連想:十二支
2010年はトラ年ということで出版された虎尽くしの福井栄一『虎の目にも涙』に、「虎の牙の謎」が取り上げられている。そこで、連想してみた。
子…水晶の栓(7)/ポローニアス状態で「鼠め!」と言われる
丑…アルセーヌ・ルパンの帰還(A1)/ダンドレジーが水牛狩りに行って死んだという風聞
寅…虎の牙(11)
卯…特捜班ヴィクトール(19)/うさぎの皮を着たルパン
辰…オルヌカン城の謎(8)/竜騎兵
巳…三十棺桶島(10)/蛇の卵を連ねた数珠
午…813(5)/アルテンハイムの屋敷に馬を牽いていく
未…綱渡りのドロテ/〈金の羊毛〉をもとめて
申…水晶の栓(7)/ドーブレックのあだ名がオランウータン
酉…オルヌカン城の謎(8)/風見鶏
戌…三十棺桶島(10)/フランソワの飼い犬トゥヴァビヤン
亥…オルヌカン城の謎(8)/コション
結構埋まるものだ。
ポローニアス状態で鼠、というのは、シェークスピア「ハムレット」からの引用。
うさぎの皮を着たルパン。何のこっちゃい、って感じだけれど、うさぎはラパンで lapin、ルパンはLupinで掛かっている(笑)
→うさぎの皮を着たルパン - 特捜班ヴィクトール(19)
蛇の卵を連ねた数珠はドルイド僧が用いた護符。作中でも触れらているけれど、蛇の卵の正体はウニの化石ということだ。
ミズガルズオルム - 幻想動物の事典suppl.
http://www.toroia.info/dragon/index.php?%E3%83%9F%E3%82%BA%E3%82%AC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%83%A0
金の羊毛はギリシア神話が元になっている。
→金の羊毛 - 綱渡りのドロテ
犬はよく出てくるけれどほとんどは受難(拳銃で撃たれたり、毒見させられたり…)。そのなかでトゥヴァビヤンは異彩を放っている。
コションは豚という意味で、人に対する蔑称として使われている。ただし、時節も時節であり、並べての人が使うかは別問題。
余談ながら、蛇の卵を連ねた数珠を掛けていたセジェナックと、眠っていたヴェレダはシャトーブリアン「殉教者」に登場するらしい。邦訳はないが、滝川好庸氏の論文に、ヴェレダが登場する箇所の梗概がある。
Les Martyrs (Chateaubriand) - Wikipedia(フランス語)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Les_Martyrs_(Chateaubriand)
CiNii 論文 - 「シャトーブリヤンの『殉教者』 : その文学ジャンルについて(上) : 《叙事詩か》」:滝川好庸(1971年)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000187452
CiNii 論文 - 「シャトーブリヤンの『殉教者』 : その文学ジャンルについて(下) : 《小説か》」:滝川好庸(1974年)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000187455
□参考文献
福井栄一『虎の目にも涙』技報堂出版、2009年
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