しないと決めていた白井が、この楽曲を奏でながら見据えた先とは・・・?
【48】俺たちはフール・オン・ザ・ヒル(原稿用紙100枚)
この物語は3人の《fool》が、《The fool on the hill 変人は丘の上に立っている He knows that they‘re the fools 彼は知っている本当に愚かなのかは誰かを》を自らの行動を通して確認していく物語である。
主人公柿沼は出版社で音楽雑誌発行に携わってきた。そんな柿沼と大学の同級生の中谷はレコード会社でその制作に携わってきた。そんな2人が今の仕事に限界を感じていた時、2人が大学時代に入り浸っていたライブ・ハウス《フール・オン・ザ・ヒル》の閉店案内が届いた。
偶然にもその店で再開した柿沼と中谷更には店のオーナーまでも巻き込んで、3人は意外な行動を仕掛けていくことになる。その意外な行動とは・・・?
【49】このリフに魅せられて(原稿用紙100枚)
1976年18歳大学1年生の主人公亮輔は、鹿児島から東京の大学に進学したら思い切りバンド活動を楽しみたいと願っていたのでその思いを叶えるために軽音楽部に入部した。そんな亮輔が住むことになった神楽坂の下宿の大家さんの家に、同じ大学1年生の涼子がいた。
そして2人して出かけた武道館コンサート会場で、涼子は階段から転落して軽い記憶障害を引き起こしてしまった。そこから始まる2人の思いがけない展開は・・・?そんな2人に問いかけるように聴こえてくる♪ロング・トレイン・ランニンの歌詞《♪愛もなく君は今どこにいるのだろうWithout love Where would you be now》は何を予言してるのだろうか・・・?
【50】さらば黄昏のレンガ路よ(原稿用紙100枚)
この物語は大学時代にバンドを組んで音楽を楽しんでいた同期4人が、毎年恒例の忘年会に集合するところから始まる。大学卒業後3度目の今年の忘年会では、ラジオ局勤務の主人公とレコード会社勤務の朋美、出版社勤務の小池、広告代理店勤務の馬場の4人が4人とも、現状の職場環境に対する不平不満を口にした。
主人公は人事ローテーションで制作現場を離れることが決まっていた。そんな主人公は、朋美の父親が何故店名にエルトン・ジョンの♪Goodbye Yellow Brick Roadを使ったのか?その時の気持ちが気になった。そんな時に朋美の父親が急病で倒れた。主人公を初め今の職場に問題意識を抱えていた主人公たち4人がとった行動とは・・・?
【51】心にハングリー・ハートを(原稿用紙100枚)
主人公田口は56歳で、Jリーグのサッカークラブで芝の管理を担当していた。若い頃選手としてプロ契約の一歩手前までいった田口だったが、最終的にはお世話になったクラブの裏方の仕事に回っていた。
そんな田口の前に宣子が23歳になっていた芳雄の将来について相談したいと現れてきた。またクラブでずっとその成長を見続けてきた芳雄と同じ23歳の隼人君も自分の将来について、田口と語り合った。
ブルース・スプリングスティーンの♪Hungry Heartの歌詞《♪Everybody,s got a hungry heart 誰もが満たされない心を持っている》はどんな意味合いを田口に与えるのか・・・?
【52】いつもジャーニーが流れていた(原稿用紙100枚)
物語は大学時代に関わっていた同人誌の総会で、年に一度だけ再会していた佐藤との再会するシーンから始まる。佐藤は夢の欠片を手放そうとしていて、川名はそれができないでいた。
ある日、川名のもとに別れた恭子が現れた。恭子は死んだ父親の古書を引き取って欲しいと言ってきた。恭子の実家は地方で酒蔵を経営した。大学卒業後銀行に勤めた川名が初めて赴任した支店で恭子と出会った。一時は恭子と結婚して酒蔵の経営を手伝ったりもしたが、最終的に絵里という子供と恭子を残して川名はその街を出ていた。
久し振りに再会した恭子と心身のバランスを崩していた娘の絵里の2人と川名は濃密な時間を過ごすこととなった。ジャーニーの《♪Don,t stop believin,自分を信じ続けるのさ》という歌詞を胸に刻み続けた川名が目にした風景とは・・・?