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オリンパス事件に思う

今回のオリンパス粉飾決算事件は痛ましい。オリンパスという尊敬すべき立派な会社を、かくも容易に存亡の危機まで追い込み、そこで働く無辜の人々の生活までも脅かすところまで追い込んでいる。30年、40年と勤め上げ、トップとなった優秀なオリンパストップの人々が、永年にわたり、自らの失策を隠し、組織を守るため、市場を、社会を騙しとおせると思い込んでいたところがなんともいえず痛々しい、一方であまりの子供じみたことに笑いたくもなるような併せ持った気持ちにさせる。

今回の一連のオリンパス事件報道をみると、英国、米国からじわじわと報道が増え、ついには怒涛のごとく国際的にも注目され、記事が増えてきた。海外での報道は極めて多い。しかし、海外からの正確で鋭い報道に比べ、国内での報道はフォーカスが甘く、問題の本質をとらえようとしていない。 Finacial Times, Wall Street Journalなど実に的確に報道しているのとは対照的だ。

こんな状態がつづくと、ますます日本企業に対するCorporate Governanceへの不信と、あわせて日本の報道に対する信頼が弱まることを危惧するのは私だけだろうか。いま世界は極めて有機的に連関しており、日本だけがという観点は通用しない。

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Author:toshifutamata
東京大学政策ビジョンセンター客員研究員。国際知的財産戦略研究。ライセンシング戦略。パテントプール。標準化戦略。中国・韓国知財動向研究。日本知財学会会員。

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