映画『スクリーム2』の作品情報【監督】ウェス・クレイヴン【脚本・原作】ケヴィン・ウィリアムソン【出演】デヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス他【配信】ディメンション・フィルムズ、アスミック・エース【公開】1997年12月【上映時間】120分【製作国】アメリカ【ジャンル】ホラー、スラッシャー、ミステリー、サスペンス【視聴ツール】Netflix、吹替、自室モニター キャストシドニー・プレス...
【監督】ウェス・クレイヴン
【脚本・原作】ケヴィン・ウィリアムソン
【出演】デヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス他
【配信】ディメンション・フィルムズ、アスミック・エース
【公開】1997年12月
【上映時間】120分
【製作国】アメリカ
【ジャンル】ホラー、スラッシャー、ミステリー、サスペンス
【視聴ツール】Netflix、吹替、自室モニター
シドニー・プレスコット:ネーヴ・キャンベル
『スクリーム』(1996年)
ランディ・ミークス:ジェイミー・ケネディ
『マリブ・レスキュー』(2003年)
ゲイル・ウェザーズ:コートニー・コックス
『フレンズ』(1994-2004年)
デューイ・ライリー:デヴィッド・アークエット
『エイト・レッグド・フリークス』(2002年)

大学生活を送るシドニー・プレスコットは、前作での恐怖から立ち直り、新たな日常を築こうとしていました。しかし、『スクリーム』での事件を基にした映画『スタブ』の公開を機に、再び惨劇が幕を開けます。公開初日の映画館で殺人が発生し、ゴーストフェイスの影が再び忍び寄ります。
ジャーナリストのゲイル・ウェザーズは、事件を追う中でシドニーや元保安官補のデューイ・ライリーと再会します。さらに、シドニーの大学仲間や新たな恋人デレクも巻き込まれ、次々と犠牲者が増えていきます。やがて、事件の背後にある恐るべき真相が明らかになっていきます。

ここからはネタバレになります→→→
ゴーストフェイスによる最初の犠牲者は、映画『スタブ』の試写会に訪れた大学生のフィルとモーリーンでした。映画の上映中、ゴーストフェイスが観客の熱狂に紛れて犯行を行い、会場は大混乱に陥ります。この事件をきっかけに、前回の連続殺人を思い出したシドニーは、警戒を強めます。
一方、ゲイルは事件の取材を進める中で、刑務所に収監されているはずのコットン・ウェアリーに注目します。彼はシドニーの母モーリーン殺害の罪で服役していましたが、実際には無実であり、ゲイルによって冤罪が証明されていました。コットンは世間の注目を集めるために、シドニーとの対談を画策していましたが、シドニーは彼を拒絶します。
その後、シドニーの友人で映画マニアのランディ・ミークスが電話で犯人を挑発した直後、大学構内でゴーストフェイスに襲われ殺害されます。さらに、警備のために派遣されていた刑事も命を落とし、シドニーはより強い危機感を抱くようになります。

デューイとゲイルは、犯人が大学内の誰かである可能性を疑い、手がかりを求めて捜査を進めます。しかし、2人が大学の映像編集室で録画された映像を確認している最中にゴーストフェイスが現れ、デューイはナイフで襲われます。ゲイルは必死に逃げ、隠れることに成功しますが、デューイの安否は不明のままとなります。

クライマックスでは、シドニーとその友人ハリーが劇場に誘い出され、ついにゴーストフェイスの正体が明かされます。犯人の一人は、シドニーの恋人デレクでした。しかし、彼は計画には関与しておらず、もう一人の犯人であるミッキーによって騙されていました。ミッキーは、連続殺人の犯行を映画の影響によるものとして弁護し、裁判で名声を得ることを目論んでいました。
さらに、もう一人の黒幕が現れます。それは、シドニーの母親を殺害したビリー・ルーミスの母、デビー・ソルトでした。彼女は息子を死に追いやったシドニーに復讐するため、ミッキーを利用して殺人を計画していたのです。しかし、デビーはミッキーを裏切り、彼を射殺します。その後、シドニーとゲイルは反撃し、デビーを倒します。
事件が終息し、シドニーは報道陣の前で特別な声明を発表することなく、その場を立ち去ります。彼女は、悲劇に振り回されることなく、自分の人生を歩むことを選びました。こうして、新たな殺人事件の幕は閉じられましたが、ゴーストフェイスの恐怖は終わりを迎えたわけではありませんでした。

本作、『スクリーム2』は、前作『スクリーム』の成功を受け、ホラー映画における続編の在り方を巧妙にメタ的に描いた作品です。ホラー映画の続編では、殺人のスケールが大きくなり、犠牲者が増え、衝撃的な展開が用意されるという“続編あるある”を意識的に取り入れながらも、それを逆手に取った展開で観客を驚かせます。
本作では、前作の生存者シドニー、デューイ、ゲイルが再び事件に巻き込まれますが、特にシドニーの心理的成長が重要なポイントとなっています。前作では殺人鬼の正体を暴き、生還したものの、彼女はトラウマを抱えながらも大学生活を送っています。しかし、新たなゴーストフェイスが現れたことで、彼女は再び逃げ場のない恐怖に直面します。今回は単なる被害者ではなく、自ら運命に立ち向かおうとする姿勢が見られ、クライマックスでは犯人を打ち倒す主導権を握るまでに成長しています。
また、本作では「映画が暴力を助長するか?」というテーマが浮かび上がります。犯人の一人であるミッキーは、連続殺人を起こした理由として「裁判で映画の影響を訴え、有名になるため」と語ります。この発言は、当時のアメリカで議論されていた“暴力的な映画が犯罪を誘発する”という社会的な問題を意識したものであり、本作が単なるホラー映画ではなく、映画そのものの影響力を批評する側面も持っていることを示しています。
さらに、もう一人の黒幕であるデビー・ソルトの正体には意外性がありました。彼女は前作の犯人ビリー・ルーミスの母であり、息子を殺された復讐心からシドニーに狙いを定めていました。この展開は、前作に登場したスチューやビリーとは異なり、単なる狂気ではなく、個人的な復讐心が動機になっている点が特徴的です。このように、ホラー映画の定型を踏襲しながらも、動機に深みを持たせることで、物語に新たな意味を加えています。
本作のもう一つの魅力は、観客に対して“次の犠牲者は誰か”を巧みに惑わせる演出です。特にランディの死は予想外でした。前作ではホラー映画のルールを解説し、観客にとって“安心できる存在”だった彼が犠牲になることで、続編の持つ危険性を示唆しています。また、デューイの生死が最後まで不明だったり、シドニーの恋人デレクが犯人に仕立て上げられたりと、登場人物の運命が簡単に予測できない作りになっています。
総合的に見て、『スクリーム2』は続編としての意義を持ちながら、ホラー映画に対する批評性を維持しつつ、エンターテインメントとしても十分に機能しています。前作ほどの斬新さはないものの、巧妙なメタ要素と緊張感のある展開が融合し、ホラー映画としての完成度を高めています。
「過去の恐怖から逃れようとしても、向き合わなければ再び追いかけてくる」
評価点 80点
お薦め度 82点
1997年 120分 アメリカs製作
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