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【映画】『ザ・ゲスト』(2014年)人の好さそうな顔をしていても内面は兵士そのもの!現代におけるターミネーターがいつ何時身近に表れるか分からないスリラー! | ネタバレあらすじと感想

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◆映画『ザ・ゲスト』の作品情報

【英題】The Guest

【監督】アダム・ウィンガード

【脚本】サイモン・バレット

【出演】ダン・スティーヴンス、マイカ・モンロー他

【配給】ピクチャーハウス、ショウゲート

【公開】2014年1月

【上映時間】100分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】スリラー

【視聴ツール】Amazon Prime、吹替

◆キャスト
デヴィッド・コリンズ:ダン・スティーヴンス
アナ・ピーターソン:マイカ・モンロー
ルーク・ピーターソン:ブレイダン・マイヤー
ローラ・ピーターソン:シーラ・ケリー
スペンサー・ピーターソン:リーランド・オーサー
カーヴァー少佐:ランス・レディック

◆ネタバレあらすじ
映画「ザ・ゲスト」(原題: "The Guest")は、2014年に公開されたアメリカのスリラー映画で、アダム・ウィンガードが監督を務め、サイモン・バレットが脚本を担当しました。この映画は、緊張感とアクションが絶妙に絡み合ったサスペンスで、観客を最後まで引きつけるストーリーが展開されます。
物語は、ピーターソン一家が一人の見知らぬ訪問者を迎えるところから始まります。
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この訪問者は、デヴィッド・コリンズと名乗る若い男性で、軍人のような佇まいを持っています。彼は、ピーターソン家の亡くなった息子、カルブの友人であり、彼の最期の願いを伝えるために訪れたと説明します。家族は彼を快く迎え入れ、一時的に滞在を許可しますが、デヴィッドの存在が次第に一家の生活に異変をもたらすようになります。
デヴィッドは礼儀正しく、頼りがいがあり、家族に対して非常に親切です。特に、ピーターソン夫妻は彼を信頼し、心を開きます。デヴィッドは一家の抱える問題に対処し、彼らの生活を助けるために積極的に動きます。例えば、次男ルークが学校でいじめに遭っていることを知ると、デヴィッドはその問題に対処し、ルークに自信を持たせます。彼の行動は一見すると善意に基づいているように見えますが、次第に彼の行動は暴力的かつ過激な方向へとエスカレートしていきます。
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デヴィッドの行動に疑念を抱き始めるのは、ピーターソン家の娘アナです。彼女はデヴィッドの素性について調べ始め、彼が軍の記録から消されていることを発見します。彼女は地元の警察に助けを求めますが、デヴィッドはその情報が漏れる前に対処しようとし、事態は急速に緊迫したものとなります。
アナの調査により、デヴィッドは実は軍の秘密実験の結果として生まれた「完璧な兵士」であることが明らかになります。彼は感情を抑制し、冷酷なまでに効率的に任務を遂行するためにプログラムされており、プログラムに従って命令が変更された場合、その命令に従ってすべての証拠を消すために殺戮を行うのです。デヴィッドはピーターソン一家にとって脅威となり、一家のメンバーを次々と襲います。
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最終的に、アナと彼女の弟ルークはデヴィッドから逃れようと必死に戦いますが、彼の超人的な能力と戦闘スキルに圧倒されます。映画のクライマックスは、ハロウィンの夜に学校で繰り広げられる激しい戦いで幕を閉じます。アナはデヴィッドを倒すことに成功しますが、映画のラストシーンで、デヴィッドが生き延びた可能性が示唆され、観客に不安感と謎を残します。
「ザ・ゲスト」は、そのスタイリッシュな映像と80年代風のシンセサイザーサウンドトラック、そして予測不可能なストーリー展開が特徴の映画です。デヴィッド・コリンズを演じたダン・スティーヴンスの冷酷かつ魅力的な演技も、映画を引き立てる大きな要素となっています。この映画は、サスペンスとアクションが絶妙に融合した作品として、観る者に強烈な印象を与えます。

◆考察と感想
映画「ザ・ゲスト」は、そのスタイリッシュな演出と緊張感のあるストーリー展開により、観客に強烈な印象を与える作品です。一見シンプルなサスペンススリラーのように見えますが、実際には多くのテーマやメタファーが織り込まれており、観た後に様々な考察が可能です。
考察
まず、デヴィッド・コリンズというキャラクターは、映画の核となる要素です。彼は、軍の秘密実験によって生み出された「完璧な兵士」であり、感情を抑制し、冷酷に任務を遂行するようプログラムされています。デヴィッドの登場は、軍事技術が人間性をどのように変え得るか、また、その結果がいかに恐ろしいものになるかを示唆しています。彼がピーターソン家で見せる行動は、善意に見えながらも実際にはプログラムに基づくものであり、最終的には自己保存と命令遂行のための手段に過ぎないのです。
次に、ピーターソン一家の描写は、現代社会における家庭の脆弱性を浮き彫りにします。デヴィッドのような「外部からの侵入者」が家庭に与える影響は、信頼や安全がいかに脆いものかを象徴しています。特に、アナがデヴィッドの正体に疑念を抱き、それを調査し始める過程は、家族を守るために自己を成長させる姿勢を示していますが、その一方で彼女の孤立感や不安も強調されています。
また、デヴィッドがルークに対して行った行動は、いじめに対抗するための暴力という危険な道筋を示しています。ルークはデヴィッドの助けを受けて自信を取り戻しますが、それは暴力に依存する形であり、彼がその後どのような影響を受けるのかは描かれていません。この点は、暴力の連鎖やその社会的影響についての議論を呼び起こす可能性があります。
さらに、映画全体に流れる80年代風のシンセサイザー音楽とスタイリッシュな映像美は、単なる懐古趣味にとどまらず、映画の不気味な雰囲気を強調しています。これにより、視覚的および聴覚的に観客を映画の世界に引き込み、ノスタルジックな感覚と現代的な恐怖が混在する独特の雰囲気を生み出しています。
感想
「ザ・ゲスト」は、緊張感あふれる展開とデヴィッド・コリンズというキャラクターの魅力により、一度観たら忘れられない映画です。ダン・スティーヴンスの演技は特に際立っており、彼の冷静さと内に秘めた狂気が見事に表現されています。彼の存在がもたらす不安感と同時に感じるカリスマ性は、観客に対して複雑な感情を抱かせます。
この映画はまた、家庭の安全と信頼に対する問いかけを含んでおり、外部からの脅威がいかに簡単に家族を崩壊させ得るかを描いています。アナとルークが最後に示す抵抗は、絶望的な状況下でも人間が持つ強さを象徴していますが、同時にその強さがどれほど脆いものかも明示されています。
「ザ・ゲスト」は、単なるエンターテインメント以上の価値を持つ作品です。その深いテーマ性と視覚的な美しさ、そして予測不可能なストーリー展開は、観た後も長く心に残り、再鑑賞するたびに新たな発見がある映画です。




評価点   94点
お薦め度  92点


2014年  100分  アメリカ製作

 
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