菅内閣「強い社会保障」の支離滅裂
鳩山内閣から菅内閣へと変わり、有権者の関心も普天間から税制改革へと変わったようですなぁ…(+_+)
とはいえ雪どけ水も市井に生きる身ですから新内閣の方針に無関心ではいられません。そこで菅直人新内閣の所信表明演説を読んでみることにしました。
まず目を引くのは「強い経済・強い財政・強い社会保障」のフレーズ。これは経済学者の神野直彦教授が考案したフレーズだそうです。
その意味するところは、零れ落ちた弱者をただ受け止めるだけのネットではなく、癒し教育し専門的な訓練を施して天空高く跳ねあげるトランポリン。
そのような社会保障制度を想定した意欲的なフレーズではあります(^_^)
その菅首相が目指すのは「『第三の道』による立て直し」。公共事業主体の経済ではなく、市場原理主義でもない「第三の道」。
これもすでに指摘されていることですが、欧米流の「第三の道」は福祉国家と市場原理主義との「第三の道」ですから、菅新政権の「第三の道」は若干意味が違っています。
先に挙げた「強い社会保障」とのフレーズと併せて考えれば、菅流「第三の道」は福祉国家に大きく舵を切った「新・第三の道」ということができましょう。
と、ここまでは褒め言葉…(^_^;)
にもかかわらず、この所信表明演説を読み、雪どけ水は新政権に対するかすかな危惧を覚えました。以前述べたこととも大きく重なりますが、ちょっと付き合って下さいな(^_^;)
まず、パッと読んだ時、菅首相の言葉にネガティブな響きを持つ表現が多く使われていると思った人も多いと思います。
いわく「最小不幸社会」え、最小で不幸なの?いわく「第三の道」え、三番手?甚だしいのが「草の根」これは農村部では最もネガティブな響きを持つ言葉です。
もちろん本来の意味は違っています。しかし、ある程度は政治・経済に予備知識がないと分からない言葉です。「第三の道」ああ、あれですな…てね。
考えようによっては「強い社会保障」だって相当に分かりにくい。「え、強い人しか受けられない社会保障!?」そういう印象を与えかねません(;一_一)
逆に言えば、所詮そういう人を相手にする政治だともいえます。政治や経済に一定以上の知識がある人を対象にした政治。
つまり「『第三の道』とはアレのことで『強い社会保障』とはコレですな」そういう人のための政治。インテリ層のための政治。「草の根」を標榜しながら何故かインテリに依存する。
菅新政権は発足から矛盾を抱え込んでしまったといえます。繰り返しますが「『草の根』を標榜しながら何故かインテリ層のみに通じる言葉で訴えかけている政治」です。
そういえば先の神野教授に始まり、松下圭一先生(って、誰?)や永井陽之助先生(やっぱり知らん)とか、この所信表明演説には学者の名前が良く出ています…(^_^;)
「『一人一人を包摂する社会』の実現」とも述べていますね。「社会的包摂・包括」は雪どけ水も良く使うフレーズです。
それは「地域の住民が、教育や子育て、まちづくり、防犯・防災、医療・福祉、消費者保護などに共助の精神で参加する活動を応援します」。演説によると、そうなんだとか…(^_^)
しかしねぇ…ちょっとでも貧困問題に首を突っ込んだ人なら分かりますが、マイノリティの世界はそんな美しいものではありません。むしろ例えれば赤木智弘が書くような世界。
「この世界に希望なんかないから殺してくれ…」そういう世界。きれいごとなんて通用しません。良かれ悪しかれ本音のみが通用する、そういう世界です(T_T)
だからこそ「包摂する社会」が必要とされるわけです。一人一人がマイノリティの視点を取得し、この社会はこれで良いのかと自問する社会。
しかし「地域の住民が、教育や子育て、まちづくり、防犯・防災、医療・福祉、消費者保護などに共助の精神で参加する活動」のどこにマイノリティの眼がありますか…(;一_一)
あるのは勝手に「普通」を想定して一方的に押し付ける価値観。社会から零れ落ちた「可哀相な人」を救済するという関わり方。
試しに「マイノリティ」と「沖縄」とを代入してみてください。どれくらいナンセンスな価値観かが分かるでしょう。
とはいえ雪どけ水には、誕生まもない菅新政権を倒閣しようとかいう意思はありません。良くなって欲しいから批判するだけ。
一言ならば「菅首相は市民の心を忘れるな」に尽きます。わざわざ言う以上は「現状は忘れている」ということでもあります(^_^)
それでも自民党よりは百万倍もマシです。そこは確認しておく必要があります。
サッカー勝つさ(サツカアカツサ)
現状では「菅僚主導」くらいの感じかな。
お粗末さまでした(^o^)
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コメント
No title
不器用さんへ
それで最後は「誠司主導」になったりして…(T_T)
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