「ユノ、今日は何の日か知ってますか?」
「今日?」
「はい」
「2023年2月12日日曜日…」
今日は名古屋でライヴの為ホテルで目覚めた
起き抜けの俺にチャンミンの問いかけ
「…真ん中誕生日…」
「…正解」
忘れていたわけじゃない
でも今日もライヴだし、俺の誕生日の時みたいに過ごすのは無理だから、プレゼントだけにしようと思っていたのを、忘れていると勘違いされたのだろうか?
「ホミンデーですよ」
「え?うん、そうだな」
いやいや、それよりも
何故俺はチャンミンの部屋にいるんだ
昨夜はツアー初日で、いい高揚感のままホテルに戻って来て
久々の事でテンションが下がり切らずチャンミンの部屋に来て話し込んで
「…寝落ちたのか…」
「…そうですね、突然、まるで電池の切れたオモチャみたいにパタリと」
「…ごめん、」
「いえ、別にいいんです
久々のライヴでしたし」
そう微笑むチャンミンが一番怖いんだと思うが何も言わずに飲み込む
「…服を着ていないのは、何故…」
「あぁ、それは、僕が脱がせました」
「え?うん、あ、りがとう?」
必死に昨夜の最後の記憶をたどる
ホテルに戻ってきて、部屋でシャワーを浴びて寝ようと思ったんだけど
幸せな気持ちをチャンミンと共有したくて部屋を訪れて…
抱きしめてキスをして…
ベッドに押し倒してキスをして…
ええと…
ええと………
「…ごめんなさい…」
チャンミンはふふふと笑うけど
瞳が笑ってない
これは一番ヤバイやつだとわかってるから冷や汗が半端無い
「まぁ、今日を祝おうが祝うまいが僕にはどちらでも構わないのですが」
「ぇ、うん…」
「人の部屋に押し掛けて来ておいて寝落ちとか本当にいい度胸してますよね」
「…スミマセン…」
「出禁にしますよ」
「はっ!?なんで!?」
「僕を放って寝落ちた罰です」
「えっ、ちょ、まっ!?」
チャンミンはいい笑顔で俺に服を着せると有無を言わさずに部屋から追い出した
「…なんでだよ…」
別にいいんですって言ってたけど相当怒ってるって事なのか?
「まいったな…」
*****
ライヴを終えてホテルに戻ると
真ん中誕生日は残り少しで
でも、チャンミンから出禁にされたから部屋に行くのもどうかと思うし
いや、でも、折角の真ん中誕生日なのに出禁って何だよ
一年に一度しかないのに出禁って
だからと言って部屋に押し掛けると出禁継続されちゃいそうだし、それは嫌だ
あーでもない
こーでもない
色々考えて考えて考えていたら
部屋のベルが鳴った
「…誰だろう?」
扉を開けずに確認すると
そこには何故かチャンミンがいて
速攻ドアを開ける
「チャンミナ…」
チャンミンはスルリと部屋に入り部屋の奥へと進む
何の言葉も発せずにベッドの前に立ち止まり振り向いた
「チャンミナ、」
「ユノは僕の部屋が出禁なので、僕が来ました」
…出禁継続中か…
「えっ、うん、」
ベッドに座るチャンミンは俺に右手を差し出した
「…ユノ…」
そっと手を握り指先にキスをする
「んっ…」
指先から手の甲、てのひら…
何度も唇で触れて赦しを乞う
そっと見上げると甘い顔で俺を見つめているから
その唇に唇を重ねる
そしてベッドに押し倒して頬に、首筋にキスを落として…
「…チャンミナ…」
ゆっくりとボタンを外し肌を露にするとその肌に舌を這わせる
「…チャンミナ?」
反応の薄いチャンミンに顔をあげると
チャンミンは夢の世界へと旅立っていた
「…これは…」
そう、それは昨夜の俺と同じ寝落ち
同じ事をしておいて何だけれど凹むやつ
今さっき甘い顔で俺を見ていたじゃないか、何故だ、理不尽だ…
と、昨日のチャンミンも思ったに違いない
「…昨日はごめんな…」
すやすやと眠るチャンミンの頬に触れ
可愛らしいおでこにキスをひとつ
それからそのまま布団を掛けた
「どうです?凹みましたか?」
寝言にしてはハッキリと聞こえた言葉に驚きチャンミンを見ると
パッチリと眼を開き此方を見ていた
「…うん、凹んだ…」
「ふふ、これでおあいこですね…」
「ほんと、ごめん…」
「次はありませんからね…」
「…はい…」
それから俺達は終わってしまったホミンデーの続きを甘く濃厚に過ごした
.
にほんブログ村チャンミンさんの誕生日に真ん中誕生日のお話しで申し訳ないです…(TдT)
また後日チャンミンさんの誕生日のお話しをUPしたいと思います
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