2016-05-28(Sat)
オバマの広島パフォーマンス
25日夜に来日したオバマは、その足で安倍との首脳会談に臨み、いつものように安倍の前ではニコリともせずに共同記者会見を行った。
ノーカット版はこちら→ http://www.news24.jp/articles/2016/05/25/04331077.html
沖縄のうるま市事件については9分20秒あたりから触れている。
オバマが使った言葉は condolence と regret 。
condolenceは一般的なお悔やみだが、regretは遺憾や哀悼の他に(自分の行為に対する)後悔という意味もある。
もちろん日本側の通訳は哀悼と遺憾と訳しており、決して後悔とは言わない。
オバマは、完全に他人事とは聞こえず、かといって責任を伴わない言葉をきっちり選んできて使ったのは間違いない。
27日の広島では mourn という言葉を使っている。
condolence が事件(ことがら)に対する哀悼であるのに対し mourn は被害者(ひと)に対するものであるという点で、同じ哀悼でも、微妙に表現を変えている。
ただし regret のような取りようによっては自分(たち)の行いを後悔しているかのようにも聞こえる言葉は使っていない。
広島での発言の全文 → 原文(日経新聞) 翻訳文(NHK)
これが、米国の大統領でなければ結構な所感だと言えるのだろう。
しかし、原爆を落とした国の大統領が、「空から死が降ってきて」と言うことに違和感を感じたのは私だけではないはずだ。
謝罪を言うかどうかよりも、「やった」のか「あった」のかの違いの方が、私は大事だと思うからだ。
とは言え、
任期切れ間近とは言え、
現職の大統領が広島に行って、ここまで言及することへの米国内の軋轢(あつれき)は激しいだろう、とも思う。
安倍晋三が南京に行って、同じくらい曖昧な表現だったとしても、ここまでのことができるか。
即刻、日本会議からも統一教会からもネトウヨからも愛想を尽かされて、安倍の政治生命は吹き飛ぶだろう。
■■
オバマが広島で発言し、被爆者代表と話をしている時、実は隣に引きつった顔をして落ち着き無く目をキョロキョロさせながら安倍晋三が立っていた。
あまりにオバマに耳目が集中しており、あとで見直して「あれ いたんだ」というくらい存在感無く突っ立っていた。
オバマを広島に連れて行った手柄で、一気に支持率の挽回を狙っていると言われていたが、画面からは安倍晋三の印象はほとんど国民に残っていないのではないか。
なぜ安倍はこんなにも引きつった顔をしているのか。
たぶん、ここまで踏み込んで長い発言をするとは思っていなかったのだろうし、被爆者に声をかけるとも思っていなかったのだろう。
そして、オバマの真意をうすうす感づいたからだろう。
オバマは「おまえも このくらいはやれよ」と言っている。
「責任や謝罪を口にしなくても、ここまではできるんだぞ」と見本を見せている。
そして、「中国、韓国にむけてこの程度はやれ」と安倍に言っているに等しい。
なぜか。
オバマの良心とかそういう類のものではなく、オバマの世界戦略は、できるだけ各地域を安定させ、不安要素を減らし、米国の世界警察の任務を軽くするして一国繁栄を目指すということだからだ。
その戦略にとって、安倍晋三という存在は金正恩とならぶ東アジアの不安定要素であり、その要素を潰すというところに、オバマが広島に行き、ここまでのパフォーマンスをやってみせた真意がある。
ポストオバマの方向にもよるが、米国が軍産共同体による無軌道な戦争拡大路線をやめて、一国繁栄に舵を切り始めている兆候はある。トランプもまた、極端ではあるがその路線であるといえる。
であるならば、今回のオバマの広島パフォーマンスによって、安倍晋三は崖っぷちに立たされたと言える。
米国に捨てられれば権力の基盤を失い、国内極右に見捨てられれば支持基盤を失う。
またしても2007年8月の悪夢が安倍晋三を襲っているのである。
旧来のジャパンハンドラーズが当面はこれまでと同じポジションを取り続けるのであれば、もうしばらくは安倍政権は続くかもしれないが、ジャパンハンドラーズはもともと米国内では異端のグループであり、彼らが潮目を見て態度を変えれば、安倍政権は余命長くないかもしれない。
■■
ただし、それは自公政権が崩壊すると言うことではない。
黙っていれば、ご主人様の顔色を絶妙にうかがいながら、また新たな顔をした従米政権が誕生する。
もし安倍政権がまた自壊してとしても、それを喜んでいる場合ではない。
安倍政権の行く末の不安定さもふくめて、衆参ダブル選挙の可能性も、まだ充分にある。
今から1ヶ月半でできることは限られてはいるが、後につながる行動を、よくよく考えてしていきたい。
ちなみに明日29日は、こんな企画もある。
お時間のある方は、お越しいただきたい。
政治討論会「市民と創るマニフェスト」
■日時:5月29日(日) 午後2時~5時
■会場:TOGホール(大阪駅前第3ビル17階)
http://www.ances.jp/osaka/access/
■パネリスト:豊田潤多郎氏、村上史好氏、渡辺義彦当会代表(生活の党と山本太郎となかまたち)
服部良一氏(社民党) 辻恵 氏(無所属)
■ゲスト(参議委員議員選挙立候補予定者)
おだち源幸氏(民進党)
わたなべ結氏(共産党)
■コーディネーター:大谷啓元衆議院議員
■参加費: 1000円
■申し込み方法 生活フォーラム関西ブログから
※当日の受付もあります。
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ノーカット版はこちら→ http://www.news24.jp/articles/2016/05/25/04331077.html
沖縄のうるま市事件については9分20秒あたりから触れている。
オバマが使った言葉は condolence と regret 。
condolenceは一般的なお悔やみだが、regretは遺憾や哀悼の他に(自分の行為に対する)後悔という意味もある。
もちろん日本側の通訳は哀悼と遺憾と訳しており、決して後悔とは言わない。
オバマは、完全に他人事とは聞こえず、かといって責任を伴わない言葉をきっちり選んできて使ったのは間違いない。
27日の広島では mourn という言葉を使っている。
condolence が事件(ことがら)に対する哀悼であるのに対し mourn は被害者(ひと)に対するものであるという点で、同じ哀悼でも、微妙に表現を変えている。
ただし regret のような取りようによっては自分(たち)の行いを後悔しているかのようにも聞こえる言葉は使っていない。
広島での発言の全文 → 原文(日経新聞) 翻訳文(NHK)
これが、米国の大統領でなければ結構な所感だと言えるのだろう。
しかし、原爆を落とした国の大統領が、「空から死が降ってきて」と言うことに違和感を感じたのは私だけではないはずだ。
謝罪を言うかどうかよりも、「やった」のか「あった」のかの違いの方が、私は大事だと思うからだ。
とは言え、
任期切れ間近とは言え、
現職の大統領が広島に行って、ここまで言及することへの米国内の軋轢(あつれき)は激しいだろう、とも思う。
安倍晋三が南京に行って、同じくらい曖昧な表現だったとしても、ここまでのことができるか。
即刻、日本会議からも統一教会からもネトウヨからも愛想を尽かされて、安倍の政治生命は吹き飛ぶだろう。
■■
オバマが広島で発言し、被爆者代表と話をしている時、実は隣に引きつった顔をして落ち着き無く目をキョロキョロさせながら安倍晋三が立っていた。
あまりにオバマに耳目が集中しており、あとで見直して「あれ いたんだ」というくらい存在感無く突っ立っていた。
オバマを広島に連れて行った手柄で、一気に支持率の挽回を狙っていると言われていたが、画面からは安倍晋三の印象はほとんど国民に残っていないのではないか。
なぜ安倍はこんなにも引きつった顔をしているのか。
たぶん、ここまで踏み込んで長い発言をするとは思っていなかったのだろうし、被爆者に声をかけるとも思っていなかったのだろう。
そして、オバマの真意をうすうす感づいたからだろう。
オバマは「おまえも このくらいはやれよ」と言っている。
「責任や謝罪を口にしなくても、ここまではできるんだぞ」と見本を見せている。
そして、「中国、韓国にむけてこの程度はやれ」と安倍に言っているに等しい。
なぜか。
オバマの良心とかそういう類のものではなく、オバマの世界戦略は、できるだけ各地域を安定させ、不安要素を減らし、米国の世界警察の任務を軽くするして一国繁栄を目指すということだからだ。
その戦略にとって、安倍晋三という存在は金正恩とならぶ東アジアの不安定要素であり、その要素を潰すというところに、オバマが広島に行き、ここまでのパフォーマンスをやってみせた真意がある。
ポストオバマの方向にもよるが、米国が軍産共同体による無軌道な戦争拡大路線をやめて、一国繁栄に舵を切り始めている兆候はある。トランプもまた、極端ではあるがその路線であるといえる。
であるならば、今回のオバマの広島パフォーマンスによって、安倍晋三は崖っぷちに立たされたと言える。
米国に捨てられれば権力の基盤を失い、国内極右に見捨てられれば支持基盤を失う。
またしても2007年8月の悪夢が安倍晋三を襲っているのである。
旧来のジャパンハンドラーズが当面はこれまでと同じポジションを取り続けるのであれば、もうしばらくは安倍政権は続くかもしれないが、ジャパンハンドラーズはもともと米国内では異端のグループであり、彼らが潮目を見て態度を変えれば、安倍政権は余命長くないかもしれない。
■■
ただし、それは自公政権が崩壊すると言うことではない。
黙っていれば、ご主人様の顔色を絶妙にうかがいながら、また新たな顔をした従米政権が誕生する。
もし安倍政権がまた自壊してとしても、それを喜んでいる場合ではない。
安倍政権の行く末の不安定さもふくめて、衆参ダブル選挙の可能性も、まだ充分にある。
今から1ヶ月半でできることは限られてはいるが、後につながる行動を、よくよく考えてしていきたい。
ちなみに明日29日は、こんな企画もある。
お時間のある方は、お越しいただきたい。
政治討論会「市民と創るマニフェスト」
■日時:5月29日(日) 午後2時~5時
■会場:TOGホール(大阪駅前第3ビル17階)
http://www.ances.jp/osaka/access/
■パネリスト:豊田潤多郎氏、村上史好氏、渡辺義彦当会代表(生活の党と山本太郎となかまたち)
服部良一氏(社民党) 辻恵 氏(無所属)
■ゲスト(参議委員議員選挙立候補予定者)
おだち源幸氏(民進党)
わたなべ結氏(共産党)
■コーディネーター:大谷啓元衆議院議員
■参加費: 1000円
■申し込み方法 生活フォーラム関西ブログから
※当日の受付もあります。
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