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    OPERATORS





    MAKE the paper into a hat.
    HAVE the hat.
    PUT the hat on the head.
    TAKE the hat from the head.
    KEEP the hat here.
    LET the hat go.
    GET the hat from someone.
    GIVE the hat to someone.
    SEND the hat to someone.
    GO from this place.
    COME to this place.
    BE doing.
    SEEM to be (doing).
    DO any act.
    SAY somethinng.
    SEE something.


    DIRECTIONS




    AT  The ball is at the edge of the table.
    WITH  The black brick is with the ball.
    FROM  The ball is going from the hand.
    AGAINST The black brick is against the white brick.
    TO  The ball is going to the hand.
    ACROSS  The black rod is across the white rod.
    AFTER  3 is after 2.
    AMONG  The ball is among the bricks.
    BEFORE  1 is before 2.
    ABOUT  The bricks are about the ball.
    THROUGH  The rod is through the board.
    DOWN  The ball is down.
    BETWEEN  The ball is between the bricks.
    UP  The ball is up.
    UNDER  The ball is under the arch.
    ON  The ball is on the table.
    OVER  The arch is over the ball.
    OFF  The ball is off the table.
    BY  The ball is by the arch.
    IN  The ball is in the bucket.
    OUT  The ball is out of the basket.




     Basic Englishは、イギリスの心理学者、言語学者のチャールズ・ケイ・オグデンによって考案された人工言語、というより英語のサブセットである。
    使う単語は基本単語が850語(および国際的な単語が78語)だけ、それにもかかわらず、オグデンによれば英語での表現と同じような表現ができるという。
     語数自体は、あまり驚くにあたらない。ESL(English as a Second Language)、つまり英語を母国語としていない人々向けの英英辞典は2000語程度の単語だけで、辞典に収録されている何万語を説明している。
     また最初のESL向け英英辞典として、A・S・ホーンビーが作ったThe Idiomatic and Syntactic English Dictionaryは、CODに匹敵する規模を持ち、英語学習者向けに文型を細かく分類し、名詞が可算か否かなどを説明し、慣用句を揃えているが、1000語だけを使って語義を説明している。

     語彙を絞り込むと、どうしても欠かすことができないものが自ずと残ってくるが、Basic Englishに残った動詞come, get, give, go, keep, let, make, put, seem, take, be, do, have, say, see, send, may, will、それからほぼそのまま残った前置詞about, across, after, against, among, at, before, between, by, down, from, in, off, on, over, through, to, under, up, with, as, for, of, till, thanは、その中核である。

    基本動詞とそのイメージ

     なぜ動詞がここまで少なくできるか、そのカラクリを言えば、基本動詞+抽象名詞で、ほとんどの動詞が表現できてしまうからである。しかもその方が、細かい調整がしやすい。

     たとえばBasic Englishには、connectはないけれどconnectionがある。
     have a (the) connection withで「コネがある」、get a connectionで「連絡がつく」、get a permanent connection to the Internetで「インターネットに常時接続する」である。抽象名詞を形容詞で修飾できるので、「常時接続する」なんて表現が作りやすい。細かい調整がしやすい、というのは、こういうところだ。
    「インターネット接続を回復させる」だと、get one's Internet connection backでいい。make a connection between A and B「AとBを結びつけて考える」、make a connection at A with B「A(駅)でBに乗り継ぐ」なんてのもある。句動詞は丸暗記しようとすると厄介だが、アルス・コンビナトリア(結合術)と考えると楽しいし応用も効く。
     これには、基本動詞のコア・イメージをつかむことが必要だが、基本動詞は、モノのやり取りとして記述できる。モノが事物の場合もあれば、抽象的観念の場合もあるだけだ。事物として取り扱える方を、視覚化したのが1枚目の絵である。


    前置詞とそのイメージ


     アルス・コンビナトリア(結合術)をやろうとすると、欠かすことのできないもう一つが前置詞だ。
    じつは
    物書きが悪魔と契約する前に試すべき7つの魔道具 読書猿Classic: between / beyond readers
    にでてくる「2 関係アルゴリズム relational algorithm」のディスクB(関係ディスク)に書かれているのは、2つのアイテムを結びつけるのに用いられる42語をCrovitz, H. F.がベーシックイングリッシュ850語の中から、抜き出した前置詞だった。

     Basic Englishには、Full English(普通の英語のことをBasicサイドから見てこういう)のものをほとんどフルセット継承している。これなしでは、モノとモノの関係を記述できないからだし、英語は空間的配置を隠喩的に使っていることがとても多いからでもある。

    He was in his room.(さっきまで彼は部屋の中にいた)
    He is in a hurry.(いまは,「あせり」の中にいる。彼は急いでいる。)

     誰かが,ある心理状態であることを,ある場所に居るのと同じような形で記述することができる。つまり心理状態もまた,世界の区分のひとつなのだ。

    彼が急ぐ理由は何か?彼女に会いたいからだ。
    He's in a hurry, because he wants to see her.
    では,なぜ彼女に会いたいのだろう。それは彼女に恋しているからである。
    He wants to see her, because he's in love with her.
    彼は部屋にいたように,恋の「中」にいる
    He was in his room.(彼は部屋にいた)
    He's in love with her.(彼は彼女に恋している)
    I'm in big trouble. (すごく困ってる)
    恋(love)にしろ,困りごと(trouble)にしろ,人はそれを自由に手に入れたり手放したりできない。
    人は恋(love)や困りごと(trouble)を持つというより,恋(love)や困りごと(trouble)に人の方が抱え込まれているような感じだ。

    前置詞のコア・イメージがつかめないと、比喩的な表現が理解しにくい。
    しかし前置詞のコア・イメージは空間的なので、視覚的なイメージ化が可能である。

    先の2枚目と3枚目の絵は、前置詞のコア・イメージを、文字通り1枚にまとめたものである。



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