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映写室ノート

映画を観て、思った事や感じた事を綴って行きます。※ネタバレありです。

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2025-03-11 (Tue)

【映画】『スクリーム2』(1997年) 恐怖は続く。今度の標的はあなたかもしれない—新たな悲鳴が響く! | ネタバレあらすじと感想

【映画】『スクリーム2』(1997年) 恐怖は続く。今度の標的はあなたかもしれない—新たな悲鳴が響く! | ネタバレあらすじと感想

映画『スクリーム2』の作品情報【監督】ウェス・クレイヴン【脚本・原作】ケヴィン・ウィリアムソン【出演】デヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス他【配信】ディメンション・フィルムズ、アスミック・エース【公開】1997年12月【上映時間】120分【製作国】アメリカ【ジャンル】ホラー、スラッシャー、ミステリー、サスペンス【視聴ツール】Netflix、吹替、自室モニター キャストシドニー・プレス...

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映画『スクリーム2』の作品情報

【監督】ウェス・クレイヴン

【脚本・原作】ケヴィン・ウィリアムソン

【出演】デヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス他

【配信】ディメンション・フィルムズ、アスミック・エース

【公開】1997年12月

【上映時間】120分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】ホラースラッシャーミステリー、サスペンス

【視聴ツール】Netflix、吹替、自室モニター

キャスト

シドニー・プレスコット:ネーヴ・キャンベル
   『スクリーム』(1996年)

ランディ・ミークス:ジェイミー・ケネディ
   『マリブ・レスキュー』(2003年)

ゲイル・ウェザーズ:コートニー・コックス
   『フレンズ』(1994-2004年)

デューイ・ライリー:デヴィッド・アークエット
   『エイト・レッグド・フリークス』(2002年)
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ネタバレあらすじ

大学生活を送るシドニー・プレスコットは、前作での恐怖から立ち直り、新たな日常を築こうとしていました。しかし、『スクリーム』での事件を基にした映画『スタブ』の公開を機に、再び惨劇が幕を開けます。公開初日の映画館で殺人が発生し、ゴーストフェイスの影が再び忍び寄ります。
ジャーナリストのゲイル・ウェザーズは、事件を追う中でシドニーや元保安官補のデューイ・ライリーと再会します。さらに、シドニーの大学仲間や新たな恋人デレクも巻き込まれ、次々と犠牲者が増えていきます。やがて、事件の背後にある恐るべき真相が明らかになっていきます。
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ここからはネタバレになります→→→

ゴーストフェイスによる最初の犠牲者は、映画『スタブ』の試写会に訪れた大学生のフィルとモーリーンでした。映画の上映中、ゴーストフェイスが観客の熱狂に紛れて犯行を行い、会場は大混乱に陥ります。この事件をきっかけに、前回の連続殺人を思い出したシドニーは、警戒を強めます。
一方、ゲイルは事件の取材を進める中で、刑務所に収監されているはずのコットン・ウェアリーに注目します。彼はシドニーの母モーリーン殺害の罪で服役していましたが、実際には無実であり、ゲイルによって冤罪が証明されていました。コットンは世間の注目を集めるために、シドニーとの対談を画策していましたが、シドニーは彼を拒絶します。
その後、シドニーの友人で映画マニアのランディ・ミークスが電話で犯人を挑発した直後、大学構内でゴーストフェイスに襲われ殺害されます。さらに、警備のために派遣されていた刑事も命を落とし、シドニーはより強い危機感を抱くようになります。
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デューイとゲイルは、犯人が大学内の誰かである可能性を疑い、手がかりを求めて捜査を進めます。しかし、2人が大学の映像編集室で録画された映像を確認している最中にゴーストフェイスが現れ、デューイはナイフで襲われます。ゲイルは必死に逃げ、隠れることに成功しますが、デューイの安否は不明のままとなります。
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クライマックスでは、シドニーとその友人ハリーが劇場に誘い出され、ついにゴーストフェイスの正体が明かされます。犯人の一人は、シドニーの恋人デレクでした。しかし、彼は計画には関与しておらず、もう一人の犯人であるミッキーによって騙されていました。ミッキーは、連続殺人の犯行を映画の影響によるものとして弁護し、裁判で名声を得ることを目論んでいました。
さらに、もう一人の黒幕が現れます。それは、シドニーの母親を殺害したビリー・ルーミスの母、デビー・ソルトでした。彼女は息子を死に追いやったシドニーに復讐するため、ミッキーを利用して殺人を計画していたのです。しかし、デビーはミッキーを裏切り、彼を射殺します。その後、シドニーとゲイルは反撃し、デビーを倒します。
事件が終息し、シドニーは報道陣の前で特別な声明を発表することなく、その場を立ち去ります。彼女は、悲劇に振り回されることなく、自分の人生を歩むことを選びました。こうして、新たな殺人事件の幕は閉じられましたが、ゴーストフェイスの恐怖は終わりを迎えたわけではありませんでした。
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考察と感想

本作、『スクリーム2』は、前作『スクリーム』の成功を受け、ホラー映画における続編の在り方を巧妙にメタ的に描いた作品です。ホラー映画の続編では、殺人のスケールが大きくなり、犠牲者が増え、衝撃的な展開が用意されるという“続編あるある”を意識的に取り入れながらも、それを逆手に取った展開で観客を驚かせます。
本作では、前作の生存者シドニー、デューイ、ゲイルが再び事件に巻き込まれますが、特にシドニーの心理的成長が重要なポイントとなっています。前作では殺人鬼の正体を暴き、生還したものの、彼女はトラウマを抱えながらも大学生活を送っています。しかし、新たなゴーストフェイスが現れたことで、彼女は再び逃げ場のない恐怖に直面します。今回は単なる被害者ではなく、自ら運命に立ち向かおうとする姿勢が見られ、クライマックスでは犯人を打ち倒す主導権を握るまでに成長しています。

また、本作では「映画が暴力を助長するか?」というテーマが浮かび上がります。犯人の一人であるミッキーは、連続殺人を起こした理由として「裁判で映画の影響を訴え、有名になるため」と語ります。この発言は、当時のアメリカで議論されていた“暴力的な映画が犯罪を誘発する”という社会的な問題を意識したものであり、本作が単なるホラー映画ではなく、映画そのものの影響力を批評する側面も持っていることを示しています。
さらに、もう一人の黒幕であるデビー・ソルトの正体には意外性がありました。彼女は前作の犯人ビリー・ルーミスの母であり、息子を殺された復讐心からシドニーに狙いを定めていました。この展開は、前作に登場したスチューやビリーとは異なり、単なる狂気ではなく、個人的な復讐心が動機になっている点が特徴的です。このように、ホラー映画の定型を踏襲しながらも、動機に深みを持たせることで、物語に新たな意味を加えています。

本作のもう一つの魅力は、観客に対して“次の犠牲者は誰か”を巧みに惑わせる演出です。特にランディの死は予想外でした。前作ではホラー映画のルールを解説し、観客にとって“安心できる存在”だった彼が犠牲になることで、続編の持つ危険性を示唆しています。また、デューイの生死が最後まで不明だったり、シドニーの恋人デレクが犯人に仕立て上げられたりと、登場人物の運命が簡単に予測できない作りになっています。

総合的に見て、『スクリーム2』は続編としての意義を持ちながら、ホラー映画に対する批評性を維持しつつ、エンターテインメントとしても十分に機能しています。前作ほどの斬新さはないものの、巧妙なメタ要素と緊張感のある展開が融合し、ホラー映画としての完成度を高めています。

教訓・学び

「過去の恐怖から逃れようとしても、向き合わなければ再び追いかけてくる」


評価点   80点
お薦め度  82点


1997年  120分  アメリカs製作

 
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2025-03-10 (Mon)

【映画】『PMC:ザ・バンカー』(2018年)武装勢力VS傭兵部隊、地下要塞で繰り広げる極限の攻防戦! | ネタバレあらすじと感想

【映画】『PMC:ザ・バンカー』(2018年)武装勢力VS傭兵部隊、地下要塞で繰り広げる極限の攻防戦! | ネタバレあらすじと感想

映画『PMC:ザ・バンカー』の作品情報【監督・脚本】キム・ビョンウ【出演】ハ・ジョンウ、イ・ソンギュン、ジェニファー・イーリー他【配信】CJエンターテインメント【公開】2018年12月【上映時間】124分【製作国】韓国【ジャンル】アクション、サスペンス、戦争【視聴ツール】Amazon Prime Video、吹替、自室モニター キャストエイハブ:ハ・ジョンウ  『神と共に 第一章:罪と罰』(2017年) ユン・ジイ:イ・ソンギュン  ...

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映画『PMC:ザ・バンカー』の作品情報

【監督・脚本】キム・ビョンウ

【出演】ハ・ジョンウイ・ソンギュン、ジェニファー・イーリー他

【配信】CJエンターテインメント

【公開】2018年12月

【上映時間】124分

【製作国】韓国

【ジャンル】アクションサスペンス戦争

【視聴ツール】Amazon Prime Video、吹替、自室モニター

キャスト

エイハブ:ハ・ジョンウ
  『神と共に 第一章:罪と罰』(2017年)

ユン・ジイ:イ・ソンギュン
  『パラサイト 半地下の家族』(2019年)

ミラー:ジェニファー・エール
  『ゼロ・ダーク・サーティ』(2012年)

ボリス:ケヴィン・デュランド
  『レギオン』(2010年)

マーカス:マルコ・カーン
  『300〈スリーハンドレッド〉』(2006年)
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ネタバレあらすじ

韓国と北朝鮮の間で極秘作戦が進行する中、地下30メートルに位置する軍事要塞「バンカー」を舞台に、民間軍事会社(PMC)の傭兵部隊が作戦を遂行します。しかし、任務は想定外の展開を迎え、彼らは生き残りを懸けた極限の戦闘に巻き込まれていきます。

ここからはネタバレになります→→→

エイハブ(ハ・ジョンウ)は、アメリカのPMC(民間軍事会社)に所属する傭兵部隊の指揮官です。彼は過去の戦闘で負傷し、心に深い傷を負いながらも、冷徹な判断力でチームを率いてきました。ある日、彼の部隊はCIAから極秘任務を請け負い、韓国と北朝鮮の間で進行するミッションに参加することになります。
作戦の目的は、北朝鮮高官を秘密裏に確保し、安全な場所へ移送することでした。エイハブは最新の戦術とハイテク装備を駆使し、作戦を遂行しようとします。しかし、任務中に予想外の事態が発生し、バンカーの外部と内部で敵勢力に包囲されてしまいます。
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このバンカーは、地下30メートルに設置された軍事要塞であり、通信や脱出経路が限られていました。エイハブの部隊は、敵の猛攻撃をかわしながら高官を確保しようとしますが、次第に仲間が倒れていきます。
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さらに、北朝鮮側の情報が漏れていたことが判明し、作戦の裏には裏切り者がいる可能性が浮上します。エイハブは、部隊を率いながらも、誰が味方で誰が敵なのかを見極めなければならない状況に追い込まれます。
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戦況が悪化する中、エイハブは負傷した韓国軍の医師ユン・ジイ(イ・ソンギュン)と協力しながら、負傷兵を助けつつ生き延びる道を模索します。彼らは限られた資源の中で、武装勢力に包囲された地下要塞からの脱出を試みます。
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バンカー内では緊迫した銃撃戦が続き、エイハブたちは絶体絶命の状況に陥ります。CIAとの連携も途絶え、援軍の到着が絶望的になる中、エイハブは仲間と共に最後の作戦を決行します。
最終的に、彼らは爆発を利用して脱出の隙を作り、エイハブとユン・ジイはかろうじて生き延びます。しかし、作戦の背後には複雑な政治的陰謀が絡んでいたことが明らかになり、エイハブはこの戦いの真の意味を考えざるを得なくなります。
命を懸けた戦いの末、エイハブはPMCとしての生き方に疑問を抱きながらも、新たな道を模索する決意を固めるのでした。

考察と感想

本作、『PMC:ザ・バンカー』は、極限状態に置かれた傭兵たちの心理戦とサバイバルを描いた作品です。本作は、韓国映画らしいリアルな戦闘描写と、主人公エイハブの内面に焦点を当てたストーリーが特徴となっています。以下、いくつかの観点から考察を述べます。

1. PMCという存在のリアリティ

PMC(民間軍事会社)は、近年の戦争において重要な役割を果たしており、本作ではその実態がリアルに描かれています。PMCは国家の軍隊とは異なり、契約ベースで動くため、倫理観よりも利益が優先されることが多いです。エイハブの行動にもそれが反映されており、彼は個人的な感情を排除し、冷徹に作戦を遂行しようとします。しかし、物語が進むにつれ、彼の中にある葛藤が浮き彫りになり、人間性と任務の間で揺れ動く姿が描かれます。この点が、単なるアクション映画にとどまらず、戦争の裏にある人間ドラマとしても深みを持たせています。

2. 地下30メートルの密閉空間が生む緊張感

本作の舞台となる「バンカー」は、地下30メートルに位置する閉鎖空間であり、通信が制限され、脱出経路も限られています。この設定が、映画全体に強烈な緊張感をもたらしています。特に、敵がどこから襲ってくるかわからない状況や、味方の中に裏切り者がいる可能性など、常に不安がつきまとう構成はサスペンスとして非常に効果的です。また、戦闘が行われる空間が限られているため、銃撃戦のシーンはダイナミックでありながらも、より戦略的な戦いが展開される点が印象的でした。

3. エイハブの変化と人間ドラマ

エイハブは序盤、典型的な冷徹な傭兵として描かれますが、次第に彼の人間性が浮き彫りになっていきます。特に、負傷した韓国軍の医師ユン・ジイとの関係性は、エイハブの変化を象徴しています。ユン・ジイは、戦闘ではなく人命を救うことを最優先にする人物であり、エイハブにとって対照的な存在です。彼とのやりとりを通じて、エイハブは「生き残ること」だけでなく、「どう生きるべきか」を考え始めます。この点が、映画のテーマの一つである「戦争と人間性」を際立たせています。

4. メッセージ

『PMC:ザ・バンカー』は、単なるアクション映画ではなく、戦争の裏にある政治的な陰謀や、PMCの在り方についても問いかけています。作中では、作戦の裏にあるアメリカや北朝鮮の思惑が描かれますが、エイハブたちPMCの兵士は結局「駒」として扱われる存在でしかありません。この点は、実際の現代戦にも通じる部分があり、戦争がビジネスとして利用される現実を鋭く描いています。最終的に、エイハブは自身の生き方を見直すことになりますが、観客にも「戦争において、本当に守るべきものは何なのか?」という問いを投げかけているように感じました。

感想

本作は、アクション映画としてのスリルはもちろん、サスペンス要素や人間ドラマも強く、最後まで緊張感を持って観ることができました。特に、エイハブの心境の変化が細かく描かれており、単なる戦闘シーンだけでなく、心理的な部分でも楽しめる作品でした。密閉空間での戦闘という設定も、映画全体の緊迫感を高める要因となっており、息をのむ展開が続きました。また、戦争の裏にある政治的な要素も考えさせられる内容であり、単なるエンターテイメントではなく、社会的なメッセージを含んだ作品としても評価できると思います。
戦争映画やサスペンスが好きな方には特におすすめできる作品であり、PMCのリアルな描写や密閉空間ならではのスリルを存分に味わうことができる一本でした。

教訓・学び

「戦場では生き残ることが最優先だが、最後に問われるのは人間としての選択である」


評価点   92点
お薦め度  94点


2018年  124分  韓国製作

 
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2025-03-09 (Sun)

【映画】『スクリーム』(1996年)恐怖は電話の向こうから──予測不能の惨劇が始まる | ネタバレあらすじと感想

【映画】『スクリーム』(1996年)恐怖は電話の向こうから──予測不能の惨劇が始まる | ネタバレあらすじと感想

映画『スクリーム』の作品情報【英題】Scream【監督】ウェス・クレイヴン【脚本】ケヴィン・ウィリアムスソン【出演】デヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス他【配給】ディメンション・フィルムズ、アスミック【公開】1996年12月【上映時間】111分【製作国】アメリカ【ジャンル】ホラー、スラッシャー、ミステリー、ブラックコメディ【視聴ツール】Netflix、吹替、自室モニター キャストシドニー・...

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映画『スクリーム』の作品情報

【英題】Scream

【監督】ウェス・クレイヴン

【脚本】ケヴィン・ウィリアムスソン

【出演】デヴィッド・アークエット、ネーヴ・キャンベル、コートニー・コックス他

【配給】ディメンション・フィルムズ、アスミック

【公開】1996年12月

【上映時間】111分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】ホラースラッシャーミステリーブラックコメディ

【視聴ツール】Netflix、吹替、自室モニター

キャスト

シドニー・プレスコット:ネーヴ・キャンベル
   『ザ・クラフト』(1996年)

ビリー・ルーミス:スキート・ウールリッチ
   『ザ・チャイルド』(1997年)

ゲイル・ウェザース:コートニー・コックス
   『フレンズ』(1994~2004年)

デューイ・ライリー:デヴィッド・アークエット
   『エイト・レッグド・フリークス』(2002年)
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ネタバレあらすじ

アメリカの小さな町ウッズボローで、女子高生が自宅で無残に殺害される事件が発生します。この事件をきっかけに町は不安に包まれ、女子高生のシドニー・プレスコットも何者かに狙われることになります。
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犯人は「ゴーストフェイス」と呼ばれる黒いローブと白い仮面をかぶった殺人鬼で、ホラー映画の知識を試すような電話をかけ、標的を恐怖に陥れた後、次々と襲撃を繰り返します。

事件が進むにつれ、シドニーの周囲の人々にも疑わしい言動が見られ、誰が真犯人なのかわからない状況が続きます。過去にシドニーの母が殺害された事件との関連も浮かび上がる中、次々と犠牲者が出ていきます。そして、シドニーはこの恐怖の連鎖を断ち切るため、最後の戦いに挑むことになるのです。

ここからはネタバレになります→→→

事件の発端は、ちょうど1年前にシドニーの母親モーリーンが殺害されたことでした。当時、シドニーは地元の新聞記者ゲイル・ウェザースが書いた本の影響もあり、母を殺したのは恋人のコットン・ウェアリーだと証言していました。しかし、今回の連続殺人事件が起こるにつれ、彼女は新たな恐怖と疑念に襲われることになります。
最初の犠牲者は、女子高生ケイシー・ベッカーとその恋人スティーブン・オースでした。ケイシーは家で一人のときに電話を受け、相手からホラー映画に関する質問をされます。彼女が誤答すると、目の前でスティーブンが殺され、自身も逃げる間もなくゴーストフェイスに襲われて命を落とします。この事件が町全体に衝撃を与え、学校では警戒が強まります。

シドニーもやがてゴーストフェイスに襲われますが、間一髪で逃れます。警察が駆けつけたとき、彼女の恋人ビリー・ルーミスが現場にいたため、彼は容疑者として逮捕されます。しかし、すぐに証拠不十分で釈放されます。疑いを持ちながらも、シドニーは親友のテイタムや友人のスチュ、ランディと共に事件を追います。一方、野心的な記者ゲイル・ウェザースは、この事件が過去のモーリーン殺害事件と関連しているのではないかと考え、独自に調査を進めていました。
そんな中、スチュの家で開かれたパーティーが殺人劇の舞台となります。シドニー、テイタム、ランディ、スチュ、ビリーらが集まる中、ゴーストフェイスは次々と襲撃を開始します。テイタムはガレージで殺され、警察官のデューイ・ライリーも負傷します。シドニーは必死に逃げるものの、ついに事件の黒幕が判明します。
犯人はビリーとスチュの二人でした。ビリーはシドニーの母モーリーンが父と不倫していたことを恨み、その復讐として彼女を殺害しました。そして今回の事件も、シドニーを精神的に追い詰めるための計画だったのです。さらに、コットン・ウェアリーに罪を着せるための細工も行っていました。
しかし、シドニーは逆襲に出ます。彼女は隙を見て逃げながら、最終的にビリーとスチュを撃退します。スチュはもみ合いの末に重傷を負い、ビリーは最後の抵抗を試みますが、シドニーによって止めを刺されます。事件は終息し、シドニーはゲイルや負傷したデューイと共に夜明けを迎えるのでした。

本作、『スクリーム』は、ホラー映画の定番を逆手に取ったメタ的な要素を持ちつつ、サスペンスと恐怖を巧みに組み合わせた作品です。予測不能な展開と独特なユーモアが融合し、ホラー映画の新たな方向性を示した作品として、今なお多くのファンに愛されています。

考察と感想

『スクリーム』は、従来のスラッシャー映画の形式を踏襲しながらも、ホラー映画のルールを逆手に取ったメタホラーの代表作です。本作は、単なる恐怖演出にとどまらず、ホラー映画そのものをパロディ化しつつ、新たな視点を提示することで、ジャンルの革新をもたらしました。
まず注目すべきは、犯人がホラー映画の知識を試すかのような電話をかけてくる点です。序盤のケイシー・ベッカーのシーンでは、「好きなホラー映画は?」と問いかけることで、観客に対しても「自分ならどう答えるか?」という心理的な緊張感を生み出します。この仕掛けにより、単なる殺人鬼との対決ではなく、ホラー映画そのものをメタ的に楽しむ構造が成立しています。
また、本作ではホラー映画のお約束が随所に語られます。例えば、「ホラー映画では絶対に ‘I'll be right back’(すぐ戻る)と言ってはいけない」というセリフが登場し、その直後に実際にその言葉を口にしたキャラクターが危険にさらされます。このように、映画のルールを意識させながらも、時にはそれを破る展開を見せることで、観客の予測を裏切る面白さを生み出しています。

犯人についても、ホラー映画の定番とは異なるアプローチが取られています。一般的なスラッシャー映画では、犯人は単独の異常者か、超常的な存在であることが多いですが、本作では意外にも二人組の犯行という構造が採用されています。これにより、途中で一人が無実を証明できる状況を作り出し、犯人探しのミステリー要素が強化されています。特に、ビリーが一度疑われて釈放された後、再び犯人として明かされる展開は見事で、観客を欺く巧妙な脚本になっています。
また、主人公シドニーのキャラクター性も本作の魅力の一つです。従来のホラー映画のヒロイン(ファイナル・ガール)は、純粋でか弱い存在として描かれがちですが、シドニーは戦う意志を持ち、最終的に自らの力で生き延びます。特にクライマックスでは、犯人の策略に屈せず、冷静に反撃する姿が印象的です。このような強い女性主人公像は、後のホラー映画にも大きな影響を与えました。
そして、本作のもう一つの特徴として、ホラーとユーモアのバランスがあります。ホラー映画のパロディとしての側面を持ちながらも、恐怖をしっかりと演出することで、単なるコメディに終わらない点が評価されています。特にランディの映画オタク的な発言や、ゲイル・ウェザースの野心的なジャーナリストとしての立ち回りが、シリアスな展開の中でユーモアの要素を加えており、緊張と緩和のバランスが絶妙です。

総じて、『スクリーム』はホラー映画の既成概念を打ち破り、新たな時代を築いた作品だと言えます。観客の予測を裏切る巧妙な脚本、ホラー映画のルールを逆手に取る演出、そして強い主人公像の確立によって、スラッシャー映画の枠を超えたエンターテイメント性を持っています。そのため、単なる恐怖体験を求める人だけでなく、ホラー映画の歴史や演出技法に興味がある人にとっても、非常に楽しめる作品です。

教訓・学び

「恐怖に立ち向かい、冷静に対処することが生存の鍵となる」



評価点   78点
お薦め度  80点


1996年  111分  アメリカ製作

 
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2025-03-08 (Sat)

【アニメ】『ULTRAMAN』FINALシーズン3(2023年) 俺は、ウルトラマンだ | ネタバレあらすじと感想

【アニメ】『ULTRAMAN』FINALシーズン3(2023年) 俺は、ウルトラマンだ | ネタバレあらすじと感想

アニメ『ULTRAMAN』FINALシーズン3の作品情報【英題】ULTRAMAN FINAL【監督】神山健治、荒牧伸志【原作】円谷プロダクション、清水栄一、下口智裕【配信】Netflix【配信開始】2023年5月【話数】全12話【製作国】日本【ジャンル】SF、アクション、スーパーヒーロー、3DCGアニメーション、バトル【視聴ツール】Netflix、自室モニター エピソードとその内容1.新たなる予兆ウルトラマンスーツが進次郎の力の変化に対応しきれなくな...

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アニメ『ULTRAMAN』FINALシーズン3の作品情報

【英題】ULTRAMAN FINAL

【監督】神山健治、荒牧伸志

【原作】円谷プロダクション、清水栄一、下口智裕

【配信】Netflix

【配信開始】2023年5月

【話数】全12話

【製作国】日本

【ジャンル】SFアクションスーパーヒーロー3DCGアニメーションバトル

【視聴ツール】Netflix、自室モニター
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エピソードとその内容

1.新たなる予兆
ウルトラマンスーツが進次郎の力の変化に対応しきれなくなり、進次郎は新しいスーツの開発に協力することに。開発中のスーツを試す進次郎に、思いがけない実践テストの機会が訪れる。

2.親子にふりかかる呪い
進次郎は事件が起きた時の記憶がないと主張するが、しばらくの間スーツの使用を禁じられてしまう。進次郎の父は、ウルトラマンの呪いが息子を苦しめているのではと不安を募らせる。

3.ヒーローとしての選択
進次郎は激しい怒りに突き動かされて敵を追うものの、戦いの末に意識を失ってしまう。意識を取り戻した進次郎は目の前の光景に困惑するが、自分が何をしたのかまたしても覚えていなかった。

4.信じてもらえないなら、俺は一人でもやる
一連の事件を受け、世間ではウルトラマンへの否定的な意見が強まってゆく。そこに追い打ちをかけるようにメフィストがテレビ放送を乗っ取り、人類に向けて驚くべき宣言をする。

5.追う者と追われる者
井出は逃げ出した進次郎を見つけ出して連れ戻すよう、幸太郎と諸星に指令を出す。身を隠す進次郎は落ち着いて事態を把握しようとするものの、どうしても頭を整理できずにいた。

6.歴戦の勇士
嵐大介は進次郎を秘密基地に連れて行き、かけがえのない仲間だった進次郎の父との過去を語る。メフィストの次なるターゲットを割り出すべく、進次郎と嵐は情報を整理する。

7.4人目の継承者
思いもよらない事態を受け、激しく動揺するレナ。そんな彼女の前に、突如として北斗が姿を現す。進次郎は、ゼットンが現れる奇妙な夢を見続けていることを嵐に打ち明ける。

8.TAROvsULTRAMAN
自分の身に一体なのが起きたか理解できず、レナは混乱するばかり。その答えを求め、北斗は育ての親でもある異星人のもとにレナを連れてゆく。光太郎は、ついに進次郎を見つけ出す。
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9.更なる覚醒
アメリカにいるはずのジャックが現れ、驚く光太郎と進次郎。レナは、突如目覚めた不思議な力の秘密を突き止めようとする。科学特捜隊は、公安警察による強制調査を受けてしまう。

10.真の厄災
ウルトラマンは懸命にメフィストに立ち向かうが、その戦いぶりはウルトラマンへの恐怖心と反感をさらに高める結果に。諸星と進次郎は、厳重に警備された科学特捜隊の基地に侵入を試みる。

11.悪夢の召喚
互いに抱えていた大きな秘密を打ち明け合う、進次郎とレナ。かつて猛威を振るった恐るべき巨大怪獣が出現し、ウルトラマンは仲間たちと力を合わせて戦いに挑む。
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12.さらば、我らのー
強敵の猛攻にさらされ、苦戦を強いられる進次郎。仲間たちはゼットンを倒すべく、死力を尽くし戦い続ける。すべての戦いが終わったあと、科学特捜隊は新たな一歩を踏み出す。

考察と感想

本作、Netflixアニメ『ULTRAMAN FINAL』は、原作漫画を基にしたアニメシリーズの完結編であり、進次郎の成長とウルトラマンという存在の意味を深く掘り下げた作品となった。全12話の構成の中で、進次郎の葛藤、メフィストの陰謀、そしてウルトラマンを取り巻く人類の不信が絡み合い、これまでのシリーズ以上にシリアスな展開が続く。

まず、物語の中心となるのは「ウルトラマンとは何か?」というテーマだ。進次郎は自らの力に翻弄され、記憶の欠落によって自分自身を疑い始める。これはヒーローものにおいて非常に珍しい展開であり、単純な「正義VS悪」の構図ではなく、進次郎自身が「自分は本当に人々を守る存在なのか?」と苦悩する姿が描かれている。また、彼の父・早田進が「ウルトラマンの呪い」という言葉を使い、ヒーローの宿命を嘆く場面は印象的である。この呪いとは、単なる超常的な力のことではなく、人間社会において「異質な存在」であることがもたらす苦しみの象徴とも言えるだろう。
また、本作ではウルトラマンのヒーロー像が揺らぐ。進次郎はスーツの暴走によって人々の信頼を失い、世間のウルトラマンへの評価は悪化する。これは、現代社会における「ヒーロー観」の変化を反映しているようにも見える。かつては絶対的な正義の象徴だったウルトラマンが、メディアの影響によって悪者にされるという展開は、現実世界のSNSや情報操作の問題を連想させる。
敵として立ちはだかるメフィストも、単なる悪役ではなく、人類の認識を利用してウルトラマンを追い詰める知略家として描かれる。彼の行動は単なる侵略者のものではなく、人間の心理を突いた巧妙なものであり、ウルトラマンシリーズにおける敵キャラクターの新たな形を提示している。また、ゼットンの登場も、ウルトラマンシリーズの歴史を踏襲しつつ、進次郎の物語にふさわしい形で描かれており、クライマックスにふさわしい盛り上がりを見せる。
一方で、作品全体のペース配分にはやや粗削りな部分も見受けられる。前半は進次郎の内面的な葛藤が丁寧に描かれているが、中盤以降は敵との戦いが急速に展開し、特に終盤のバトルは駆け足気味だった印象を受ける。とはいえ、シリーズ全体の締めくくりとして、進次郎が「ウルトラマンであること」を受け入れ、仲間たちと共に戦う姿は感動的だった。

総じて、『ULTRAMAN FINAL』は、単なるアクション作品ではなく、ヒーローの存在意義や社会との関係性を深く掘り下げた意欲作である。進次郎の成長と、彼を支える仲間たちとの絆が描かれたことで、シリーズの集大成としてふさわしい作品になったと感じた。

教訓・学び

「信頼を失っても、自分の信じる正義を貫くことが本当の強さである」


評価点   92点
お薦め度  90点


2023年  全12話  日本製作

 
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2025-03-07 (Fri)

【映画】『Demon City 鬼ゴロシ』(2025年) Netflixオリジナル作品 鬼の支配する街で、復讐の刃が血の夜を切り裂く―― | ネタバレあらすじと感想

【映画】『Demon City 鬼ゴロシ』(2025年) Netflixオリジナル作品 鬼の支配する街で、復讐の刃が血の夜を切り裂く―― | ネタバレあらすじと感想

映画『Demon City 鬼ゴロシ』の作品情報【監督・脚本】田中征爾【原作】河部真道【出演】生田斗真、東出昌大、田中美央、當真あみ他【配信】Netflix【公開】2025年2月【上映時間】107分【製作国】日本【ジャンル】アクション、ホラー、ダークファンタジー、サスペンス【視聴ツール】Netflix、自室モニター キャスト坂田 周平(さかた しゅうへい):生田斗真  『渇水』(2023)、『湯道』(2023)、『告白 コンフェッション』(...

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映画『Demon City 鬼ゴロシ』の作品情報

【監督・脚本】田中征爾

【原作】河部真道

【出演】生田斗真東出昌大、田中美央、當真あみ他

【配信】Netflix

【公開】2025年2月

【上映時間】107分

【製作国】日本

【ジャンル】アクションホラーダークファンタジーサスペンス

【視聴ツール】Netflix、自室モニター

キャスト

坂田 周平(さかた しゅうへい):生田斗真
  『渇水』(2023)、『湯道』(2023)、『告白 コンフェッション』(2024)
  「伝説の殺し屋」と呼ばれる主人公。家族を奪われ復讐に燃えるが、娘の前ではただの父親。

春原 龍(すのはら りゅう):尾上松也
  坂田のかつての仲間であり、裏社会のブローカー。坂田の復讐に絡みながら、自らの目的を追う謎多き存在。

伏 勘太(ふせ かんた):東出昌大
  闇組織の実行部隊を束ねる冷酷な男。坂田とは過去に因縁があり、敵として立ちはだかる。

篠塚 孝太郎(しのづか こうたろう):髙嶋政伸
  権力を持つ市政関係者であり、裏で闇組織と繋がる黒幕的存在。坂田を追い詰める一方で、街の「鬼の伝説」とも関係がある。

竹本 誉(たけもと ほまれ):田中美央
  警察幹部でありながら、裏で組織と通じている人物。坂田を抹殺するために動く。
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ネタバレあらすじ

かつて“伝説の殺し屋”と呼ばれた男・坂田周平は、裏社会から足を洗い、家族と平穏な日々を送っていました。
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しかし、ある日突然、自宅に敵が襲撃し、妻・葵が殺され、最愛の娘・りょうも命を奪われたとされます。坂田は事件の犯人として警察に追われ、街の闇に消えることを余儀なくされます。
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それから十年後、死んだはずの娘が生きていることを知った坂田は、彼女を取り戻すため、再び血塗られた道へと足を踏み入れます。しかし、その背後には「50年に一度、鬼が取り憑いて大量殺人を起こす」という不吉な伝説と、街を支配する闇組織の陰謀が渦巻いていました。

ここからはネタバレになります→→→


坂田周平は、かつて最強の殺し屋と恐れられていましたが、家族とともに静かな暮らしを望み、裏社会から足を洗いました。しかし、ある日、謎の武装集団が彼の家を襲撃し、妻・葵を目の前で殺害。娘・りょうも撃たれ、血を流して動かなくなります。坂田自身も重傷を負い、意識を失います。
目を覚ますと、彼は警察に拘束されていました。マスコミは彼を「殺人犯」として報道し、彼の名前は犯罪者として世間に知れ渡ります。坂田は辛うじて脱走し、裏社会へと潜伏することを決意します。
それから十年、彼は“死に損ないの男”として生きながら、ひそかに事件の真相を追っていました。そんなある日、かつての仲間・春原龍から驚くべき情報を得ます。「お前の娘は生きている」――そう告げられた坂田は、真相を求めて再び動き出します。
調査の末、坂田は娘・りょうが生きており、闇組織の幹部である伏勘太に育てられていたことを突き止めます。公的には死亡したはずのりょうは、伏の養女として本名のまま育てられ、普通の高校に通っていました。戸籍の改竄、記憶の操作など、不可解な点が多いものの、彼女は自分の過去を知らないまま、伏を“父”として慕っていました。
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坂田はりょうを取り戻すべく、組織の拠点へと乗り込みます。しかし、その背後には、50年に一度鬼が取り憑くという伝説がありました。この街では、50年ごとに謎の大量殺人が発生しており、坂田の事件もその周期に当てはまっていたのです。
坂田の調査を妨害する警察幹部・竹本誉や、市政を動かす篠塚孝太郎の存在も明らかになります。彼らは闇組織と癒着し、「鬼の伝説」を利用して街の支配を強固なものにしていました。そして、伏勘太こそが“次の鬼”となる運命を背負った存在であり、りょうを継承者にする計画を進めていたのです。
やがて坂田は、伏と対決することになります。伏は「りょうはお前よりも幸せに暮らしている」と語り、りょう自身も本当の父親を知らずに育ってきたため、戸惑いを隠せません。しかし、坂田は「俺の娘を返せ」と叫び、決死の戦いを挑みます。
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激しい戦闘の末、伏を倒した坂田はりょうを連れて逃げようとします。しかし、伏の死によって“鬼”の呪いが発動し、街全体を巻き込む大惨劇が始まります。混乱の中、竹本や篠塚も命を落とし、長年にわたり街を支配していた闇の構造が崩壊していきます。
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りょうは最後まで坂田を「父」と認めることができませんでしたが、逃げる途中で断片的に過去の記憶が蘇り、幼い頃の父の姿を思い出します。そして、坂田の手を握り、初めて「お父さん……」と呟くのでした。
しかし、物語はそこで終わりません。警察が駆けつけ、坂田は再び「殺人犯」として追われることになります。彼はりょうを逃がし、再び姿を消します。そして、街のどこかで新たな“鬼”が生まれようとしていました――。

考察と感想

本作、『Demon City 鬼ゴロシ』は、伝説の殺し屋である坂田周平が、死んだはずの娘・りょうを取り戻すために戦うバイオレンスアクションです。本作は、復讐劇としての王道を踏襲しながらも、50年に一度の「鬼の伝説」というミステリアスな要素を組み込んでいる点が特徴的です。しかし、その世界観や設定に対するリアリティのバランス、キャラクターの描写には賛否が分かれる点もあるでしょう。

考察:家族愛と殺し屋のギャップ

本作の中心となるテーマは「家族愛」です。坂田は“伝説の殺し屋”と呼ばれるほどの存在でありながら、娘の前ではただの「お父ちゃん」になってしまう。そのギャップこそが、彼を単なる復讐者ではなく、観客が感情移入できるキャラクターにしていると言えます。田中征爾監督の過去作『死に損なった男』でも見られるように、彼の作品では親から子への愛情がストレートに描かれます。本作もその延長線上にあり、坂田の行動原理が「娘への愛」一本で貫かれている点は一貫性があります
しかし、坂田の設定にはリアリティの欠如が目立ちます。殺し屋家業を続けながら普通の家庭を築いていたこと、事件当時に玄関の鍵すら閉めていなかったこと、さらにはニュースで実名報道されるなど、“伝説の殺し屋”としての慎重さがまったく見られません。この脇の甘さが、物語序盤の悲劇の原因になっているため、観客としては「復讐するのはいいが、お前にも責任があるのでは?」と感じてしまう部分があるのは否めません。

考察:リアリティのズレと「鬼の伝説」

本作の舞台となる街は、強大な闇組織に支配され、貧困が蔓延しているという設定ですが、その描写がどこか海外のスラム街のような印象を受けます。特に、ドラッグの製造現場で女性たちが下着姿で作業している描写などは、メキシコの麻薬カルテルを題材にした映画のようで、日本の裏社会を舞台にした作品としては違和感がありました。
さらに、「50年に一度、鬼が取り憑き、大量殺人が起こる」という伝説の扱いも不自然です。50年というサイクルは短すぎるため、そんな頻繁に大量殺人が発生している街なら、もはや人が住まなくなるのではないかという疑問が残ります。また、鬼の伝説が現実に影響を与えていることが示唆されているものの、そのメカニズムについての説明が曖昧なため、終盤の展開が唐突に感じられます。

感想:魅力的な闘いシーンと感情の揺さぶり

アクションシーンの演出は見応えがあり、生田斗真演じる坂田の戦闘シーンは迫力があります。特に、伏勘太(東出昌大)との一騎打ちは、本作のクライマックスとして非常に熱量の高いシーンになっています。
また、娘・りょうを演じた當真あみの演技も印象的でした。自分の父親が誰なのかも知らずに育ち、突然現れた坂田に戸惑う姿は、単なる“お涙頂戴”ではなく、現実的な反応として説得力がありました。ラストシーンで、りょうが過去の記憶を断片的に思い出し、坂田を「お父さん」と呼ぶ瞬間は、シンプルながらも感動的な場面です。
しかしながら、物語の構成にはやや難がありました。特に終盤、黒幕の過去の回想が唐突に挿入され、話の軸がブレてしまう点は惜しい部分です。また、設定の粗さが目立ち、リアリティの乖離が没入感を削いでいる点も気になりました。

総評

『Demon City 鬼ゴロシ』は、復讐劇と家族愛を融合させたバイオレンスアクションとして、エンタメ性の高い作品です。アクションシーンは迫力があり、キャストの熱演も魅力的ですが、リアリティのバランスが崩れがちで、物語の説得力に欠ける部分が目立ちました。とはいえ、感情を揺さぶるシーンも多く、特に親子の絆を描いたラストは印象に残る作品だと思います。

教訓・学び

「復讐に生きる者は、自らの過去と向き合わなければならない」



評価点   90点
お薦め度  86点


2025年  107分  日本製作

 
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2025-03-05 (Wed)

【アニメ】『ULTRAMAN』 シーズン2(2022年)Netflixオリジナル作品 ULTRAMAN、世界へ—— | ネタバレあらすじと感想

【アニメ】『ULTRAMAN』 シーズン2(2022年)Netflixオリジナル作品 ULTRAMAN、世界へ—— | ネタバレあらすじと感想

『ULTRAMAN』 シーズン2の作品情報【監督】神山健治×荒牧伸志【原作】円谷プロダクション、清水栄一×下口智裕【配信元】Netflix【配信開始】2022年4月~【話数】全6話【ジャンル】SF、アクション、スーパーヒーロー、3DCGアニメーション、バトル【視聴ツール】Netflix、自室モニターシーズン1が大好評だったのに対応するシーズンです。内容は良かったです。メカニックも素晴らしいし、第一ストーリーが手に汗握るのが癖になります...

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『ULTRAMAN』 シーズン2の作品情報

【監督】神山健治×荒牧伸志

【原作】円谷プロダクション、清水栄一×下口智裕

【配信元】Netflix

【配信開始】2022年4月~

【話数】全6話

【ジャンル】SFアクションスーパーヒーロー3DCGアニメーションバトル

【視聴ツール】Netflix、自室モニター

シーズン1が大好評だったのに対応するシーズンです。内容は良かったです。メカニックも素晴らしいし、第一ストーリーが手に汗握るのが癖になります。
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エピソードとその内容

1.NYから来た男
街で異星人が暴走し、レナとの再会を喜んでいた新次郎に出動要請が入ります。事件の現場に居合わせた記者の東光太郎は、衝撃的な光景を目の当たりにします。
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2.憤怒の炎
光太郎は“人間消失事件”の現場で見た謎のメイドたちを追いかけ、調査をするべくアジトに潜入。諸星は、事件の手掛かりを求めてアダドに接触します。

3.失われた『光』
突如として現れたペダント星人は人類に驚くべき要求を突きつけ、24時間以内の返答を迫ります。光太郎は、手伝いをさせて欲しいとジャックに頼み込みます。

4.科特隊急襲
目標に近づいてゆくジャンク、タロウ、セブン。時を同じくして、科学特捜隊の基地は敵の襲撃うぃ受けてしまいます。マーヤは、非情な決断を迫られます。

5.黄金の城塞
進次郎は帰還を果たし、ジャック、セブン、タロウに合流。タイムリミットが近づく中、4人はペダント星人の惑星攻略兵器“黄金の城塞”に立ち向かいます。
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6.六番目のULTRAMAN
黄金の城塞を内部から破壊しようとするジャックとタロウ。早田進と進次郎、世代を超えた2人のウルトラマンが力を合わせ、ペダント星人に戦いを挑みます。

考察と感想

本作、Netflixで配信されたアニメ『ULTRAMAN』シーズン2は、全6話という短い構成ながらも、濃密なストーリーと迫力のあるバトルが展開される作品だった。前作に引き続き、進次郎を中心としたウルトラマンたちの戦いが描かれるが、今シーズンでは新キャラクター・東光太郎(タロウ)の登場が大きなポイントとなる。
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シーズン2のテーマとキャラクター描写

今シーズンでは、「継承」と「覚醒」が重要なテーマとして描かれている。主人公・早田進次郎は、自らの成長とともにウルトラマンとしての使命を受け入れ、さらに父・早田進との関係がクローズアップされる。また、東光太郎は記者として事件を追う中で、自らもウルトラマンとなる宿命を背負い、最終的にタロウとして戦うことになる。彼の存在は、進次郎にとっても新たな刺激となり、ウルトラマンたちの戦いがさらに広がるきっかけとなった。
一方で、敵側の「暗黒の星」やペダント星人も、単なる侵略者として描かれるのではなく、彼らなりの目的や背景があることが示される。特に、ペダント星人が人類に突きつける要求は、単なる善悪の戦いではなく、宇宙のバランスや価値観の違いを考えさせる要素が含まれていた。こうした要素が、シーズン2を単なるヒーローアクションではなく、SF作品としても楽しめるものにしている。

アクションと演出の進化

本作の大きな魅力のひとつは、3DCGによるダイナミックなアクションシーンだ。シーズン1と比較しても戦闘シーンのテンポが向上し、特に「黄金の城塞」編でのウルトラマンたちの共闘は圧巻だった。特に、進次郎と父・早田進の共闘シーンは、シリーズファンにとって感慨深いものだっただろう。
また、タロウの炎を使った戦闘スタイルは視覚的にも映えるものであり、彼の成長とともに戦い方が洗練されていく様子も興味深かった。これまでのウルトラマンシリーズとは異なり、変身ではなく強化スーツを用いた戦闘であるため、よりリアルな近接格闘の動きが取り入れられている点も見どころのひとつだ。

短さがもたらす課題

全6話という構成は、物語をスピーディーに進める要素となった一方で、キャラクターの掘り下げがやや不足している印象も受けた。特に「暗黒の星」の背景や、マーヤの決断に至る心理描写など、もう少し丁寧に描かれていれば、さらに深みのある物語になっただろう。また、ジャックや諸星といった既存キャラクターの活躍も限定的であり、彼らの個別エピソードがもっとあれば、より感情移入しやすかったかもしれない。

総評

『ULTRAMAN』シーズン2は、短いながらもアクションとストーリーを凝縮した作品であり、特に親子共闘や新たなウルトラマンの誕生といったドラマが光るシーズンだった。続くシーズン3への伏線も残されており、今後の展開にも期待が高まる。もしシーズン3があるなら、今作で描ききれなかった要素をより掘り下げてほしいと感じた。

教訓・学び

「受け継がれる意志と覚悟が、新たなヒーローを生む」
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評価点   92点
お薦め度  94点


2022年  23~25分/回 ×13話  日本製作

 
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2025-03-04 (Tue)

【休憩タイム】『ウルトラマン』の系譜を整理してみました

【休憩タイム】『ウルトラマン』の系譜を整理してみました

『ULTRAMAN』を観る上で、過去のウルトラシリーズの系譜を確認しました。 初期ウルトラシリーズ(昭和ウルトラマン)円谷プロ創業とウルトラQ(1966) ウルトラシリーズの原点。怪奇SFドラマとしてスタートし、後のウルトラマン誕生の土台を築く。ウルトラマン(1966) 初代ウルトラマン登場。地球に降り立ったM78星雲の戦士が科学特捜隊と協力して怪獣と戦う。ウルトラセブン(1967) ウルトラマンとは異なる路線で、SF色の強い...

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『ULTRAMAN』を観る上で、過去のウルトラシリーズの系譜を確認しました。

初期ウルトラシリーズ(昭和ウルトラマン)

円谷プロ創業とウルトラQ(1966)
ウルトラシリーズの原点。怪奇SFドラマとしてスタートし、後のウルトラマン誕生の土台を築く。

ウルトラマン(1966)
初代ウルトラマン登場。地球に降り立ったM78星雲の戦士が科学特捜隊と協力して怪獣と戦う。

ウルトラセブン(1967)
ウルトラマンとは異なる路線で、SF色の強い作風が特徴。モロボシ・ダンが変身する。

帰ってきたウルトラマン(1971)
初代の世界観を引き継ぐ新ヒーロー・ウルトラマンジャックが登場。

ウルトラマンA(1972)
男女合体変身の設定を導入(北斗星司と南夕子)。

ウルトラマンタロウ(1973)
M78星雲・光の国の王族「ウルトラの父・母」の息子として誕生。

ウルトラマンレオ(1974)
M78星雲とは別のL77星出身。師匠・ウルトラセブンと共に鍛えられ成長。

ザ☆ウルトラマン(1979・アニメ)
初のアニメ作品。ウルトラマンジョーニアスが活躍。

ウルトラマン80(1980)
80年代唯一のTVシリーズ。教師でもあるウルトラマン80が登場。

平成ウルトラマンシリーズ

ウルトラマンティガ(1996)
「平成三部作」の第1作。超古代の戦士・ティガが復活。

ウルトラマンダイナ(1997)
ティガの続編。前向きな主人公・アスカがダイナに変身。

ウルトラマンガイア(1998)
環境破壊をテーマに、ウルトラマンガイアとウルトラマンアグルが対立と共闘。

ウルトラマンネオス(2000・OVA)
もともとTV企画だったが、OVAとしてリリース。

ウルトラマンコスモス(2001)
「優しさ」をテーマに、怪獣保護の視点を取り入れた作品。

ウルトラマンネクサス(2004)
ダークな作風で、複数の変身者が登場する特徴的な作品。

ウルトラマンマックス(2005)
初代ウルトラマンのリスペクトが強い作風。

ウルトラマンメビウス(2006)
昭和シリーズとのつながりを強く意識した作品。

新世代ウルトラシリーズ(平成後期・令和)

ウルトラマンゼロ(2009)
ウルトラセブンの息子として登場。劇場版や外伝で活躍。

ウルトラマンギンガ(2013)
「新世代ヒーロー」シリーズのスタート。玩具連動が強化。

ウルトラマンX(2015)
「データ化」された怪獣を召喚して戦う設定。

ウルトラマンジード(2017)
歴代ウルトラマンの力を融合して戦う。

ウルトラマンベリアルの息子という設定が話題に。

ウルトラマンR/B(2018)
兄弟ウルトラマンが主人公。

ウルトラマンタイガ(2019)
ウルトラマンタロウの息子。ウルトラマンの力を宿した3体が登場。

ウルトラマンZ(2020)
ゼロの弟子・ゼットが主人公。

ウルトラマントリガー(2021)
「ティガ」のリブート的作品。

ウルトラマンデッカー(2022)
「ダイナ」に近い世界観。

ウルトラマンブレーザー(2023)
人間とウルトラマンの共生がテーマ。

海外展開や派生作品

ウルトラマンパワード(1993・アメリカ):海外向けリメイク

ウルトラマンG(グレート)(1990・オーストラリア):海外制作の新作ウルトラマン

Netflix『ULTRAMAN』(2019~):コミック版をもとにしたアニメシリーズ← 今まさに観ているもの

まとめ

ウルトラマンシリーズは、時代ごとにテーマを変えながら進化しており、昭和→平成→新世代と大きく系譜が分かれます。特に、昭和はシンプルな勧善懲悪、平成は人間ドラマの比重増、新世代は歴代の力を継承する要素が強化されています。
僕が知っているウルトラマンは、初期ウルトラシリーズの中でもウルトラセブン、ウルトラマンタロウ、ウルトラマンレオあたりです。昨日紹介したNetflixの『ULTRAMAN』が一人のウルトラマンではないと言う設定自体が違和感大ありだったのは、系譜を見てその理由がやっと分かりました。

今の新世代ウルトラシリーズはiphoneのように、毎年出ています。まさに消耗品的な扱いですね。時代背景が大きく影響しています。
2025-03-03 (Mon)

【アニメ】『ULTRAMAN』SEASON1(2023年) 「メカニカルな等身大ヒーロー」を「父と子の宿命」をベースに描き、「スピーディーなバトルアクション」により可視化した!| ネタバレあらすじと感想

【アニメ】『ULTRAMAN』SEASON1(2023年) 「メカニカルな等身大ヒーロー」を「父と子の宿命」をベースに描き、「スピーディーなバトルアクション」により可視化した!| ネタバレあらすじと感想

映画『ULTRAMAN SEASON1』の作品情報【原題】ULTRAMAN SEASON1【監督】神山建治、荒牧伸志【原作】円谷プロダクション、清水栄一、下口智裕【製作】Production I.G、SOLA DIGITAL ARTS【公開】2019年4月 Netflixにて一挙配信【上映時間】各エピソードは23~25分、全13話【製作国】日本【ジャンル】SF、アクション、スーパーヒーロー、3DCGアニメーション、バトル【視聴ツール】Netflix、自室モニター あらすじエピソード1: この...

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映画『ULTRAMAN SEASON1』の作品情報

【原題】ULTRAMAN SEASON1

【監督】神山建治、荒牧伸志

【原作】円谷プロダクション、清水栄一、下口智裕

【製作】Production I.G、SOLA DIGITAL ARTS

【公開】2019年4月 Netflixにて一挙配信

【上映時間】各エピソードは23~25分、全13話

【製作国】日本

【ジャンル】SFアクションスーパーヒーロー3DCGアニメーションバトル

【視聴ツール】Netflix、自室モニター
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あらすじ

エピソード1: この地球にあってはならない力
ウルトラマンが地球を去って数十年後、早田進は自身と息子・進次郎に 超人的な力がある ことに気づきます。

エピソード2: 逃れられない運命
進次郎は 異星人ベムラーに襲われ、父・進を救うためにウルトラマンスーツを纏い 戦う決意を固めます。

エピソード:3 ウルトラマンやるのも悪くないかも
進次郎は 科学特捜隊(科特隊)からの依頼を受け、ウルトラマンとして 異星人と戦う使命 を担うことになります。

エピソード4:リミッター解除
進次郎は 市街地で異星人と交戦 し、戦況が悪化する中 リミッターを解除。スペシウム光線で敵を倒します。
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エピソード5: 異星人の街
異星人が密かに暮らす街があることを知り、進次郎はそこで 情報屋のジャック と出会います。

エピソード6: ウルトラマンという呪い
進次郎は 異星人を倒すことに葛藤し、ウルトラマンとして生きることの 宿命に悩みます。
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エピソード7: 秘められた思い
進次郎は自分の力に迷いながらも、街で暴れる 異星人と戦うことを決意 します。

エピソード8: 真実の幕開け
人気歌手レナのライブ会場に 異星人アダドが現れ、進次郎と諸星は彼と対峙します。

エピソード9: はじめまして、兄さん
進次郎は 自身の正体を知る北斗星司 と出会い、3人目のウルトラマンがいることを知ります。

エピソード10: 星団評議会
北斗は 科特隊に協力を申し出ます が、彼の真意を探るため一時解放されます。

エピソード11: そのままの君でいて
進次郎は ウルトラマンとしての生き方に悩み ながらも、レナとの関係を深めていきます。

エピソード12: エースキラー
北斗は 協力者の異星人ヤプール から、幼馴染の夕子が危険にさらされていることを知らされます。

エピソード13: 本当のウルトラマン
進次郎、諸星、北斗の3人は エースキラー率いる部隊に立ち向かい、進次郎は 覚醒します。
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考察と感想

本作、アニメ『ULTRAMAN』シーズン1は、従来のウルトラマンシリーズとは一線を画し、 等身大ヒーローとしてのウルトラマン を描いた作品です。3DCGアニメーションによる迫力あるアクション、原作漫画のスタイリッシュなデザインを踏襲しながら、ウルトラマンの持つテーマ性を現代的にアレンジしています。
物語は、かつてウルトラマンだった早田進の息子・ 進次郎が新たなウルトラマンとして覚醒し、異星人との戦いに巻き込まれていく というものです。過去のウルトラマンシリーズのような巨大怪獣との戦いではなく、人間サイズの戦闘が中心であり、 アイアンマンのようなメカニカルなスーツ を装着することで戦う設定が特徴的です。この「スーツ型ウルトラマン」という設定により、単なる変身ヒーローではなく、 人間としての苦悩や戦うことの意味を掘り下げる ことが可能になりました
シーズン1では、進次郎が 自らの力の意味を問いながら、ウルトラマンとしての宿命を受け入れていく過程 が丁寧に描かれています。最初は戦いを拒むものの、異星人の脅威や父の影響を受けて、 「ウルトラマンをやるのも悪くないかも」 と少しずつ覚悟を決めていく流れが自然で、主人公の成長が感じられます。また、 諸星弾(セブンスーツ)や北斗星司(エーススーツ)といった別のウルトラマンたち の登場も、作品に深みを与えています。
戦闘シーンに関しては、 3DCGならではのスピード感と重量感 があり、特にリミッター解除時の演出やスペシウム光線の描写は圧巻です。一方で、CG特有の動きの硬さや表情の乏しさ も指摘される点であり、特にキャラクターの感情表現においては賛否が分かれるかもしれません。

教訓・学び

「力を持つことの意味を問い、責任と覚悟を持って行動することの大切さを教えてくれる」

評価点   86点
お薦め度  84点


2019年  23~25×13分  日本製作

 
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2025-03-02 (Sun)

【映画】『プロメテウス』(2012年) 人類の起源を求めた探査が、想像を超える恐怖を呼び覚ます | ネタバレあらすじと感想

【映画】『プロメテウス』(2012年) 人類の起源を求めた探査が、想像を超える恐怖を呼び覚ます | ネタバレあらすじと感想

映画『プロメテウス』の作品情報【原題】Prometheus【監督】リドリー・スコット【脚本】デイモン・リンデロフ、ジョン・スペイツ【出演】ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、ガイ・ピアース【配給】20世紀フォックス【公開】2012年6月【上映時間】124分【製作国】アメリカ、イギリス【ジャンル】SF(サイエンス・フィクション)、ホラー、アドベンチャー【視聴ツール】Amazon Prime Video、吹替、自室モニター キャストエ...

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映画『プロメテウス』の作品情報

【原題】Prometheus

【監督】リドリー・スコット

【脚本】デイモン・リンデロフ、ジョン・スペイツ

【出演】ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、ガイ・ピアース

【配給】20世紀フォックス

【公開】2012年6月

【上映時間】124分

【製作国】アメリカ、イギリス

【ジャンル】SF(サイエンス・フィクション)ホラーアドベンチャー

【視聴ツール】Amazon Prime Video、吹替、自室モニター

キャスト

エリザベス・ショウ:ノオミ・ラパス 
  『ドラゴン・タトゥーの女』(2009年)

メレディス・ヴィッカーズ:シャーリーズ・セロン 
  『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)

デヴィッド:マイケル・ファスベンダー 
  『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011年)

ジャンネク:イドリス・エルバ 
  『パシフィック・リム』(2013年)

チャーリー・ホロウェイ:ローガン・マーシャル=グリーン 
  『アップグレード』(2018年)

ピーター・ウェイランド:ガイ・ピアース 
  『メメント』(2000年)
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ネタバレあらすじ

地球外生命体による人類誕生の謎を解明すべく、科学者エリザベス・ショウとチャーリー・ホロウェイは、宇宙探査船「プロメテウス」に乗り込み、遠い惑星へと旅立つ。そこには、彼らが「創造主」と考える存在の痕跡があった。しかし、調査を進めるうちに、彼らが発見したものは、人類の起源どころか、その存亡を脅かす恐るべき事実だった――。

ここからはネタバレになります→→→

西暦2089年、考古学者のショウとホロウェイは、世界各地の古代遺跡に共通する星図を発見する。それは地球外生命体「エンジニア」の存在を示唆していた。彼らはウェイランド社の出資を受け、科学者やクルーとともに宇宙探査船「プロメテウス」で惑星LV-223へと向かう。

2093年、プロメテウス号は目的地に到着し、クルーは巨大な遺跡を発見。
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内部を探索すると、人類によく似た「エンジニア」の死体が多数転がっていた。また、黒い液体の入った無数のアンプルが保管されている部屋も見つかる。アンドロイドのデヴィッドは密かにその液体を持ち帰り、ホロウェイの飲み物に混入。
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ホロウェイは徐々に異変をきたし、身体が変異していく。最終的に、異常な状態に陥ったホロウェイは、クルーのメレディス・ヴィッカーズによって焼却処分される。

一方、ショウはホロウェイとの関係で妊娠していたが、胎内の生命体は通常の人間の子供ではなく、未知の生物だった。彼女は自らメスを握り、医療ポッドで帝王切開を行い、異形の生物を摘出。その後、デヴィッドによって生き残っていたエンジニアが冬眠状態で眠っていることを知らされる。

探査チームの生き残りが減る中、ウェイランド社の創業者ピーター・ウェイランドが密かに船に乗っていたことが明かされる。彼の目的は、エンジニアと接触し、不老不死の秘密を聞き出すことだった。しかし、目覚めたエンジニアは彼らに敵意を示し、ウェイランドを含むクルーを殺害。エンジニアは自らの宇宙船で地球を目指そうとするが、それを阻止するため、船長のジャンネクはプロメテウス号を衝突させ、エンジニアの宇宙船を墜落させる。

ショウはデヴィッドの助言を受け、エンジニアの施設から脱出。彼女を追ってきたエンジニアだったが、かつてショウが取り出した異形の生物(トリロバイト)によって捕らえられ、最終的に体内から「ゼノモーフの原型」ともいえるクリーチャーが誕生する。
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デヴィッドの頭部を持ったショウは、エンジニアの宇宙船を使い、新たな目的地へ向かう。それは、人類の創造主であるはずのエンジニアがなぜ地球を滅ぼそうとしたのか、その真実を知るためだった。

考察と感想

本作、『プロメテウス』は、リドリー・スコット監督が『エイリアン』シリーズの起源を描いたSF映画でありながら、単なる前日譚ではなく、人類の起源や創造主の意図に踏み込む哲学的なテーマを持つ作品だ。

まず、本作の大きな問いは「人類はどこから来たのか」という点にある。映画では、地球の古代遺跡に共通する星図を手がかりに探査が始まるが、その先で待っていたのは「創造主」であるはずのエンジニアが人類を滅ぼそうとしていた、という衝撃的な事実だった。彼らはなぜ自らの創造物を破壊しようとしたのか? 物語の中では明確な答えが提示されないが、エンジニアの遺跡や映像から、彼らが強力な生物兵器(黒い液体)を生み出し、それが制御不能になった可能性が示唆される。これは、創造が常に善意から生まれるわけではないことを暗示しており、人類の存在意義について深い問いを投げかけている。

また、アンドロイドのデヴィッドの存在も重要だ。彼は「創造主」に憧れながらも、人間を超えたいという野心を抱いている。その行動は冷徹でありながら、人間以上に哲学的な問いを発しているのが興味深い。例えば、「なぜ人間は自分たちを作ったのか?」という問いに対し、「理由はない。ただ作れるから作ったのだ」という冷たい答えを受けたとき、デヴィッド自身も同じく人間に作られた存在であることを思い知らされる。これは、創造と支配の関係を逆転させる視点を与えており、後の『エイリアン: コヴェナント』でさらに深く掘り下げられるテーマとなる。

一方で、映画の演出や設定には賛否が分かれる部分もある。特に、ホラー要素を期待していた『エイリアン』ファンにとっては、純粋なクリーチャーホラーではなく、哲学的なSFに寄った作風がやや肩透かしに感じられるかもしれない。また、登場人物の行動に不自然な点が多いのも批判された要因の一つだ。例えば、未知の惑星で不用意にヘルメットを脱ぐ科学者や、直線的に逃げるヴィッカーズのシーンなど、細かい演出の甘さが物語のリアリティを損ねている。

しかし、それらの欠点を差し引いても、本作は単なるホラー映画ではなく、創造と破壊、神と人間の関係性を深く掘り下げた意欲的な作品として高く評価できる。特に、ラストでショウが「真実を求めて旅を続ける」という選択をする場面は、単なる生存ではなく、「知ること」への執念を示しており、彼女の科学者としての強い意志が表れている点が印象的だ。

総じて、『プロメテウス』は『エイリアン』シリーズのファンにとっては異質な作品かもしれないが、人類の起源や創造主の意図をめぐる問いを投げかけるSF映画としては極めて魅力的な一作である。

教訓・学び

「創造の探求は希望をもたらすが、時に破滅への扉を開く」


評価点   78点
お薦め度  76点


2012年  124分  アメリカ製作

 
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2025-03-01 (Sat)

【映画】『トラップ』(2024年) 閉ざされた会場、仕掛けられた罠。絶望の中で暴かれる、想像を超える真実 | ネタバレあらすじと感想

【映画】『トラップ』(2024年) 閉ざされた会場、仕掛けられた罠。絶望の中で暴かれる、想像を超える真実 | ネタバレあらすじと感想

映画『トラップ』の作品情報【英題】Trap【監督・脚本】M・ナイト・シャマラン【出演】ジョシュ・ハートネット、アリエル・ドノヒュー、サレカ・シャマラン他【配給】ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース ジャパン【公開】2024年7月【上映時間】105分【製作国】アメリカ【ジャンル】サイコスリラー、ホラー、ミステリー【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター キャスト クーパー・アボット:ジョシュ・...

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映画『トラップ』の作品情報

【英題】Trap

【監督・脚本】M・ナイト・シャマラン

【出演】ジョシュ・ハートネット、アリエル・ドノヒュー、サレカ・シャマラン他

【配給】ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース ジャパン

【公開】2024年7月

【上映時間】105分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】サイコスリラーホラーミステリー

【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター

キャスト

クーパー・アボット:ジョシュ・ハートネット
  『パール・ハーバー』(2001年)

レイチェル・アボット:アリソン・ピル
  『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(2010年)

レディ・レイヴン:サレカ・ナイト・シャマラン
  『オールド』(2021年))

ジョセフィーン・グラント:ヘイリー・ミルズ
  『罠にかかったパパとママ』(1961年)

ザ・シンカー:スコット・メスカディ
  『X(エックス)』(2022年)

レイヴンの叔父:M・ナイト・シャマラン
  『サイン』(2002年)※カメオ出演
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ネタバレあらすじ

クーパー・アボット(ジョシュ・ハートネット)は、娘のライリー(アリエル・ドナヒュー)を大切に思い、彼女が憧れるアーティスト、レディ・レイヴン(サレカ・ナイト・シャマラン)のアリーナライブのプラチナチケットを手に入れます。
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ライブ当日、会場には3万人もの観客が集まり、熱狂的な雰囲気に包まれます。しかし、その裏では大規模な警察の包囲網が敷かれ、無数の監視カメラが場内の隅々まで監視していました。彼らの目的は、観客の中に紛れ込んでいる凶悪な連続殺人犯「切り裂き魔」を捕まえることでした。その切羽詰まった警察の動きとは裏腹にライブの開始前の喧騒はすごい状態です。
しかし、その「切り裂き魔」と言われる者はクーパーだったのです。娘とともに楽しい時間を過ごすはずが、突如として命を狙われる立場へと変わるクーパー。会場に仕掛けられた罠の中、彼は逃げ延びることができるのか。それとも、自らの罪と向き合う時が来たのか。

ここからはネタバレになります→→→

クーパー・アボットは、娘ライリーとの大切な思い出を作るため、苦労して入手したレディ・レイヴンのライブチケットを手に、会場へと向かいます。ライリーは大喜びし、父と一緒に特別な夜を過ごせることに胸を躍らせていました。
会場に到着すると、クーパーは異様な雰囲気を感じます。異常な数の監視カメラ、厳重な警備、そしてあちこちに配置された警察官。まるで何か大規模な作戦が進行しているかのようでした。しかし、ライリーの笑顔を見たクーパーは、気にしないふりをして入場します。
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ライブが始まり、観客たちは大熱狂します。レディ・レイヴンがステージに登場すると、会場全体が歓声に包まれ、クーパーもライリーとともに楽しんでいました。しかし、ふとした瞬間、彼の耳に警察の無線が聞こえてきます。「会場内に指名手配中の連続殺人犯が潜伏している。厳戒態勢を維持せよ。」
「ここで、撃たれるのか? 捕まるのか?」クーパーは不安になります。
クーパーは辺りを見渡し、状況を冷静に分析します。会場の出入口はすでに警察によって封鎖され、300人の警察官が武装して逃げ道をふさいでいます。しかし、観客たちはライブに夢中で、今はまだ彼が疑われている様子はありません。
ライブ終了とともに、観客たちは興奮冷めやらぬまま出口へ向かい始めます。この混乱に乗じて逃げるしかない――クーパーはそう決断し、ライリーの手を取りながら慎重に行動を開始します。
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レディ・イレヴンのライブ中、観客の一人と歌ったり踊ったりするコーナーがあり、クーパーの娘ライリーが選ばれます。ライリーは緊張します。
「大丈夫? すごく緊張しているみたいね。」
彼女のライリーへの優しい言葉。ただ、気遣いをうまく利用しながら、クーパーはその後、慎重に会場を出る算段をします。
ライブ終了後には、レディ・レイヴンが気さくに二人に話しかけることで、周囲の目を欺くことができました。そして、ついに彼は会場からの脱出に成功します。
しかし、事態はまだ終わっていませんでした。
レディ・レイヴンはクーパーとライリーが乗るリムジンの中で、クーパーに向かって「あなたたちの家に行きたい」と告げたのです。
クーパーは戸惑います。彼女は何を考えているのか? なぜ自分たちの家に行きたいのか? 彼女は何を知っているのか?
その時、クーパーの心に不安がよぎります。もし彼女がすべてを知っていたとしたら――。
実は、クーパーは単なる指名手配犯ではなく、冷酷なサイコパスでした。彼の過去の犯行は計画的で、長年にわたり警察を翻弄してきました。彼は巧妙に自らの痕跡を隠しながら、獲物を選び、計画通りに仕留めることを繰り返していたのです。
では、なぜレディ・レイヴンは彼の家に行きたがるのか? 彼女はただの好奇心で行動しているのか? それとも、彼に対して何か別の目的を持っているのか?
ここから先は、クーパーにとって予想外の展開が待ち受けていました。
レディ・レイヴンが彼の家に足を踏み入れた後、彼女はクーパーの携帯を取り上げてトイレに向かいます。
クーパーは驚き、警戒しながらトイレに入った彼女にドアを開けるよう怒鳴ります。彼女は、トイレで何をするのか?クーパーは冷静を装いながらも、心の奥では一つの選択肢を考えていました。もし彼女が本当に自分を知ってしまったら――次の獲物は、決まっている。
クーパーは、レディ・イレブン機転により、警察に捕まります。
ただ、乗せられた車の中、クーパーは手錠を隠し持っていた自転車の部品で壊します。物語はここで幕を閉じ、観客にクーパーの真の恐ろしさを残したまま、衝撃の余韻を引きずらせる結末となっています。
最後は、クーパーの気が違った笑い声が…。

考察と感想

M・ナイト・シャマラン監督によるサイコスリラー『トラップ』は、舞台となるライブ会場という密室的な空間と、主人公クーパー・アボットが追い詰められていく展開が特徴的な作品です。映画全体に張り巡らされた伏線や心理描写、そしてシャマラン監督らしいどんでん返しが観る者に強い印象を残します。

考察:クーパーは本当に「切り裂き魔」だったのか?

本作の最大の謎は、「クーパーが本当に連続殺人犯だったのか」という点にあります。序盤では、彼が娘のためにライブに行くだけの普通の父親のように描かれています。しかし、ライブ会場が警察の大規模な包囲網で監視されており、指名手配犯としてクーパーの顔が公開されることで、彼が「切り裂き魔」として追われていることが明らかになります。
彼の過去は暴かれることなく、最終的には彼が本当に危険な存在であることを示唆するようなシーンが描かれ続けます。ただ、レディ・レイヴンが彼を家まで追いかけた理由や、彼女の正体についての伏線もあり、単純に「クーパー=犯人」という図式では終わらせないのがシャマラン作品らしい点です。
また、クーパーの視点で物語が進むため、観客も彼の無実を信じたい気持ちになります。しかし、映画が進むにつれ、彼の行動や過去の出来事に違和感を覚えるようになり、ラストに向けてその違和感が確信に変わる構成が秀逸です。クーパーが本当にサイコパスなのか、それとも罠にはめられた被害者なのか、観る者の解釈によって結末が変わるような余韻を残しているのがこの映画の魅力です。

感想:息をのむ展開と緊張感

映画全体を通して、ライブ会場という閉鎖的な環境と、クーパーが追い詰められていく様子がリアルに描かれており、手に汗握る展開が続きます。特に、警察が観客に紛れていたり、クーパーが逃げ道を探しながらも娘を守ろうとする姿が描かれることで、彼に感情移入しやすくなっています。
ジョシュ・ハートネットの演技も光っており、普通の父親としての顔と、追い詰められた男としての狂気が少しずつ表れていく演技は見事でした。アリエル・ドナヒュー演じる娘ライリーも、純粋な愛情と疑念の狭間で揺れ動く様子を繊細に演じており、彼女の存在が物語の鍵となっていたことは間違いありません。
また、レディ・レイヴンを演じたサレカ・ナイト・シャマランのキャラクターも印象的でした。彼女がただのアーティストなのか、それともクーパーを誘い込む役割を果たしていたのか、彼女は本当に気さくで優しい側面が目立ちます。特に、ラストシーンでクーパーの家に行きたがる理由や、彼に対する態度の変化は、彼女は何とかしようとする姿勢を示しています。

結論

『トラップ』は、M・ナイト・シャマランらしい緻密な伏線とどんでん返しが詰まったサイコスリラーでした。主人公の視点に立つことで、観客は最後まで彼が本当に犯人なのか、それとも冤罪なのかを考えさせられます。映像美やライブ会場の臨場感、警察の包囲網の緊迫感など、細かい演出も素晴らしく、シャマラン監督の演出力の高さが際立つ作品でした。
特に、結末をどう解釈するかによって、物語の印象が変わるのがこの映画の最大の特徴です。クーパーが真犯人だったのか、それとも彼自身も大きな罠にかけられていたのか――観る者の判断に委ねられる余韻が残る、見応えのある作品でした。

教訓・学び

「信じていた世界が罠かもしれない—疑うべきは常に自分の認識」

評価点   73点
お薦め度  72点


2024年  105分  アメリカ製作

 
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2025-02-28 (Fri)

【映画】『アンフレンデッド』(2015年) ビデオチャットに現れた"未知の参加者"―削除できない恐怖 | ネタバレあらすじと感想

【映画】『アンフレンデッド』(2015年) ビデオチャットに現れた

映画『アンフレンデッド』の作品情報【原題】Unfriended【監督】レヴァン・ガブリアーゼ【脚本】ネルソン・グリーヴス【出演】シェリー・ヘニッヒ、モーゼス・ジェイコブ・ストーム、レネー・オルステッド他【配給】ユニバーサル・ピクチャーズ、ミッドシップ【公開】2015年4月【上映時間】83分【製作国】アメリカ【ジャンル】ホラー、サイコロジカル・スリラー、ファウンド・フッテージ【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター ...

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映画『アンフレンデッド』の作品情報

【原題】Unfriended

【監督】レヴァン・ガブリアーゼ

【脚本】ネルソン・グリーヴス

【出演】シェリー・ヘニッヒ、モーゼス・ジェイコブ・ストーム、レネー・オルステッド他

【配給】ユニバーサル・ピクチャーズ、ミッドシップ

【公開】2015年4月

【上映時間】83分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】ホラー、サイコロジカル・スリラー、ファウンド・フッテージ

【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター

キャスト
 
ブレア・リリー:シェリー・ヘニッヒ
   『ラブ・ヴィクター』(2020年)

ミッチ・ルーソン:モーゼス・ジェイコブ・ストーム
   『ミルクウォーター』(2020年)

ジェス・フェルトン:レネー・オルステッド
   『THE SECRET -ザ・シークレット-』(2006年)

ケン・スミス:ウィル・ペルツ
   『メン、ウィメン&チルドレン』(2014年)
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あらすじ(途中からネタバレあり)

ある日、高校生のブレアは、恋人のミッチや友人たちとSkypeでビデオチャットをしていました。いつもと変わらないはずの通話に、見覚えのないアカウントが参加していることに気づきます。最初はただのシステムエラーかいたずらだと思っていた彼らですが、そのアカウントは一年前に自殺したクラスメイト、ローラ・バーンズのものだったのです。
次第に不可解な出来事が起こり始め、謎のアカウントは彼らの過去の秘密を暴き、命を脅かすようなゲームを強制します。友人たちは次々と追い詰められ、恐怖の中で疑心暗鬼に陥っていきます。一体この正体不明の存在は何なのか、そして彼らはこの悪夢から逃れることができるのか――。

ここからはネタバレになります→→→

ある晩、ブレアはミッチとビデオ通話をしていたところ、ジェス、アダム、ケン、ヴァルも加わり、いつものように雑談を始めます。しかし、画面に見知らぬアカウントが表示され、誰のものか分からないまま通話を切ることができなくなります。そのアカウントの名前は、ちょうど一年前に自殺したローラ・バーンズのものでした。彼らは最初、誰かの悪質ないたずらだと考えますが、その存在は彼らの個人的なメッセージや秘密を知っており、次第に異常な事態へと発展していきます。
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ローラのアカウントは彼らに「ゲームをしよう」と強制し、ルールを破れば死ぬと警告します。最初に犠牲になったのはヴァルでした。彼女のFacebookに、彼女がアップロードしていないはずの恥ずかしい写真が投稿され、削除しようとしても消せません。その直後、彼女は突然席を外したかと思うと、画面の奥で動かなくなってしまいます。通報を試みるも、彼女がすでに命を絶っていることが発覚し、皆は恐怖に陥ります。

その後、ローラのアカウントは「真実か挑戦か」のゲームを開始し、彼らに次々と選択を迫ります。ブレアたちは拒否しようとしますが、ゲームを拒んだケンは恐ろしい方法で命を奪われてしまいます。これにより、残されたメンバーはますます追い詰められ、ローラの霊的な存在を確信します。
次第に、彼らがかつてローラに対して行った過去の悪行が明らかになっていきます。実は、ローラが自殺するきっかけとなった動画をネットに投稿したのはブレアでした。彼女は泥酔したローラの恥ずかしい姿を撮影し、それが拡散されたことでローラは学校で激しいいじめを受け、自ら命を絶ったのです。
ゲームが進行するにつれ、アダムとジェスもローラの標的となり、次々と悲惨な最期を迎えます。最終的にミッチもローラによって殺され、ブレアはたった一人だけ生き残ります。しかし、彼女の罪は許されず、ローラは最後にブレアのカメラをゆっくりと閉じ、画面が暗転した瞬間、ブレアのもとへ襲いかかるのです――。
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こうして、かつてローラを苦しめた者たちは、次々と報いを受けていきました。彼らが生前ローラにした行いが、死後の彼女によって裁かれる形となり、ブレアもまた、逃れることのできない結末を迎えたのでした。
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考察と感想

本作、映画『アンフレンデッド』は、現代のインターネット社会の闇をリアルに描いたホラー映画です。本作は、すべての出来事がパソコンの画面上で進行する「スクリーンライフ」という形式を採用しており、観客はまるで自分が登場人物と同じ画面を見ているかのような没入感を味わうことができます。特に、SNSやメッセンジャー、Skypeなどのツールがストーリーの重要な要素となっており、現代人にとって身近な環境で恐怖が展開される点が本作の独自性を生んでいます。
本作のテーマの一つは「ネット上のいじめとその代償」です。物語の中心となるのは、ローラ・バーンズの自殺という出来事。彼女は、友人たちによって拡散された恥ずかしい動画が原因で精神的に追い詰められ、自ら命を絶ちました。そして死後、彼女の霊が復讐のために戻ってきたというのが本作の基本構造です。この展開は、現代のネットいじめの問題を直接的に批判しており、匿名性の高いインターネット空間が人をどれほど傷つけるかを示唆しています。SNSの「拡散力」がいじめを加速させ、一度広まった情報は決して消すことができないという恐怖が、映画を通して強調されています。
また、本作は「道徳的ジレンマ」と「人間関係の崩壊」を描く点でも秀逸です。登場人物たちは次々と秘密を暴かれ、仲間同士で疑心暗鬼になっていきます。彼らが犯した罪は、それぞれが抱える過去の過ちであり、それがローラの霊によって暴露されることで、友情は一瞬で崩壊します。特に、ブレアとミッチの関係性は象徴的です。お互いを愛しているはずの二人でさえ、究極の状況に陥ると互いを裏切り、最後には命を懸けた選択を迫られます。ネット上の「仲の良さ」は表面的なものであり、極限状態では簡単に崩れるという人間の本質を鋭く描いています
ホラー映画としての演出も見事で、ジャンプスケアに頼らず、徐々に緊張感を高める手法が効果的に使われています。特に、リアルタイムで起こる不気味な現象や、画面の小さな変化が積み重なっていくことで、観客にも次第に不安が募っていきます。さらに、登場人物たちが「自分の過去の行い」を突きつけられることで精神的に追い詰められていく過程が、視聴者にも心理的な恐怖を与えます。

総じて、『アンフレンデッド』は単なるホラー映画ではなく、インターネット社会に生きる私たちへの警鐘を鳴らす作品といえます。SNSやオンラインでのコミュニケーションが当たり前になった今、本作が描く「デジタル時代の呪い」は、決してフィクションだけの話ではありません。インターネットの使い方ひとつで、人の人生が変わってしまう可能性があることを、改めて考えさせられる作品でした。

教訓・学び

「軽はずみな投稿や悪意ある行動が、想像以上の代償を伴うことを自覚すべきである」

評価点   82点
お薦め度  84点


2015年  83分  アメリカ製作

 
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2025-02-27 (Thu)

【映画】『ズーム/見えない参加者』(2021年) 画面越しに忍び寄る恐怖…逃げ場なしのリモート交霊会! | ネタバレあらすじと感想

【映画】『ズーム/見えない参加者』(2021年) 画面越しに忍び寄る恐怖…逃げ場なしのリモート交霊会! | ネタバレあらすじと感想

映画『ズーム/見えない参加者』の作品情報【原題】Host【監督・脚本】ロブ・サヴェッジ【脚本】ジェド・シェパード、ジェマ・ハーレイ【出演】ヘイリー・ビショップ、ジェマ・ムーア、エマ・ルイーズ・ウエップ他【配給】ツイン(日本)【公開】2021年1月【上映時間】68分【製作国】イギリス【ジャンル】ホラー【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター キャスト へイリー:ヘイリー・ビショップ  『ダーク・シグナル』(201...

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映画『ズーム/見えない参加者』の作品情報

【原題】Host

【監督・脚本】ロブ・サヴェッジ

【脚本】ジェド・シェパード、ジェマ・ハーレイ

【出演】ヘイリー・ビショップジェマ・ムーア、エマ・ルイーズ・ウエップ他

【配給】ツイン(日本)

【公開】2021年1月

【上映時間】68分

【製作国】イギリス

【ジャンル】ホラー

【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター

キャスト
 
へイリー:ヘイリー・ビショップ
  『ダーク・シグナル』(2016年)

ジェマ:ジェマ・ムーア
  『シャドウ・イン・ザ・クラウド』(2020年)

エマ:エマ・ルイーズ・ウェッブ
  『ザ・クラウン』(2016年~)

キャロライン:キャロライン・ウォード
  『ホステージX』(2018年)

ラダ:ラダ・レストール
  『フィア・アヘッド』(2017年)

エドワード・リンカーン:エドワード・リンカーン
  『ダーク・エンカウンター』(2019年)
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あらすじ(途中からネタバレあり)

イギリスのロックダウン中、6人の友人たちはZoomを使ってリモートで交霊会を行います。軽い気持ちで始めたはずの儀式でしたが、次第に不穏な現象が起こり始め、画面越しに見えない存在が彼らを脅かしていきます。果たして彼らはこの恐怖から逃れることができるのでしょうか?

ここからはネタバレになります→→→

主人公のヘイリーは、友人たちと一緒にZoomを使った交霊会を開催することにします。
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霊媒師セイランを招き、彼女の指示のもと、死者と交信を試みます。しかし、参加者の一人ジェマが嘘をつき、架空の霊「ジャック」を呼び出したと発言します。この冗談が引き金となり、本当に邪悪な霊が集まってしまいます。
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交霊会が進むにつれ、参加者たちは次々と怪奇現象に見舞われます。物が勝手に動き、正体不明の存在がZoomの画面に現れ、恐怖が募っていきます。セイランが回線トラブルで途中退出してしまったため、彼らは霊を鎮める方法を知らないまま、混乱に陥ります。
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次第に霊の暴走が激しくなり、参加者たちは次々に命を落としていきます。エマは部屋の奥に引きずり込まれ、キャロラインは天井からぶら下がった姿で発見されます。ジェマとヘイリーはなんとか生き延びようとしますが、霊の気配が部屋の中に迫ります。
最後に、ヘイリーとジェマは懐中電灯の明かりを頼りに身を潜めますが、画面が暗転した直後、突然の襲撃が彼女たちを襲い、映画は衝撃的な終わりを迎えます。
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全編がZoomの画面上で展開されるという独特の手法で撮影された本作は、視聴者にまるで自分が会話に参加しているかのような没入感を与え、息もつかせぬ展開で恐怖を煽ります。

考察と感想

本作、『ズーム/見えない参加者』は、新型コロナウイルスによるロックダウンの最中に制作され、全編がZoom上で展開されるという斬新なホラー映画です。本作の最も注目すべき点は、映像表現の革新性と、観客が現代社会に即したリアルな恐怖を体験できる点にあります。監督のロブ・サヴェッジは、低予算ながらも臨場感のある演出を駆使し、まるで自分が画面の向こう側にいるかのような没入感を生み出しています。


“見えない恐怖”の演出

本作の最大の特徴は、直接的に恐怖の対象を映さず、登場人物のリアクションや周囲の変化によって不気味な存在を示す演出です。例えば、物が勝手に動いたり、音が突然鳴ったりといったオカルト的な演出が、観客に「次に何が起こるかわからない」緊張感を与えています。また、Zoomというフォーマットを活用することで、限られた視野の中で恐怖を演出し、画面外に潜む何かを想像させる効果を生み出しています。この手法は、名作ホラー『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999年)や『パラノーマル・アクティビティ』(2007年)といったPOVホラーの進化系とも言えます。


ジェマの嘘とその代償

物語のきっかけとなるのは、ジェマが交霊会の最中に「ジャック」という架空の霊を作り出したことです。この嘘が、ただの遊びでは済まされず、本物の悪霊を引き寄せてしまうという展開は、ホラー映画の定番である「禁じられたことをすると罰を受ける」という因果応報の法則を強く意識させます。軽率な行動が取り返しのつかない事態を招くという教訓は、多くのホラー作品に通じるテーマであり、本作ではZoomという現代的なツールを通じて新たな形で表現されています。


ロックダウン下での孤独と恐怖

この映画は単なるオカルトホラーではなく、ロックダウン中の孤独や不安を象徴しているとも考えられます。登場人物たちは物理的に離れた場所にいて、助けを求めることもできません。Zoomでつながってはいるものの、本当の意味での支えにはならず、恐怖の前では無力です。この状況は、実際のロックダウン生活を経験した観客にとって非常に共感しやすく、よりリアルな恐怖を感じさせます。


視聴者参加型の没入感

本作は約60分という短い上映時間ながら、終始緊張感が途切れることなく進行します。カメラワークはすべてZoomの画面上で行われ、固定カメラのような視点が多いため、視聴者も「次に何が起こるのか?」と画面の隅々まで目を凝らすことになります。これは従来のホラー映画とは異なり、観客自身が映画の一部になってしまうような感覚を生み出す工夫だと言えると思います。


結末の衝撃と余韻

映画のラストでは、ジェマとヘイリーが懐中電灯を頼りに霊の存在を探るものの、最終的には画面が暗転し、突如として襲われます。この瞬間、視聴者は彼女たちと同じ目線で恐怖を体験し、映画が終わった後も不安な感覚が残る構成になっています。このオープンエンドな結末は、まるで視聴者自身が次の標的になるかのような錯覚を与え、強烈なインパクトを残します。


総評

『ズーム/見えない参加者』は、限られた予算とシンプルな設定を最大限に活かした、非常に完成度の高いホラー映画です。Zoomという新しいフォーマットを効果的に利用し、見えない恐怖を演出することで、視聴者を没入させることに成功しています。現実と地続きの恐怖を感じさせることで、従来のホラー映画とは異なる、新しい恐怖の形を提示した作品と言えると思います。ホラー映画ファンはもちろん、リモートワークやオンライン会議に慣れ親しんだ現代の観客にとっても、身近に感じられる恐怖を提供する作品となっています。

教訓・学び

「軽い気持ちの嘘や遊びが、取り返しのつかない恐怖を招くことがある」


評価点   76点
お薦め度  74点


2021年  68分  イギリス製作

 
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2025-02-26 (Wed)

【映画】『ザ・ディープ・ハウス』(2021年) 沈む恐怖、逃げ場なし。水没した幽霊屋敷で迫る絶望 | ネタバレあらすじと感想

【映画】『ザ・ディープ・ハウス』(2021年) 沈む恐怖、逃げ場なし。水没した幽霊屋敷で迫る絶望 | ネタバレあらすじと感想

映画『ザ・ディープ・ハウス』の作品情報【原題】The Deep House【監督・脚本】ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ【出演】ジェームズ・ジャガー、カミーユ・ロウ、エリック・サヴァン他【配給】パラマウント・ピクチャーズ・フランス(フランス)【公開】2022年9月【上映時間】85分【製作国】フランス/ベルギー【ジャンル】ホラー、スリラー、ミステリー【視聴ツール】Amazon Prime Video、吹替、自室モニター キ...

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映画『ザ・ディープ・ハウス』の作品情報

【原題】The Deep House

【監督・脚本】ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ

【出演】ジェームズ・ジャガー、カミーユ・ロウ、エリック・サヴァン他

【配給】パラマウント・ピクチャーズ・フランス(フランス)

【公開】2022年9月

【上映時間】85分

【製作国】フランス/ベルギー

【ジャンル】ホラー、スリラー、ミステリー

【視聴ツール】Amazon Prime Video、吹替、自室モニター

キャスト
 
• ベン:ジェームズ・ジャガー 
  『プレステージ』(2006年)

• ティナ:カミーユ・ロウ  
  『ナイト・イート・ザ・ワールド』(2018年)

• ピエール・モンタニャック:エリック・サヴァン 
  『96時間/リベンジ』(2012年)

• ミスター・モンタニャック:ジャン=パスカル・ザディ  
  『Tout simplement noir(原題)』(2020年)

• ミセス・モンタニャック:カロリーヌ・マッサ  
  『カイエ・ドゥ・シネマ』(2010年)

あらすじ(途中からネタバレあり)

ソーシャルメディア向けの都市探検動画を撮影しているカップル、ベンとティナは、新たな探索スポットを求めてフランスへとやってきます。彼らの目標は、水没した村の遺跡を撮影し、視聴者の興味を引くことでした。しかし、目的地に到着すると、観光客が多く、思うように撮影ができません。
そんな二人の前に、ピエールという現地の男が現れます。彼は、人目につかない湖の奥深くに、完全に水没した屋敷があることを教えてくれます。普通のダイバーでは到底見つけることができない場所だというその情報に、ベンは興味を惹かれ、ティナを説得して湖へと向かいます。
湖に到着した二人は、ダイビング機材を準備し、ピエールに教えられたポイントへと潜ります。すると、水底に忽然と姿を現したのは、異様なほど保存状態の良い古びた屋敷でした。ベンはこの発見に大興奮し、GoProカメラやドローンを駆使しながら、屋敷の内部を撮影し始めます。
屋敷の中は異様な雰囲気に満ちており、家具や調度品はそのまま残されていました。まるで住人が突然姿を消したかのようです。さらに進むと、奇妙な祭壇や動物の骨が散乱している部屋を見つけます。ティナは不安を覚え、早く引き返そうと主張しますが、ベンは撮影を続行しようとします。
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やがて、彼らは地下室へとたどり着き、そこに施錠された扉を発見します。ベンが無理やり鍵をこじ開けると、中には鎖で拘束された人間の遺体がありました。恐怖に震えるティナ。しかし、その瞬間、周囲の水が不自然に揺れ動き、屋敷全体が彼らを閉じ込めるかのような異変が起こります。

ここからはネタバレになります→→→

ベンとティナは急いで脱出しようとしますが、奇妙な現象が次々と発生します。ドローンの映像には、どこからともなく現れた人影が映り込んでいました。さらに、屋敷の中の鏡やガラスに映る自分たちの姿が、現実の動きとズレていることに気づきます。
やがて、彼らはこの屋敷がただの水没した家ではなく、かつて邪悪な儀式が行われていた場所であることを知ります。この家の住人であったモンタニャック一家は、カルト的な儀式を行い、生け贄を捧げていたのです。彼らは村人からの報復を恐れ、屋敷ごと湖に沈められたものの、今もなお怨念としてこの場所に存在していました。
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ティナは必死に出口を探しますが、家の構造が変化し、何度も同じ場所に戻ってしまいます。酸素も残りわずかとなり、焦る彼女の前に、水中にもかかわらず動く人影が現れます。それはすでに死んでいるはずのモンタニャック一家でした。彼らは異様な動きでベンとティナを追い詰め、逃げ場を完全に奪ってしまいます。
ベンは何とか出口を見つけようとしますが、突如としてモンタニャック家の霊に襲われ、無残にも水中で命を落としてしまいます。
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。ティナは最後の力を振り絞って脱出を試みますが、彼女もまた恐ろしい存在に捕まり、湖の闇の中へと引きずり込まれてしまいました。
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結局、二人は戻ることができず、彼らの探索動画も湖の底に消えていきます。そして、その後もこの屋敷は、訪れる者を次々と呑み込んでいくのでした。

考察と感想

本作、『ザ・ディープ・ハウス』は、水中ホラーという独自のシチュエーションを活かし、息苦しさと閉塞感を極限まで高めた作品です。通常のホラー映画では、登場人物が逃げ出せる可能性がありますが、本作ではそれがほぼ不可能。酸素の残量や水圧という制約が加わることで、より現実的な恐怖が演出されています
本作の最も興味深い点は、「水中」という環境がホラー演出にどう影響を与えているかです。水の中では音がこもり、視界が悪くなり、動きも制限されるため、敵がいつ襲ってくるかわからないという緊張感が持続します。また、登場人物がパニックに陥っても、叫ぶことができないのも不気味さを増幅させています。これまでにない恐怖演出として、水中を活かしたホラーの新境地を開いたといえるでしょう。

ストーリー面では、モンタニャック家の存在が鍵となります。彼らがかつて邪悪な儀式を行い、それが村人たちの怒りを買って屋敷ごと沈められたという背景は、まるで「呪われた家」や「怨霊の復讐」という古典的なホラーの要素を引き継いでいます。しかし、本作が他の作品と一線を画すのは、その呪われた家が水没しているという点にあります。通常、ホラー映画では家からの脱出が物語のクライマックスになりますが、本作では水という物理的な障壁が加わることで、より絶望的な状況を作り出しているのです。
また、考察すべき点として、ベンとティナの関係性が挙げられます。ベンはYouTubeなどの視聴者向けに過激な映像を撮影しようとし、安全を無視してどんどん危険な方向へ突き進んでしまいます。これは、現代のSNS社会における「バズりたい」という欲望がもたらす悲劇として捉えることができます。ティナは早く引き返すべきだと訴えますが、ベンの「もっと面白い映像を撮りたい」という執着が、最終的に二人を破滅へと導きました。この点で、本作は単なる超常現象のホラーではなく、人間の欲望が招く恐怖を描いた作品ともいえます
感想としては、まず映像表現のクオリティが非常に高いと感じました。水中撮影の難しさを考えると、この映画の没入感は素晴らしく、特に屋敷の内部の不気味さや、光の屈折を利用した視覚的なトリックが秀逸でした。さらに、霊的な存在が登場するシーンでは、音や視覚効果が巧みに使われ、観客にじわじわと恐怖を与えていきます。
ただし、物語の展開がやや定番で、結末もホラー映画によくある「救いのない終わり方」だった点は賛否が分かれるかもしれません。もう少しモンタニャック家の背景に踏み込んだ説明や、キャラクターの成長を描く要素があれば、より深みのある作品になった可能性があります
それでも、本作は水中ホラーという新しいジャンルを開拓し、視覚的・演出的にも斬新な試みをした意欲作といえます。息苦しさと恐怖がリアルに伝わってくるため、閉所恐怖症や水中が苦手な人にとっては、特に強烈な体験となると思います。

教訓・学び

「危険を軽視し欲望のまま突き進むと、逃げ場のない恐怖に飲み込まれる」


評価点   78点
お薦め度  78点


2022年  85分  フランス/ベルギー製作

 
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2025-02-25 (Tue)

【映画】『コンジアム』(2018年) 戦慄の心霊スポット“コンジアム精神病院”で、生配信は悪夢と化す―― | ネタバレあらすじと感想

【映画】『コンジアム』(2018年) 戦慄の心霊スポット“コンジアム精神病院”で、生配信は悪夢と化す―― | ネタバレあらすじと感想

映画『コンジアム』の作品情報【英題】Conjiam: Haunted Asylum【監督・脚本】チョン・ボムシク【脚本】パク・サンミン【出演】ウィ・ハジュン、パク・ジヒョン、オ・アヨン、ムン・イェウォン他【配給】ショーボックス、ブロードウェイ【公開】2018年3月【上映時間】94分【製作国】韓国【ジャンル】ホラー、スリラー、ファウンド・フッテージ(疑似ドキュメンタリー)【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター キャストハジュン...

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映画『コンジアム』の作品情報

【英題】Conjiam: Haunted Asylum

【監督・脚本】チョン・ボムシク

【脚本】パク・サンミン

【出演】ウィ・ハジュンパク・ジヒョンオ・アヨン、ムン・イェウォン他

【配給】ショーボックス、ブロードウェイ

【公開】2018年3月

【上映時間】94分

【製作国】韓国

【ジャンル】ホラースリラーファウンド・フッテージ(疑似ドキュメンタリー)

【視聴ツール】U-NEXT、吹替、自室モニター

キャスト

ハジュン:ウィ・ハジュン
  『イカゲーム』(2021年)

ジフン:パク・ジヒョン
  『リトル・フォレスト 春夏秋冬』(2018年)

ソンフン:オ・アヨン
  『秘密の森』(2017年)

シャーロット:ムン・イェウォン
  『君はひどいよ』(2017年)

セヨン:パク・ソンフン
  『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』(2022年)

ジュンヨン:ユ・ジェユン
  『犯罪都市』(2017年)
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ネタバレあらすじ

韓国の心霊スポットとして有名な「コンジアム精神病院」。そこでは過去に病院長が行方不明になり、患者たちが集団自殺したという噂があり、地元でも恐れられている場所です。
人気YouTubeチャンネル「ホラータイムズ」を運営するハジュンは、この病院で心霊生配信を行い、大きな話題を呼ぼうと計画します。彼は自分を含めた7人のメンバーを集め、コンジアム精神病院の内部を探検しながら、視聴者にリアルタイムで恐怖を届けることにしました。
チームにはハジュンを中心に、ジフン、ソンフン、シャーロット、セヨン、ジュンヨン、アヨンの7人が参加。彼らは夜の病院へと足を踏み入れ、各所に仕掛けたカメラを使いながら、怪奇現象が起こると噂される「402号室」などを探索していきます。
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最初は盛り上がりながら調査を進めるメンバーたちでしたが、次第に説明のつかない現象が起こり始め、彼らは本物の恐怖に直面することになります。

ここからはネタバレになります→→→

メンバーたちは病院内を進みながら、視聴者を怖がらせるための演出を取り入れつつ、生配信を進めます。事前に仕込んでいた「恐怖の仕掛け」が順調に機能し、配信の視聴者数も急激に増加。最初は笑いながら探索を続ける彼らでしたが、やがて意図しない怪奇現象が起こり始めます。
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まず、撮影班のジフンとソンフンが「404号室」で妙な音を聞き、扉が勝手に開閉するという現象に遭遇。彼らは恐怖を感じつつも、視聴者向けのコンテンツとして継続します。しかし、次第にメンバーたちが異変を感じるようになり、決して開けてはならないとされる「402号室」の扉の前で、不可解な現象が多発します。
一方、病院の外で状況を監視していたハジュンも、予想外の出来事に動揺し始めます。彼は当初、この配信がただの「ホラーエンターテイメント」として進行する予定でしたが、メンバーたちが次々に異変を訴え、計画とは異なる展開を見せ始めたのです。
やがて、セヨンとシャーロットが単独で病院内を歩き回っている最中、突然シャーロットが意識を失います。セヨンが彼女を必死で揺さぶりますが、シャーロットは奇妙な表情を浮かべながら何かに取り憑かれたかのように笑い出します。その様子は視聴者にも配信され、コメント欄は騒然となります。

さらに、ジュンヨンとアヨンは「病院長の部屋」とされる場所に入り込みますが、突然カメラがノイズに包まれ、ジュンヨンの姿が消えてしまいます。アヨンはパニックに陥りながらも彼を探そうとしますが、背後で何者かが動く音が聞こえ、恐怖に震えながらその場を離れようとします。しかし、次の瞬間、彼女の背後から黒い影が襲いかかり、カメラは地面に落ちてしまいます。
そしてついに、チームが最も恐れていた「402号室」の扉が、誰も触れていないにもかかわらず勝手に開いてしまいます。そこに足を踏み入れたソンフンとジフンは、異常な冷気を感じながら部屋の奥へと進みます。しかし、気がつくと扉が勝手に閉まり、彼らは外に出られなくなってしまいます。焦る二人の前に、白衣を着た何者かの影がゆっくりと現れ、カメラが激しく揺れながら映像が途切れます。
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一方、病院の外にいたハジュンも、異変を察知し建物内に入ろうとしますが、すでに何者かによって出口が塞がれてしまっていました。彼はパニックになりながらメンバーに無線で連絡を取ろうとしますが、誰からの応答もありません。視聴者のコメント欄には「誰かが後ろにいる」「すぐに逃げろ」という警告の声が相次ぎます。しかし、ハジュンが振り返った瞬間、画面が真っ暗になり、配信が突然終了します。
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最終的に、メンバー全員の行方が分からなくなり、コンジアム精神病院で行われた生配信は、伝説的な「失踪事件」として語られることになります。彼らがどこへ消えたのか、何が起こったのかは、誰にも分からないままです。
この映画は、実在する韓国の心霊スポット「コンジアム精神病院」を舞台にしており、リアルな映像表現と緊張感のあるストーリー展開が特徴です。ファウンド・フッテージ形式を活かし、まるで本当に生配信を視聴しているかのような没入感を味わうことができます。映画を観終えた後も、視聴者は「もし本当にこんなことが起きたら…」と考えさせられるような、強烈な恐怖を残す作品となっています。

考察と感想

本作、『コンジアム』は、韓国の有名な心霊スポット「コンジアム精神病院」を舞台に、ファウンド・フッテージ形式で描かれるホラー映画です。YouTubeの生配信を題材にしているため、視聴者はまるで本当に配信を見ているかのような臨場感を味わえます。本作の魅力は、単なる心霊ホラーにとどまらず、恐怖の演出や心理的な不安を巧みに操る点にあります。

考察:仕掛けとリアリティの境界

本作では、最初は演出として仕掛けられた「怖がらせるためのトリック」が、次第に本物の怪奇現象へと変化していきます。ハジュンたちは視聴者を怖がらせるために、事前にいくつかの恐怖演出を準備していました。しかし、予想外の現象が発生し始めることで、リアリティと演出の境界が曖昧になり、次第にコントロール不能に陥っていきます。この展開が観客に「これは本物かもしれない」と思わせ、より深い没入感を生み出しているのです。
また、「402号室を開けてはいけない」という設定も秀逸です。ホラー映画において、「入ってはいけない場所」が存在することは定番ですが、本作ではそこに到達するまでの過程で小さな異変を積み重ね、じわじわと恐怖を増幅させています。特に、病院の中で起こる不可解な現象は、視覚的なショックだけでなく、音や環境による恐怖を強調しており、まるで視聴者自身もその場にいるかのような錯覚を覚えさせます。

考察:人間心理と集団パニック

登場人物たちは、最初は半信半疑で探索を進めますが、次第に本物の恐怖に直面し、パニック状態に陥ります。その中で、恐怖に支配された人間の心理がリアルに描かれています。特に、仲間が次々と消えていく状況で、残された者たちが理性を失いながらも必死に脱出しようとする様子は、視聴者にも強い緊張感を与えます。
また、配信中の視聴者コメントが重要な役割を果たしています。コメント欄には「後ろに誰かいる」「逃げろ」といった書き込みがあり、それが登場人物たちの恐怖を煽る要素になっています。これは現代のSNS文化に根付いた「バズらせたい欲求」と「リアルタイムの恐怖」が交錯するポイントであり、視聴者の没入感をさらに高めています。

感想:圧倒的な没入感と現代ホラーの新たな形

本作は、ファウンド・フッテージ形式を活かしたホラー映画の中でも、非常に完成度が高い作品だと感じました。特にカメラワークは秀逸で、登場人物たちが実際に装着しているGoProや固定カメラの映像が使われているため、視点がぶれることでリアルな恐怖が強調されています。
また、視聴者参加型のホラーとしての側面も持っており、映画を観ているというよりも、自分が心霊生配信を見ているような感覚になります。この点が他のホラー映画と一線を画しており、単なるお化け屋敷的な恐怖ではなく、心理的な不安や「もし自分がこの状況にいたら?」というリアルな恐怖を生み出しています。
ホラー映画には、ゴア描写やスプラッター要素に頼るものも多いですが、『コンジアム』はそれらをほとんど使わずに、音やカメラワーク、演出で恐怖を作り上げています。そのため、ジャンプスケアが苦手な人でも楽しめる一方で、ジワジワとした恐怖が長く尾を引く作品でもあります。

まとめ:ホラー映画好きにおすすめの一本

『コンジアム』は、ただの心霊ホラーではなく、SNS時代の新しい恐怖体験を提供する映画でした。生配信をテーマにすることで、視聴者が映画の中に入り込んだかのような感覚を味わえます。
また、登場人物たちのパニックや絶望感がリアルに描かれており、単なる幽霊の恐怖ではなく、人間の心理が持つ恐怖も感じられる作品でした。特に「402号室」の演出は見事で、最後まで緊張感が途切れることがありません。
ファウンド・フッテージ系のホラーが好きな人はもちろん、韓国ホラーのリアルな恐怖表現を体験したい人にもおすすめできる作品ですね。

教訓・学び

「好奇心や話題性を求めて危険な場所に踏み込むと、取り返しのつかない事態を招くことがある」

評価点   78点
お薦め度  80点


2018年  94分  韓国製作

 
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2025-02-24 (Mon)

【映画】『ドクター・スリープ』(2013年) 呪われた過去が目を覚ます――再び“シャイニング”の扉が開く | ネタバレあらすじと感想

【映画】『ドクター・スリープ』(2013年) 呪われた過去が目を覚ます――再び“シャイニング”の扉が開く | ネタバレあらすじと感想

映画『ドクター・スリープ』の作品情報【英題】Doctor Sleep【監督・脚本】マイク・フラナガン【原作】スティーヴン・キング【出演】ユアン・マクレガー、レベッカ・ファーガソン、カイリー・カラン他【配給】ワーナー・ブラザース【公開】2019年11月【上映時間】152分【製作国】アメリカ【ジャンル】ホラー、スリラー、ダーク・ファンタジー、ドラマ【視聴ツール】Amazon Prime Video、吹替、自室モニター キャストダニー・トラ...

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映画『ドクター・スリープ』の作品情報

【英題】Doctor Sleep

【監督・脚本】マイク・フラナガン

【原作】スティーヴン・キング

【出演】ユアン・マクレガーレベッカ・ファーガソンカイリー・カラン

【配給】ワーナー・ブラザース

【公開】2019年11月

【上映時間】152分

【製作国】アメリカ

【ジャンル】ホラースリラーダーク・ファンタジードラマ

【視聴ツール】Amazon Prime Video、吹替、自室モニター
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キャスト

ダニー・トランス:ユアン・マクレガー 
  『トレインスポッティング』(1996年)

ローズ・ザ・ハット:レベッカ・ファーガソン 
  『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015年)

アブラ・ストーン:カイリー・カラン 
  『ドクター・スリープ』(2019年)

ビリー・フリーマン:クリフ・カーティス 
  『サンシャイン 2057』(2007年)

クロウ・ダディ:ザーン・マクラーノン 
  『ホストiles』(2023年)

ネタバレあらすじ

スティーヴン・キングの小説を原作とし、映画『シャイニング』の続編として制作された『ドクター・スリープ』は、幼い頃に「シャイニング」(特殊な霊能力)を持つがゆえに恐ろしい体験をしたダニー・トランスのその後を描きます。
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ダニーは幼少期、オーバールック・ホテルでの事件により深い心の傷を負いました。父ジャック・トランスの狂気によって母親と共にホテルから逃れましたが、その後もホテルの亡霊たちが強く影を落とし続けます。そんな他を救ったのは、同じくシャイニングの能力を持つディック・ハロランでした。他はダニーに、亡霊たちを心の奥深くに定める方法を教えました。しかし、大人になったダニーはトラウマに苦しみ、アルコールに依存するようになります。
そんな中、アブラ・ストーンという少女がダニーとテレパシーを通じて交信し始めます。アブラはダニー以上に強力なシャイニングの力を持っていました。ある日、他女は真結族の恐ろしい行為を本能的に目撃します。それは一人の子供が困られ、無死にされる光景でした。
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ここからはネタバレになります→→→

ダニーは最初、アブラと関わることを迷いますが、他女の力と勇気に動かされ、真結族に立ち向かうことを決意します。アブラと共同し、ローズ・ザ・ハットの怪奇な能力に対抗しながら、最終的にオーバールック・ホテルへと足を向けます。
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そこで待ち受けていたのは、その地に住まう悪魔と、ダニー自身の過去の悪夢でした。大江津の戦いを経て、ダニーは過去と向き合いながら最後の決着をつけます。

考察と感想

本作、『ドクター・スリープ』は、単なるホラー映画ではなく、人間の成長やトラウマ克服の物語でもあります。本作は『シャイニング』の恐怖を受け継ぎながらも、新たな視点を加え、主人公ダニーの心の旅を中心に描いています。
まず、本作が示すテーマの一つに「過去との対峙」があります。ダニーは幼少期に父の狂気とホテルの悪霊に苦しめられましたが、大人になった彼もまたアルコール依存に陥ります。これは父ジャックの行動をある種反映しており、過去の恐怖が次世代に影響を与える様子が巧みに描かれています。しかし、ダニーは最終的にこの負の連鎖を断ち切ることに成功します。この点が『シャイニング』との大きな違いであり、本作のカタルシスを生み出しています
また、アブラ・ストーンという新キャラクターの存在も重要です。彼女はダニー以上に強いシャイニングを持ちながらも、それを恐れずに受け入れています。ダニーとは対照的に、彼女は恐怖に立ち向かう強さを持ち、それがダニーに影響を与えます。アブラの登場により、ダニーの物語が単なる自己救済ではなく、次世代に希望を託す形になっている点が印象的です。
さらに、本作の敵である真結族は、前作のホテルの亡霊たちとは異なり、能動的にシャイニングを持つ者を狩る存在として描かれます。彼らの存在は、単なる超自然的恐怖ではなく、人間の本質的な「生への執着」とも結びついています。特に、ローズ・ザ・ハットの魅力的でありながら冷酷なキャラクターは、映画の緊張感を一層高めています。
演出面では、オーバールック・ホテルの再訪が大きな見どころとなります。『シャイニング』の象徴的なシーンを再現しながらも、新たな視点で描かれることで、観客に強いノスタルジーと恐怖を同時に与えます。特に、ジャック・トランスの幻影との対峙は、本作のテーマを象徴する重要な場面となっています。

総じて、『ドクター・スリープ』はホラー映画としてだけでなく、人間の成長と過去の克服を描いた感動的な作品でもあります。『シャイニング』のファンにとっては、過去の恐怖を追体験しつつも、新たな視点で物語を楽しめる作品となっており、単独の映画としても十分な完成度を誇ります。

教訓・学び

「過去の恐怖やトラウマに向き合い、それを乗り越えることで人は成長し、新たな未来を切り開くことができる」

評価点   84点
お薦め度  86点


2019年  152分  アメリカ製作

 
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