【ドラマ】『モンスター』（2024年）（エピソード1～3）裁判はゲーム、ゲームにおいては絶対勝つ！

2024-12-30 (Mon) 08:00 ✎

【ドラマ】『モンスター』（2024年）（エピソード1～3）裁判はゲーム、ゲームにおいては絶対勝つ！ | ネタバレあらすじと感想

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なぜ『モンスター』と言う題名なのか？

主人公・神波亮子（趣里）が「モンスター弁護士」として活躍する姿を象徴するものであり、以下のような意味が込められていると考えられます：

型破りで強烈な存在感

神波亮子は伝統的な弁護士像に囚われない、独特で大胆な手法を駆使する人物です。その強烈な個性と手段を選ばない姿勢が、周囲から「モンスター」と形容されるようなキャラクター性を際立たせています。

法律界の異端者

「モンスター」という言葉は通常、異質なものや恐れられる存在を指します。亮子は、法律を「ゲームの道具」として活用するという、一般的な倫理観から外れたアプローチを取ることで、既存の法曹界に挑戦し、時に敵視される存在となっています。

社会のモンスターを暴く

ドラマの各エピソードでは、社会問題や人間の暗部を掘り下げるストーリーが展開されます。亮子自身が「モンスター」的な存在であると同時に、彼女が関わる事件を通じて、社会に潜む本当の「モンスター（悪意や問題）」を暴き出していくというテーマも込められているようです。

主人公の内面の葛藤

亮子自身もまた、過去に家族を巡る複雑な事情を抱えており、内面的には自身の「モンスター性」と向き合いながら成長していく姿が描かれています。

ドラマのタイトルは、主人公の特異性を示すだけでなく、作品全体を通じたテーマや視点をも象徴するものとなっています。

ドラマ『モンスター』の作品情報

【英題】Monster

【脚本】橋部敦子

【出演】趣里、ジェシー、宇野祥平、YOU、古田新太他

【放送】フジテレビ系列 2024年10月～12月

【放送枠】月曜 22:00～22:54

【上映時間】54分【回数】11

【製作国】日本

【ジャンル】ドラマ、法廷もの、テレビ

【視聴ツール】Netflix

キャスト

神波亮子：趣里

杉浦義弘：ジェシー

大草圭子：YOU

五条和彦：渋谷謙人

五条亜佐美：佐津川愛美

斉藤文哉：佐藤寛太

ネタバレあらすじ

エピソード1 悪意の所在

新人弁護士・神波亮子（趣里）は、大草圭子法律事務所の扉を突然叩き、「弁護士をやってみることにした」と軽い調子で宣言します。

異例の若さで司法試験に合格しながらも、ある過去の事情から弁護士を避けてきた亮子。その彼女が再び法律の世界に飛び込んだ背景は謎に包まれています。所長の大草圭子（YOU）は亮子を快く迎え入れ、彼女に若手弁護士の杉浦義弘（ジェシー）がサポート役としてつきます。

亮子が最初に担当することになったのは、自殺教唆罪で起訴された塩屋遼（萩原利久）の弁護。被害者である川野紗江（藤吉夏鈴）は塩屋と交際していた女性で、彼女のスマートフォンには塩屋から送られた「死ね」というメッセージが残されていました。表面的には塩屋が紗江を追い詰めたように見えますが、彼は「紗江が亡くなったのは自分のせいではない」と主張します。
亮子はまず、事件に至る背景を徹底的に洗い出すことに注力します。彼女は塩屋の交友関係や生活環境を調査し、紗江が働いていた職場にも足を運びます。その過程で、紗江が職場でパワハラやセクハラを受けていた事実が浮かび上がります。特に、紗江の直属の上司が精神的な圧力をかけていたことが明らかになり、これが彼女の精神状態を大きく悪化させていた可能性が高いことが判明します。

一方で、塩屋の性格や行動も調査され、彼が紗江に対して本気で「死ね」と思っていたわけではなく、自分自身が精神的に追い詰められていたことが判明します。彼の「死ね」という発言は、紗江に対する悪意というよりも、自分の絶望感からくる言葉でした。
亮子は、紗江の死因に関する真実を裁判で明らかにするため、証拠や証言を集めます。彼女の型破りな行動や挑戦的な弁護スタイルは法廷で物議を醸し、裁判官や検察官を困惑させますが、最終的には塩屋が無罪を勝ち取ります。しかし、亮子は裁判を終えた後も、紗江の死が単なる事件ではなく、社会的な構造や人間関係の複雑さに起因していることを強調します。
エピソード1は、亮子の型破りな弁護士としてのスタイルや過去の影響を暗示するとともに、彼女の持つ強い正義感と独特の視点を示す重要な回となっています。また、事件の解決だけでなく、その背景にある社会問題をも浮き彫りにすることで、今後の物語の方向性を提示しています。

ネタバレあらすじ

エピソード2 嘘と選択

女性アイドルグループ「ハッピー☆ラビット」のメンバー、シホ（なえなの）が手掛けた新曲の歌詞に盗作疑惑が浮上します。この疑惑を訴えたのは、シホが以前所属していた事務所の社長で音楽プロデューサーの黒川正博（山中聡）でした。実際、シホの新曲と黒川の楽曲の歌詞は酷似しており、シホは盗作の疑いをかけられます。しかし、シホは盗作を否定し、創作過程を示す証拠がない中で、自身の潔白を主張します。
この事態を受け、シホの所属事務所の社長である益岡伸也（津村知与支）は、弁護士の神波亮子（趣里）に助けを求めます。亮子は、若手弁護士の杉浦義弘（ジェシー）とともに、シホの弁護を引き受けることになります。しかし、両事務所の話し合いの席で、シホが年齢や出身地などのプロフィールを偽っていたことが暴露され、彼女の信頼性が大きく揺らぎます。さらに、ネット上にはコンビニでシホを盗撮した動画がアップされ、店員に逆ギレする姿が拡散されるなど、シホはアイドルとしてのイメージに大きな打撃を受けます。
亮子は、シホの無実を証明するため、彼女の過去を徹底的に調査します。その結果、シホが高校時代に書いた卒業アルバムの寄せ書きに、新曲の歌詞と酷似した文章が記されていることを発見します。しかし、シホは整形手術を受けており、卒業アルバムの写真が公になることで整形が明らかになることを恐れ、アルバムの提出を拒否します。
亮子は別の方法でシホの無実を証明することを決意し、シホの高校時代の風景動画を法廷に提出します。その動画には、シホの歌詞に描かれた風景が映っており、特に歌詞に登場する風見鶏が2年半前に撤去されていたことが確認されます。これにより、シホが実際の風景からインスピレーションを得て歌詞を書いたことが証明され、黒川の主張が覆されます。
最終的に、シホの無実が証明され、彼女はアイドルとしての地位を取り戻します。しかし、亮子はシホに対し、「整形のことは何も解決していない。先送りしただけ。先送りするほど、不安は大きくなる。バレたときにあなたに降りかかるものは大きくなる」と忠告し、今後の課題を示唆します。
このエピソードでは、亮子の型破りな弁護スタイルと、依頼人の背景に深く踏み込む姿勢が描かれ、彼女の人間味あふれる一面が強調されています。また、アイドル業界の裏側や、個人の過去と現在の葛藤がリアルに描かれ、視聴者に深い感慨を与える内容となっています。
亮子がおちゃらけてアイドルのコスプレを↓↓↓

ネタバレあらすじ

エピソード3 幸せの形

日本有数の企業グループ「五条グループ」の跡取り息子・五条和彦（渋谷謙人）とその妻・亜佐美（佐津川愛美）が、弁護士の神波亮子（趣里）のもとを訪れます。
和彦は無精子症であることを家族や世間に知られたくないため、匿名で知り合った「健太」という男性から精子提供を受け、亜佐美は妊娠しました。しかし、その「健太」の経歴が虚偽であり、別の女性・長岡茉由（吉本実憂）から経歴詐称で訴えられていることが発覚します。和彦は自分たちの秘密が公になることを恐れ、亮子に斉藤の弁護を依頼し、示談で解決するよう求めます。

亮子はこの案件を若手弁護士の杉浦義弘（ジェシー）に任せますが、斉藤文哉（佐藤寛太）は示談を拒否し、茉由が自分の経歴詐称を知っていたと主張します。亮子は茉由の背景を調査し、彼女が斉藤の経歴詐称を知りながら関係を続けていた可能性を見出します。一方、亜佐美は和彦に対し、実際に精子提供を受けたのは高校時代の同級生で医師の竹下（朝井大智）であると告白します。和彦は当初激怒しますが、竹下が東大卒であることを知り、子供を産むことを許可します。
裁判では、茉由が斉藤の経歴詐称による精神的苦痛を訴えますが、亮子は茉由が斉藤の経歴詐称を知っていたことや、斉藤との関係を自ら望んでいたことを明らかにします。さらに、亜佐美が実際に精子提供を受けたのは亡くなった元恋人であり、竹下がその精子を提供したことが示唆されます。最終的に、亜佐美は和彦と離婚し、自分の選択を見つめ直す決意を固めます。
このエピソードでは、家族の在り方や個人の選択、そして社会的な体裁と個人の幸福の間で揺れる人々の葛藤が描かれています。亮子の鋭い洞察力と型破りな弁護スタイルが光る一方で、登場人物たちの複雑な人間関係と内面の葛藤が深く掘り下げられています。