2017-08-26(Sat)
前原=共闘否定、枝野=共闘推進 という「常識」を検証する
民進党代表選。
やはり気になるのは、「前原になったら野党共闘は終わりだ!」という叫び声が連日聞こえてくること。
本当なんだろうか。
私が直接に目や耳に入れた情報では、野党共闘についてもどっちの候補も大差ないように思えるのだが。
そこで、公表されているものから、それぞれの発言をピックアップしておく。
「前原になったらたいへんだ~」と思っておられる方も、まずは精読してみることをお勧めします。
■政権公約
<前原> 政権公約
民進党の掲げる理念・政策の旗のもと、あらゆる勢力との協力関係を構築する
<枝野> 基本政策
共闘に関しては言及無し
■共同記者会見での質疑応答
(質問1) 代表になったら「野党共闘」にどう取り組むか。特に共産党との次期衆院選をにらんだ選挙協力は維持するのか、見直すのか
<前原>
政治家・政党の命は理念・政策だ。特に次の選挙は衆院選なので、政権選択の選挙だ。この政権選択をする選挙で理念・政策が合わないところと協力することはおかしい。理念・政策と合うところと幅広く協力する。そういったスタンスで臨みたい。
前政権(現党執行部)で結ばれた4党の合意事項だけれど、4党が協力していろんな取り組みをされてきた、また協力されてきた、そういった重みというものはしっかりと受け止めながら、是非についても見直しをさせていただきたい。とにかく理念・政策、民進党が掲げる、私が掲げる『All for All』、こういった考え方、内政については。北朝鮮の脅威、そして中国の拡大路線、こういったものにどうしっかりと日本が対峙していくか。その意味では、現実路線、これにしっかりと考え方の合う政党との協力を目指してまいりたい。
<枝野>
野党間でわが党の主体性を持ちながら、できることを最大限やる、できないことはできない、そのメリハリをしっかりつけていくことが重要だ。
私は昨年の参院選に幹事長として対応に当たった。『野党共闘』とか『選挙協力』とかいう言葉はあのときも使っていないし、そういう意識ではない。あのとき実行できたのは、幅広い市民の皆さんとの連携の中で、野党の候補者を一本化することはできた。そして成果をあげることが一定程度できた。それはそれぞれの党の理念・政策が違う中で、しかし『自民党の暴走をとめてほしい』という市民の皆さんの声を受けて、できること、できないこと、その範囲の中でギリギリの着地点を努力したからだ。
政権選択の衆院選は一層困難が大きい。一方で、現実に地域で頑張っている仲間たちを一人でも多く当選させる。そのことによって今の政治の暴走に少しでも歯止めを掛ける。これも私たちの大きな責任だ。理念・政策、主体性をしっかりと守った中で、できないことはできない、しかし、できることはできる、それがどこなのか、最大限の努力をしたい。
(質問2) 政権選択選挙である衆院選では「野党共闘」のハードルは高いが、共産党も民進党も先の通常国会で森友学園、加計学園に関する疑惑を追及し、国民の怒りが広がっている。この点は野党で一致して協力、共闘できる部分が大きくなっているのではないか
<前原>
参院選は(野党)4党で政策合意し、協力するということだった。今度は衆院選。これは政権選択の選挙で、政策理念の一致が基本的に必要になる。私はわが党の理念政策に協力をしていただける党であれば、全ての党と協力すべきだと考えている。あとは他党がどのようなご判断をされるのか。
今ご指摘いただいたように、森友、あるいは加計問題、こういった問題で、とにかく安倍さんの暴走は止めないといけないんだという中で、例えば民進党候補を応援したいと。そして候補者を下ろさせていただくということをご決断いただくことになれば、それは安倍政権を打倒するために、大所高所から他党がご協力いただけるということで、心からありがとうございますということは申し上げたい。
また、地域性もあるので、そういった点はしっかりと基本線、基本原則を持ちながら、どうすれば多くの議員が当選し、そして政権交代が実現できるかという大所高所に立って考えていきたい。
(追加質問) 民進党が歩み寄るという姿勢が感じられない
<前原>
野党第一党として、政権選択の選挙なので、全ての選挙区で候補者を立てることを原則にしたい。ただ、他党も候補者を立てているところもある。これは別に共産党の話をしているわけではない。他の政党も含めてだ。われわれが立てるよりも、そういうところの方が当選が可能であるというところについては、柔軟に考えていかなくてはいけない。
われわれ野党第一党としての原則は、理念政策が一致したところは、政権選択の選挙だから、協力していく、またご賛同いただければ協力していく。そして、どうすれば安倍政権を倒せるかという他党の戦略も、われわれの見極めも、そういったところも柔軟に考えていきたい。大事なのは政策・理念が一致すること。これが大事だと思っている。
<枝野>
この問題は相手もあることだし、地域事情もある。だから相手のあることを民進党代表選挙であまり具体的なことまで固めて話をできる性格ではそもそもない。大事なことは、原則はどういう原則でやるのかということだ。
先ほど言った通り、党が違うから理念・政策が違うのは当たり前だ。その中でも一致する部分もある。まさに参院選は立憲主義を守るという点で一致した。一致ができた範囲でできることを最大限やる。でも一致していないこともたくさんあるのだから、できないこともたくさんある。あとは具体的なお互いの立場を踏まえた中で何ができるのか、できないのかということが、個別に結論が出ていくことだ。
そうした中で、安保法制を踏まえた立憲主義を守るというテーマだけではなくて、この情報隠蔽や政治の私物化ということを許さないということについては、おそらく他の野党の方とも共通しているだろうから、共通している部分は大きくなっている。
しかし一方で、(衆院選は)政権選択選挙だ。政権を共有するということは、100%とはいかなくても、理念政策の相当部分が共通されていなければ、政権をつくっても失敗をして、国民の失望につながることになるので、できない。従って、政権選択選挙であるが故に、参院選より難しいことがたくさんある。そういった原理原則の中で具体的に何ができるのかということをリアルに模索をしていく。
(質問3) 小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員が年内にも国政新党を立ち上げる動きを見せている。この勢力との連携についてどう考えるか
<前原>
小池知事については、国会議員のバッジを外してリスクを取って知事選に出られ、そして当選され、その後、ブラックボックスだった、例えば豊洲・築地の問題、あるいは五輪の経費の問題、都民ならず国民に対してしっかりとオープンにし、そういった姿勢が評価されているのだと思う。そういう意味では、小池さんが進めておられる都政については一定の評価をさせていただきたい。
他方で、若狭さんがやられようとしているものは、小池さんとどれだけ連携をされているのかどうかも分からない。そして何より、国政を目指される場合の政策・理念がまだ明らかにされていないし、与党か野党かも分からない。私どもは全ての勢力と、理念・政策が一致するところと協力をするスタンスなので、そういったものを出されたときに判断したい。
<枝野>
理念も何も掲げていないものとどうこうするなんてことは、お尋ねになる方がおかしい。人間は変わるから、今まで間違いでしたといって変わることはあるかもしれないが、安保法制にも賛成し、アベノミクスにも賛成し、特定秘密保護法にも賛成し、共謀罪にも賛成してこられた方とはわれわれとは立ち位置が違う。自民党の補完勢力の可能性が高いと見ざるを得ない。
【民進党代表選・共同会見詳報(上)】
【民進党代表選・共同会見詳報(中)】
【民進党代表選・共同会見詳報(下)】
上記の記事から、発言自体は加工せずにそのままコピペしている。
もちろん、前原は保守票がほしいし、枝野はリベラル票がほしいので、そういう言葉使いはしている。だから、そういう枝葉末節の言葉尻だけを大々的に取り上げれば違うのかもしれない。
しかし、意味内容をちゃんと理解すれば、前原もそれなりに「柔軟に考えていきたい」と言ってるし、枝野も結局は言葉を濁して「できないことはできない」と言っているわけで、何の変わりもないですよ。。
「理念政策の相当部分が共通」ということでも、同じ。
発している言葉だけで判断するならば、大差ない というのが冷静な見方じゃないんですかねえ。
もっとも、二人にもう一つ共通していることは、大嘘つきだ ということなんで、言葉にどれほどの意味があるのかわわかりませんけど。
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やはり気になるのは、「前原になったら野党共闘は終わりだ!」という叫び声が連日聞こえてくること。
本当なんだろうか。
私が直接に目や耳に入れた情報では、野党共闘についてもどっちの候補も大差ないように思えるのだが。
そこで、公表されているものから、それぞれの発言をピックアップしておく。
「前原になったらたいへんだ~」と思っておられる方も、まずは精読してみることをお勧めします。
■政権公約
<前原> 政権公約
民進党の掲げる理念・政策の旗のもと、あらゆる勢力との協力関係を構築する
<枝野> 基本政策
共闘に関しては言及無し
■共同記者会見での質疑応答
(質問1) 代表になったら「野党共闘」にどう取り組むか。特に共産党との次期衆院選をにらんだ選挙協力は維持するのか、見直すのか
<前原>
政治家・政党の命は理念・政策だ。特に次の選挙は衆院選なので、政権選択の選挙だ。この政権選択をする選挙で理念・政策が合わないところと協力することはおかしい。理念・政策と合うところと幅広く協力する。そういったスタンスで臨みたい。
前政権(現党執行部)で結ばれた4党の合意事項だけれど、4党が協力していろんな取り組みをされてきた、また協力されてきた、そういった重みというものはしっかりと受け止めながら、是非についても見直しをさせていただきたい。とにかく理念・政策、民進党が掲げる、私が掲げる『All for All』、こういった考え方、内政については。北朝鮮の脅威、そして中国の拡大路線、こういったものにどうしっかりと日本が対峙していくか。その意味では、現実路線、これにしっかりと考え方の合う政党との協力を目指してまいりたい。
<枝野>
野党間でわが党の主体性を持ちながら、できることを最大限やる、できないことはできない、そのメリハリをしっかりつけていくことが重要だ。
私は昨年の参院選に幹事長として対応に当たった。『野党共闘』とか『選挙協力』とかいう言葉はあのときも使っていないし、そういう意識ではない。あのとき実行できたのは、幅広い市民の皆さんとの連携の中で、野党の候補者を一本化することはできた。そして成果をあげることが一定程度できた。それはそれぞれの党の理念・政策が違う中で、しかし『自民党の暴走をとめてほしい』という市民の皆さんの声を受けて、できること、できないこと、その範囲の中でギリギリの着地点を努力したからだ。
政権選択の衆院選は一層困難が大きい。一方で、現実に地域で頑張っている仲間たちを一人でも多く当選させる。そのことによって今の政治の暴走に少しでも歯止めを掛ける。これも私たちの大きな責任だ。理念・政策、主体性をしっかりと守った中で、できないことはできない、しかし、できることはできる、それがどこなのか、最大限の努力をしたい。
(質問2) 政権選択選挙である衆院選では「野党共闘」のハードルは高いが、共産党も民進党も先の通常国会で森友学園、加計学園に関する疑惑を追及し、国民の怒りが広がっている。この点は野党で一致して協力、共闘できる部分が大きくなっているのではないか
<前原>
参院選は(野党)4党で政策合意し、協力するということだった。今度は衆院選。これは政権選択の選挙で、政策理念の一致が基本的に必要になる。私はわが党の理念政策に協力をしていただける党であれば、全ての党と協力すべきだと考えている。あとは他党がどのようなご判断をされるのか。
今ご指摘いただいたように、森友、あるいは加計問題、こういった問題で、とにかく安倍さんの暴走は止めないといけないんだという中で、例えば民進党候補を応援したいと。そして候補者を下ろさせていただくということをご決断いただくことになれば、それは安倍政権を打倒するために、大所高所から他党がご協力いただけるということで、心からありがとうございますということは申し上げたい。
また、地域性もあるので、そういった点はしっかりと基本線、基本原則を持ちながら、どうすれば多くの議員が当選し、そして政権交代が実現できるかという大所高所に立って考えていきたい。
(追加質問) 民進党が歩み寄るという姿勢が感じられない
<前原>
野党第一党として、政権選択の選挙なので、全ての選挙区で候補者を立てることを原則にしたい。ただ、他党も候補者を立てているところもある。これは別に共産党の話をしているわけではない。他の政党も含めてだ。われわれが立てるよりも、そういうところの方が当選が可能であるというところについては、柔軟に考えていかなくてはいけない。
われわれ野党第一党としての原則は、理念政策が一致したところは、政権選択の選挙だから、協力していく、またご賛同いただければ協力していく。そして、どうすれば安倍政権を倒せるかという他党の戦略も、われわれの見極めも、そういったところも柔軟に考えていきたい。大事なのは政策・理念が一致すること。これが大事だと思っている。
<枝野>
この問題は相手もあることだし、地域事情もある。だから相手のあることを民進党代表選挙であまり具体的なことまで固めて話をできる性格ではそもそもない。大事なことは、原則はどういう原則でやるのかということだ。
先ほど言った通り、党が違うから理念・政策が違うのは当たり前だ。その中でも一致する部分もある。まさに参院選は立憲主義を守るという点で一致した。一致ができた範囲でできることを最大限やる。でも一致していないこともたくさんあるのだから、できないこともたくさんある。あとは具体的なお互いの立場を踏まえた中で何ができるのか、できないのかということが、個別に結論が出ていくことだ。
そうした中で、安保法制を踏まえた立憲主義を守るというテーマだけではなくて、この情報隠蔽や政治の私物化ということを許さないということについては、おそらく他の野党の方とも共通しているだろうから、共通している部分は大きくなっている。
しかし一方で、(衆院選は)政権選択選挙だ。政権を共有するということは、100%とはいかなくても、理念政策の相当部分が共通されていなければ、政権をつくっても失敗をして、国民の失望につながることになるので、できない。従って、政権選択選挙であるが故に、参院選より難しいことがたくさんある。そういった原理原則の中で具体的に何ができるのかということをリアルに模索をしていく。
(質問3) 小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員が年内にも国政新党を立ち上げる動きを見せている。この勢力との連携についてどう考えるか
<前原>
小池知事については、国会議員のバッジを外してリスクを取って知事選に出られ、そして当選され、その後、ブラックボックスだった、例えば豊洲・築地の問題、あるいは五輪の経費の問題、都民ならず国民に対してしっかりとオープンにし、そういった姿勢が評価されているのだと思う。そういう意味では、小池さんが進めておられる都政については一定の評価をさせていただきたい。
他方で、若狭さんがやられようとしているものは、小池さんとどれだけ連携をされているのかどうかも分からない。そして何より、国政を目指される場合の政策・理念がまだ明らかにされていないし、与党か野党かも分からない。私どもは全ての勢力と、理念・政策が一致するところと協力をするスタンスなので、そういったものを出されたときに判断したい。
<枝野>
理念も何も掲げていないものとどうこうするなんてことは、お尋ねになる方がおかしい。人間は変わるから、今まで間違いでしたといって変わることはあるかもしれないが、安保法制にも賛成し、アベノミクスにも賛成し、特定秘密保護法にも賛成し、共謀罪にも賛成してこられた方とはわれわれとは立ち位置が違う。自民党の補完勢力の可能性が高いと見ざるを得ない。
【民進党代表選・共同会見詳報(上)】
【民進党代表選・共同会見詳報(中)】
【民進党代表選・共同会見詳報(下)】
上記の記事から、発言自体は加工せずにそのままコピペしている。
もちろん、前原は保守票がほしいし、枝野はリベラル票がほしいので、そういう言葉使いはしている。だから、そういう枝葉末節の言葉尻だけを大々的に取り上げれば違うのかもしれない。
しかし、意味内容をちゃんと理解すれば、前原もそれなりに「柔軟に考えていきたい」と言ってるし、枝野も結局は言葉を濁して「できないことはできない」と言っているわけで、何の変わりもないですよ。。
「理念政策の相当部分が共通」ということでも、同じ。
発している言葉だけで判断するならば、大差ない というのが冷静な見方じゃないんですかねえ。
もっとも、二人にもう一つ共通していることは、大嘘つきだ ということなんで、言葉にどれほどの意味があるのかわわかりませんけど。
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