2009年02月03日

「ソフトウェア入門」黒川 利明 岩波書店

ある意味、タイトル通りの入門書であり、それほど予備知識が無くても『ソフトウェア』と呼ばれるものの概観を一通り眺められるような感じがする本です。

でもね、全然面白くはないです。また、本書を読んで、何かに気付くということもなかったです。

広く浅く過ぎて、関心が全く持てません。個人的な関心からは、もうちょっとテーマを絞ったものを入門書レベルから、そこそこの水準まで引っ張っていってくれるようなものが読みたいです。

ソフト開発手法とかもウォーター・フォール・モデルにスパイラル・モデルとか名称と説明はともかくとして、もうちょい身近な関心へ結び付けて欲しかったりする。具体例が足りなくて、砂を噛むようです。

オブジェクト指向プログラミングなども期待していたのですが、雑誌レベルよりも簡略な話で、つまりません。日経ソフトウェア等の雑誌の方がはるかに詳しいし、面白いです。個人的には、全く時間の無駄の一冊でした。ただ、読み易い点だけは良いかも?
【目次】
1 ソフトウェアとは、システムとは
2 ソフトウェアの現場で
3 試練の中のソフトウェア
4 ソフトウェアの将来像
ソフトウェア入門 (岩波新書)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「ウォール街を動かすソフトウェア」手塚 集 岩波書店
「日経ソフトウエア 2008年 07月号」日経BP社
「プログラミングでメシが食えるか!?」小俣 光之 秀和システム
「SEのフシギな生態」きたみ りゅうじ 幻冬舎
「SEのフシギな職場」きたみ りゅうじ 幻冬舎
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2009年02月01日

「C言語10課 (入門編)」田中 和明 カットシステム

大昔にCOBOLをやった後に、一冊だけC言語の本を読んだ覚えがあるが、本書を読んで、やっぱり全然記憶になかったことが分かりました。

直接C言語を使うことはなさそうですが、まあ、何事も基本が大切ということで今年の3月まではC言語の学習に当てる予定。1ヶ月に3冊読破し、4月からはメインのSQL習得を頑張ろうっと!

年頭の予定では、今月も3冊読破の予定がこれ一冊のみ。はあ~情けない(涙)。腰痛等の体調不良や職場での職務内容の変更に絡む交渉で全然勉強できなかったので、2月以降は頑張らねば!!

まあ、1月は運転免許の更新や譲渡損失の繰越の為の確定申告など面倒なのがだいたい終わったから、今月は頑張ろうっと!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、独り言はさておき、本書について。

実はC言語関係の本は何冊か読んでるが、どうもしっくりこなくて最初の数章で中断しているものが多い。とりあえず、本書は全部読み通せた。(実は練習問題やっていないのだが・・・)

一応、何も考えずに読み通すことはできる本です。ほとんど考えることなく、淡々と進みますし、一応形だけでも眺める入門書としては悪くないと思います。(他の本は、それさえできなかったりする)

他の入門書は、例示されている内容自体になじみがなくて、やる気がそがれるんですよ~。個人的には、まずはコピペでも何でもいいから使えるようになって、それから、いろいろと不足を感じてそもそもの意味や使い方を調べる・・・的なやり方でないと、あまりにも教科書的で興味が持続できません。

特にプログラミングなんて、実際に動かしてみて、それが動けば興味湧くし、やる気にもなるのですが、本を読んでいるだけってかなり苦痛なんでね。

さらに言うなら、C言語でプログラミングをする気がないので個人的な事情ながら、より一層やる気がないのかもしれない(オイオイ)。

でも、ざっと眺めてみて、VB(正確にいうとVBAの方だけど)とそんなに違う訳ではないなあ~と改めて思った。何が同じで、何が違うかを分かれば、かなり勉強しやすくなりますね。

最初は違和感ばかりでしたが、IFやwhileとかcaseとか出てくると、軽く読み飛ばせて、元気が出てきました。なんともゲンキンな私。なんとか『最初の一歩』が踏み出せたような気がします。

大袈裟なようですが、年をとると頭が固くなるというのは、こういうのかもしれませんね。困ったもんです。

本書の場合、例として挙げられているものも、「実際にプログラムとして動かす」、その1点だけに絞っているので、必要以上な余計な部分がなくて、理解し易いです。また、やる気を削がない、のも良い点です。

ただ、これは本当に初歩の初歩の入門者用です。これで何かができたり、分かったりするレベルではないですが、次につながる本でしょう(笑顔)。

10日間もかかりません。3、4日眺めてページをめくってみましょう。とりあえず、本一冊が終わります。それでいいのではないでしょうか?

あっ、できそうと思ったら、次の本へ進めばいいと思います。


でもって、2月の私の読破予定(既に購入済み):
1)Cの絵本
2)日経ソフトウェア2009年3月号付録「C言語とことん学習ブック」
3)プログラミング言語C
で、3月にも3冊読んで、少しプログラミングでもしたら、新年度はデータベース系へ移行ですね。夏には、SQLでそれなりにいじれるようになるといいな♪

C言語10課 (入門編)(amazonリンク)
【目次】
1日目 C言語プログラミング
2日目 式と計算
3日目 プログラミングの流れ(1)
4日目 プログラミングの流れ(2)
5日目 プログラミングの流れ(3)
6日目 配列
7日目 関数
8日目 文字列
9日目 構造体 
10日目 ファイル
ブログ内関連記事
「Excelの極意(6)「VBA」を極める」早坂 清志 毎日コミュニケーションズ
「仕事に使える Excel マクロ&VBA の基本がマスターできる本」小館由典 インプレス
「実践VBAマクロプログラミング」森岡 邦雄 工学社
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2009年01月21日

「立ち飲み屋」立ち飲み研究会 筑摩書房

序文でも書かれているが、1996年から1999年時点でのお店情報であり、実際にこれから行ってみようかとする場合の参考にはなりません。

あくまでも、そういう文化もあるんだ・・・的な雑文として読み流すタイプの本だと思います。

私は行ったことがないのですが、行ったことのある知り合いに聞いた話では、実際に美味しくて大変有名なお店等も載っているようです。

でも・・・正直読んでいて行ってみたいと思うようなお店はあまりなかった。お酒の種類が少ないし、つまみも乾きものや缶詰が多かったり、もつ煮も全然美味しそうではない。

安いのはいいが(安くない店も載ってる)、ありきたりの酒と月並みなつまみだったら、行きたくないなあ~。デパ地下でお惣菜や酒の肴買って、自宅でDVD見ながら、一人で酒飲んでる方が私はいいです。

おそらく私は【野暮】なのでしょうね。本書は私の趣味ではありませんでした。私の場合は、酒がメインではなくて、料理に合わせて酒を変える方なのでお酒は大好きですが、酒だけ飲むのってちょっと・・・。

昨今、立ち飲みが流行ってだいぶ経ちますが、他では食べられないようなものが安く食べられるならいいですが、安いだけで汚い店は、パスだなあ~。一工夫されたつまみが欲しいです。

本書が立ち飲みのバイブル的存在などと書かれていますが、私には全く信じられません。

ちなみに・・・最近のお気に入りの肴は、乾燥させたフィグ(白いちじく)。人に教えてもらったが、キンキンに冷えた白ワインやシシングルモルトと一緒につまむと至福感が味わえます(満面の笑み)。

立ち飲み屋 (ちくま文庫)(amazonリンク)
【目次】
序章 立ち飲み屋のルーツと立ち飲みの流儀
第1章 酒屋の一角はオアシス 納得の酒ラインナップ
第2章 焼き鳥&焼きとんのモウモウたる煙に巻かれて
第3章 酒のあては鮮魚から うなぎ、串揚げまで
第4章 立ち飲みゾーン「神田vs.新橋」徹底踏破
第5章 バッカス&バーフライのスタンディング舞台
第6章 堂々の立ち飲みスポット 根掘り葉掘りガイド

ブログ内関連記事
「酒の肴・抱樽酒話」青木 正児 岩波書店
「下町酒場巡礼」大川渉、宮前栄、平岡海人 筑摩書房
「続・下町酒場巡礼」大川渉、宮前栄、平岡海人 四谷ラウンド
ラベル:書評
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2009年01月17日

勝間式「利益の方程式」 勝間 和代 東洋経済新報社

元コンサルティング・ファーム出身の著者が、絶大なる人気の中で書いた『利益』を扱う本としては、はななだ期待外れで陳腐なことこのうえない。

全面的な勝間崇拝者ではないものの、これまで読んできた本は、著者独自の切り口や何かしら新しい手法などがあり、大変学ぶべきことが多かったのだが、本書は、数多くある本からのサマリーにしか感じられない。

最近、急激に増えた著作量に反比例して、明らかに質が低下し、読む必要のないレベルにまで達したように感じられてならない。

但し、誤解がないように言うと、内容が間違っているのでは?とか、主張がおかしいという意味ではない。あまりに当たり前過ぎて、それをご大層に主張されるだけで著者独自の視点がないのが、本書独自の価値を見出せないと思うのです。

(もっとも、著者ご自身も当たり前の話だが・・・と書かれているので分かったうえでのことなのでしょうが、著者の狙うターゲット層とは別に、実際に読者層も興味深いです。)

勝間氏が書かれている万能利益の方程式は以下の通りです。

利益=(顧客当たりの単価ー顧客当たりの獲得コストー顧客当たりの原価)×顧客数

これを変形した形でしょうが、私が通販でデータベースマーケティングをやっていた際には、以下の式を使ってました。

利益=客単価×(1-0.5)ー販促費/顧客数

ここで使用している0.5というのは原価率(運用上は固定費を含む間接費等を加えている)をおおざっぱにしたもので、ほぼこれで間に合う。また、式から分かるでしょうが、ここでいう私の利益は損益分岐点近似の指標として使ってます。利益の総額ではありません。

ハウスリスト(顧客群)に対して、一定の属性及び購買履歴より、類型化したグループを作成し、それぞれに対して、上記の利益が黒字になる部分を抽出し、この部分がコアとなる。

それだけでは、当然ながら縮小均衡になるので、いわゆる見込み客も含めて、利益が黒字にならない部分に対しても販促費をかけていく。

その際に、販促費全体の15%~20%が計算上は赤字になるグループに割り当てるが、その部分でいかに赤字幅を縮小するか、レスポンス率を上げるかがまさにマーケッターの腕の見せ所となる。

また、そこで購入につながった見込み客は、ロイヤリティーの高い客へ成長していくグループであり、アクティブ顧客のコア拡大、直接的に利益をもたらしていく顧客のパイの拡大につながり、長期的に見て、非常に大切でもある。本書では直接的な表現としては出てこないが、それを念頭においていることは伺える。いわゆる生涯顧客価値(life time value)こそが、企業が最重要に考える点でしょう。

(ちなみに・・・
見込み客の選定だが、会社に最も利益を与える優良顧客群を選び、そこの顧客に共通する属性を選び、それらの属性を有する or 有するであろうグループを見込み客として選定する。この部分は、仮説・実行・検証のサイクルの中でいかに効果を最大化するか、個人の裁量が利益と直結してくる面白い部分だったりもする。・・・成果挙げられなくて外された人が何人かいたけどね)

ただ、短期的な利益を何よりも大切にするコンサル系の人らしく(彼らの評価基準がまさにそれだから)、正直、その点の言及が足りなかったり、利益式にその観点が盛り込まれていないのは片手落ちの感が否めない。

いうならば、著者がメインにおいているのが、時系列的な軸でスライスした、瞬間的な指標である。私は、これと同時に獲得した顧客がリピーターとして成長する視点まで含めた指標を併用していたものです。

ここのプロジェクトだけではなく、長期的な経営戦略の視点から見た企業の価値の最大化を図りつつ、その枠内で個々のプロジェクトでの利益最大化を図るのが仕事でしたからね。

あえて詳細をここには書きませんけどね。(興味のある方は、直接会った時に聞いてね。)

私だけでなく、普通に成果を挙げる仕事をしていたら、本書で書かれた内容は知っていて当然であり、直接的に同じ表現をしなくても、それに類する事は意識しているはずです。

でなかったら、その人は管理職としての能力に大いに疑問(?)を呈することでしょう。反面、知らなかった人が本書を読んだだけで、身に付くのかなあ~?とも思います。

知っているのと体験し、生かすことは全くの別物ですし、本書の例は、あまりいい例とは思えません。ネットに関するお話も、私も自分で勉強する為に、オーバーチュアやアドワーズ使ったり、いろいろやってますが、本書は正直、まったくの素人向きには、分かったような気がして面白いかもしれませんが、少しでも知っている人には、相当辛い感じがします。内容が希薄過ぎです。

以前、著者の書かれた本は結構、面白くていろいろ読んでいたんですけどねぇ~。正直、熱が冷めた感じです。もう、この方の本は読まないだろうなあ~。

原価が安いというので儲け易いという粉もの屋関係の話も本当に有名な話です。笑える事に私が以前いた会社も本業は手堅くいってたのに、この手の馬鹿な話にのって、実際に粉もののチェーン店を始めてました。
とりあえずは黒字のようですが、チェーンを大きく伸ばすような事態にはなりません。誰でも始め易く、参入障壁が少ないわけで、その分、パイを競い合う商売であり、ブルーオーシャンとは似ても似つきませんけどね・・・?

散々批判的なことを書きましたが、個人的にはお薦めしません。本当に知識を得るなら、面倒でもきちんとした本を当たるべきだと思います。

今更ながらでもデータベースマーケティングの分厚い本をしっかり読んだ方が、きっと役立つと思います!! きっかけにするつもりなら、悪くはないと思いますが、やっぱりこつこつ地道に学んだ方がいいなあ~と思う私でした。

安易な効率化は、回り道をする過程で身に付けられる根本的且つ、普遍的な底力の切捨てにつながります。そろそろ、それを再認識するタイミングのような気がします。思いっきり自戒の念を込めて!
【目次】
第1章 なぜ、利益の概念が必要なのか
第2章 利益はどう計算するのか
第3章 利益を上げる方程式の解き方
第4章 原則1 どうやって顧客単価を上げるのか
第5章 原則2 どうやって顧客獲得コストを下げるのか
第6章 原則3 どうやって顧客原価を下げるのか
第7章 原則4 どうやって顧客数を伸ばすのか
第8章 明日からできる行動習慣
勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」勝間 和代 ダイヤモンド社
「週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号」「グーグル化」知的生産革命
「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」勝間和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン
「会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール」福沢 恵子、勝間 和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン
ラベル:ビジネス書 書評
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2009年01月09日

「図解版 夢に日付を!」渡邉 美樹 あさ出版

先日読んだ同名の本「夢に日付を! 」を図解し、内容を簡素化したもの。エッセンスは、元々の本から欠け落ちてはいないものの、分かり易さとのトレードオフで、いささか内容が薄っぺらくなった気がする。

元の本が十分に理解し易く、実践性の高いものだったので私的にはこの本不要でした。どちらかと言うと、私はこちらではなく、最初の方をお薦めします。

初読時は図書館本を読んでいましたが、現在は改めて購入して再読しています。腰痛が悪化して、帰宅後何もできないことを言い訳にして、もう日々の目標の実施を怠けてしまっている自分がいます。情けないなあ~私(涙)。

もう一度、最初の方の本を読み返して、頑張ってみよっと! 辛い時こそ、あと一歩の努力ですね。読んでないC言語の本が5冊近く溜まっているし、SQLの本も読みたいが、とにかく3月まではC言語を頑張らねば。

で4月からSQLをやって、秋以降は、新天地へ!!
やりたいことがあり、すべきことも分かっているんだから、とにかく少しでも前に進まないといけませんね。人である以上、悩みは尽きませんが、愚痴っているだけの人にはなりたくないので、とにかく、勉強&努力をせねば!

しかし・・・腰が痛い・・・(涙目)。仕事続けられるんだろうか・・・? ふう~。

あっ、余談ですが、著者は素晴らしい理念を持つ経営者と本当に尊敬したくなるほどだが、経営しているお店はイマイチだと思う。居酒屋としての大手チェーン店で、コストパフォーマンスはそれなりにいいとは思うけど、店によってサービスの質がバラつき過ぎ。

何度か利用した事があるが、結構いい店とかなり最低に近いサービスの店が何件かあった。正直、大切な人を連れていきたい店ではないと思う。

種々の活動もいいだろうが、個人的には、是非足元のお店を見直した方がいいのでは?と思ってしまう。同チェーンのフライデーズもアメリカのものと比べると・・・?大いに疑問の余地がある。

素晴らしい経営者だと思うが、本業が疎かになっているような気がしてしまう。本に感銘を受けただけに、そのギャップが大変残念に思えてならない。まあ、余計なお世話なのだけどれど・・・。
【目次】
渡邉美樹ロングインタビュー「夢を追うことが、人生そのもの」
第1章 「6本の柱」で人生を考える
第2章 夢を叶えるために大切なこと
第3章 夢を「思う」だけでなく「形」にするための手帳術

図解版 夢に日付を!~夢実現の手帳術~(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「夢に日付を!」渡邉美樹 あさ出版
ラベル:書評
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2008年12月17日

「結局「仕組み」を作った人が勝っている」荒濱 一 、高橋 学 光文社

キャチーなタイトルに騙されました。光文社のこのシリーズって私にとって鬼門なのでしょうか? 読み易さは確かにピカイチですが、こないだ読んだこのシリーズ同様に、中身がまったくありません。この内容に100円であってもお金を出す気にはなれないでしょう。

たまたま図書館で置かれてたから、ふと手にとってしまっただけですが、書いているライターさんが全くといってもこの手のジャンルには不向きな方が書いています。

しかも成功事例と挙げられているのって・・・アントレ・プレナー系やあいであらいふ系の雑誌でさんざん出尽くして、いまや誰も見向きもしないようなネタばかり。ヒドイ、ヒド過ぎませんか?

だって、本書の中身は端的に言うと、{メルマガ、ドロップシッピング、情報商材、競売物件、発明etc.}ですよ!

ネットでググれば吐いて捨てるほど、この手の情報ありますけど・・・??? しかもネタが古過ぎて手垢がついてますが・・・。この本に金払って買えって、言うのはキツ過ぎません?

ただ、何気に一番うまいのは本書を出している著者&出版社さん。まさに一度本を書けば or 出せば、印税等で勝手にお金を生んでくれるわけです。

金持ち父さんの話も本書で触れられていますが、実は著者のロバート・キヨサキも講演会や印税の方が、本業よりもはるかに金を産んでいるのは周知の事実。まあ、世の中、そんなもんでしょう。

結論、本書は読む価値を見出せません。そもそも金を儲ける仕組みとは、投資であったり、法人だと思うのですけどね・・・。まあ、論外の本ですね。橘氏の本とは雲泥の差があります。
【目次】
1 「仕組み」とは何か?
2 「仕組み」作りケーススタディ(1) インターネット・ビジネス
3 「仕組み」作りケーススタディ(2) 情報起業
4 「仕組み」作りケーススタディ(3) ビジネスオーナー
5 「仕組み」作りケーススタディ(4) 投資
6 「仕組み」作りケーススタディ(5) 発明
7 ラットレースから抜け出すための「仕組み」作り講座(1) テクニック編
8 ラットレースから抜け出すための「仕組み」作り講座(2) 気づき編
結局「仕組み」を作った人が勝っている (光文社ペーパーバックスBusiness)(amazonリンク)
ラベル:書評
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2008年12月14日

「仕事が速くなる技術」『THE21』編集部 PHP研究所

「THE21」という雑誌での仕事術関係の特集記事を編集して、一粒で二個美味しい的な狙いで作られた本。

編集の仕方が悪く、分量を減らし過ぎた為だと思うが、個々の人の話が細切れな感じで面白くない。おそらく特集記事よりも内容がお粗末になってしまっているので失敗の見本だと思う。

また、採り上げられている内容自体も個人的には、無用なものが多くただでさえ少ない紙面の4分の3以上は不要。おまけに1頁辺りの文字数が極端に少なく絵本かい?と思ってしまいます。

使えなさ過ぎる~。無駄なカラーや写真は削って、内容を充実させるべきだと思う。どちらにしてもこの本駄目だけど・・・。

でも、本書の中で個人的に役立つと思ったことをまとめてみると、
1)まずは仕事の目的を明確にしたうえで
2)とりあえず仮説を作る(無駄のものを極力排除)
3)仮説の下ですぐ行動
4)行動しつつ、違いや間違いを見つけて軌道修正

これが仕事を早くする基本でしょうね。
少なくともこの点については、自分はできていると自負できるかな?

今、この時点でも月曜日と来週一週間の仕事は、おおよそプランニング済みだしね。

仕事が速くなる技術―一流に学ぶ!(amazonリンク)
【目次】
第1章 一流のスピード仕事術を盗め!
大前研一
和田秀樹
羽生善治
江口ともみ

第2章 仕事ができるトップはここが違う
内田和成
原田泳幸
上野和典
杉本宏之
藤沢久美
小山昇

第3章 段取りの達人に学ぶ時間管理術
青山祐子
上山信一
西村昇

第4章 逆転発想のスピード仕事術
南部靖之
石田衣良
高城剛
堺幸彦

第5章 梅森浩一が教える「仕事が速い人のアタマの中」
ブログ内関連記事
「トヨタ流最強社員の仕事術」若松義人 PHP研究所
「図解 朝10時までに仕事は片づける」ベクトルネットワーク かんき出版
「100億稼ぐ仕事術」堀江 貴文 ソフトバンククリエイティブ
「残業ゼロ」の仕事力 吉越浩一郎 日本能率協会マネジメント 出版情報事業
「いかに「時間」を戦略的に使うか」DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部  ダイヤモンド社
「レバレッジ時間術」本田 直之 幻冬舎
「夢に日付を!」渡邉美樹 あさ出版
「分類する技術が仕事を変える! 」久我勝利 日本実業出版社
ラベル:書評 仕事術
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「ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する」島田 紳助 幻冬舎

タイトル、サブタイトルは(出版社がつけたのだろうが)正直センスを疑う。でも、中身は読んどいて悪くない本。

あれだけ売れっ子のタレントが原稿を書いてるわけないので、私的なうがった見方だと、本人が口述したのをテープ起こし&ゴーストライターが体裁整えて本にしたものだと思う。

しかし、何かの経済誌で島田伸介氏の講演したDVDを非常に高く評価した経営者のコメントを読んで、興味を持っていたものの、DVDは高いし、時間もかかるので代替物として本書を読んでみました。

いやあ~TVでの抜群な会話センスだけではなく、経営者として成功する資質を本当にお持ちであることがよっく分かりました。

何よりも、徹底したリサーチとそれを元に新しいものを生み出す力。既存の概念や枠に捉われず、自分自身の頭で考えて、合理的だ、いける、と思ったら、それをやりぬく実行力(他人を使う場合でも同様)は、まさにベンチャー経営者だと思いました。

正直、私にはまだ部分的にしか達成できていないことを痛感させらました。

そして何でもそうなのですが、そういったどんなことよりも一番大切なこととして、『情熱』『信念』これこそが成功の肝なのでしょう。

平易な内容で、きわめて薄い本ですが、本質的なものは、これで十分でしょう!! 虚飾にまみれたもっともらしい経営指南書を読むぐらいなら、本書の方が役に立つでしょう。まずは、情熱を持って、行動ですね。
ビジネスとして成立させるためには、どんなに常識はずれであっても、合理的でなければならない。常識はずれというのは、世間や業界の常識に反しているということを意味しているだけであって、理にかなっていないという意味ではない。
 もっと言えば、業界の常識というものには、一般人から見れば不合理な、理屈に合わないものがたくさんあるのだ。その常識に惑わされずに、どうすれば成功するかと自分の頭でよく考えた結果として、常識はずれのビジネスが生まれるとだけのこと。成功している人は、最初から常識はずれを狙っているわけではない。
顧客満足度より従業員満足度
従業員が満足して働ける環境を整えれば、サービスの質は自然に向上し、その結果としてお客さんの満足度も高まる。
  ↑
本人の幸せと会社の業績が一致すれば・・・従業員はプライドを持って心から会社の為に働こうと思う。
・・・
人は自分の幸せのために働いている時、肉体的にも精神的にも一番力を発揮できる。
ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (幻冬舎新書)
【目次】
第1章 みんなが幸せにならなきゃ意味がない
人の心を動かすアイデア
危険な成功の錯覚
常識はずれを合法的に考える
顧客満足度より従業員満足度
職場に恋人がいたら仕事が楽しくなる
人と人がつながり、チームが生まれる

第2章 常識破りで魔法のアイデア
タレントの店はなぜつぶれるのか
会員制で薄利多売を可能にする逆説的成功システム
フォークソングバーのアイデア
自分の成功が偶然でなかったことを証明するために
石垣島の北端にある喫茶店
単純なコピーは、オリジナルを超えない
初公開!今、考え中のアイデア
アイデアの基本は、客としての素直な目
どれだけ興味を持てるかが成功のカギ

第3章 仲間こそが宝物
冒険の入口まで連れていくのが僕の仕事
夢と冒険
いい子は幸せにならなくちゃいかん
天現寺のお好み焼き屋『のろ』の例
新しいビジネスを始めるなら素人と組む
同地区に同業種の店が増えれば客も増える
他人のために力を出せる心の熱い人間
こいつを男にするという気持ちが出発点

第4章 お金と成功
お金は確かに便利なものだ
客が言う「こんなに食べてこの値段は安い」は嘘
お金の重さ
冷静でさえあれば、視野は広くなる
16歳の誕生日に親父が買ってくれたバイク
心がひりひりするような不安と、頭が真っ白になる喜び
ラベル:経営 書評
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「マネーロンダリング入門」橘 玲 幻冬舎

金融関係で読むに値し、がっかりさせない本を書くと私が勝手に信頼している橘氏の新書です。幻冬舎という出版社&新書という体裁の為、一抹の不安がありましたが、トンドモナイ! 新書としては、久しぶりに読む価値のある一冊です。これはお薦めでしょう。

ちょっと時間が足りなくて、まだ全部読み切っていませんが、三分の二を読み終わったので、ちょっと書いておきます。

どんなに精緻な仕組みを作っても、どんなに精査や監査をしても、しょせん人が主体である以上、絶対に完全はありえないということを強く感じました。

マネロン絡みだとブラジル行った時に、サンパウロ新聞だったかな?いろいろ聞いたし、ニュース見てても元アナン事務総長の息子がイラクの石油絡みで何兆円スケールの汚職&横領等やってたでしょ。

オサマ・ビン・ラディンの本を読んだ時にもよく載っていました。

神の銀行家(バチカン銀行)の話は、うちのブログでの方が情報充実しているし、一部表現上の問題か、捉えかたとして納得のいかない部分もありましたが、実にうまく簡潔にまとめられています。

金融のこの手の話を今まで知らなかった人には、目からウロコでしょうし、ある程度知っている人でもなかなか面白いと思います。

何よりも著者の勉強熱心の姿勢と積極的な行動力はさすがとしか言いようがありません。見習うべきでしょうね。やっぱり!!


とにかく、しょうもない経済小説やサスペンスよりもはるかに刺激的で楽しめる本です。ついでに金融のモノの考え方も再考させられると思いますよ~。マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)(amazonリンク)
【目次】
第1章 世にも奇妙な金融犯罪
第2章 プライベートバンクの憂鬱
第3章 北朝鮮はなぜ核兵器が必要なのか
第4章 世界でいちばん短いマネロンの歴史
第5章 誰でもできるマネロン
ブログ内関連記事
「マネーロンダリング」橘 玲 幻冬舎
「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」橘 玲 ダイヤモンド社
法王の銀行家 2002年の映画
「法王の銀行家」殺害で4人起訴 CNN
「ウサーマ・ビン・ラーディンその思想と半生」石野肇 成甲書房
「インタビュー オサマ・ビンラディン」ダイヤモンド社
ラベル:金融 書評 経済
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2008年12月11日

「SEのフシギな生態」きたみ りゅうじ 幻冬舎

seseitai.jpg

しかし、SEではなくてもこりゃ大いに共感しないではいられない本でしょう。社内プロジェクトしかり、社外との共同プロジェクトしかり、実に身に詰まされるお話です。

いろいろと仕事をやっていると、肩書きや給料分の仕事をしない人が実に多いことか・・・ああ、合掌!

同時に自分も経てきた道とはいえ、「お前何にも考えずに、口先だけで分かった気になってんな。一つでもやって実績見せろ!」と本当にはらわた煮えくり返り、憤懣やる方無しで、徹夜明けの仕事や休日出勤をしていた日々を思い出します。

私は、社内の仕様をまとめて、システム会社さんに発注する側でしたが、いろんな部署が適当なその場しのぎの要求ばかりあげてくるくせに、実装すると前回の追加機能を誰も使っていなかったり・・・検収の段階で仕様そのものを変えようとするなど・・・信じられないこと続出したことを思い出しました。

社内の力関係や予算の関係、オーナー社長の心変わりとか、もう大変!そのせいで納期が遅れ、開発費がかさみ、社長に業者を追い込め、契約書に判を押す段階で、更に値切れと、人にあらざる所業をさせられたのですが、う~む、金さえ払わなかったり、平気で何ヶ月も先の手形で払う会社さえ、実際あるからなあ。

ある程度社会経験のある方なら、絶対に面白いし(つ~か、他人事じゃない)、為になることが満載された一冊です。金融業界の入門書として「ナニワ金融道」を挙げるなら、システム業界の入門書として本書を挙げてもいいのでは?って思うくらい、個人的にはお薦めです!!

プロとアマの絶対的な違いとして、仕事としてやっているものがプロである。従って、以下の3点をクリアしているか否かが分かれ目。
・納期を守り
・仕様を守り
・バグを出さない

どんなに素晴らしいプログラムが書ける天才プログラマーだって、上記をクリアできないものは、所詮アマチュアに過ぎない!というのは、当然ながら、激しく同意しちゃいますね。うん!

新しい技術をフォローしつつも、実際に利用するのは、古くても安定しているもの。本当に、これが一番大切です。

最新を追い求めるのは、たいていコストパフォーマンスが悪い(=高くつく)うえに、バグの嵐に見舞われます。本書で触れられていますが、私も大いに経験があります。

某大手総合電気にいた時に、ある技術を工場初で導入するパイロットプロジェクトに関わったのですが、それが成功したら、本社の御墨つきで他の工場や、関連企業へ展開するんだ~と相手側事業部の担当者は言っていたのですが、聞いてみると、同時並行して、高い金を取りつつ、それと同じことを外部の企業さんでやっていたりする。なんだかなあ~。

結局、失敗する可能性が高いものは、いくつか(外部、内部を問わず)絡めながら、リスクヘッジしながらやるんだよねぇ~。

ちなみに・・・物の見事に、私が関わったプロジェクトは最初のツールの適合テストから失敗し、こんなんじゃ客先に売れないよ~となったりしたのでした。


その後も、転職先の通販会社は売上なんて、もの凄く小さいのに、某○SKさんに騙されてアジア初というOLAPツール(海外ソフトの日本移植版)を導入したのですが、これが箸にも棒にもかからんほど使えない。

操作マニュアルも英語版しかないうえに、初物であちら側の担当者も何も分かっていない使えない人。問題があるごとに、大元の外国企業へ問い合わせる始末。しかも全然問題解決しないし、便利じゃないんだよねぇ~。

おとなしくoralce入れて、カスタマイズした方がよほどマシだったのに・・・。うちの担当者(上司)が新し物好きで、他の開発業務を全て私が肩代わりしてたので、そちらにはまっちゃって&はまっちゃって・・・。

ACCESSで事足りてしまうレベルなのに、1500万円ぐらい突っ込んだかな? オーナー社長はこれだけ投資したんだから、どれだけ売上アップに貢献するかと期待する一方、納期は遅れに遅れて、しかもその内容は売上には何も貢献しなさそう。これ以上納期遅れたら、支払い止めるぞ!騒ぎに発展。上司は、結局、何の役にもたたないハードとソフトを残したまま、転職しちゃうし・・・。

私は、直接関わってなかったそれらの残骸がサーバールームに放置されているのを見るたびに、経理担当の役員が溜息をつく。なんとかこれ使えないの・・・? 社長は視線にさえ、それを入れようとしない。

まあ、そんなもんです。

この手の話なら、私もご多分に漏れず、いくらでもありますが・・・本書は本当にある、実際の話が出てくるので、まだ経験していない人は、是非、痛い目に合う前に読んでおきましょう♪

既に経験しちゃった可哀想な人は、もう二度と再現しないように、防ぐための仕組みを再度考えるいいきっかけになると思います。私も実は、忘れてたもの。

SE等に関わらず、とにかくなんらかのプロジェクトに関わる人なら、絶対に無駄になりません。一読をお薦めします。4コマ漫画の絵柄もほのぼのしていて、結構好きです♪

SEの仕事の流れ:
1)要求定義―何をしたいのか
2)設計―どんなものを作るか
3)製造―実際に作製
4)試験―設計通りのものか
5)納品―要求定義通りのものか

SEのフシギな生態―失敗談から学ぶ成功のための30ヶ条 (幻冬舎文庫)(amazonリンク)
【目次】
1 要求定義編
2 設計編
3 製造編
4 試験編
5 納品編
6 プロジェクト管理編
7 転職編
8 実用的…かもしれない仕事術
ブログ内関連記事
「SEのフシギな職場」きたみ りゅうじ 幻冬舎
「プログラミングでメシが食えるか!?」小俣 光之 秀和システム
ラベル:SE 書評
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2008年12月10日

「パソコン自作超入門 2008」日経BP社

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最近、秋葉のジャンク屋さんで2500円とか3000円のPCさえ見かけるご時世(でも、部品取り用じゃなくて動くらしい?)。1万5千円で動作保障で普通に動くPCが買えてしまうのを見てたら、なんかジャック品集めてPCでも作りたくなってきて読んだ本です。

今まで、自分のPCでやったのは、OS入れ替えやHDの交換、メモリーや光学ドライブの増設ぐらいかな? 後はBIOSやチップセットのupdateぐらい。

いくつか中をばらして、ファン周りの掃除もしたけど、自作はしたことなかったりする。

以前から、この手の自作を取り扱った雑誌やムックは読んできましたが、本書はかなり良い部類だと思う。

大きめで実際の作業が分かり易い写真に、シンプルな解説。メーカーの説明書よりもはるかに分かり易いです。

超入門とうたっているだけに、初心者でもついていけるほど、表面的には容易になっていますが、大切な基礎知識部分の説明もしっかりしていて、自作しなくても本書を読むことでPCについての理解が非常に深まります。

モノとしてのPCを理解することで、タダのブラックボックスとしてのPCを扱うよりも何倍も興味が湧くし、うまく使いこなせそう!

PCだけではなく、ケーブルなど、分かっているようであまり分かっていない部分にもちゃんとして説明があって、私の場合は非常に勉強になりました。チップセットとかCPUなんか、漠然としていて怪しげだった知識が整理されてスッキリしました。

あとね、何気に自作用のオンラインソフトの紹介も良かったです。CPU-ZやMEMTEST86+とか、ほとんど知っていて使ってもいましたが、案外自分が調べて使っていたのが、定番らしくて安心しました。

マニア向けではないかもしれませんが、基礎知識と実際の作業部分のバランスが非常に良いので是非、お薦めします♪
【目次】
ひと目で分かる組み立て手順
 自分だけのパソコンを作ろう
 ベアボーンで始めるお手軽自作
 知っておきたいチェックと修理のABC
 小物パーツ&テクニック
 かんたんBIOS設定テクニック
 RAIDの基礎知識

最新PCパーツの仕組みを理解する
 CPUの最新事情
 基本から学ぶマザーボード
 チップセットの基礎知識
 
周辺機器でパソコンをパワーアップ!
 大きなハードディスクに引っ越そう
 手軽で便利なNASを作ろう
 パソコンにつないでみよう

パソコン自作をスキルアップ!
 超・基本用語50
 スロット・コネクター大図鑑
 定番オンラインソフト
パソコン自作超入門 2008 (日経BPパソコンベストムック 日経WinPCセレクト)(amazonリンク)

ラベル:PC 自作 書評
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2008年12月07日

「これで半導体のすべてがわかる! 」西久保 靖彦 秀和システム

東芝の株購入にあたって、少しでも業界の知識を得ようと思ったのと、半導体業界に勤める友人の話をより多く理解したいと思って読んだ本。

確かに分かり易く書こうとしているのは分かるものの、回路図出てきても分かりません。いろいろな製造工程の説明等あったけど、門外漢には、乗り越えられない壁があるなあ~。当然、自分の知識がないのを前提にしつつ、入門書として書かれている本ですからね。

そもそも知りたいことが、あくまでももっと大雑把で技術的にどういう潮流があり、それにどこの企業がどのように位置しているかとか。より具体的に実際の最終製品への関与等、業界地図的な情報の方だったので、私の求めるものと違っていたらしい。

これは、本の選択自体の問題ですね。

投資家としての立場では不要だし、通常のPC雑誌の方が面白いです。「ビジネスマンの教科書」というのもタイトルの一部にありますが、この業界で働く人向けなら、逆にレベル低過ぎるんではないかと思うのですが・・・。

私だったら、きちんと技術書から読むと思いますが・・・。

個人的には、読者の対象者が分かりません。知っている人なら、無用だし、門外漢には理解不能です。結論としては、お薦めしません。
【目次】
第1章 半導体とは何か
第2章 半導体産業のいまと未来
第3章 LSIについて知ろう
第4章 情報化社会に役立ついろいろなメモリ
第5章 半導体の前工程
第6章 半導体の後工程
第7章 とっても気になる半導体キーワードを理解しよう!
第8章 半導体世界の今後の展望

これで半導体のすべてがわかる! (ビジネスマン教科書)(amazonリンク)
ラベル:書評 半導体
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2008年12月02日

「ホワイトカラーは給料ドロボーか?」門倉 貴史 光文社

う~ん、著者の主張は正論だと思うし、言わんとすることも分かる。でも、個人的には興味が全然無いです。端的に言うと面白い本ではない。

ホワイトカラーの生産性が低いという根拠となる統計データの問題点を指摘し、労働市場の流動性の担保されていない現状でのホワイトカラー・エグゼンプションは時期尚早というのは、確かに納得なのですが、日経の経済教室の記事を読んでいるレベルで取り立てて目新しいものはありません。

知的好奇心をくすぐられたり、マクロ経済の将来を想定する際の気付きになるようなものはありませんでした(私の場合はね)。

いつの時代でも、仕事をしない(or できない)人はいたし、実績と賃金は相対的には正の相関関係があるものの、絶対的なものではないですしね。

朝会社に来て、始業時間以後に新聞広げて見てるバカいるもんね。始業時間前に、メールの全件でもチェックしろって! そういう奴に限って、定時以後に忙しそうにドタバタしているが、周りにも迷惑をかけ、本当に使えない人います。

つ~か、当人はどうでもいいけど、私の仕事の足引っ張らないで欲しい!! 貴方が邪魔しなければ、半日で一つくらいはツールできるのに・・・。

とまあ、思わず本書を読んでると愚痴の一つも出てしまうが、普通の労働者にはどうでもいいことばかりです。仕事のオフショアの話も、ベタで月並みだしね。淘汰されるべきは淘汰されてしかるべきだと思いますけど・・・。

私の持ち株も含み損4割を軽く超えたりしますが、たとえもっと損をしても、GMやクライスラーはつぶした方が本来の意味で社会の為だと信じてますけどね。銀行もしかり。

まあ、セイフティーネットをどこでしっかり押さえておくかは、当然必須ではありますが・・・私は資本主義を否定する気はありませんね。自助努力しない人や企業が脱落していくのは、当然だと思います。

それよりも努力したり、実績を挙げている人が報われない社会の方が、イヤですけどね。さて、SQLでも勉強しようかな。できることから、ひとつづつでもね。
【目次】
プロローグ 法案提出見送りとなった「ホワイトカラー・エグゼンプション」
第1章 本当に日本の生産性は低いのか
第2章 残業はなぜ増える
第3章 ホワイトカラーの給料はどうやって決まるのか
第4章 日本のホワイトカラーはどこへいくのか
ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)(amazonリンク)
ラベル:労働 書評 社会
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2008年11月30日

「トヨタモデル」阿部 和義 講談社

トヨタを扱った本を何冊か読んでいるが、その中でも使えない本から一・二番ぐらいだと思う。薄い中で、あれもこれもと項目数は多いものの中身が極めて薄っぺらであえて読書する意義を見出せません。

トヨタの何について書きたいのか意味不明?

ピンポイントに絞った雑誌の特集記事等の方がはるかに有用でしょう。著者はマスメディアの方ですが、取材力の無さをさらけ出しています。端的に言って、レベル低過ぎ。

文献を見ても、ただトヨタついて書かれた本を読んで、適当に項目別にして要約しただけの大学生の卒論レベルです。マスメディアとしての付加価値である取材を通した文章ではありません。ほとんど無価値です。

本書を読むなら、「THE TOYOTA WAY」を読みましょう。まさに目からうろこで感動しますし、絶対に心ある人なら、役に立つと信じます!!

しっかし、ヒドイレベルだなあ~。

トヨタの入門書としても、お薦めしません。トヨタの期間工として働くぐらいのことしたら、いかが?と言いたいです。加えていうなら、トヨタ方式として、あちこちで導入は進んだものの、失敗しているのもたくさんあります。郵政公社とか。

何故、成功パターンであるトヨタ方式が失敗するのか、昨今のビジネス書や雑誌では、それらも扱っていますが、本質的な部分であるトヨタイズムが定着しないところでは、天下のトヨタ方式も絵に描いた餅に過ぎないわけです。

どこでもそうですが、最後はまさに末端である『人』がキーですから!

本書を読んでもそもそもの本質部分が分からないので、その後の栄光と失敗を学ぼうにも繋がっていきません。そもそもトヨタに関心を持つなら、トヨタ生産方式こそ全てでしょう。本書は時間の無駄でした。

そうそう、企業風土とかなら、「トヨタ伝」とかの方がはるかに面白いし、よく調べてあると思いますよ~。
【目次】
序章 中部国際空港を生んだトヨタモデル
第1章 「プリウス」誕生
第2章 「販売のトヨタ」の強さと弱さ
第3章 加速する海外展開
第4章 かんばん方式は生き続けるか
第5章 労働組合は会社のいいなりか
第6章 コストダウンの「哲学」
第7章 二十一世紀をにらむ戦略
第8章 トヨタは誰が支配しているのか
トヨタモデル (講談社現代新書)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「トヨタ流最強社員の仕事術」若松義人 PHP研究所
ラベル:トヨタ 書評
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2008年11月24日

「孫正義 常識を破って時代を動かす」板垣 英憲 日本文芸社

改めてみると、ずいぶんと孫氏を扱った本って多いですねぇ~。まあ、一代で通信キャリアを支配下において、日本を変えた、更に日本を変えていく人物ではありますから、当然でしょうか。

さて本書について。
出版されたのが平成9年で、携帯電話事業なんて、全く表面化していなかった時代の話故、正直今ではほとんど色褪せてしまった観のあるJSKYBをさんざん持ち上げています。一概に、それが失敗だったかどうかは微妙なところもあるでしょうが、今だったら、ネットを通じたオンデマンドでのコンテンツ提供で代替されていきそうな気がします。

著者が根っからのマス・メディアの人の為、それなりに調べていますが、根本的な経済センスや素養が不足している感じがしてなりません。たまに完全な的外れでは?といぶかしく思えるところがありました。

また、孫氏の行動をありのまま紹介しているというよりは、著者が好む特定の類型化したパターンに当てはめて、勝手な解釈を加えているのでは?と思う行き過ぎた部分がしばしば見られます。

正直かなり薄っぺらな独り善がり的な文章です。経営者としての孫氏を知るならもっと別な本があるような気がします。私ももう少し探してみたいと思いました。本書はその意味では使えない方だと思います。
第1章 世界情報メディア独占の野望―デジタル革命とJスカイBに参加せよ
第2章 孫正義の原点と独創性―練習錬磨して能力開発せよ
第3章 織田信長に学ぶ孫流「人生五十年計画」―生涯を賭けた長期作戦計画を持て
第4章 「孫の二乗の兵法」と超計器飛行経営―逆境を逆手にとるアイデアで勝負せよ
第5章 孫正義の危機突破の戦略―失敗・困難を勇猛果敢に克服せよ
第6章 孫正義の人脈づくり術―孫流「人的ネットワークづくり」七つの技法
第7章 孫正義の猛烈交渉術―タフ・ネゴシエーターとなって突撃せよ
第8章 孫流ソフトビジネス型資金調達術―死にもの狂いで資金調達せよ
第9章 世界一をめざす孫正義のM&A戦略―疾きこと火の如く事業を拡大せよ
第10章 孫正義の統率力極意十ヵ条―「孫の二乗の法則」の実践
孫正義 常識を破って時代を動かす―情報メディア世界制覇への挑戦(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「孫正義 インターネット財閥経営」滝田 誠一郎 実業之日本社
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「レバレッジ時間術」本田 直之 幻冬舎

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本書自体は、一時間もかからずに読めますが、『効率性』を最終目的にうたっている割に、本文は無駄が非常に多いです。(具体的には、プロローグ、4章、5章、エピローグには全く価値を見出せませんでした)

「レバレッジ・リーディング」はそれなりに読む価値のある本でしたが、二匹目以降のドジョウを狙って書かれた本で、もう何匹目かに当たる本書に至っては、あえて読むだけの価値を見出せません。他書の引用が散見されますが、引用されている本の方がかえって良書で、役立つのは明白です。

本当に『効率性』を求めるなら、本書は読まないことをお薦めします。

もっともこの手の本を初めて読むなら、得るものがあるかもしれませんが・・・。

例えば、ただ漫然と仕事をするのではなく、効率よくする為の仕組みを考える。パターン化したうえで、ルーティン化にまで落とし込む。その際、常に最終的な期限・目標を決めたうえで、逆算してスケジュールに組み込む。・・・・・これらは、普遍的なビジネ・ルールであり、まさに王道そのものです。

でもね、それを学ぶ為なら、本書ではなくワタミの社長の「夢に日付けを!!」を強力にお薦めします。あちらの方が何百倍もシンプルで、且つ効果的な手法にまで落とし込んであり、しかも情熱的でモチベーションアップにつながります。

本書は、なんか怠け者(=効率化の一面的表現)を前面に押し出し過ぎていて、個人的な感想としては、ちょっとイヤ! 勿論、楽をするのは私も好きですが、浮いた時間でより掘り下げたスキルへ深めていく『職人技』的な情熱も絶対に大切だと思うんですよ~。

誰にでもできる形へ落とし込む、業務の標準化・パターン化はOKなのですが、所詮ベスト・プラクティスを求めてもそれって一過性のものでしょ。誰にでもできる仕事は、誰がやってもいいんですよ。そこを通過して、自分しかできない水準にまで高めていくのも私は好きなんですけどねぇ~。

勿論、効率性の前提条件を無視しては、論外ですが、誰でもできるものは参入障壁が低くて、差別化できず、利潤獲得という観点から見た効率性はかえって落ちるような気がするんですが・・・???

おそらく著者は仕事をそつなくこなされる方なんだろうと思います。着実な努力もされる方なんでしょう。でも・・・、私的にはもっと不器用だけど、熱い情熱のもとで仕事に取り組んでいる人の方が好きだし、一緒に仕事をしていても面白い気がします。

私の経験からだと、周りから浮くぐらい突っ走って仕事をしている人も相当魅力的です。誤解されやすいけど、その手の人からは得る物、気付かされるモノが必ずあるんですよねぇ~。そういう人、好き♪

っていうか、業務の効率化って、私がどこの職場でやってきたし、今の職場でやってることなんだけどね。きちんと成果は出ているはずだし、もっとその方面でももっとスキル挙げていきたいなあ~。

私のポジションでは、部署の業務手順自体を変えられないけど、シミュレーションとして業務フローを変えれば、効率化はまだまだできるなあ~と思う日々だったりする。

いつでもチャンスに備えて、日々努力を怠らずに行きましょう♪ 個人的には、本書を読んでワタミの本が実に有用かを再認識しました。それだけでも読む価値はあったかな? 
【目次】
プロローグ あなたがいつも忙しい理由
第1章 時間も「投資」で増やす時代
第2章 成果はスケジューリングで決まる
第3章 仕組み化・パターン化の絶大な効果
第4章 「Doing More With Less」の哲学
第5章 時間密度を高める「チリツモ」技術
エピローグ 人生という時間投資

レバレッジ時間術―ノーリスク・ハイリターンの成功原則 (幻冬舎新書)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「夢に日付を!」渡邉美樹 あさ出版
「レバレッジ・リーディング」本田直之 東洋経済新報
「いかに「時間」を戦略的に使うか」DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部  ダイヤモンド社
「週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号」「グーグル化」知的生産革命
「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」勝間 和代 ダイヤモンド社
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2008年11月18日

「夢に日付を!」渡邉美樹 あさ出版

非常にシンプル且つ定番の手帳を使った自己実現の為の方法論です。

しかし、決して陳腐なありふれた手帳利用法ではありません。いまどきとしては、アナログな手書きの手帳が主役ですが、これだけで一部上場会社(居酒屋チェーンのワタミ)を作り上げた叩き上げの経営者だけあって、本当に役立つことだけが凝縮されている感があります。

自分の夢を的確に把握し、現在の自分の状況を冷静に認識したうえでその間を埋めるものを確定し、それを数値に換算することで日々の生活の中に落とし込んでいく。

単純なようでいて、今の自分には一番出来ていないことをはっきりと気付かされました。と同時に、かつて勤めていたベンチャー企業の社長がそっくりなんですよ~本書の著者と。

毎朝、役員ミーティングの時にA4のノートを見ながら、常にメモしていた課題を確認し、継続事案の進行状況を確認し、各担当役員の報告を聞きながら、その場で気付いたことをメモしていく。

部長相当以上の者には、10年後、5年後の将来像を絵で描かせたうえで内容を箇条書きにし、それと現在との間のギャップを埋める為に、今後何をしていくべきかを各自の目標として落とし込ませたり・・・って、やったことあることばかりジャン!

特に部署の責任者は、目先の緊急の用件よりもその後のことを常に念頭において仕事をするように口をすっぱくして言われたもんなあ~。

その時は、今ひとつ理解不十分だった私ですが、こうして本書を読むことでどこの経営者でも、成功するには、共通する特質を身に付けているんだなあ~と思いました。

『できる、できない』を言う前に、自分の中でその目標が達成できている姿を強くイメージできるか? それが一番大切というのは、強く心に残りました。人間って本当にすごい存在で、『できるな』と思えたことはたいてい実現できるんですよね。逆に『出来ない』と思うと、本当にできなかったりする。私のこれまでの経験からもこれは大いに納得のいくところでした。

本書は決して流行りのタイプのカッコイイ情報術とかではありませんが、確実に『使える』方法論だと思います。自ら成長し続けるタイプの人ならば、必ずなんらかの形で実践しているノウハウが詰まっています。まずは私も夢を書き出してみたいと思いました。

ただね、いささか道徳的過ぎて食傷気味の部分もあります。全部はマネする気ありませんが、手帳ではなくて以前やっていたノートに目標を書き出し、日々の行動へ課題への落とし込む日課を復活させたいと思います。

まずは、昨日から平日の禁酒の実行ですね! 他にもいくつか自己節制の弱い部分をクリアして行きたいです。

以下抜き書きメモ:
夢に日付けを入れて、夢と現実の差を明確にし、その差を日数で割り、日々やるべきことをやり抜く。

イメージできるならば、必ず夢は実現する

1)目標の明確化・・・期日、数値化して設定
2)余計に仕事をする習慣・・・自分の能力+20%増し=120%の仕事
3)絶対にやる、絶対にできるという信念

大切な夢を実現化する為に、ルーティン化する

終わった予定は赤鉛筆で消しこもう
クリアできなかった予定は、翌日の項目に転記する
他の本でも書かれているし、当たり前のことだけど私のできていないのが、この目標の明確化とルーティン化かもしれない?

努力は人に負けないだけするものの、どうしても短期的な感情に左右されてしまう傾向があるなあ~私の場合。合理性を好む部分とそれを嫌う部分が感情の波に翻弄されて、行動が突発的なものになり易い。

たいていの場合に人に負けることなどないはずという小さなプライドで小事は成っても、大局的な大事を成し遂げられていないのが現状だろう。初心に戻って、もう一度目標を決め、日々勤しむっきゃないです!!

シンプルなだけに、本書には気付かされることが大変多かった本です。今日も本書に影響を受けて、まずは、為すべきノルマに追われております。しかし、そうでもしないと何もしないで遊んでしまう我が身を改めて痛感しました。
『日々是決戦!』『ローマは一日にしてならず』「千里の道も一歩から』ですね。
【目次】
1 夢は日付を入れてこそ叶う
2 六本の柱で夢を描く
3 夢を行動に変える
4 達成した姿を繰り返しイメージする
5 実践 手帳の使い方
夢に日付を! ~夢実現の手帳術~(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「手帳・メモ・ノート200%活用ブック」日本能率協会マネジメントセンター
「やる気を起こせ!」ジョージ シン 三笠書房
ラベル:書評 手帳 実用書
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2008年11月15日

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」細谷功 東洋経済新報社

少し前に流行った本です。全体から、結論から、合目的的に論理展開し、物事を効率的に思考する。それ自体は正論だし、非常に素晴らしいのですが、やっぱりなんだかなあ~?という感じがしてなりません。

あくまでも個人レベルで思考するならば、確かに効果的な思考方法なのですが、料金だけ高くて一見すると素敵な業務改善案なのですが、実際に実践しようとするとえてして現場に混乱ばかりを引き起こし、かえって企業活力を削ぐコンサルティング・ファームの人の考え方、という感じなんですよ~。

かつて自動車メーカーの中で一番グローバル化が進んでおり、社内にMBAホルダーを何人も抱えた日産が、駄目になったのは、まさにこの思考方法だと思うんですが・・・。

逆にあくまでも自己流(ローカル・ルール)を貫き通し、世界に広がるトヨタとの違いは、はてさて?

そもそも組織の有する最大の利点とは、多種多様な思考をする人々が存在し、それらの中でアイデアがブラッシュ・アップされ、進化していくことだと思うのですが、本書では最初から最後まで自分一人の視点であり、その枠組み内でしか論理展開されません。実にもったいないなあ~。

「TOYOTA WAY」で語られる『現場』や『改善』といった地に足をついた視点ではありません。勿論、上からの視点と下からの視点が相俟って初めて真の価値が生まれるのですが、想像以上に視野が狭いという印象を受けました。

確かに本書で語られる概算的な数値で本質的なものを捉えようとする、問題解決手法は、有用だし、普通にビジネスをしていれば、絶対に使っているはずのことです。意識している、していないは別にして私も当然、心当たりがありました。

ただ、本書を読んでいて最初に「おかしいな?」を思ったのは、私だったらもっとも大切だと思い、一番最初に確認するはずの「明確な目的」の設定がないままに、いきなり現象としての問題が設定されているところが納得いきませんでした。

電柱の数を数えるのを思考実験として、問題にするのはいいのですが、それはそもそも何の為にその数字が必要なのかが、本書では一切触れられていません。

例えば、日本中の空から電線をなくすために数を知りたいのか? 電力会社の設備投資の費用の一要素を知るためのものなのか? 電柱に張る広告数を知るためなのか? 目的によって、設問自体の解釈・捉え方が影響を受けるし、目的に適した仮説を作る必要があるはずですが、本書は相当一方的に、あくまでも思考実験だから、ネットで調べちゃ駄目とか、実際のサンプルを調べては駄目とか制約条件をやみくもにつけているだけで、他方、必要な条件が明示されていない。

正直、フェアな条件ではない中で自分の主張をしたいが為に無理矢理例題を作っている違和感を覚える。

個人的には思考実験をするぐらいなら、哲学の方がはるかに純粋に論理的思考訓練に役立つような気がするし、現実的な制約下での論理的な思考の限界と妥協を考えるなら法律学の勉強とかの方がずっといいような気がします。

理論は確かに面白いけど、企業活動においては、それが実行に移されて利益という形で実現化して初めて価値を持つものであり、会社によくいる口先だけの存在と紙一重になっているような・・・???

以上、いささか否定的な感想を書きましたが、おそらくコンサルティング会社等では常識的な思考方法みたいです。好例として昨今人気の勝間氏の著者によく出てきてる内容に非常に共通する点がありました。フレームワーク思考とか、MECE(mutually exclusive collectively exhaustive)とかね。参考になることも多々あります。
(章毎にまとめがあり、何気によく整理されていて学び易いのも良い点だと思います)

ふと思ったんですが、これってプログラム作るのと一緒ですね。取り得る限りの全てのパターンを網羅し(考慮し)、それぞれに対して処理が完了するように作らないと、ループしたり、エラーを表示して処理が完了しませんから!

そういう意味では、常に全体から考える俯瞰的な視点無しで書かれたプログラムなんてゴミだもんなあ~。昨日も全てのパターンをつぶすのにえらく苦心してた私なんで、ふと納得しちゃいました。

(もっとも、作り始めは個々のパーツに分解して、それぞれのパーツが正常に動く事を確認してから、全体へと組み上げるのが間違いが少なくて仕事が速いんだけどね。その一方で、パーツ部分を作成しているその段階でも、全体からの視点を意識してるのとしてないのでは、最終段階でも完成度が全然違ってくるんだけど・・・。常に全体と部分のバランスが大切なのでしょう!!)

以下、個人的覚え書き:
地頭力とは「考える力」の基礎となるもの。3つの思考力(仮説思考力、フレームワーク思考力、抽象化思考力)とその土台になる3つの力(論理思考力、直観力、知的好奇心)から構成される。
  仮説思考力―『結論から』考える力
  フレームワーク思考力―『全体から』考える力
  抽象化思考力―『単純に』考える力

地頭力とは考えるプロセスと習慣であり、経営者の視点でもある

フェルミ推定とは、つかみどころのない物理量を短時間で概算することで、問題解決の縮図として応用しやすいツール。

仮説思考のポイント
1)少ない情報から仮説を構築する姿勢
2)前提条件を設定して先に進む力
3)時間を決めて結論を出す力

仮説思考とは、
①手元にある情報だけで最も可能性の高い結論(仮説)を想定し、
②常にそれを最終目的地として強く意識して
③情報の精度を上げながら検証を繰り返して仮説を修正しつつ、最終結論に至る思考パターン
・・・【最終目的地から逆算して考える】
    例:「できることからでなく、やるべきことから」

抽象化の基本プロセスは
 ①抽象化
 ②解法の適用
 ③再具体化の3ステップ

抽象化思考力のポイント
 ①モデル化
 ②その為の枝葉の切捨て
 ③アナロジー
【目次】
第1章「地頭力」とは何か
第2章「フェルミ推定」とは何か
第3章フェルミ推定でどうやって地頭力を鍛えるか
第4章フェルミ推定をビジネスにどう応用するか
第5章「結論から考える」仮設思考力
第6章「全体から考える」フレームワーク思考力
第7章「単純に考える」抽象化思考力
第8章地頭力のベース
第9章さらに地頭力を鍛えるために
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」勝間 和代 ダイヤモンド社
「知」のソフトウェア 立花隆 講談社
「難問を解決する 意思決定の思考法」今井繁之 日本実業出版社
「成功者の絶対法則 セレンディピティ」宮永 博史 祥伝社
限界を突破する「学ぶ技術」羽根 拓也 サンマーク出版
「いかに「時間」を戦略的に使うか」DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部  ダイヤモンド社
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2008年10月29日

「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」橘 玲 ダイヤモンド社

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この分野の草分けにして、後に追随する者をはるかに引き離した独走を続ける著者の最近の本です。

ちなみに実践篇も出てますが、そちらを立ち読みで眺めた限りではあまり面白そうではないし、役に立ちそうとは思えませんでした(余談)。

さて、本書ですが初心者にはついていくことはまず無理です。それぞれに関連する本なども紹介してありますので、自分で分からない事を一つ一つ調べるぐらいの情熱と熱心さがあれば別ですが、チャートを見ていっぱしの投資家気取りのオカルト投資家さんや、主婦で億を稼いだとか、『まぐれ』信奉者には敷居が高過ぎる本です。

その代わり、投資家として最低限の勉強と経験がある方なら、きっと何かしら気付きや参考になるものがあると思います。

教科書的な知識だけの人や、なんの投資指針もないままにただ株や通貨の売り買いしているだけで実のある経験をしていない人とは、真逆の価値観に立つ本です。

私的には、何よりも凄いなあ~と思うのが、たゆまぬ研究心と共に常にそれを実践していく著者の姿勢には、頭が下がるものがあります。行動なき知識は、絵に描いた餅に過ぎません。本書の至るところで散見しますが実にリアルな金融の世界が描かれていて面白いです。

私も少しだけ金融の世界に関わるようになりましたが、正直、こんなもんなんだなあ~と思うこともしばしば。勿論、プロと呼ぶにふさわしい人も一部はいるんでしょうが、現場は何にも分かってないかも・・・? まあ、笛吹けでも踊らず、ではありませんが、いくら上から表面的な教育をしても本質が分かっていないし、それを理解させるべく全社的な強い意志がなければ、成り立たないもんですしね。

どこの会社も、どこの社会も一緒です。一握りのできる人と大半の普通の人と一部の足を引っ張る人、から世界はできているようです。

本書は残念ながら、「金持ち父さん、貧乏父さん」のような一見良さそうだが、得るものは少ない投資の初心者向けではなく、それなりに分かっている人が更に勉強していくきっかけになる、そういう本です。

裁定理論とか効率的市場仮説なんて、基本中の基本だし、懐かしの「伊藤のレンマ」まで出てきたもの(学生時代やりました私も!)。

この辺が前提条件で理解できていない人には、その応用ベースの話だし、どれほど分かるのでしょうか? ただ、基本に忠実に正統的な説明をしてくれているので嬉しいですけどね。より本書への信頼性が増します。

コルレスバンクや武富士の裁判の件とかは、私も関心を持っていたので実に面白かったです。治外法権の隠し口座とかやってそう、本当に(笑顔)。まあ、バチカン銀行やら国際機関も同じ穴のむじなですけどね。

実に刺激的で、勉強になります。ますます調べたくなりましたし、幾つかはアレンジしてやってみたいとも思いました。なんでもそうですが、そのまま行うのはナンセンスですが、少しひねって行動に移してみたいですね(ニコニコ)。

まあ、カバードワランドとかは、ずいぶん前からやってましたが、FXには手を出していません。通貨は国家間の政治的な影響が大き過ぎてマクロ経済の原則が往々にして歪められるので、予測しずらく嫌いなんだよねぇ~。

予測には当たり外れがあるものの、自分で理解できないことをやるつもりはありません。一時は法人名義にしてデイトレやってたけど、年間を通して若干の黒字しかできなかったので止めちゃったもんね。

今年になってから、株式投資を再開したが、もう数十年やってるが、生まれて初めて損してますよ。信用の追証まで発生させてしまったし、資金はあったのに迂闊!!

まあ、今も雑誌等では最悪のナンピン買いと書かれているが、自分よりも株知っているとも思えない人が書いている記事を信じる気にもならず、延々と毎月株を買い増す日々。

分散投資もあえてせず、同一銘柄をひたすら、毎月ナンピン買い。うお~かなり無謀っぽいが、デフォルト・リスクだけはきっちりチェックしつつ、投資銘柄については相当詳しいので腹をくくって有り金をつぎ込んでるなあ。

毎日、十万から数十万損出したって、負けません。信用分もきっちり計算済みですし、含み損が50%以上だって買い続けてます。日経225へ気持ちが揺らぐ事もあるが、今狙っている銘柄以上に評価しているところはないので、破産するまでつぎ込もうっと!

まあ、最悪借金はないので無一文になるだけだしね。さてさて、果報は寝て待てかな?
【目次】
序章 さよなら、プライベートバンカー
第1章 究極の投資VS至高の投資
第2章 誰もがジム・ロジャーズになれる日
第3章 ミセス・ワタナベの冒険
第4章 革命としてのヘッジファンド
第5章 タックスヘイヴンの神話と現実
第6章 人生設計としての海外投資
終章 億万長者になるなんて簡単だ
黄金の扉を開ける賢者の海外投資術(amazonリンク)

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2008年10月25日

「一点集中力」伊藤 真 サンマーク出版

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正直この手の勉強法とか、仕事術的なノウハウ本としては、インパクトは弱い。また、伊藤氏の類い稀なる司法試験の勉強法などと比較すると、方法論としては熟成度がまだまだで洗練されてもいない。

ただ、著者の講義を受けたり、知っている人ならば、全く異なった印象を持つだろう。私も、法律を学んだ時に熱烈に感動した記憶があるので、個人的には興味深かったし、今現在も何に集中すべきか?、その基本的な問いレベルで立ち止まってしまっている自分自身には良い刺激になった。

VBAはとりあえず、たいていのものは作れる自信ができたので、SQLかVB、Cへ移行するつもりだけど、それ以前にもう一度マーケティング関係を目指すべきか、じっくり考えたい。

目標が定まらない勉強は、今ひとつ面白みにかけるしね。

ゴシック建築に関する本を書いてみたいというのも、なし崩しでちっとも進んでいないし・・・いかんなあ~私。昨晩からギアスを7話分も見てる場合じゃないって! しっかりしないとね。

まあ、昨日は雑用的な仕事の邪魔が入らず、集中して仕事できたので一本プログラムできて良かった! 来週はそのマニュアル作って、懸案のプログロムに取り掛かるか。

しかし、依頼者が明確に仕様を理解しておらず、ヒアリングしながら、仕様自体を詰める作業があるので大変なんだよねぇ~。仕様さえ決まっていれば、相当早くできるのだけど・・・ふう~。

以下、抜き書きメモ:
一点に集中するノウハウ=他を捨てるノウハウ
・・・基準1)単純明快なものにする
 2)全体から見た視点で何をすべきか?

真の成長には、あえて自分の許容範囲を超える負荷をかけることも必要

新しいアイデアの生み出し方:
頭に材料を詰め込んで、集めたものをミキサーでかき混ぜる
【目次】
第1章 「一点集中力」で、あらゆる限界を突破せよ
第2章 「仕事」が劇的にうまくいく
第3章 「勉強」の成果を最大限に引き出す
第4章 「一点集中力」を鍛えるトレーニング
第5章 夢をかなえる「一点集中力」

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2008年10月15日

限界を突破する「学ぶ技術」羽根 拓也 サンマーク出版

実はずっと前に読んでいて、今日再読したので忘れないうちに覚書を書いておく。

起業家セミナーや就活、企業内研修等、あちこちで定評を得ている『学び方』を教える講座で有名な羽根氏による本です。

私は大田区のアントレプレナー用セミナーともう一つどこかの講座で直接、羽根氏の講義を受講したのですが、毎回、大変感銘を受ける内容ですぐに行動に移す契機になりました。(会社も作ったしね、その後は紆余曲折あるが・・・)

実際、この本を読めば分かりますが、『自己成長力』というものを認識し、それを意識的に伸ばすことは、人間の人生を切り開く大いなる武器であり、人生をより積極的に価値あるものにしていくことができる素晴らしい能力であることを教えてくれます。

同時にいかにして、それを身に付けていくか、人の行動原理から掘り下げて具体例を挙げつつ、方法論へつなげていきます。

こんなこと言うと、ありがちな自己啓発系の本みたいに誤解されそうですが、いわゆる巷に氾濫する安易でくだらないものとは一線を画すものです。

しっかりした方法論と実地の体験を加えて、常にブラッシュ・アップし続けられているメソッドは、デジタルハリウッド大学院でも採用され、経済産業省絡みのものにも採用されているのも納得するだけの実効性があります。私自身が、実際に行ってみて強く実感しました。

本書が何故売れていないのか、個人的には大変不思議なのですが、司法試験の伊藤真氏と同じくらい、私的には影響を受けてます!!

とまあ、久しぶりに力説したうえで以下、メモ。
記憶は「印象」の強さによって自動的に発生している。

「思考停止」とは、われわれが将来を左右する重要な分岐点に至ったという状況だ。(=成長できるか、成長できないかの分かれ道)
   ↓
  1)正統派思考・・・問題点を解決しようとする
  2)逃避型思考・・・問題点の解決を諦める
   ↓
  3)巧妙派思考・・・できないことを受け入れたうえで、視点を移して別な解決方法を探す

行動は頭で動かず、継続できない。人を動かすのは感情である。
・・・「具体的な体験」→「感情の起伏」→「行動」という経路
他にもその感情の起伏をいかに生じさせるか、更に具体的な手法も記述されているが、あまりにも学ぶ事が多いのでとりあえず、ここまで。

時々、この本を読み返さないと駄目だなあ~。すぐに初心を忘れて、思考停止したり、継続困難になる私です。

ブログを書くのと株式投資だけは、続けているけど・・・。これは何でだろう??? 一度、自分の棚卸しをすべきかもしれないな。ふむふむ。
【目次】
序章 私たちは本当の「学び方」を知らない
1章 思考力のトレーニング―この「アタマの使い方」が、成長を呼ぶ
2章 感情のトレーニング―感情エネルギーに火をつけろ!
3章 行動力のトレーニング―すべての解決メソッドは、いつもあなたの目の前にある
4章 自分力のトレーニング―限界をつくるのも、乗り越えるのもあなた自身
5章 対人力のトレーニング―「他人」を活かして成長する
6章 組織力のトレーニング―成長する組織に共通するもの
限界を突破する「学ぶ技術」―いまの自分に満足できないあなたへ(amazonリンク)

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2008年10月14日

「実践VBAマクロプログラミング」森岡 邦雄 工学社

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複数のブックを開いた時に、異なるブック間でのデータのやり取りの方法を探していた時に目に付いた本。

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この部分だけ興味があったんだけど、たいした説明もなく、あまり意味が無かった。

他の部分も流し読みで一応は目を通したが、この本は駄目!

基本事項の説明が適当で、厳密でないし、分かり易くも無い。基礎が分かっている人を対象にしている・・・とのことだが、本書のどこが応用的な要素か分からない? 全体的なレベルもかなり低い。

そもそもモノクロで見難い上に、ダラダラとコードが書かれているだけで表現上の工夫らしい工夫も見られない。手を抜いているとしか言えません。

その顕著な部分が応用編。ご自分が過去に作ったものをただ示して、実践例とはあまりにもふざけてません?

ほとんど工夫もしていないうえに、あえて抽象化して、教材用に厳選して素材を使うとかじゃないんですよ。ただのサンプルソース(低レベル)をさらしてるだけで、なんの利用価値もないんだもん。呆れ果てました。

自分で作ったVBAの方が、正直使えるのではないかと思う。申し訳ないが、もっと工夫してるよ、私ごときでも。

少なくとも本書でVBAを身に付けることなんてできないし、完全な時間の無駄でしょう。先日読んだ「Excelの極意(6)「VBA」を極める」 の方がはるかに役立ちます!!
【目次】
第1章 VBAマクロの基礎
準備
基本的なマクロ例「セル操作」
マクロの編集
ステップアップ「記述によるマクロ作成」
関数
実行方法「3つの方法」

第2章 実践マクロへの準備
繰り返し命令
変数の型と定義
文字の加工
リスト・ボックス
CALL文
その他のマクロ
マクロを補完するexcel関数
便利な操作

第3章 応用編―西体育館受け付けマクロの解説
西体育館受け付けマクロの概要
最初の計画
実践マクロの紹介
実践VBAマクロプログラミング―Excelの効率を大幅アップ! (I・O BOOKS)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「Excelの極意(6)「VBA」を極める」早坂 清志 毎日コミュニケーションズ
「仕事に使える Excel マクロ&VBA の基本がマスターできる本」小館由典 インプレス
「エクセル関数できた!」アスキー
「Excel 計算表で帳票の作成・集計に便利な [関数] 技2」川口 輝久 技術評論社
「日経 PC 21 2008年 08月号」日経BP出版センター
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2008年10月05日

「失敗学のすすめ」畑村洋太郎 講談社

【途中まで書きかけで忘れていたもの。半年前のものでもう記憶が怪しいのでそのままにしておきます。】


成功事例の共有は、広く一般的になってきたものの、マイナスのイメージのつきまとう失敗事例の共有というのは、なかなか難しいのが実際だと思う。

また、本質を見過ごした表面的な『効率性』が叫ばれる昨今、より一層失敗は効率性とは対局なものとして捉えれ、できれば避けるべきものとおもわれがちです。

しかし、本書では『失敗』をむしろ積極的に捉え、創造力に必要不可欠な必須の要素として失敗を認識します。致命的なものに至らない『失敗』(=最小のロス)から、より多くのことを学び真の創造力へ結び付ける点こそが重要だとします。

言い換えれば、いかに効率良く失敗するか、避けられない失敗を忌避するのではなく、そこから成功へつなげるポイントをいかに見出すのか、大変勉強になる話です。
(・・・猫も杓子も『グーグル化』とベスト・プラクティスを求めるが、そこに至るまでの過程の大切さが理解できない人達は、所詮、付け焼刃の知識しか身に付かないんだろうなあ~と思わずにはいれません。本書を読んでいて、ふとそんなことが頭に浮かびました。)

著者は大学の先生ですが、思わずこの先生の下で工学について学びたいと思ってしまうほど、この本の主張には共感させられます。

もう、私の仕事なんて、いつも前任者がいない全く新しい部署とか業務とかが多いからまさにコレだったりします。常に自分で情報を集め、試行錯誤して業務手順を作り上げ、システム化&ツール化し、部下や同僚に教えていく。そんなのばっかりだもんなあ~。

新しいことをすれば、当然失敗があるので、決まりきった業務をするだけよりも何倍もの余計なことをする羽目になることも多々あるもんなあ~。その代わり、出来上がったものを使えば、必ず作業効率が数倍~数十倍に挙がるわけですが、途中が大変なんですよ。何事もね。

そうそう、

【目次】
プロローグ 失敗に学ぶ
第1章 失敗とは何か
第2章 失敗の種類と特徴
第3章 失敗情報の伝わり方・伝え方
第4章 全体を理解する
第5章 失敗こそが創造を生む
第6章 失敗を立体的にとらえる
第7章 致命的な失敗をなくす
第8章 失敗を生かすシステムづくり
エピローグ 失敗を肯定しよう
失敗学のすすめ (講談社文庫)(amazonリンク)
ラベル:書評 失敗
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2008年09月30日

「サービスの極意」田崎真也 新潮社

ご存知、世界NO.1のワインのソムリエに輝いた田崎真也氏の著書です。

本当のことを言うと、TVで見る田崎氏は、いかにもメディア受けしそうな媚を売っているイメージがあって、良い印象を持っていませんでした。しかし、友人で田崎氏のワインの講座を受けている人(その人もなかなか個性的で珍しい人ですが)が、「いやあ~あの人の気配りは凄い!」と珍しく言っていたので気になっていました。

たまたま、書店で田崎氏の本を見つけたので読んでみました。いやあ~、これは素晴らしい本です♪ 

目標に向かって、努力を続ける飽くなき向上心もさることながら、本書では『サービス』というキーワードで語りながら、自分の仕事として何が求められていて、何をすることが一番大切か、本質を理解している点が非凡です。

これは、接客業に限らず、全ての仕事において共通する要素であり、ある意味、これが分かっていない人がどれほど多いかを痛感させられるポイントでもあります。

こうすれば客が喜ぶとか、勝手な思い込みで仕事をしている人がどれほどいることか・・・。あるいは、これだけやれば、私の仕事は果たしていると勝手な枠をはめて、自分の仕事を、そして自分の可能性を、いかに小さな枠に押し込めている人が多いことか・・・。

私自身も身につまされることが多く、耳に痛いお話も多いのですが、まさに『プロ』だなあ~と感じました。そうですね、偏屈で傲慢な職人ではなく、腰は低いが、自らの仕事にプライドを持った職人のような恰好良さとでもいうべきものでしょうか?

心ある人が読めば、きっと何か学ぶべきことを見出せる本だと思います。人生は全てが勉強だし、そう思って努力し生きている人は、人生が、そして仕事が楽しくなるだろうなあ~と改めて強く思いました。

顧客の顔が見えない、しょーもないマーケティング戦略を考えるのに夢中な人々に読んでもらいたい本ですね。もっとも、そういう人には、本書の価値は、伝わらないんだろうなあ~。

と、今日も安ワインを飲んでいた私は、思ったりする。

あとね、表面的には至れりつくせりの日本の旅館のお仕着せのサービスは、独り善がりで真のサービスではない!など、頷かされる点が非常に多いです。

客の都合も考えずに、勝手なタイミングで布団を敷きに来たり、客の選択の余地無く、決まったコースの食事を運んでくるなど、お客の望むサービスではなく、旅館の思うサービスを押し付けているに過ぎないと私も日頃から不満に思っていたのでまさに我が意を得たり!っていう気持ちです。

自分の仕事は誰の為に、何を為すべきか、改めて深く考える契機になる素晴らしい本だと思いました。
【目次】
序章 どんなことにも柔軟に応じよう―サービスの原点
第1章 向く人向かない人―サービスはクリエイティブで面白い
第2章 サービス自由自在―すべてはお客様のお好みしだい
第3章 ワン・オブ・ベストを目指せ―お客様のアシスト役を極めるヒント
第4章 心地よさを提供する―より洗練されたサービスの極意
サービスの極意 (新潮文庫)(amazonリンク)
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2008年09月25日

「Excelの極意(6)「VBA」を極める」早坂 清志 毎日コミュニケーションズ

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何本かACCESSやEXCELでマクロやVBAを作って、ようやく少しVBAが分かってきた感じの私が、もうちょっと細かいことをいろいろ知りたい!&プログラムとしての処理の基本をきちんと押さえておきたい!
そう思って、探し出した本です。

本当の初心者、入門者には敷居が高い本になってしまうかもしれませんが、実際にいろいろ作っている方には、もう一段高いレベルの力をつけられる良い本です。

第1章は、初心者を卒業しているなら、知っていて当然のことばかりですが(私も知ってたぐらいだし)、実によくまとまっていて基本の再確認ができます。おそらくたいがいの入門書はこの1章レベルまでいきません。

2章以降は、それぞれの項目毎になっていて全てを目を通すもヨシ、必要な時に必要な部分について参照する使い方もヨシで自由な利用ができそうです。私は、2章ぐらいまで全部読んで、後は、使いそうな部分や面白そうな部分を拾い読みしているところです。

実際、紙面も大きい上に見易い色使い、説明自体も分かり易くて結構気に入りました!  

解説しているスキルも初級後半から中級以上と言ってもいいかもしれません。 on error resume next や on error goto 0 といった基本的なエラー処理やworksheets と sheets の違い、range や cell での指定のの違いなども実に分かり易いです。

ctrl+jで自動メンバ表示機能とか些細なことですが、知っていると大変便利なことも情報として、きちんと紹介されています。(私、悲しいことに知らなかった・・・)

なんとかマクロやVBAは作れるものの、あと一歩の基礎+αを求める方には、最適ではないでしょうか? ただ、office2007が基本なのがねぇ~。会社も自宅も2003しか使ってないので、ちょっと残念ですが、2003以前のものへの対応関係も含めて、一緒にきちんと説明してあるのであえて気にしなくても大丈夫です。

買って正解だった一冊ですね! 入門書の次に買う本だと思いました。
【目次】
第1章 マクロ作成の基本テクニック
第2章 セルや行・列に関するテクニック
第3章 シートに関するテクニック
第4章 ファイルに関するテクニック
第5章 シートフォームの設計テクニック
第6章 カスタムダイアログの設計テクニック
第7章 データ操作に関するテクニック
第8章 印刷その他に関するテクニック
Excelの極意(6) 「VBA」を極める(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「仕事に使える Excel マクロ&VBA の基本がマスターできる本」小館由典 インプレス
「日経ソフトウエア 2008年 07月号」日経BP社
「日経 PC 21 2008年 08月号」日経BP出版センター
「エクセル関数できた!」アスキー
「Excel 計算表で帳票の作成・集計に便利な [関数] 技2」川口 輝久 技術評論社
「超図解 Access2003 総合編」エクスメディア
「一歩先ゆくAccess2000裏ワザテクニック」大園博美 秀和システム
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2008年09月15日

「SEのフシギな職場」きたみ りゅうじ 幻冬舎

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何かの書評かな? 書名と簡単な紹介を見て興味を持っていたら、本を見つけたので読んでみた。

著者の言葉によれば、SE業界の「イルイル(こんな人)辞典」ってな具合で書かれた本だそうです。実際に読んでみると、確かにこういう奴(上司&部下)いるよねぇ~と思わずにいられない人達が出てきます。

どんな職場でも、おそらく本の読者はすぐに該当する人物を頭に思い浮かべられる、そんな方々が現われます。そして、いつも貴方に接するが如く、仕事の邪魔ばかりで絶対にあんたいない方が生産性上がるよ系の上司や、お前の子守の為に会社は給料払ってんじゃねえよ系の部下などが出てきて、どこの世界も同じなのかあ~とふと自分だけの不幸じゃない事を再認識させられます。

正直、これを読んで一番実感できるのは、中間管理職の名の下に上下から理不尽な圧力を受けている人ではないかと思います。もう少し上になると、上意下達の論理が強くなりますし、下の人には、しょせん読んでも実感できません。

部署内の調整とかばっかりやって神経すり減らしたりすると、嫌ってほど分かるかも?

まあ、私の場合、SEの世界は、少し近い距離で眺めたことがあるくらいでむしろ無理難問を突きつける発注先の方だったので、事情は異なりますが、SEに限らず本書に出てくる環境は、普遍的なものです。

与えられた仕様から逸脱し、勝手なものを作成してしまうプログラマーとかさ。たとえそれが優れていたとしても、契約外のものは、価値がゼロだし、そんなもの作っているのは、遊びでしかありません。納期に遅れれば、信用問題になり、最悪は損害賠償請求や、代金の大幅な値引き要求につながります。

言われたものを作ることが仕事なのに、意欲が空回りしてこういうことをしてしまう人っているんですよ~。本人に悪気はないんだけど、仕事としては全く価値の無い事をしちゃうのが。

私の部下にもこういうことは何度もありましたし、その都度説明して、やるなと言っても納得しないんですよ~。もっとも私も社長から、言われたことありますけどね。「そんなものは僕が指示した覚えはない。指示した以外のことをしているのは、仕事じゃない!」って。

その一方で、本当に言われたことしかしないのもまた困りもので、言わなくともそれぐらいは気付けよ~。なんてこともあって、そのバランスをいち早く掴めるか否かが、『出来る人』か否かの分かれ目だったりしますね。

そんなありがちなことをする人の話が続々と紹介されています。

4コマ漫画もあって、それなりに面白いのですが、正直暇つぶしの域を出ません。読んでも何もならないですが、TV見てるよりかはいいかも?

もっともらしい教訓なんかも書かれていますが、あれは余計ですね。個人的には、そこは全部読まずに飛ばしました。この本から教訓を得るってのは、無理がありますね。何らかの付加価値をつけたい出版社側か著者のすけべ心の産物でしかありません。不要です。

知っている人なら、全部知っていることですし、知らなかった人には、恐らく無意味な話です。まあ、雑誌のコラム的にあったら、面白いかなあ~というレベルです。

SEのフシギな職場―ダメ上司とダメ部下の陥りがちな罠28ヶ条 (幻冬舎文庫)(amazonリンク)
ラベル:SE 書評
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「個人投資家のための信用取引の儲け方」石井経済研究所 アスカエフプロダクツ

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先日、信用取引で軽く大損した(追証が発生したのに入金日を一日誤解してて、強制決済されちまった!)ので初心に帰る気で読んだ本です。

まずは信用取引の初心者には必須の基本事項の説明がしてあります。その辺は、過不足なくOK。

ついで、テクニカルな売買タイミングの解説があります。まあ、テクニカルと言っても、いわゆる根拠の無い経験則(+α)オカルト的予断の個人的おまじないレベルの話ですので、パラパラと飛ばし読みで良いでしょう。

普段だったら、これで書評終りなんだけど、先日、今更初心者でもあるまいに・・・と思っていて信用取引で墓穴掘ったばかりなんで、自分なりに反省すべきことが多く、本書の中の記述にも改めて気付かされることも多かった。

投資をする以上、当然の前提なんだけど、事前に損切りや売りのルール(基準値から10% or 20%の乖離でアクション)を決定し、その基準になったら、機械的にルールに従って処理するとかね。

サンク・コストなど人は常に過去の行動にひきずられて、現状認識にバイアスをかけてしまう為、株とか塩漬けにしちゃうんだよね。投資する前から塩漬けの場合のコストまで計算して投資してたんだけど、想定外の株価暴落に対してまで、考えていなかったのが今回の敗因。

追証で確定した分の1.5倍まで追加入金する準備してあったのに、旅行でネットを見なかった数日が大失敗の原因だった。うかつ~(号泣)。

しかも今回は、意図的にリスキーなポジションにしていたので(信用取引と同一銘柄を現物でも購入し、代用証券として保証金の一部に組み込んでいた為、更にレバレッジがかかっていたりする)、あっというまの急落に対応できなかった。

ちぇっ! 現在はだいぶ株価が持ち直しているだけに、惜しい事をしました。本当なら、ナンピンで買い増す局面なので残念です。

まあ、短期的には売りですが、長期的には必ず上昇するのが目に見えているだけに悔しいです。後は、現在の価格が数ヶ月続いてくれることを願うのみ。その間に、もう一回仕込み直す予定。

中長期投資において、株価の下落は、最大のバーゲン売り場。皆が絶望している時にこそ、有り金全部を突っ込んでおかねばね。分散投資でリスク軽減というのは、それなりの資産が出来てからの話だし、たいした額でないなら、徹底的に絞って一点集中投資の方が効率がいいのは自明でしょう。

人の意見に従うような人は、投資に不向きでしょう。独善こそ、最善かと。但し、謙虚さの欠如した無知は、論外。さて、私の場合は、どうなることやら???

もう一度、最悪のシナリオを想定して、対応策を考えたうえで毎月ひたすら買い増し続けますかね。とりあえず、5年後に3倍以上が最低の目標ラインです。じゃなきゃ、意味ないしねぇ~。
【目次】
プロローグ 信用取引をやると、なぜ儲かるのか!?
1 信用取引の仕組みと始め方
2 信用取引ではリスク回避の準備も大切だ
3 信用取引の売買の知識
4 信用取引ではこんな決まりを知っておこう
5 信用取引の買建のタイミングはここだ
6 信用取引で買ってはいけないタイミングはここだ
7 信用取引の売建のタイミングはここだ
8 間違っても売ってはならないタイミング
9 リスク回避のための「損切り」のタイミング
10 信用取引ではこんなことをしてはならない
個人投資家のための信用取引の儲け方―ネット取引で「個人」はどのように勝ち抜けるか (アスカビジネス)(amazonリンク)

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2008年09月11日

「ウォール街を動かすソフトウェア」手塚 集 岩波書店

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先日「まぐれ」を読んで、モンテカルロ・シュミュレーターについて興味が湧いていたところ、本書でちょうどそれを分かり易く採り上げていたので読んでみました。

結論から言うと、これは実に良い本です!

まず第一に、
知りたかったモンテカルロ法の本質を理解できたうえに、それが有する限界(乱数があくまでも擬似的なものの為、必ずしも期待通りの理論値に収束しない場合が有り得る)なども分かって、大変勉強になりました。

細かい計算部分は、正直言って100%理解できていませんが、その式が意味するところはなんとか分かりました(と思う)。


第二に、
まさにこのモンテカルロ法によって、途中返済なども含めた複雑な金利計算が可能になり、住宅ローンを証券化したモーゲージ証券の一大デリバティブ市場が拡大していったことを知った。

こう書くとピンとこないかもしれないが、これがまさにサブプライム問題に直結していたりする。恥ずかしながら、本書を読むまで私の中ではそれらが全然結び付いていませんでした。サブプライム問題の基底にも、デリバティブがこれほど関与しているとは・・・。

う~ん、90年代以降の金融問題って、改めて考えると即ち、デリバティブなんですね! LTCMの破綻を契機にしたアレもそうだし・・・。

他にも、おおっ、そうか!っていう感じで勉強になることが多いです。しかも、非常にシンプルに書かれていて数式も最低限度以下しか使われていません(でも、わかんないとこあったけど)。

いやしくも『金融』機関の関係者なら、知っておいてしかるべきでしょう。たぶん、みんな知らないだろうけどね。関心もなさそうだし・・・。

まあ、他人は他人として、単純な知的好奇心のある方でもすんなり読めると思います。もっとも "finance" の講義を受けたことがある方なら、既知のことばかりでしょうけどね。裁定価格理論とか、基本中の基本事項です。

でも、モンテカルロ法が原爆開発の為に生み出された手法というのは知らなかったなあ~。今から20年ちかく前か、その時、教わった記憶がないんだけどなあ・・・。ちぇっ! 知ってたら、修論に絡ましても良かったのに!

数学に抵抗感がなく、経済に興味のある方なら、かなりお薦めです。初心者向けの非常に良い本ですが、最低限度の数学的素養がないと、薄くて分かり易いけど、ついていけないでしょう。ご注意を。

と同時に、本書より分かり易く書かれた本はたぶんないでしょう。
【目次】
1衝撃の手法、ウォール街を走る
2黄金の国ジパングから現代のデリバティブまで
3天文学的な数値計算―デリバティブの怪物
4マンハッタン計画とモンテカルロ法
5ディスクレパンシー法―二一世紀の技術
6未来を予測するソフトウェア
ウォール街を動かすソフトウェア (岩波科学ライブラリー)(amazonリンク)

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「まぐれ」ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社
「週刊 金融財政事情 2008年7月7日号」
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2008年08月30日

「成功者の絶対法則 セレンディピティ」宮永 博史 祥伝社

serendipity.jpg

私が初めて『セレンディピティ』という言葉を知ったのは、今も大いに影響を受けている羽根拓也氏の講習を受けた時のことです。知らぬ間にいろいろな本が出ていたんですね。

本書は、まさに『セレンディピティ』一点に絞って、その内容と具体的、且つ応用範囲の広い事例で大変分かり易く紹介されています。

ポストイットやトヨタ生産方式など、非常に有名で知っている事例も多いのですが、小柴さんのカミオカンデ、そこに至るまでの非凡な行動力までは知らなかったのでちょっと感動しちゃいました。情熱とそれが支える行動こそが、幸運な偶然を引き寄せるというのは、納得です!!

セレンディピティ自体をご存知でない方には大変良い入門書となるでしょうし、知っている方でもそれを更に掘り下げて構成要素レベルまで還元して応用水準を広げているので、本書は十分に読む価値があると思います。

昨今のビジネス書にありがちな大きな活字でスペースが多い体裁ですので、1時間もかけずに読破できます。しかし、ここから汲み取ったポイントを本当に生かすことができれば、大いに得るところのある本だと思いました。

以下、読書メモ。
セレンディピティ:
偶然を捉えて幸運に変える力


セレンディピティを遠ざける「玄人発想」
 《前提条件まで含めた》過去の経験の知識化がされていないと、発想の芽を摘んでしまう場合が往々にしてある

「素人発想」プラス「玄人実行」が有効
 既存の枠に囚われず、自由な発想が大切だが、生まれたものを形にするには、実現に向けた徹底した執念・情熱とその為の適切な行動がなければ、単なる『思い付き』で終わってしまう。

偶然のひらめきをモノにするためには、まず専門的な言い回しを、具体的な顧客の言葉に翻訳することから始めてください。顧客が正しく理解できて、初めて偶然が偶然でなくなり、成功への道筋がつながるのです。
メーカーあるいは技術者の発想は、得てして独り善がりになり易い。技術的に水準が高いことがマーケティング的に価値が高い事には繋がらない。私の経験で言えば、通販会社で商品コピーを書く際には、その商品を使った時、消費者にとってどんな価値があるか、その価値をピンポイントで絞り、それを効果的に伝える言葉(=イメージできる単語)を厳選する。そのプロセスに重なると思った。
【アイデア作成の原理と方法】(「アイデアの作り方」ジェームズ・W・ヤング)

原理Ⅰ
アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない
原理Ⅱ
既存の要素組み合わせて新しいアイデアを生む才能は、物事の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい

STEP①情報の収集(得ようとする特定情報&すぐに必要でない一般情報)
STEP②集めた情報を頭の中で咀嚼する
STEP③問題を放棄する=無意識化での作業
STEP④ふとしたきっかけでアイデアが生まれる
STEP⑤論理的な思考を駆使してアイデアを育てる=玄人実行
本文中では「小人さんが来た」という表現があるが、誰でも経験があるのではないだろうか? 一生懸命仕事をしている人ならば、誰でも。私もたびたび経験した覚えがある。夢の中や電車の中でぼお~っとしていてふと思い付く時が多いかも?

ある処理をさせたい時にどうしてもうまくいかず、しばしば行き詰る事がある。そういう時は、しばらくアレコレ試行錯誤しても駄目だったら、一旦やめてしまうのが良い! 

別なできる部分だけ先にプログラムを書くとか、全く違う仕事をしたりしていると、ふっとアイデアが湧く。すると、どうやっても出来なかった処理が一瞬にして解決するんだからなあ~。この瞬間がたまらなく嬉しいし、楽しい♪

顧客の購買履歴データベースで分析をしていて、ふっと思い付いた手法を試してみる。すると・・・非常に高レスポンスの顧客を効果的に選別できたりする。で、次回の販促企画に反映し、その結果が予想通りになる。これも同様の高揚感を与えてくれる仕事だよねぇ~。

まあ、私の場合は大きな成功には繋がっていませんが、とりあえず身近な範囲では結構評判いいですし、まずは地道に経験値を上げていきたいですね! 将来の大きな飛躍へつなげる為にもネ!

そうそう、巻末の参考文献が結構、有用です。忘れないようにメモっと。
エヴァン・I・シュワルツ 「発明家たちの思考回路」ランダムハウス講談社
金出武雄「素人のように考え、玄人として実行する」PHP研究所
マークブキャナン「複雑な世界、単純な法則」草思社
【目次】
1章 「セレンディピティ」って何だろう?
2章 誰にも訪れる「セレンディピティ」
3章 「無関係なもの」を関連づけてみる
4章 「素人発想」プラス「玄人実行」が有効
5章 「想定外」を考えておくことの重要性
6章 「偶然のひらめき」が生まれる瞬間
7章 「論理的思考」とセレンディピティ
8章 セレンディピティが訪れる組織
成功者の絶対法則 セレンディピティ(amazonリンク)

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「PRESIDENT (プレジデント) 2007年 3/19号」プレジデント社
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2008年08月24日

「週刊 金融財政事情 2008年7月7日号」補足メモ

「週刊 金融財政事情 2008年7月7日号」をもう一度読み直したので、忘れないうちにメモメモ。先日のものと当然重複している。


SCモデル・・・スコア算出の仕組みで質的選択モデル

モデルの留意点
1)サンプルバイアス:
モデル構築時のデータは貸出を行った先のデータの為、金融機関が貸出を断ったデータが用いられていない。
←潜在的融資先を利用すべき
2)景気変動問題:
景気停滞期のデータで構築され、景気回復期に使われた
3)米国モデルとの違い:
企業経営者に関する情報が変数として組み込まれない

SCは数多くの貸出を束ねて一つの与信プール(ポートフォリオ)と捉えれば、収益性を十分に見込めるビジネス

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新銀行東京の失敗
一般の金融機関が貸出を断った先が「新銀行にとっての潜在的融資先」
=伝統的審査で貸出できないと判断された先がSCでは高いスコアを得たというのは、ハード情報の不適切さ(例、粉飾)があったとしか考えられない

ハード情報に加えてソフト情報があれば、デフォルト率は下がったはず
   ↑
経営者情報のようなソフト情報の欠如は、ただでさえ存在する貸手・借手間の情報の非対称性に拍車をかけた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今後のSC貸出に必要なこと
Ⅰ情報の非対称性の問題
 1)粉飾等を防ぐ
 2)モデルで計れない部分の重点チェックリストを作成
   ←何故、高スコア先がデフォルトしたのかの分析
 3)SC融資担当者へのインセンティブのつけ方
   融資後のパフォーマンスも考慮

ⅡSCモデルの使い方
 モデルに関する教育の必要

Ⅲスプレッド水準
 厚めの利鞘の確保
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


以上、改めてみると、酷いなあ~。こんなんで良く追加で資金を出したなあ~東京都。インセンティブ関係もひどいが、モデル自体を理解しないままで使っていたなんて・・・絶句!っしょ。

でも、それと近いことをしている所も多いのかもなあ~。会社レベルでそういうことをしているところもあるだろうが、昨今流行の外貨FXやカバードワランドなどの金融商品の仕組みをきちんと分からずに無知なまま、適当に使っている個人も多いもんなあ~。

知らないからこそ、できる運用手法を自慢げに本になっているのを見たことがあるが、ありゃ神頼みや占い以上のモンではないしねぇ~。そうは言っても、理論だけで儲けられない専門家も使えないし・・・さて、困った&困った。

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「週刊 金融財政事情 2008年7月7日号」

ラベル:雑誌 金融 書評 貸出
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2008年08月23日

「週刊 金融財政事情 2008年6月30日号」

kinzai20080630.jpg

これも結構面白かった。私もイーバンクをはじめ、ネット銀行関係の口座をいくつも持っているが、実物の店舗もいらないし、かなりの部分をシステム化すれば、人件費も削減できるから、運営コストは相当低くて済むのかと誤解してました。

何気にコストがかかるんですね。安全性などを考慮する余り、システム関連費とかも相当金くっていそう・・・。それとも効率の悪いシステム開発(委託)とかやっているのか???

知り合いからもあの手のは、仕様段階での詰めが甘く、現場レベルでの効率性に十分に寄与しないモノが結構、ボコボコ単発で作られているような噂も耳にする。

一般論ではなく、個別具体的な利用場面を想定して、現場のユーザーからきっちり要求するもの(当人には自覚できていないレベルまで含めて)を汲み上げて作り込むべきなのでしょうが、言われたことをただやるので終わっているんだろうなあ~。もっとも昨今は、言われてことさえ満足にできない水準らしく、システムトラブル多いものなあ~。

まあ、それはおいといて。
せっかくネットで資金を集めても、運用先がなくて債権投資などしてるってのは、知りませんでした。農林中央金庫とかみたい。本誌で初めて知りました。せっかく資金があるのに、それって考え無しなんですね。いささか経営戦略レベルでマヌケっぽいかも?

そうそう、その延長戦上つ~か、絡みでSBIコングロマリットって面白いですね。以前、孫さんを扱ったインターネット財閥って本がありましたが、SBI証券(旧イートレード)を足がかりに銀行、生損保などを矢継ぎ早に作って、顧客の大掛かりな囲い込みしてるんだ。

携帯やヤフーBBとかもグルだもんな。ネットで検索という行為自体が即、ソフトバンクグループと係わり合い無しにすまないもんね。う~ん、よくやるよね。

そのうち、次期オールドエコノミーになるTV産業とかも傘下に組み込むんだろうなあ~。

以下、メモ抜き書き:
キーワード:ネット上で広がる金融コングロマリット

ブローカレッジ&インベストメントバンキングがグループ全体の収益の半分(426億円中の250億円)を占め、アセットマネジンメントが165億円と続く。上記の2分野は市況に影響され易い特徴がある

対応策として、ファイナンシャルサービス(ネット銀行、ネット生損保)、住宅不動産関連の強化

SBI銀行の顧客は、半分がSBI証券に由来し、将来的には証券に代わってグループの中核に。

損保は自動車関連で、生保は住宅をターゲットにし、それらに関わる部分も全てグループ会社を設立して顧客レベルでのワンストップサービスと共に、全て自グループ内で完結する仕組みを作りつつある。
実に興味深いね。これらの金融持株会社がSBIホールディングスなのだけれど、先日のゼファーがこけた件と市況の悪さなどから、タダ同然の価格だったりする。

配当の利回りだけで5%超えるのに、あの安さ。もう少し私も仕込んでおこうっと! さて化けてくれるといいが・・・。
【目次】
特集 ネットバンキングの夢と現実
ネット専業、サービス&コストの優位性を発揮できず、価格競争で体力消耗
パイオニアの破綻が象徴する米ネット専業銀行の転機
地域銀行のインターネット支店戦略
決済手数料ゼロ時代見据え、ワンストップ化急ぐSBIコングロマリット
ネット生保の可能性

頻発するインサイダー事件の教訓は何ですか?

S&Pによるリスク調整後自己資本の枠組み

■NEWS SQUARE
金融庁、検査マニュアルで検査官の基本姿勢を明示
全銀協が反社会的勢力情報をデータベース化へ
金融トラブル連絡調整協議会、座長メモを公表

■マーケットを読む
海外経済と金融政策(中国経済)
急ピッチの準備率引上げ後のサプライズは大幅利上げか

■書評
『コア事業進化論-成長が終わらない企業の条件-』
クリス・ズック 著、山本真司・牧岡 宏 訳
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「週刊 金融財政事情 2008年7月7日号」
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2008年08月21日

「週刊 金融財政事情 2008年7月7日号」

kinnyuuzaisei.jpg

暇つぶしに会社にあった雑誌を眺めてみたら、ちょっと面白い記事を見つけた。『中小企業向けスコアリング貸出の失敗に学ぶ』というもの。

それなりの期間、通販会社で販促企画や顧客管理をやってきた私にとっては、あれだけ金と人と時間という資源に恵まれた金融機関では、当然とっくの昔に活用され、当たり前のツールだと思ってたのですが、違っていたようです。

やっぱり規制に守られていた金融機関って、『ゆとり』世代だねぇ~(笑)。昔GE capitalで面接を受けた時に与信管理で経験を生かしてみないか・・・的なお話を頂いたことがあったが、今になってようやくその意味が分かった私も、結構間抜けなんだけどね(自爆)。

まあ、それはおいといて。
今回の記事では、東京都が税金を浪費して大問題になった官業銀行の最低レベルの新銀行東京(だったっけ?)の失敗について書かれていて興味深い!

モデル作成時にサンプルを取った時と前提となる経済状況が異なっている点や、他の銀行が融資を断ったところがそもそも審査の対象となっている点で負のバイアスがかかった集団への融資となり、ここでも前提条件が違ってしまっている点などの指摘には、なるほど・・・と頷かされる。

また、融資担当者への誤ったインセンティブの与え方で、本来はデフォルトしない企業に融資した割合など当然考慮されるべき要素が一切無視され、単なる貸出金額だけが基準となった為、融資を受ける企業と担当者の悪意による共謀(そこまではいかなくても、あえてマイナス面を無視して融資)などがまかり通っていたことが指摘されている。

十分な監査などもなされない中小企業故、財務情報の粉飾等についても指摘されている。まさに、もっともな話だ。

実は、なんでそこまで石原氏主導の銀行が税金の浪費を今もなお進めているのか不思議に思っていたのですが、本論を読んで納得がいきました。然るべくして、駄目な銀行だったわけです。

もっとも、民間の金融機関ならば、そんな状況が生じてもすぐに問題が顕在化し、早期に軌道修正也、貸し出し手法の停止也が行われたでしょうが、お上のやる事は怖いですね。みんな見てみぬフリか、あるいは本当に気付かないほど駄目駄目だったのか・・・まあ、どちらか知りませんが、公共事業と相通ずるものを感じずにはいられません(涙)。

久しぶりに面白かったです(笑顔)。

でもって、もっと知りたいなあ~と思って探してたら、以下に上記の内容を更に詳しくしたものを発見! 無料のpdfとして読めるので一読をお薦めします。

そちらの方が、雑誌の記事よりきちんとモデルも提示されており、勉強になります。

クレジット・スコアリングと金融機関経営~日本経済研究センター~
クレジット・スコアリングと金融機関経営
―第1世代の中小企業信用リスク計測モデルを用いた検証

【要旨】
本稿では、この数年で急速に一般化してきたスコアリング貸出の定量的な情報を用いて、金融機関経営とスコアリング貸出市場の今後の拡大の可能性について検証する。金融機関の貸出行動をモデル化し、Moody’s モデルを使った貸出のシミュレーションを行ってみると、単独の財務指標に頼って貸出の可否を判断するよりも、高い収益性を実現することが確認される。

 ただし、個々の企業レベルでみると、高いスコアを得ていた企業がデフォルトしたケースも少なからず存在している。この事実は、スコアリング貸出を小口分散化させ、スコアリング貸出債権を一つのポートフォリオとみなすべきであることを示唆する。

 モデルの特徴に関してもいくつかの検証を行うと、説明力の高い変数へのモデル内でのウエイトが不十分である可能性が示唆された。そして、財務諸表の信頼性が、スコアの精度を押し下げているインパクトも、無視し得ない。審査コストの削減はモデル適用の大きな利点であるといわれるものの、スコアリング貸出をより採算のとれるビジネスにするためには、小野[2007] が指摘するように、事前の面談やモニタリングなどのコスト負担は避けられない。
しかしさあ~、この手の手法は、理論的には相当前からあったわけで、それなのに、未だに十分なデータの蓄積がなされず、実際に運用して改善したモデルの構築などがされていないのって、怠慢のような気がしてならないのですが・・・。

通販会社に限らず、他の業種でもたくさん使用されているはずで、それらの実例を貪欲に漁って、流用できるところは、流用してもいいと思うのだけれど・・・。日本の金融が地に落ちたのも、むべなるかな・・・ですね。ふむふむ。
【目次】
特集 政策金融改革へのカウントダウン
日本政策金融公庫は縦割り・民業圧迫懸念を払拭できるか
地方公営企業等金融機構のリスクウェートは10%で変わらずか
新・政投銀のビジネスモデル
日本政策投資銀行・室伏稔総裁に聞く
〈商工組合中央金庫〉完全民営化後も株主資格制限付きメンバーシップ制を維持

ワンポイント・レク:
資源・食糧価格の高騰はどういうプロセスで日本に影響を及ぼしますか?

論考:
中小企業向けスコアリング貸出の失敗に学ぶ 法政大学 平田 英明
銀行ALMを抜本的に改革せよ 

解説:
15年変動利付国債の価格付けを考える
オペリスク管理高度化に向けた外部データの活用

ゲーデルの貨幣 ―自由と文明の未来―(10)
<自由篇> 半世紀周期で循環する格差

営業店コーナー:
上川徹のゲーム・コントロール術(6)
笛を吹くのはみえたものだけ
私の支店経営論
山口銀行 矢儀 一仁氏の巻(上)
支店長室のウラ・オモテ
<信用金庫編> 顧客接点を深める
地域金融マーケティング 事始め(6)
安売りよ、さようなら
現場で伸ばそうCS力(12)完
サービスの「目的」を意識する

■時論
地方分権こそが日本の生きる道

■視角
社長直轄マーケティング部署の設置を(信託銀行)

■豆電球
消費者金融ばかりが犯行動機か

■オンレコオフレコ
市場に押されて? ムーディーズが国債格上げ

■新聞の盲点
7年ぶり普通社債デフォルト
スルガコーポレーション民事再生の波紋

■NEWS SQUARE
地銀協、指定金担保制度の見直しを要望へ
金融庁、海外ファンドの「独立代理人」の定義を明確化
貸金業協会員の3割が財産的要件を満たさず

■マーケットを読む
私はこうみる
資源・食糧高騰による損失で生産増でも所得は減少へ

■書評
『世界のプライベート・バンキング [入門] 』 米田 隆 著
ピクテファイナンシャルマネジメントコンサルタント 湯河 元恭
『雇用,利子および貨幣の一般理論』 J.M.ケインズ 著/間宮陽介 訳
佐賀大学 米倉 茂
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「週刊 金融財政事情 2008年7月7日号」補足メモ
「まぐれ」ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社
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2008年08月17日

「プログラミングでメシが食えるか!?」小俣 光之 秀和システム

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私自身はプログラマーでもないし、そちらでメシを食っていく気もないのだが、立ち読みしたら、従来ではあまり見かけないタイプの本だったし、個々のプログラム言語に固執することなく(Cばっかりだけど)、より俯瞰的な視点で、且つ具体的な経験も織り交ぜながら、実務的な話題が書かれていたので興味を持ち、購入してみた。

ちなみにamazonのレビューではかなり辛口のものが多いが、私の水準では技術的なことはよく分からないというのが正直な感想である。cobolでコーディングしたことはあるが、数ヶ月だったし、その後も発注者としてデータベースやオフコンのシステムを依頼したことはあるが、自分でやったのは、それらの検収作業と出来上がったものを一部修正するぐらいだし、現在はエンドユーザーレベルでVBAを組んだりしてる程度などで私のスキルが低い為、それは止むを得ないだろう。

そのレベルの読者(私)が読んだレビューなので参考にする場合は、ご注意を。

全般的な感想。
プログラミングで食えるかどうかは、どうでもいいのだが、プログラミングを実際にする際に、意識することで大きく成果が変わると思うようなヒントが幾つもあった。それらは、ちょっとしたVBAレベルでのプログラムを書くにも十分に役立つし、プログラムを作らなくても発注者として、これらを意識した作りをしているか、検収時(あるいは進捗状況の確認時に)、チェックするだけでも大いに役立つと思う。

見た目は、仕様書通りに動いても裏での処理の仕方がずいぶんと異なるはずだし、目に見えない部分でどれだけ異常時の想定をし、それらに対する対応を考えて作りこんでいるかでプログラムの品質は大きく左右されるだろう・・・。

もっとも、そこまで作り込んでもそれを理解し、評価できる相手でなければ、単なる労力&コストの浪費とされてしまうのでかえって手を抜いて速度重視になってしまうかもしれない。その程度の水準でしかない相手に最高の品質を提供することは有り得ない。

これはビジネスの世界では、不変の原則でしょう。プロの世界では無知は怠慢と無能力の証に他ならない! 本書を読んでいて、痛切に感じた。

まあ、どんな仕事でも手を抜こうと思えばいくらでもできるが、そんなことをしていたら、自分の価値を貶めるだけだし・・・自分のスキル向上にもつながらないだろうけどね。

本書の良い所は、具体的な経験に基づきながらもそこそこ汎用性のきく方法論が紹介されており、それをアレンジすることでいろいろな場面で使えるモノが多いと思う。

部分として正常に動くのを確認して、部分を組み合わせて全体に向かうのは私もバグが少なくなる手法だと思う。実際問題として、最小限の動作確認で済むし、出来上がってから全体をテストなんて考えただけでも死ぬ~(苦笑)。部分なら、想定されるケースも網羅できるが、全体になると単体のケースと複合的なケースが想定されて、とてもじゃないが網羅できないって! まあ、東証のシステムや銀行のATMがしょちゅうトラブル起こしているのを見ただけで納得してしまう。

そうそう、サンプルソースの蓄積。ライブラリまでは及びませんが、サンプルソースは非常に有用でしょう。少し変数をいじり、処理を追加・削除すれば、すぐに類似のものは出来上がります。

先週依頼されたツールを2時間で作成して、ずいぶん早いですねと驚かれたけど、同じパターンで良ければ、これは可能でしょう。全然違う処理だと1週間かかってもなかなか進まないけど・・・ね。

本書ではサンプルソースの蓄積と合わせて流用を推奨しています。そりゃ、もっともですね。正常に動くことが確認できているし、手間がかからないのだから、それを元にして付加価値を追加していく方がより良いものが早く確実にできるのも道理です。

そうそう、あと行き詰った時の対応方法なんかも読んでいて面白かった。出来上がったものを見ると、たいしたことではないのだが、自分で作成しているとどうしてもうまく処理させる方法が見つからないときがある。ほんのちょっとしたことに気付くと簡単に、しかも素早く処理できるのだが、どうしても見つからない時は見つからないのである。

私の場合は、通勤電車の中で寝ていて、夢の中でふと思いついたり、仕事以外のときに、アイデアが浮かぶ時が多い。先月も、特定の条件に合致するデータを検出し削除するツールで、多数の関数が埋め込まれていて一つ削除するごとにシート全体で再計算するので全ての削除をするのに2時間かかっても完了せず、頭を抱えていた。しかし、ふと気付いた処理で、削除する前にシートの再計算をオフにして、処理後にまた再計算をオンにするだけで解決した。すると、たった数十秒で完了。

気付かない私がアホかもしれないが、どちらのプログラムも正常に動作はしているのだが、少し手を加えるだけで成果が全く異なるのが面白いです。関数をいくら知っていても、気付くか気付かないかで品質が変わってくるわけで、そういうのは、実に楽しかったりする♪

だから、もっと良い方法はないかと努力する気にもなるのですが・・・ここんとこうまくいかなくて困っているのがまたあったりする。さあ~て、どうやって処理したものやら??? 仕様が決まらず、作業がなかなか開始できなかったのも痛いが、まあ、愚痴を言ってもしょうがないです。雑用で中断されるしのもしかたないか。明日からも頑張ろうっと!!

自分が作ったものが動き、みんなが使って便利なのは、率直に嬉しいもんね。ただ、決まった作業を効率化するツールの作成もいいが、私的にはそもそもの効率的な業務の枠組み自体を作る方が、得意なんだけどねぇ~。

新規事業部の立ち上げとかって、好きだし、得意なんだけどなあ・・・。頑張って自分でチャンスを生み出していくっきゃないネ!

広い意味で有用で、面白い本だと思います。決して奇抜な話ではないが、プログラマーとしての喜びや遣り甲斐、他より一歩抜きん出る為のやり方など個々の話だけではなく、SEとプログラマーの比較や業界内的な情報も多く、業界に対する勉強にもなります。

類書があまり無いと思われるだけに、読んでおいて悪くない本です。
【目次】
第1部 プログラマーのスキル編
00 一流プログラマーのプログラムの作り方

プログラミングの技
01 動くプログラムを素早く作るには
02 プロトタイプは先に作るべきか
03 トップダウンかボトムアップか?
04 仕様書が先かプログラムが先か?
05 構造化プログラミングを正しく理解する
06 [構造化プログラミング]メイン関数から作る
07 [構造化プログラミング]メイン関数で行う処理を記述する
08 [構造化プログラミング]サブ関数を作り呼び出す
09 [構造化プログラミング]動作確認はいつすべきか
10 構造化プログラミングをまとめる
11 プログラムをうまく連携させる
12 コーディング量はできるだけ減らす
13 自分の得意なパターンを見つける

プログラミングの心
14 高品質なプログラムを作るには
15 チェックリストを作れば万全か
16 古いコードを使う方が安全か
17 ソースにコメントは必要か
18 関数名・変数名はどう名付けるか
19 ライブラリとソースの蓄積はどっちが有効か
20 オブジェクト指向は必要か
21 開発手法は何を身に付けるべきか

プログラミングの匠
22 高性能なプログラムを作るには
23 CPU消費量はどう減らすか
24 メモリー消費量はどう減らすか
25 繰り返し処理に潜む罠に気を付ける
26 マルチプロセス・マルチスレッドは積極的に使え?
27 性能測定はいつ行うのがいいか
28 高性能化のためのポイントはほかにもある

プログラミングの穴
29 他人のプログラムのバグを見つけるには
30 デバッガーを使いこなす
31 ログ出力を追加する
32 通信タイプのプログラムがうまく動かないときは
33 不具合がいつも起きるわけではないときは
34 修正がもはや不可能なときは

プログラミングの壁
35 プログラミングで行き詰ったらどうする
36 なぜ行き詰るのか突き止める
37 時間をかければ解決できるのか

プログラミングの道
38 どうやってプログラミングの力をつけるのか
39 まずは真似からで十分
40 これからプログラミングを勉強したい人は
41 ある程度プログラミングに自信のある人は
42 一流の自負がある人へ

第2部 プログラマーの仕事編
43 一流プログラマーの仕事の仕方

プログラマーの仕事
44 プログラマーの仕事とは何だろう?
45 何でもできた方がいいか
46 プログラマーはSEより下ですか
47 望む仕事を持ってくるにはどうするか
49 売らない製品を作ることに意味はあるか
50 本を書きませんかと聞かれたら
51 一流のプログラマーの時間の使い方

プログラマーのやりがい
52 プログラマーのタイプ別やりがいとは?
53 製品開発に楽しみはあるか
54 受託開発に楽しみはあるか
55 障害解決に楽しみはあるか

プログラマーの稼ぎ
56 プログラマーはどうやって儲けるのか
57 常駐は避けるべきか
58 得意分野を持つか何でも屋か
59 流用は手抜きか、それとも?
60 仕事の条件を有利にするには
61 一流のプログラマーに仕事を依頼するコツ

プログラマーのキャリア
62 開発言語にはこだわるべきか?
63 資格は必要か
64 後輩はこうすればよく育つ
65 プログラマーが就職するとき
66 会社との賢い付き合い方
67 オフショア開発はプログラマーを駆逐するか
68 プログラマー定年説は今でも生きているのか
プログラミングでメシが食えるか!?―成功するプログラマーの技術と仕事術(amazonリンク)

なお、本書のサポートページというのがありました。以下の通り。
「プログラミングでメシが食えるか!?」サポートページ
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2008年08月09日

「図解 成功のルール」坂本伸之 サイビズ

我ながら、しょーもない本読むなあ~とも自虐的に思うが、暑くてだるくてまともな本を読む気力がないので、単なる暇つぶし以上のものではない。手元に日経がなかったので・・・読んだ。

一昔前の仕事のやり方を、わざわざまとめて本にしています。書く本人には、整理になるからいいが、出版する人の気がしれません。恐らく、全然売れてないと思います。

理由。若手が失敗したら、上司を飲みに誘えって! はあ~? 時代錯誤もはなはだしい。

商談中、相手が腕を組んだら、乗り気じゃないとか、前方に体を傾けてきたら、関心があるとか・・・・女性誌の恋愛術じゃないんだから、そんなのをいちいち意識しないと分からないような人物に、商談ができるのでしょうか?
逆にそんなんだったら、何も考えずに100人と商談すれば、自然と身に付くでしょ。つかなかったら、やる気がないか、致命的に能力不足で欠陥があるかのいづれかでしょう。

仕事のやり方を忘れた時に、新人が上司にいう台詞として「恥をしのんでお聞きしますが・・・」はあ~? なんて余計な枕詞入れんの?

「すみません、やり方を忘れてしまいました。お忙しいところ、申し訳ありませんが、もう一度教えて下さい。」
これでしょ、本来は。似たようでいて、全然意味が違うんだけど・・・。

あまりにも異様でおかしいところだけピックアップしましたが、執筆者の良識を疑う場面があるのでもし読むなら注意を!

基本的には間違ってませんが、無知で想像力の欠如したゆとり世代の学生の就活レベルの内容です。つ~か、『成功』とかなんとかいうのはおこがましいです。

5分で頁めくって、特に何もないね。という水準でした。私は、通勤電車内だったので30分ちかくもかけて読んじゃいましたが・・・。
【目次】
1 人間関係これさえつかめば合格点
2 誰でも仕事で成功できる
3 上司も教えてくれない時間管理術
図解 成功のルール―ナンダ、出来ることばかりじゃないか!できるビジネスマンがかならず守る34ケ条(amazonリンク)
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2008年08月05日

「気になる株の売買チャンス99の公式」和光経済研究所 こう書房

これも本棚の奥にしまわれていた本。久しぶりに株式投資を再開するにあたり、錆びついた知識をブラッシュ・アップする為に株関係の本を再読している最中。

基本的な経済の動きと種々の要因の関連性、影響を真っ当な経済原則から説明した部分と、「効率的市場仮説ってナニ?それ食べれんの?」ってな感じで市場の不完全性に根差した歪みをついた泥臭い投資手法(アナクロニズム的過ぎる・・・だが、当時の時代的には決して間違っているとは思えないのが・・・別な意味で悲しい)が混在して紹介されている。

しかし、シンクタンクがこういう本を出している段階で、申し訳ないがレベルが低過ぎて泣けてくるのだが・・・・。まあ、当時銀行さんなんかもやっとシンクタンクもどきを作り始めたぐらいで就職活動した際もレベル低かったもんなあ~。最低限の近経スレスレのレベル。証券系の大手はさすがにしっかりしていたけどね。ふと、そんなことを思い出してしまいました。

まあ、いい、本書のお話に戻ります。
東証とか日本での株式投資に限ってなら、暗黙の了解で知っていて良い知識でしょう。これぐらいは、言わずもがなでしょうが、文章で認識できる機会はそんなにあるものでもないし、少なくとも何故そうなのか明確に説明があるのは良いと思います。

しょうもない個人の○○投資法とかいう、ゴミではありません。原則、論理的な説明はされています、つ~か、しようとしています。

マクロ・ミクロに証券投資理論を押さえたうえで、こういう泥臭いのも把握しておくことは肝要かと。結局、株価はファンダメンタルと人間心理の混在として実現されるシグナルですしね。

市場参加者の思考方法として、参考になります。それを出し抜くことこそが、ポイントですけどね!
【目次】
第1章 株式投資の基本を抑えておく
第2章 株価を動かす投資環境を見抜く
第3章 株式市場の強弱をキッチリ判断する
第4章 これで株の銘柄選びは失敗しない
第5章 肝心の売買タイミングをとらえる
第6章 業種別に株価の動き方を読む
気になる株の売買チャンス99の公式―株式市場・投資環境の強弱と株価の動き方の法則がスッキリわかる なぜいままで言ってくれなかったのか(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「まぐれ」ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社
「バフェットの教訓」メアリー・バフェット 、デビッド・クラーク 徳間書店
ラベル:書評 株式 投資
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2008年08月01日

「ゴミ投資家のための金融シティ香港入門」海外投資を楽しむ会 メディアワークス

確か大昔に読んだ本。日本国内の金融機関が怠慢で、今よりも格段に不便だった時には、まさに海外の金融機関を利用するというのは、憧れであった時代のものです。

以前に比べると、ネットを利用した金融サービスなど、だいぶ日本も良くなってきており、ある程度のものなら、日本国内の金融機関でも提供されるようになった現在、為替のリスクやすぐに該当金融機関に出向けないなどの各種デメリットを考慮すると、それほどの魅力はないと思われる。

実際、本書のデータは2000年以前のもので、提供されているサービスの種類や内容、利用方法なども全く異なっていて今では時代遅れになっている。そういう意味では使えない。

ただ、本書の魅力は多くの頁を割かれている香港金融機関の利用のハウツーよりもむしろ「金融シティ香港ノート」と題されたコラムの方かもしれない。

香港だけに止まらず、国際経済全体の視点から、香港としての金融市場の行く末を論じていたりするのだが、これがなかなか鋭い! 今だからこそ、その予想と現実の相違と一致がなるほど~とうなずけてしまうのが楽しい♪

それ以外にも金融には直結しない部分で、異文化理解というか大変広い視野から物事を見ていて、実に知的で興味深い。

コラム部分だけを読むというのも有りな本だと思う。久しぶりに懐かしく読んだ。
【目次】INTRODUCTION 香港の魅力は買い物と中華料理だけじゃない
Prologue “金融シティ”香港の旅は、国際空港の両替商から始まった

Part1 銀行編
1. 香港上海銀行 The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited
STEP1 口座とサービス概要を知ろう
STEP2 口座は何を選べばいいのか
STEP3 パワー・バンテージの詳細
STEP4 口座へのアクセスいろいろ
STEP5 パワー・バンテージに口座を開設するには
STEP6 パワー・バンテージを徹底的に活用しよう

2. スタンダード・チャータード銀行 Standard Charterd Bank
STEP1 個別口座とパーソナル・プランの概要
STEP2 投資サービスの内容を知ろう
STEP3 口座へのアクセスいろいろ
STEP4 口座開設の流れ
STEP5 口座を100%活用する方法

3. シティバンク香港 Citibank,N.A. in Hong Kong
STEP1 口座の種類と手数料の概要
STEP2 投資サービスの内容を知ろう
STEP3 口座へのアクセスいろいろ
STEP4 口座開設にチャレンジしてみよう
STEP5 シティバンクのサービスを徹底的に活用しよう

4. HSBCインターナショナル HSBC Bank International Limited
STEP1 口座の種類を理解しよう
STEP2 口座へアクセスする方法
STEP3 口座を開設してみよう
STEP4 英ポンド口座を徹底的に活用しよう

Part2 オンライン証券会社編
5. マンションハウス証券 Mansion House Securities (F.E) Limited
STEP1 口座開設法
STEP2 オンライン・トレードの使い方

 金融シティ香港ノート(1) “オフショア金融センター”としての香港
 金融シティ香港ノート(2) 「香港ドル」とは何か?
 金融シティ香港ノート(3) 「中国人」とはいったい誰か?
 金融シティ香港ノート(4) 香港経済と株式市場
 金融シティ香港ノート(5) 「異文化」から「コピー文化」へ――日本人の香港体験
あとがきにかえて――香港はやはり謎だった
ゴミ投資家のための金融シティ香港入門 (オルタブックス)(amazonリンク)
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2008年07月30日

「図解 朝10時までに仕事は片づける」ベクトルネットワーク かんき出版

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まあ、何を今更で基本中の基本ですが、すぐ分かる仕事のできる人、できない人の見分け方には3つあります(私の考えでは)。

1)朝の挨拶
2)朝一番に来て仕事を始めること
3)机の上に余計なものが一切ないこと(=整理整頓されている)

このうちの2)について述べた本です。
一応、私は上記3つをクリアできてるかな。高校生の時に、クラスで一番最初に登校して日経新聞にマーカーで色塗ってた嫌な奴だったから・・・(苦笑)。

でもって、興味のない授業は自主カット(休講)と称して、勝手に早退して図書館でお勉強する益々やな奴だったりする。まあ、朝から学校さぼってロードショーの封切りに行ったりする良い子だったりもするのですが・・・。

さあ、余談は別にして本書の内容について。
朝一で仕事を始めると、さすがに10時には終わりませんが、だいたい午後1時か2時には終わるでしょう。ルーティーン系の仕事は。

でもって、それ以降はじっくりと時間をとって本を調べたり、試行錯誤しながら、新しい企画や業務ツールを考える時間(最近、企画関係のお仕事に絡まないのでツール系ばかりですね)です。だいたい一日に3~4時間はこれに当ててるかな?

集中すると1時間半ぐらいで、能率が落ちるので適当に雑用やメールで入ってくる仕事の依頼をパラパラと処理。細切れの単発仕事で気分転換したら、さらに一時間集中。でもって、定時上がりって感じですね。

今の仕事は、信じられないほど早く帰れるのが長所。以前の仕事は拘束時間長かったからなあ~。無駄に時間を食う会議や打ち合わせにほとんど出なくていいのが助かります。他の部署との調整も最低限でいいのが嬉しい♪ 協力会社や子会社、取引先などとの調整や進捗管理は、魂を削るからねぇ~。

そんな私の当たり前の経験からも、本書に書かれているのは正論だが、私にとって得る物はほとんど無い。

朝、出社時刻よりも1時間以上早く来るのも昔から当然やってます。ただ、会社のロックが開かないので仕方なく30~40分前に着いて、朝一でメールの処理をします。だいたい夜帰ってから翌日の朝までに20~30通あるので不要なもの半分~7割は即削除。即座に返信すべきものと、当日中に確認・調整・実施後に返信すべきものとを分けて、当日中のプライオリティーを決定。

勿論、朝会社に来る前の電車の中で、当日の to do list をイメージし、おおまかな段取りを決めてあるのでそれに朝のメールでの分を追加して修正する。

メールに対応しながら、パラレルでルーティンのデータ抽出をかけているうちに会社としての始業開始。

本書で書かれているのは、上記レベルの話です。恐らく、やっている人は既に実践されていることばかりでしょう。

逆にちょっとおかしいと思ったことがあったのでそれをメモ。
ボイスレコーダー等でメモし、後で文書化するというのは、信じられないほど無駄! 口頭で話す速度でキーボード打てるでしょ、普通。
同じことを二度するわけだし、それをメールに転用することを考えると、ボイスレコーダーを使う人の気が知れない。

会議でもあんなの使う人がいるが、絶対にその場のメモの方が有用だし、効率化につながると思う。

あと今時FAXなんてうんぬん言ってるが、信じられないね。まして緊急の場合は、メール&電話で確実に相手を捕まえる事が必須! FAX送ったって、それがその人のところに届くまでの時間がもったいないし、部署によっては翌日まで届かない可能性がある。論外の発想でしょう!!

また、メールの返信は午後とか書かれているが、これも論外!
朝9時までに来たメールは、基本10時までに返信。何故なら、こちらの回答待ちで相手が仕事を保留している可能性があり、速やかな返信は相手の為であり、それがフィードバックされて自分の仕事も速くできることにつながる。

午後にまでメールの回答を溜めておく人は、絶対に仕事ができない人だろう。まして会議等で離席の多い人は、一日のうちで数回はメール確認の時間を強制的に確保し、回答すべき。周りの人の足を引っ張るべきではない!

私は、仕事の区切れごとにメールをチェックし、すぐに回答できないもので朝一に来たものには、いつごろ回答できるかだけでも先に連絡しておく。向こうが急ぎなら、即座に連絡が来るか、あるいは他の人に依頼するか、選択権を相手側に委ねる事が大切だと思う。

また、午後に来たものでも基本はその日会社を出るまでに処理する。未処理にしておかざるを得ないものは、翌日以降の処理のスケジュールを仮決めし、相手側に連絡しておく。これも基本でしょう。

朝一で会社に出て仕事をしていない人が貴方なら、読んでおくべきかな? 自分が既に本書のタイプの人なら、あえて読むところはありません。
【目次】
巻頭インタビュー 明日から朝型人間になってデキる人になる!仕事で差をつける!

朝型人間インタビュー スペシャル・3大インタビュー 朝型人間はみな、増収増益だ!

第1章 朝10時までにできることはこんなにある!―パワーモーニンガーになるために!
第2章 朝を120%使いこなす情報ツール術―モーニング・マネジメントの実践
第3章 朝の時間活用!このパターンならうまくいく―モーニング・ハイでデキる人になる
第4章 朝の時間を活用して、デキる人と言われるために―朝の冴えた頭でモーニング・ジャッジ
第5章 人生が一変するパワーモーニング!一流人はみな、朝型人間―パワーモーニングで人生は全開
第6章 朝型人間は脳と身体がすこぶる強い!朝型人間VS夜型人間
図解 朝10時までに仕事は片づける―やればできる!あなたの朝に奇跡を起こす8つの習慣(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「100億稼ぐ仕事術」堀江 貴文 ソフトバンククリエイティブ
「トヨタ流最強社員の仕事術」若松義人 PHP研究所
「残業ゼロ」の仕事力 吉越浩一郎 日本能率協会マネジメント 出版情報事業
「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」勝間 和代 ダイヤモンド社
「いかに「時間」を戦略的に使うか」DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部  ダイヤモンド社
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2008年07月27日

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」城繁幸 光文社

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「いやあ~あっ、私のこと?」とか思いつつ、どうせありきたりな薄っぺらな口先だけのお話でお茶を濁すかと思いきや、あにはからん。表面的な現象を見て、一見もっともらしそうなメディア的に支持される解説などとは、全く一線を画しています。

疲弊した制度して年功序列を批判し、時代は変わってきている、やれ成果主義だ裁量労働制だと目先だけのものしか見えていない方とは一味も二味も違います。

あくまでも本質を見通した視点で、現代の日本社会に蔓延する問題を分析していくのは、まさに読む価値のある内容です。
例えば、現在の日本で導入されている成果主義は、企業自体が成長せず、ポスト(それに伴う昇給)を用意できなくなった現状のもとでの年功序列を維持する為のものでしかなく、労働成果に見合った報酬の現時点での分配では決してないことを指摘しています。

労働組合も結局、年功序列の中で利益を得られる人々の既得権益を守る為のシステムに過ぎない点など、その指摘は的確にして刺激的です。

その一方で単なる批判ではなく、明確に自分が拠って立つポジションを明示したうえで、どうすればより多くの人にとっての『真』の公平に近づけるのか、その提言も大いに勉強になります。

例えば、タイトルに対する回答。
従来型の本社で一括採用、全国の事業所や部署に分配のスタイルから、各部署で必要なスキルと人数を提出し、それぞれに見合う人材を個別に採用していくといった形への移行。それに伴い、明確な目的意識を持った優秀な学生が入社するが、彼等は軒並み意識水準が高いが故に、年功序列の結果として生じる若年時の長期の単純作業に甘んじる事をしない。それ故の早期退職率の高さとする。

(かつての職場でも海外の大学院に企業留学して帰国後、限りなく単純作業をしている先輩がいた。話してみると、非常に優秀で、だてに名門大学出ではないなと思ったが、その人物がキャリアパスからして自分の数年後だと思ったら、悲しくて涙が出そうになったことを思い出した。「数年後に君も行かせるからTOEIC頑張っておきなさい。」そう部長に言われた時の私の気持ちは、喜びでは決してなかった。だからこそ、会社を飛び出したのだが・・・)

まして、企業が縮小均衡していくような時代、ポストが減る一方で上が詰まっている現状では、現場で仕事のできる人ほど、割が悪くなるのが明白だからだ。

友人との話や私の経験からも、社員としての部下を増やさずに、経験の浅い派遣を入れるだけで数値的な労働力は足りているからとして、仕事を割り上てるマネジメント層。言葉はカッコイイがプレイング・マネージャーなど冷静且つ的確な判断のできるプロの管理者とは思えない。

海外に仕事を発注するのも良いだろうが、そのマネジメントって本当にできているのか、リスク管理も含めてトータルコストで計算できていないのが実情だろう。愚かだ・・・しかし、それでもやらねばならぬ日本企業は喜劇だろうか?悲劇だろうか?

「格差社会の弊害」というコピーに騙されている人々がどれほど、実情を分かっていないか、本書を読むと痛感する!
実態は年功序列を維持する為の小手先の修正主義でしかないが故の格差の助長であることをズバリ指摘している。

本当の成果主義でないことから生じる問題を、メディアや政治家がいかにすり替えているのか、決して感情的にならず淡々とした口調で語られるが故にその根の深さを感じずにはいられない。

年金制度問題や公務員の天下りもまさに、この『年功序列』を好み、それを維持してきた故に生じた現象であることを明確に示唆し、同根であることが分かる。

その他、数々の示唆に富む指摘は、非常に明快で論理的だ。TVや新聞記事では見えない背景が本書を読む事で一気に解明する。もっとも、知っている人は既に知っている事なのだろうが、私は本書を読んで自分の頭の中が大変整理されたのを感じました。

この手のテーマに関心のある方。すぐに読める本です。しかし、内容は実に豊かです。読んでおくべき本の一冊でしょう。

あっ、老婆心ながら・・・ただ何も見えずに会社で働いている方、本書は読まない方がいいです。思いっきり人生がブルーになります。下手したら、全面否定されていると思っちゃわないように! 説得力があるだけに、生きていくのが辛くなる方も多々いると思いますので、そもそも問題意識のある方だけ読まれた方が無難です。

私は人生を後悔してはいませんが、本書を読んでマジ、やばいなあ~と思いました。本人の能力とは別な次元で決まる転職市場の論理など、ある程度は分かっていましたが、結構厳しい現実があります。

あと・・・
タイトルはちょっともったいないですね。書店で目を留めるにはいいのでしょうが、内容はタイトルの薄っぺらさとは異なり、しっかりしています。
【目次】
はじめに 「閉塞感の正体」を見きわめる
第1章 若者はなぜ3年で辞めるのか?
第2章 やる気を失った30代社員たち
第3章 若者にツケを回す国
第4章 年功序列の光と影
第5章 日本人はなぜ年功序列を好むのか?
第6章 「働く理由」を取り戻す
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)(amazonリンク)
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「日経 PC 21 2008年 08月号」日経BP出版センター

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付録のマクロ活用辞典が欲しくて買った雑誌です。通勤電車内で眺めるのには良いかと。

さて、本誌部分。メディアの耐用年数(期間)の記事。
格安メディアばかり使用する私としては、気になっていたが、やはりすぐに劣化して長期保存には向かないんだなあ~と納得しました。
もっとも高いのを購入しても、いつ消えるか不明な点は一緒! 本質的にはtemporaryな記憶メディアとして捉えるべきでしょう。

昨日とか1TBの内蔵HDが12980円で売ってましたよ~western dijitalだったかな? やっぱり二重にしてHDDで持つのが一番宜しいかと。

フリーソフトの紹介ですが、私的にあまり使いたいものは無かったです。あれこれあの手の入れると重くなるし、長期的に見るとかえってシステムにはマイナスだったりするからなあ~。私の経験では。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さて、おまけの付録の方。
マクロの基本部分の説明は、すごくイイと思う。分かり易いし、私も曖昧なままで知らなかった部分もありました。役に立つと思う。

但し、3行マクロは全部要らない。私的には余計な部分を増やすだけで、決して効率的・機能的になるとは思えない。実際的ではないと思う。ただ、自動記録からどのようにしてVBAにアレンジしていくのか、その過程を初心者に教える為の例題としてならOK!

また基本文例集は、とっても良いと思う。ほとんどは当然私も知っているが、全てではないので是非完全に習得しておきたい部分だ。逆に言えば、この組み合わせ次第でいくらでも複雑なものを作っていけるので大変有用。説明も分かり易い。

一方で最後の無料マクロは駄目だろう。会社にもよると思うが、この手のものをソースの確認もしないで仕事に使うというのは、セキュリティ上、非常に危険だ。出版社がチェックをしているにしても100%だとは言えないし、どうせ「自己責任」でとたいがい逃げるだけなので、間違ってもこの手のものをダウンロードして利用すべきではないと思う。
(仕事ではね)

マクロは便利な反面、非常に危険なことを認識すべきだろう。知ってるだろうに・・・。日経系の雑誌でビジネスマン向けとうたっててもこのレベル。日本のセキュリティ意識の低さは、やはりただものではないのを実感するなあ~。

ついでに個人的メモ。
行末の _(スペース・アンダーバー)
・・・マクロの命令文を途中で改行する為の記号。
実はこれ、私知らなくて、えらく苦労してた(涙)。マクロの命令文は「一つの操作を一行に書く」という原則の為、これ知らずに改行するとエラーになってしまうんだよねぇ~。
エラー表示後のデバッグ時、VBEの画面でF8キーを押すと、命令文を一行づつ実行し、個々の動作を確認できる。

その際、変数にマウスポインターを合わせると、そのとき変数に入っている値を確認することも可能。
うっ、知らなかった! 別なやり方で一つづつ実行させて確認してたよ。それに・・・変数の値が正常になっているか確認する為に、わざわざmsgbox()とか組み込んで確認してた・・・ダメポ・・・・。
【目次】
【特集1】もう失敗しない!この1冊で完全理解!
『CD&DVD 今さら聞けない疑問を解決!』
●DVD-Rは追記可能?知って得する最適ディスクの選び方
●ディスクは何年持つ?4日で寿命!?格安品の耐久性を徹底検証
●書き込めないのはなぜ?3つの原因がわかればエラーとおさらば!

【特集2】これで紙も時間もムダにしない!
『「印刷のイライラ」すっきり解消』

【特集3】パソコン操作が楽になる!XP&ビスタ対応
仕事がはかどるフリーソフト18
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【特大付録】
たった3行で出来る!『エクセルマクロ大事典』
●面倒な操作はすべて自動化!すぐに使える”実用文例”満載!
●「画面通りに印刷」「郵便番号を住所に」・・・簡単で効果バツグン!
●日経PC21厳選!仕事に役立つ無料マクロを一挙紹介
日経 PC 21 (ピーシーニジュウイチ) 2008年 08月号(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「仕事に使える Excel マクロ&VBA の基本がマスターできる本」小館由典 インプレス
「エクセル関数できた!」アスキー
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2008年07月26日

「PRESIDENT (プレジデント) 2007年 3/19号」プレジデント社

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たった一年前の雑誌だが、ビジネス系の雑誌に書かれていることは、どれも似たり寄ったりであることを痛感させられる。まあ、本質的なものは、普遍性を有すると見るか、成長がないと見るか、それは読み手の捕らえ方次第ですね。

幾つか気になったものをメモ。
日本が世界一になったと過信し、驕り高ぶって学びを忘れた1980年代の話。
・・・・
当時のアメリカ経済はシリコンバレーを中心に復活しつつあって、提携していれば今頃は一財産になっていたような会社がいくつもあった。しかし情報感度が減退して、バブル崩壊で萎縮した日本人にとってはまったくの真空地帯。
 そうした時代にただ一人、アメリカの将来に資金をベットしたのがソフトバンクの孫正義である。
 超円高の時代に日本で借金しまくってアメリカの会社をいくつも買った。それらはまさに(キングトン・テクノロジーやジフ・デービスのように)玉石混交で、賭けの勝率でいえば一勝四敗ぐらいだろう。だが、その一勝(ヤフー)が大きかった。結局、それが今のソフトバンクを支えているのだ。
情報が本当に自分の血となり肉となるのためには、その情報を自分で加工しなければならない。
=他人の見方を覚えるのではなく、自分の頭に思考の脈絡を持って取り入れることだ。そのとき、そのときに自分の考えを加えて、棚を整理する。そうすることで、物事に対する見方どんどん変わってくるし、広がっていく。・・・アウトプットすることでその情報は批判され、咀嚼され、さらに磨かれていく。
私の場合は、自分の経験というフィルターをかけて情報を漉しとる感じ。経験の網にひっかかった上で、捨てるのか(=否定)拾い上げるの(=肯定 or 共感)か取捨選択をする。

そもそもひっかからないものは、無視する。また拾い上げる場合、そのテーマから連想したもの、似たイメージを受けたものを併記したりする。

例えば、このブログの書評で言えば、「ブログ内関連記事」がこの併記にあたり、この雑誌の記事中の言葉でいうところの『棚』に近いかもしれない。
カラーバス効果(=意識する事を何か一つ決めておくと、自然とそれに関連する情報が入ってくる)とセレンデピティ(=偶然を幸運や成功に変える力)の相関性が興味深い。

セレンデピティを『気付く力』と『実現する力』に二分すると、前者がカラーバス効果に対応する。
ちなみに・・・セレンディピティのことを初めて知ったのは、数年前の起業家向け研修で目から鱗となった羽根拓也氏の講習を受けた時。アレは本当に素晴らしい講義でした!!
セレンディピティの名称の由来:
寓話の「セレンディップ(セイロン)の三王子」。国の危機を救うため旅に出た王子たちが途中で遭遇した難問を、持ち前の直観力で解決していくお話。
そうですね、あと記事中に国立国会図書館の NDL-OPAC とか触れられていますが、まあ常識的過ぎるレベルのお話でしょう。都内近郊に住む人なら、国立国会図書館と自宅近くの図書館、職場近くの図書館の3つの利用者カードぐらいは持っていて良いかと。

古書購入の為のサイトや、各種新聞のサイト、専門雑誌や業界向けのサイトのURLやRSSリーダーの登録、グーグルアラートの設定は今時基本でしょう♪ 

そういった一般向けの情報を分かったうえで、いろんな業界の人とかとお話をしてみる。すると、いろ~んな情報を得られます!! 

一般論としての情報の共通基盤が持てるならば、自分と同じ業界でない方が話し易い場合も結構あるし、こちらが予備知識があればあるほど、相手も面白がってレアな情報を話してくれます。

そしてそれに対して、自分の経験や知識を踏まえて相手にフィードバックすることでさらに深い情報を話し合える。これは最高に楽しいし♪ お互いに刺激を得られて最高です。

もっとも、それにはこちらも普段からそれなりに知識なり、経験なりを蓄えていることが必須で、うっても響かない人には誰も話しません。業者と接客する時などは、まさにそうですね。

誰も貴重な自分の時間を浪費したくないでしょ、興味ないことに。その反面、どんな分野でも生き生きと生活している人は、絶対に面白いです。趣味でも仕事でも、夢中になれる人は自分が直接分からなくても楽しいんですよ! 

私は気が向くと、延々と何時間でも徹夜ででも話すことをいとわず楽しめますが、そうじゃないときはひたすら本を一人で読んでいた方が楽しいな♪ あるいは、黙々と外を歩き続けるとか・・・。

そういえば、お散歩した時の写真も溜まり続けているけど、整理したり、ブログにアップしてないなあ~。うっ、最近怠け気味かも?
【目次より、特集の一部を抜粋】
<情報の達人>

大前研一実践!本質をあぶり出す「ただ一つの問い」
「カラーバス効果」大切なことを見逃さない思考回路

直伝!「仕込む、さばく」テクニック
 悪い信号を聞き逃さない「静かな聞き取り」
 「信頼」と「冷徹な等価交換」のオキテ
 視点を導く「アナログ・放置・熟成」法
 メディアの裏のウラを見抜くカギ

今、知りたいこと「時間×検索」の方程式
 管理職必見!「グーグル、ヤフー」一手先の活用術
 玉石混交から仕事に役立つ情報を自動的に選び出す
 「必要記事は郵送入手」国会図書館も自在に操る・・・

等々
PRESIDENT (プレジデント) 2007年 3/19号 (amazonリンク)

ブログ内関連記事
「知」のソフトウェア 立花隆 講談社
「分類する技術が仕事を変える! 」久我勝利 日本実業出版社
「超」整理法 野口 悠紀雄 中央公論社
「脳が若返るメモする習慣」米山公啓 中経出版
「週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号」「グーグル化」知的生産革命
「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」勝間 和代 ダイヤモンド社
「レファレンスツール活用マニュアル」日外アソシエーツ
「文献調査法」毛利 和弘 日本図書館協会
「見えなかった情報」を可視化――NII、論文300万件をGoogle検索対象に
Googleで過去200年間のニュース検索が可能に
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2008年07月25日

「図解「できる人」の10倍速い仕事術」中谷 彰宏 PHP研究所

見開き2頁、1項目の構成。図解というものの、単なるスペースを埋める為の図で、図解の意味が全く無いシロモノ。

ちょっとしたtipsで、この手のものはいいと思うのだが、仕事をするうえで最低限の常識を超えるノウハウ的なものは、ほとんど無い。それ以上に問題なのは、特殊な業界で生きている方のせいか、その常識が間違っているものが多々見受けられる。

例えば、夜中に電話をかけるのは失礼ではないというが、これはおかしい! 
十分に失礼だし、電話というのは相手の時間を奪うから、自分にとってだけではなく、相手にもとっても重要な内容で緊急性があるなら分かるがそうでなければ、メールにすべきだろう。

自分の都合だけでなく、相手のことを考慮すべきだと思う。

まあ、他にも幾つかどうかなあ~?と思うものはあるものの。書いてあることに際立っておかしなところはない。全てとは言わないが書かれている内容の80~85%以上は、私も普通に実践していることです。

本書の中で一番私にとって、関心があった記述:
『スピードをあげると、考えがポジティブになる』
・・・・時間をかけるほど、ネガティブな考えが主流を占める!
・検討する際に、予め時間を限定して調査し、大まかな問題点を紙に書き出す。
・メリットとデメリットを比較しながら、どうしても自分がやりたいか自問自答する。
・自分がやりたければ、決断し、後は実際に行動しつつ、ひたすら問題点の解消方法へと視点を移動する

[図解]「できる人」の10倍速い仕事術 「忙しい」を「楽しい」に変える時間の法則(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「100億稼ぐ仕事術」堀江 貴文 ソフトバンククリエイティブ
「トヨタ流最強社員の仕事術」若松義人 PHP研究所
「私の仕事術」松本 大 講談社
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2008年07月21日

「続ける力」伊藤 真 幻冬舎

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司法試験予備校LECでの講師や、その後独自の伊藤塾の立ち上げなど、その業界では知らぬ者がいないであろう有名人である伊藤先生の本。

(実は、私も学生時代、WセミナーとLECをハシゴしてて、伊藤氏の通信講座を80万円出して学習していたことがあります。高かったけど、今でも価格以上の価値がある講座だったと思っています。あの憲法について熱く語る姿は、法律への思いを一変させるだけのパワーがありました!)

司法試験における豊富な経験を基に、人が何かを学んでいく時、普遍的な問題となる『継続』をテーマに気合ややる気だけではなく、継続する仕組み作りを述べています。

この辺は、最近流行りの勝間氏が著書で書かれているのと一致します。試験勉強を含めて、人が学習をしていくには、何よりも temporary な学習ではなく、習慣として学ぶ事を組み込むことで長期に渡って継続が可能になるそうです! 

まあ、私が本を読んだり、ブログを書くのはまさに習慣となってるもんなあ~。そうじゃないと、続かないし、負担になるもんね。ふむふむ。

悪くない本ですが、伊藤氏の講義を聴いたことがない場合、本書単体ではそれほどでもないです。どうしてもある程度、どっかで聴いたことがあるような感じがします。

一般論として、あえてお薦めする本ではありませんが、個人的にはすごく刺激になりました。忘れていた情熱を思い出させられたような気がします。今も法律は面白いと思いますが、それ以上に経済や経営が好きだなあ~。また、ひたすら本を読む事も好きだし・・・。

でも、改めて学び続けていきたいと強く思いました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
継続できない原因:単純で退屈な過程がある
  ← 対処:生活の『習慣』にしてしまう。生活の一部に組み込む。

確信の持てない努力を続ける不安
  ← 対処:ゴールからの発想、全体から部分へ

スランプに直面した時、
・目標を掲げて努力するからこそ生まれるものとして、必然と捉える
 →「短期的な問題を長期化しない」
・全部が駄目と思ってしまうが、悩みを紙に書き出すなど客観視することで、一部の問題であることが分かる
 →「部分的な問題を全体視しない」

何かを始めるとき、自分がワクワクできるやり方を見つけたら、とにかくそれを徹底的に継続してやる。
 → 成果が上がらなかった時に、何がいけなかったのかを適切に判断する為

計画を立てる: 目標の明確化、全体像の把握
  ↓
定期的な見直し:遅れはリセットする
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
う~ん、個人的には長期的計画が描けていない点が問題ですね。今年の3月に掲げた目標は既に忘却の彼方にあり、毎月の計画も立てていなかった。これじゃあ、駄目駄目君ですね(反省)。

やっぱり、もう一度、目標を見直さないと! それと月一で目標を立てる日を固定しようか。とにかく毎月一日に計画を立てるように決めちゃおう。とりあえず、今月は今日作成っと。
【目次】
第1章 「続ける」ことはなぜ難しい?
第2章 「やる気」を続ける技術
第3章 一流になる人の学び続ける技術
第4章 勉強・仕事をやりとげる計画術
第5章 とっておきの記憶術
第6章 ピンチを切り抜け、事業を続ける
第7章 「やりたいこと」をやり続ける人生
第8章 「続ける」ことから「力」が生まれる
続ける力―仕事・勉強で成功する王道(amazonリンク)

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2008年07月19日

「バフェットの教訓」メアリー・バフェット 、デビッド・クラーク 徳間書店

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ご存知、超有名な投資家バフェットの身内だった人物による、バフェットの投資に関する教訓をまとめたもの。原題だとTAO(道) なんて単語を使ってますねぇ~。 

誰もが読んで理解でき、それでいて本質を突いた教訓かもしれません。
凄いなあ~と思う反面、これは確かに安全確実だろうけど、社会に必要な新分野への投資が滞りそうな気もします。

具体的には、半導体や自動車など巨額な先行投資&絶え間ない投資を必要とする産業ではなくて、一度確立したブランド等を維持するだけで安定的に収益を確保できる産業(コカコーラやブランド品等)へ、価格が適正以下に落ち込んだタイミングでの投資を推奨しています。

ビジネスとして長期的に継続可能を予測でき、無能な経営者が出てもそこそこの収益だけは確保できてしまう産業。短期的な視野のみで長期的価値から著しく乖離した株価。この2条件を満たした投資こそが、成功する長期投資というわけです。

まあ、投資家としては正論かもしれませんが、個人的にはしっくりこない点も多々有り。常に膨大な投資資金を必要として、激しい競争に晒させる業界への投資は、控えるべきだと書かれていますが、社会には必要なんですけどね。

もっともだからこそ、水もので予想できないものへの投資を諌めているのかもしれません。投資ではなくて、投機や博打になってしまいそうですから・・・。

長期投資において、信頼できる経営陣は、能力が高く、実行力があること以上に、なによりも誠実であること!これが大切だそうです。

有能で不誠実な経営者は、会社を食い物にしてしまい、株主にもたらす最終的な成果物を著しく損なうから。それよりは、無能でほどほどの能力のある経営者の方がマシとのことです。

同時に、一度信頼した経営者にはフリーハンドの裁量と絶え間ない信頼を与え、その才能を発揮することを妨げないというのもありました。
基本ですねぇ~。

ただ、ややもすれば見失ってしまいそうな『投資』の王道を再認識させてくれることは間違いありません。デイトレやチャート分析などとは全く別次元のお話ですので、読んでいて無駄ではないと思います。

個人的には、少しお薦めです!

法外な買値や売値を提示する事を決して恐れてはいけない:
・売却時にどれだけの金額を受け取る事ができるか、もしくは購入時にどれだけの金額を支払わなければならないか、という点が損と得との分かれ目となる。
・一旦、提示した低い売値を交渉の中で上げていく事は不可能であり、いったん提示した高い買値を、交渉の中で下げていくことも不可能。

上記みたいな形で、幾つかの教訓が挙げられ、解説がついている形式です。

高度な数学など必要がなく、四則演算ぐらいのできる力と周囲に踊らされない自制心の元で、基本を愚直に守ることで『成功』につながる、とのことでした。
・・・まあ、それが難しいんですけどね(笑顔)。
【目次】
リッチになる方法と、リッチでいつづける方法
ビジネスの覚悟
恩師を持つこと
学ぶとは何か
リーダーの条件
あなたが避けるべき人々
分散投資をしない理由
規律正しさ、思慮深さ、忍耐強さ
強欲の罠
売り時と去り時
注意すべきあやまち
あなたの能力範囲
あなたが支払う価格
株式市場の愚かさを利用せよ
バフェットの教訓―史上最強の投資家 逆風の時でもお金を増やす125の知恵(amazonリンク)

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「まぐれ」ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社
ラベル:投資 書評
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2008年07月16日

「孫正義 インターネット財閥経営」滝田 誠一郎 実業之日本社

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ワンちゃんのお父さんや、iフォンと巷を騒がす元を辿れば、全てソフトバンクに行き着く昨今ですが、実は私あまり知らなかったりする。

あまりにも華々しいM&Aとかする企業って、かなり胡散臭い目で眺めてしまう保守的な私だったりする。その割にITベンチャー系のノリって好きなんだけどね。働くなら。

内情をいくつか知ってるだけに投資先にだけはしたくないと常日頃思ってしまうのも一因かも?

でもね、YahooBBで劇的に通信インフラコスト(相場)を下げてくれた点だけでも凄いけど、イートレード証券もソフトバンクなんだよねぇ~。今年、SBI(=ソフトバンクインベストメント?)証券に社名変更してたけど。確か、銀行も作ったでしょ、住信SBIネット銀行、SBIアクサ生命とか、SBI大学とか、メチャクチャ関連会社増えてません?

スカイパーフェクトTVもそうだし、キングストンテクノロジーもそうだとは全く知りませんでした。コムデックスもそうらしいし、本書を読んで絶句することしきり。

実はこのブログを書くほんの10分ほど前まで、まさにSBI証券で信用買いの注文を出してたんだけど・・・。

ソフトバンク・テクノロジーとかに一時いたことあったし、ふむふむ、だいぶ私の生活に関わっていたりもする。

そういえば、ソフト会社の流通経路は、今もソフトバンクが最大手だったりするんですよ~。vector経由で直接ダウンロード販売もあるが、パッケージとかだとまず間違いなくソフトバンクを抜きに語れない。以前、それを知って驚いたが、そもそも社名の由来がそこだもんね!

いろんな意味で興味が湧いて本書を手に取りました(前置き長くてすみません)。

本書は1999年の出版で、現在のソフトバンクを鑑みるとはるか昔の話に過ぎないが、それであっても現在の姿のルーツが本書のあちこちに散見している。それは、基本路線がぶれることなく、自ら描いた路線を進んでいる姿に他ならない。

逆説的かもしれないが、今の姿を知る為にもあえて過去を理解するには本書はなかなか好適書かもしれません。私には、大変面白い本でした。

そうそう中でも孫という人物に対して、常人と異なると感じたことを挙げてみます。
1)自らが納得の行くまで調査し、情報を集め、考えに考え抜いたシミュレーションの上で70%以上成功できると確信できたものだけを選んで、行動に移す・・・・私は、思いつきだけで行動してしまう点が多々あるのだが、大いなる他山の石かもしれない!
2)徹底的にやると決めたことをやりぬく決意・・・私の場合は、納得の行くまで計算ができていない故に、やりぬくだけの情熱と行動力を支えきれていないのだろうか?
3)目先の損を引き受けてでも協力会社を優遇せよ・・・優秀な企業が仲間として集まってくる(『損して得とれ』、やはりまず自分が相手の為に行動してはじめて人は自分の為にも行動してくれるようになるもんですね)

起業まもない頃に、病気で入院し、病院から経営をし続けた男。この情熱、思いこそが、何よりも大切なのでしょうね! うむ。
【目次】
第1章 人生は限られた時間しかない
第2章 ソフトバンク設立
第3章 孫のナンバーワン戦略
第4章 流通ビジネス事始め
第5章 草創期を支えた10人の大恩人
第6章 病に倒れた孫を襲う内憂外患
第7章 時代の寵児とならしめた孫の二乗の兵法
第8章 孫と西、宿命のライバル
第9章 ソフトバンクに挑み、敗れていった徒花たち
第10章 AX―パソコン規格統一へ動き出す
第11章 市場を席巻したDOS/V
第12章 ソフトバンク成長物語
第13章 大胆な戦略を裏打ちする緻密な計算
第14章 三〇〇年続くインターネット財閥
孫正義 インターネット財閥経営―ビル・ゲイツを超える日(amazonリンク)
ラベル:書評
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2008年07月14日

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」山田 真哉 光文社

ベストセラーは嫌いなくせに、やっぱり気になるミーハーな性分でとりあえず、暇つぶしに読んでみた本。

想像していたよりは、ずっとマシな内容。奇をてらうこともなく、入門の入門と考えれば、良心的。今までこの手の事を知らないで生きてきた人には、とっつき良さそう。売れるのもむべなるかな。

会計的な用語なんて、どうでもいいですが、本書で語られる内容は社会人としては新入社員1年以内の水準だと思う。入社して3年過ぎてこれぐらいのことを意識してなかったら、絶対にその人仕事してないんじゃないかなあ~。

利益を生み出すことを一義的なレゾン・デートルとする『企業』で働くなら、知らないでは済まされないと思う。売上を上げるか、費用を抑えるか、どこにいたって四六時中会社から(上司から)要求されることはそれに尽きる!

それはおいといて。
本書はキャッチーなタイトル以外にも、具体的な例(郊外の普通の住宅街にある不相応に高い料金のフランス料理店が儲ける方法、等々)を挙げて、そこから会計的な方向へ話を広げていくのが実にうまい! 確たる理由があって売れている本です。悪い本ではない。

でも、初心者に分かり易くに徹し過ぎたので、少しでも物の道理を分かっていると、相当物足り無い。

例えば、「売り掛けの回収は早く、支払いはできるだけ遅く」というのはどの会社でも考えるが、実際に支払いに手形を使うのは、どうなんでしょうね。経営的判断としては、劣悪のような気がします。半金半手なんて、ざらに聞きますが、大手であっても内実資金繰りの相当悪い会社である場合が多いです。

上場会社なら、割り引いて現金化もできますが、実質金利分の値引きを要求されているわけで好ましいとは思えません。取引先の人と話した時も、手形で払う会社にはおいしい話は持ちかけないし、自然商品の質もそれなりになるのはやむを得ないと言ってましたしね。

経営者なら、その辺を暗黙のうちに理解して、支払いは可能な限り、早めに払う方がむしろ優れた協力会社を囲い込めると思いますけどね。経営的判断とは、もっと複合的且つ、長期的視野での意思決定ですから。

また、現金取引(COD)は確かに資金回収の点では素晴らしいものの、その場限りで終わってしまう取引であり、継続的な取引の観点ではまた話は違ってくるのものです。

もっとも、本書はおそらく会計的側面に絞って話を進めることで、分かりやすさを前面に出しているのであえてその辺は、省略しているのだと思います。在庫は持つな、というのも教科書的には正論ですが、100円ショップのダイソーを見てると真逆の方向性故の成功ですし、企業の差別化、優位性という観点では、常識に囚われるこそが非常識というのもしばしば聞く様になりました。

ただ、それらも含めて基本は大切です。基本を分かっていない人は、本書をきっかけにその方面にも関心を向けるといいのかもしれません。私は、ハローワークに通ってた時に大原簿記で簿記2級相当まで学ぶ機会があったので一応、工業簿記の基礎くらいまでは理解していますし、株式投資の勉強の為に、財務諸表や損益計算書ぐらいは高校生ぐらいからおおよそ読めてはいましたけどね。

まあ、四季報の数字が分かれば、とりあえずはいいんじゃないでしょうか? 金が絡むと勉強意欲が湧きますよ~(笑)。

さて、株価の低迷も継続しているし、投資用資金も少し目途がついてきたので、今月から来月にかけて、少し株でも買うかな? 中長期投資で年利20~30%での運用が目安。過去の平均もコンスタントにそれぐらいだし、実は結構才能がない私としては、年50%を目標にしたいが、さすがに難しいなあ~。デイトレやってた時は、年5~10%まで運用利回りが落ちてショックでかかったです。法人名義で運用してたんだけどなあ~。

まあ、ヨーロッパ旅行代金も貯蓄に回しますか。企業分析でもせんといかんなあ~。ずいぶん離れていてセンスも鈍っていそうだから、またお勉強しないと。

難しく考えずに、数字を通して物の流れを捕まえる!企業の経済活動にはその反対方向に必ず資金の動きが生じるので、意識していれば、自然に分かるレベルのお話でした。

あっ、関係ないけど先日散々批判していた光文社さんの出している本だったんですね。私も節操ないなあ~(自爆)。
【目次】
1 さおだけ屋はなぜ潰れないのか?―利益の出し方
2 ベッドタウンに高級フランス料理店の謎―連結経営
3 在庫だらけの自然食品店―在庫と資金繰り
4 完売したのに怒られた!―機会損失と決算書
5 トップを逃して満足するギャンブラー―回転率
6 あの人はなぜいつもワリカンの支払い役になるのか?―キャッシュ・フロー
7 数字に弱くても「数字のセンス」があればいい―数字のセンス
さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)(amazonリンク)
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2008年07月05日

「同志 技術者諸君」山下 博典中央公論社

技術職のおっさんが、飲み屋でグダグダ言っているだけのものを文字にした。ただ、それだけの本。

とにかく何が言いたいのか、意図が不明。仕事の話なのか、個人的な愚痴なのか、入り乱れたままでただ文字にしていある。

この人、本当に技術者なのだろうか? 文章自体は下手でも、論理的で明確さがあるならば分かるしOKだがそれがないままで仕事になるのだろうか?

私はこういう人とは仕事したくないなあ~と思う、そんな本です。この本は本当に破って捨てました。時間の無駄だと思います。

同志 技術者諸君 (中公文庫)(amazonリンク)
ラベル:書評 ビジネス書
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「トヨタ流 最強の成功法則」若松 義人 成美堂出版

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先日読んだ同一著者の本と書かれている内容はほとんど同じ。そういった点では、あえて読む必要はないが、同じことを繰り返しているので一読しただけではすぐ忘れる私には、記憶力の定着の為として意味があるかも?

でも、凡百の経営書を読むなら、これを読むほうがいいでしょう!

以下、個人的メモ:
トラブルは改善のチャンス。

規則の改善は、規則の遵守に勝る・・・但し、前提として規則は守らなければならない。

景気がいい時に合理化を。

問題の原因を外部に求めず、まず自分(自社)に求める

『現場納得』・・・

『現地現物』・・・現場の実物を見て、実態を確認しながら仕事を進めていく

『視切る(みきる)』・・・一つ一つの仕事について、本当に必要かどうかをきちんと見ていくこと。「なんのためにやるのか」「やり方はどうするのか」を正確につかんだうえで、やるべきことと、やらなくてもいいことを整理する。

3種類の『きく』・・・受動的に「聞く」、自分の意思で「聴く」、聞き出す為に訊ねる「訊く」

今後の読書予定に入れる本
・ジェフリー・K・ライカー「ザ・トヨタウェイ」(日経BP)
【目次】
1章 ライバルよりトップと競え
2章 常識に頼るな
3章 スタート前に多くを終えよ
4章 仕事に「人ごと」はない
5章 自前にこだわれ
6章 現場に精通せよ
7章 「みんなで」の力を信じよう
8章 楽しさを生産せよ
トヨタ流 最強の成功法則―この問題解決力、この現場力、この徹底力! (成美文庫)

ブログ内関連記事
「トヨタ流最強社員の仕事術」若松義人 PHP研究所
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2008年07月04日

「3時間で読める!ビジネス新書900冊」新書マップ編集部 光文社

しかし、ここまでヒドイ本は初めてです。

「新書は数がたくさんあり、扱うジャンルも多岐に渡り、入門書としてお薦めです。ただ、あまりにも新書は数が多いのでどれから読めば迷うのでその為の読書案内」というのが、一応はコンセプトらしいが腹抱えて笑わせてくれます光文社さん。

本当にゴミ以下です。内容、本としての紙質、そしてそれを千円で売るキチガイ沙汰の価格設定のどれをとってもね!

おそらく半年もしないうちに日光で変色し、ゴミと化すのが目に浮かぶような紙に、ジャンル毎にただただ、本のタイトルが並んでいるだけ。
今時、ネットで検索しても概要出てくるもんですが、一行書評さえなく、本当にタイトルだけが並んでいる頁が多くて唖然とした。
(まあ、たまに3行書評もあるけど・・・お粗末過ぎ)

良識以前に、これを本として売って恥じない神経を疑う。もっともこれを買った人は、もう読書しない方がいいですよとマジ、余計でうざい忠告をするしかないでしょう。見る目無さ過ぎ!!

本屋でたまたまタイトルだけ見て、図書館に予約入れてしまったので借りて読んだが、これほどまでゴミとは思いませんでした。私も見る目無いのを大いに恥じ入ります。

少なくともこの本の制作に関わった方々、対象となる本を全く読んでいないでしょう。何故なら、内容選択の基準がメチャクチャです。やはり光文社さんの本は、避けてしかるべきという私の偏見は、間違っていないようですね。徐々に確信に変わりつつあるこの頃です。

詐欺以外の何物でもないだろう。それしか言えないヒドイ内容の本です。

3時間で読める!ビジネス新書900冊 (Kobunsha Paperbacks Business 16)(amazonリンク)
ラベル:書評 新書
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2008年07月02日

「いかに「時間」を戦略的に使うか」DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部  ダイヤモンド社

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基本的に章毎に独立したものと考えて良い。個々に雑誌 harvard business review に掲載した記事をタイトルでまとめて本形式にしたものです。

harvard business reviewは学生時代によく読んでいたが、確かに一昔前の科学的管理手法の王道であり、いかにもアメリカが得意そうな方法論ではあるが、正直実効性はどうなんでしょうね?

外資系の経営コンサルさん辺りが、さも論理的に滔々と語る姿が目に浮かびますが、分析のクリテリアとしては一考に価するものの、実際にそれをどう導入し、費用以上の効果(利益)を挙げられるのかが疑問。
(本書内でも、その点は素直に認めているのが良心的)

あくまでも一つの見方として、こういう物の見方もあるのかあ~と思いつつ、現場や実情に即して応用できるか、それが一番大切なのでしょう。視野を広げたり、視点を変える契機として読む分には悪くないかもしれません。

ただ、幾つか興味深かったこともあったので、適宜メモ:
時間的プレッシャーの中では、創造的思考は生まれない。
・・・集中力を妨げる種々の細々とした雑事は、価値ある仕事の達成を困難にする(今日の私の仕事がそれに当たる! 意図的に内線電話がかからない場所に隠れて仕事してたよ)

リターン・マップ
・・・R&D及び製造にかかる投資、売上、利益を時間と金額との関係で追跡するもの。製品プロジェクトの評価基準として用いる。
実は、これ知りませんでした。時間を要素として取り込んで、損益視点と合わせて進捗状況の把握をするんですね。これは面白そう。どの作業がボトルネックになっているかも把握できそうですね!

病院での投薬や治療指示の際に、自動的にその指示に関連した情報が提供され、日常業務の中にナレッジマネジメントが前提として組み込まれたシステムが実際に運用されているのは、大変驚き、また感動を覚えた。
ナレッジ・マネジメントの素晴らしさと大変さが、実に素敵に紹介されている。

ナレッジベースの作成及びメンテには、多大な労力がかかるうえにそれを利用し、十分に活用するのも実は相当なエネルギーを消費するのが普通だ。

この点、外資系企業はまさに企業文化故か、その点は日本のはるか先を行っていると思う。外資系ソフトウェア会社のテクニカル・サポートをしたときにまさにこのナレッジベース(KB)の凄さと面倒臭さを痛感したが、大昔コンサルティング・ファームで働いていた友人から聞いた研修用ケース・スタディもまさにこのKBに相当するのだろう。

本書では、その利用を業務の中に組み込む事で意識せずに、利用を促す仕組みにまで作り上げているのが、実に素晴らしい!!
今の会社でも、違う人から類似の質問を何度も受けるたびに、それらをKBとして作成しようと思うが、面倒臭くて使用しないことが目に見えているのであえて着手していない。

作成に非常に手間と時間がかかるのだが、マニュアル同様、なかなか人はそれを見ないものだからネ。社内制度として強制する一方で、それを利用する事による明確なメリットを提示できない限り、死蔵されてしまうのが目に見えており、使われないシステムは愚の骨頂であり、独り善がりでしかない。だから、状況が揃うまで着手しないんだけれど・・・。

話は変わって、本書では矢継ぎ早に新製品を投入するようなタイムベース競争の功罪的な話をしているが、根本的なところが間違っているように思えてならない。タイムベース競争は、絶対的に『正』だと思う。人間の人生が有限である以上は、それは当然、肯定されるべき要素に他ならない!問題なのは、顧客のニーズの無いところでのタイムベース競争であり、ニーズがある限り、『早い』ということはそれだけで一つの価値のあるサービスだろう。

論者は、それを完全に見逃しているのでないだろうか? 日本の企業が幾つか挙げられているが、過去の一時点の特定観点からの評価でしかなく、私は現在時点で見ているので公平ではないのを差し引いても、やっぱり違和感を覚えてならない。

レクサスの成功は、確かに海外の経営の教科書にはよく出るけど、日本の場合、知ってるのかなあ~。顧客管理をしているのは、トヨタ本体じゃなかったはず・・・。まあ、何も知らない人が自分の都合のいいように引用している気がしてなりません。

他にも多々納得がいかない部分が多く、日本で導入したら、コストばかりかかって現場から総スカンをくらい、かえって効率落ちるんだろうなあ~と思うものが多いですが、知らない視点が確実にありますし、他山の石としてもいいので、もし自分の問題意識と重なるものがあれば、見てもいいレベル。

基本的にたいしたことはないです。実務へ落とし込みの方がはるかに大切なのは、実務者がご存知の通り!!
【目次】
第1章 マネジャーが陥る多忙の罠
第2章 時間を浪費する人々
第3章 時間的制約は創造性を高められるか
第4章 リターン・マップ:時間対効果の最適化
第5章 時間主導型ABCマネジメント
第6章 ジャスト・イン・タイム型ナレッジ・マネジメント
第7章 日本企業に迫られるタイムベース競争の再検討
いかに「時間」を戦略的に使うか(amazonリンク)
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2008年06月29日

「効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法」勝間 和代 ダイヤモンド社

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本書を読むのは、2回目となる。前回は忙しくて書評を書かかなかったので改めて自分流に解釈したうえで書いてみる。

一読目は、かなり面白かった。普段自分で無意識にやっていることを明確に順序立てて整理されており、その意義をそれぞれ解説されていたので、改めてなるほどと頷かされる点が多々あった。

同時に、基本的な考え方は正統派的でもっともなものの、現代の情報セキュリティの厳格な運用を求められる職場環境で、仕事に関する情報を著者のような方法で管理することは有り得ないし、管理できてしまう会社は、問題有りだと強く感じた。以前も別なところで触れたが、gmailへの仕事メールの転送やUSBメディアの職場PCへ接続、個人的ノートPCへの仕事情報の保管は、原則禁止の企業が現代は増えている。

今回は、それらは重複して書かずに本書内の方法論として二次利用や再利用できるものをメモしていってみようと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
知的生産のスキル向上に不可欠なもの
1)原理原則を学ぶ
2)原理原則論に従ったテクニック、即ちケースを学ぶ
3)ケースを手本に、自分のやり方を試行錯誤して身に付ける

ここでいう、1)2)の部分を進めいきたい!

フレームワーク力:ある目的に沿って整理された思考の枠組み。
・・・私的には言うならば、本を読むときの目次がまさにそれが当たる。それ故、面倒ながら本書の詳細の目次を書き出してみた。本を一読後、目次だけ見れば、ほとんど内容を思い出せるはず。読み始める前にこれを頭に入れて読む事も当然、有効。

ディープスマート力:ある分野における長年の経験に基づき、時間をかけて私達の仲に暗黙知をためて新しい洞察ができるようにあること

本代をケチらずに~。
確かに自腹を切って購入する事で、必至になって読む効用がある。但し、無駄な本だと分かっても金を出したからと最後まで読み進めようという気持ちが生まれるのが私は嫌い。
何よりも、本を買う事で読んだ気になり、積読になる危険性を憂える。その為、可能な限り図書館で済む本は、借りて読む。何故なら、返却期限があるので原則、その期間中に読了する。重いものをわざわざ借りているので全く読まずに返す事はない。読めない場合でも、15分ぐらいでざっと目を通し、本当に読む価値があれば、改めて買って読む。また、読了して再読する価値がある本は、即座に購入リストに入れて後日買っておくことにしている。このやり方の方が私は確実に多くの本と出合え、読めると確信する。

但し、手元に置いておく価値のある本は必ず後日買う事! その時にお金をけちるのは間違いだと思う。また、全て購入本に限ると、少しだけ興味があるが、最後まで読むか不明の本には手が出なくなるので自らの好奇心を狭くする危険がある。本を投資と考える考え方は、浅ましくて絶対にしたくないし、浪費も愚かだと思う私の思考方法には、このやり方が一番マッチしていると思う。

耳の活用。
これは、私がもっともできていない課題。MP3プレイヤーの利用なども過去何度か試しているが、通勤時間なら、それよりも睡眠や読書に当てる方が効率が良いように感じてしまう。ただ、可能な限り複数の感覚を利用するのは、絶対に好ましいはずだし、その方が体験的にもうまく機能するので何らかの形で実施していきたいと考えている。

読書法。
線を引かないのは当たり前ですが、私は常に本の表紙裏に付箋を数枚貼っておきます。読みかけのところにしおりを挟んでいるのでは落ちてしまって、駄目なのでしおりとして使う他、後でブログにメモしようとか参考文献が出ていて次に読む本とかする場合、すべて付箋をつけておく。これだけで読書後の本の再利用は効率的になります。本書では、そういう点は触れられていませんね。まあ、利用法ではなくて、投資法を書かれているのでいいのですけど。

生活習慣。
個人的には、こういう要らぬおせっかいは大嫌い!! 自分のライフスタイルは、その人の人生そのものであり、思考の具現化でもあると思います。何が大切で何が大切でないか、自分の生活をどう捉えようと自由ですが、これはこうすべきという主観的解釈の押し付けは、余計なパターナリズムの産物です。私が卒業論文で少し扱ったことがあるテーマにも関わりますが、自由主義のなんたるかを理解できていない人なのでしょう。少~し、本質的な意味で浅学なところが出ていると思います。

この世の中は、投資や効率性だけでは図れません。当たり前ですけど。経済の教科書の基本である、utilityの意味をもう一度捉えなおすべきでしょう。もっと、視野の広い本を読まれることを切に期待したいです。
基本的に著者の本、嫌いじゃないし、どちらかというと好きな点多いし、読む価値があると思うのですが、時々、本質的な部分で明確な誤りがあるので注意して読まなければと思います。

でも、最近出たこの手の本の中では、確かに売れるだけの要素が揃ってますし、方法論は素晴らしいと思います。ただ、本書のままでは現在のビジネスの実情に合わないので、最低でも一工夫しないとそのままでは使えません。そこまで分かって利用すれば、得る所大でしょう!!

また、IT系の素養がある方だと、いささかなんだかなあ~と思う水準の話なので、その手の方はIT機器の利用については割り引いて考えるべきですね。あくまでも一般大衆ビジネスマン向けです。それなりの職場で仕事のできる管理職以上のビジネスマンなら、まあ、できていて当たり前のレベルのような気もします。

ナレッジベースの構築とか、もう少し会社全体に貢献するノウハウにまでは至りません。あくまでも個人ベースでの効率化に限定されていますのでご注意を!
【目次】
はじめに 数々の資格・賞を取得した新・知的生産術を公開!

第1章 自分をグーグル化する方法
情報こそが通貨になる時代
グーグルとIT機器を120%使いこなす
フレームワーク、原理原則を軸に組み立てる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第2章 情報洪水から1%の本質を見極める技術
勝間流・1%の本質を見極める6つの技術

技術1:「フレームワーク力」をつける
技術2:「ディープスマート力」で経験値を重ねる
技術3:「失敗力」をつける
技術4:「ベスト・プラクティス」の共有で学びを分けてもらう
技術5:自分の価値を出せないところはバッサリ捨てる
技術6:本代をケチらず良書を読むーウェブ全盛時代に本でなくてはならない理由
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第3章 効率が10倍アップするインプットの技術―アナログ手法とIT機器を融合させる方法
勝間流・インプット力を高める6つの技術

技術1:何はなくともノートパソコン。自分の「補助脳」として使い倒す
技術2:フォトリーディング、親指シフト、マインドマップなど、自分ならではのOSを整える
技術3:アナログ入力とデジタル入力をバランスよく使い分ける
技術4:マスメディア情報を減らし、実体験、他者体験、良書を3大情報源とする
<勝間流・読書投資法7か条>
読書投資法1:本は著者との対話。対話しているつもりで読む。
読書投資法2:すぐに読まない本でも、とりあえず買っておく。買わない本は読まない。
読書投資法3:5000円以内の本は迷わず買う。飲み代1回分だと思えば惜しくない。
読書投資法4:自分のテーマのアンテナを張っておくと、自ずと必要な本が目に入ってくる
読書投資法5:ベストセラーは読みやすいが、中身が濃いとは限らない
読書投資法6:保管しておくのは買った本の10分の1でいい。
読書投資法7:本を読むときは速読スキルを含め、スピード優先
技術5:目以外の感覚器、特に耳をもっと活用する
技術6:睡眠は投資! よく運動して、よく寝る
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第4章 成果が10倍になるアウトプットの技術―マッキンゼー直伝!ピラミッド・ストラクチャー&MECEの力
勝間流・アウトプット力を高める6つの技術

技術1:自分独自のアウトプット表を作って、インプット情報を自分で確かめてみる
技術2:自分の学びを言葉で表現してみる
技術3:自分の学びを常に数字に置き換えるクセをつける
技術4:自分の学びから、情報を絞りこみ、軸を発見する
 ー簡略化、階層化、フレームワーク化の方法
技術5:自分の学びをブログに統合して表現してみる
技術6:自分の学びを本として出版する
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第5章知的生産を根底から支える生活習慣の技術―すき間時間、体力、睡眠に投資する発想転換のススメ
勝間流・知的生産を支える5つ生活習慣の技術

技術1:禁煙・飲酒など、知的生産の6大危険因子を極力遠ざける
技術2:すき間時間を有効活用するクセをつける
技術3:睡眠時間をしっかりと確保し、情報整理とストレス解消に役立てる
技術4:知的生産の集中力をつけるために、体力をつける
技術5:頭と体にいい食生活を心がける
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第6章 自分の力が10倍アップする人脈作りの技術―情報のGive5乗の法則
技術1:情報を「Give&Give&Give&Give&Give」する
技術2:メールの質量を高めて、つながりを広めるー勝間流・メール交換5つの心得
技術3:コミュニティ・メーリングリストなどを活用して、人の集積基地になる
技術4:ランチミーティングを上手に併用する
技術5:自分のコミュニケーションスタイルを尊重する
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最終章 今日の5つの新しい行動から明日を変える!
今日の小さな行動から明日が変わる

新しい行動1:情報の本質を見極めるために、脳に格納箱を作る
新しい行動2:インプット力を高めるために、いい情報を脳の栄養のために与える
新しい行動3:アウトプット力を高めるために、ブログにひたすら書き残す
新しい行動4:知的生産を維持するために、できることから生活改善する
新しい行動5:知的人脈を作るために、Giveの5乗を実践する
【追記】
そういえば、シンクライアントPCを使った在宅勤務などの話もあるが、時代はどちらに向かうのだろうか?

在宅勤務はえてして仕事の常態化につながり易い。一般人が24時間仕事をするのは馬鹿げた発想だと思うし、効率化は下がるだろう。個人PCに直接的な仕事関係のものは入れるべきではないと思う。

効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号」「グーグル化」知的生産革命
「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」勝間和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン
「会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール」福沢 恵子、勝間 和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン
「仕事に活かす!本200%活用ブック」日本能率協会マネジメントセンター
活字の海で~読書術は普遍的テーマ 相次ぐ指南本が好調~
「知」のソフトウェア 立花隆 講談社
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2008年06月25日

「トヨタ流最強社員の仕事術」若松義人 PHP研究所

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既に今更感はあるものの、まだ一度も高名なトヨタ式経営手法の本って読んだことがなかったので、まずは入門書的に読んでみました。

著者はトヨタ自動車工業で数々の現場を経験してきた人らしいです。非常にシンプルな方法論ではありますが、基本ですし、実際に私の経験上からもさもありなん!って納得がいくことが多かったです。

現場を知らない人が本書を読んでも、何にも得る所はないでしょうし、実際に役立たせることもできないでしょうが、常に問題意識を持って仕事をしている人なら、ふと気付かされることが多いと思います。

これは、どんな仕事・どんな職種であっても共通する問題意識に対する方法論として意義があると思いました。悪くない本です。本書を契機に改めてトヨタに関する本を読んでみようと思いました。

読書メモ:
「汗」を出しすぎるな。知恵が出にくくなる。
・・・汗をかかなくても仕事ができるような「仕組み」をまず作れ!

よくない状況がよい頭脳をつくっていく
・・・困ってはじめて人は知恵が出る。私が以前いた会社の社長は「ピンチはチャンス」を口癖のように言っていたっけ。

原因不明のできごとは自己原因にしてみよう
・・・外部要因にした時点で、人は努力や改善を放棄する。私も経験があるが、GNPの動きと会社の売上について、正の相関関係を統計的に確認できたが、予算会議ではそれには一切に触れずに、自部署の問題点だけを月次会議で報告した。そうしないと、会社は絶対に駄目になると思う。

できることからやる人ができないことをやれる人
・・・『百聞は一見にしかず、百見は一行(行動)にしかず』
まずは、アイデアは即実行する。そしてうまく行かない時には改善して更に実行する。この繰り返しで実行する。

成功する秘訣は成功するまでやめないことだ

ミスで迷惑をかけるのではない。ミスを隠して迷惑をかるのだ。
・・・これだけは私が間違いなく意識して実践できていること。他人からの信頼につながると共に、業務としての問題点が早期に明確化し、会社全体の効率化に直接寄与している場合が多々あった。


※今後の読書予定に入れる(?)本 
・「トヨタ生産方式」ダイヤモンド社 大野耐一
・「現場経営」日本能率協会マネジメントセンター 大野耐一
・「決断」日経ビジネス文庫 豊田英ニ
【目次】
1章 考え方を改善せよ
2章 すぐやれ、少しずつやれ
3章 「できる」と結論せよ
4章 「普通」を忘れてかかれ
5章 いつも「あとさき」を案じよう
6章 「気持ち」を放置するな
7章 成功地図を描こう
トヨタ流最強社員の仕事術 (PHP文庫)
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2008年06月09日

「100億稼ぐ仕事術」堀江 貴文 ソフトバンククリエイティブ

実は以前から興味を持ち、読んでみたいと思っていましたが、マスコミに踊らされた虚像のホリエモンに世間が現を抜かしていたので、あえて読まないで放置していました。

先日、100円で買ったので読んでみると、(かつての)華やかなベンチャーの旗手にしては、実に地道で中小企業のおっちゃん創業者の話かと思いましたよ~。

逆に言えば、それほどまでに地に足をつけた苦労人の創業者であり、世間で評価がコロコロ変わるほどの駄目な経営者ではない。確かに投資家を欺いたのは、良くないが、あの会社の株を買った人達の良識を私は疑ってならない。死んでもああいう状態の会社の株なんて買う気にならんもん! 

高校生の時から株はやってますが、あの手の会社の株を買う人は、すぐに株式投資を辞める人ばかりです。たぶんNTTを買って、喜んでた人達と同じ類いの方々でしょう。

まあ、そういう事件の事はおいといて、本書に限定する限りでは、実に正統的です。徹底してあいみつをとり、何度もネゴしてコストを削減することで利益は生まれるとか、同じ業者ばかりと付き合うと癒着して駄目になるとか、おおっ~と以前いたベンチャー企業のオーナーに嫌ってほど、毎日聞かされた台詞です。当初の見積もりの三分の一くらいまで平気で落ちるもんなあ~。

電話一本、3分の交渉であっというまに500万円のコストが浮いたりしたのを実体験で経験しているので私は大いに頷いてしまいます。

あと新しい企画は、リスクが低いなら、とにかく何でもやってみる! せんみつではないが、そのうちのどれかが当たればOK!というのは、真理だと思う。現代のようにスピードが速い時代に、時間とコストを浪費するだけで事業化率アップにつながらない調査や検討をするくらいなら、まずはやってみる方が正解でしょう。

新規事業なんて、思いついた瞬間から陳腐化するのでやりながら、修正・改善していって、一定期間中に成果が出なければ、他のプロジェクトにスウィッチするぐらいじゃないと、勝ち残れないとホントに思う。

その点、本書では的確にその点を指摘しており、信頼に値するだろう。

あとね、パワポやエクセルのグラフ作成が時間の無駄で給料泥棒的な扱いをしているのには、全く同感です!

確かに社内での情報共有化、コンセンサスの獲得とか分かるんだけど、数値だけで分からないのは、ビジネスの世界では無能か、怠け者のどちらかでしかないと思う。

グラフやパワポって一見すると分かり易いが、その実、表現方法次第でかえってバイアスを増幅させ、正しい数値の認識から外れることもあるし、本書ではそれよりもデータ加工の為に貴重な労働時間を浪費している点を強く非難している。

確かに無駄だと思う。著者はご存知の通り、ITスキルも熟知したうえでメールで十分と言い切るのは、素晴らしい♪ 「エクセル、パワポ、時間の無駄」というのは、私も痛切に感じる。

実際、会議資料でエクセルのグラフやパワポは私使用したことないです。(悪いけど、勿論使用方法は知ってます) 数値の表みれば、トレンドや問題点なんて分かるはず。分かんない奴は、駄目駄目君でしょ!

ただ、エクセルやアクセスのVBAやマクロは大いに有用だと思うし、以前から使用しているけどね。

そういった点でも、著者の考え方には大いに賛同しますし、そこそこいいと思う。仕事の処理の仕方でも、すぐできる単純な仕事は、優先順位関係なくリアルタイムで処理し、時間のかかる大切な案件のみ別枠で優先順位をつけて処理するやり方は、基本中の基本!!

でも、これやってない人が実に多いんだよねぇ~。当たり前の事を、当たり前にやられていた著者はそういう意味でも本物の経営者だったんだろうなあ~と思います。

いろいろあったにしろ、もう一度事業を始めたら、きっと成功するだろうなあ~と心から思いました。いい意味で勉強になる本です。冷静に評価できる今だからこそ、読むべき本でしょう。

同じ本でもブームの時に読んで、今見向きもしない人は、本書の価値が分からない人です。きっと!
【目次】
0 ゼロカラ

1 ヒト
クライアントを増やす
部下を動かす
対人トラブルに対処する

2 ジカン
会議時間を短縮する
打ち合わせ時間を短縮する
仕事のスピードを速める
時間を有効活用する

3 ジョウホウ
自分に必要なものは何かを考える
デジタルデータを一元管理する
アナログデータをデジタル化する
商売に結び付く情報収集術

4 カネ
徹底したコスト管理で儲ける
必ず儲かるビジネスをやる
金は天下の回りもの

5 ツール
メール×キホン
メール×ヒト
メール×ジカン
メール×ジョウホウ
メール×カネ

∞ 100オクカラ
100億稼ぐ仕事術 (SB文庫)(amazonリンク)
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2008年06月08日

「日経ソフトウエア 2008年 07月号」日経BP社

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本を買って勉強しても良かったのですが、雑誌の方がレイアウトとか見易さが考慮されているし、今回は基本中の基本からの解説なので、久しぶりに買ってみました。普段は、本屋で眺める程度なんですけどね。

購入して正解!
通勤の車内で読むので、しっかりと学ぶという感じではありませんでしたが、こういう基本的な事をざっとでも知っていると後々違いが出るような気がします。

また、今後は改めてVBを勉強しようかな?って思っていたので今回のVisual Studioでのプログラミング開始の特集は、まさに私の求めていたものだったりします。タイミングがバッチリ!

現在、特集2の途中ですが、いいですコレ。VBAから一歩進めていくには、ちょうどいい感じ。

一番最初に勤めた会社で、オブジェクト指向プログラミングの勉強の為、英文の資料を読んでレポートを作成していた頃を思い出しました。なるほど・・・今になって、あの時の内容と時代の推移における位置付けなんかが、ふと明確になってきた観があります。

そういやあ~、やったなあ構造化プログラミングとかってのも!

最初の会社で、基幹系のCOBOLを数ヶ月やった後、オブジェクト指向プログラミングの概念の勉強をしつつ、C++をちょこっとやったとこで会社辞めちゃったんだよね。

それ以降は、経済学やってたけど、就職先では、オフコンでRPGやったり、データベースマーケティングでSQLもどきのqueryとか作成したり、分析をやっていた。

ただ、解析系ツールの使い勝手が悪かったのでしかたなくcsvに落とした後、アクセスなどで種々の加工や分析をしていたのでVBAやマクロも必要になったんだっけ?

で、その後セキュリティーソフトやバックアップソフト関係をうろうろして、何故か今は、VBAとかでツール作っているという訳だったりする。ちょっと職務経歴書っぽくなってきたかな?(笑)

話が脱線したけど、本書はなかなか分かり易いし、気に入りました。今後は買い続けて行ってもいいかも?

最近、思うんですが、(当然なんだけど)仕様通りにツールが動作し、それを業務で使用することで明らかに効率が何十倍、それ以上に改善するのをみると、やっぱり素直に嬉しかったりする♪

定型作業は自動化すべきだし、非定型作業は可能な限り、パターン化してグループ化したうえで自動化し、本当に個別に対処しなければならない部分のみを選別すれば、もっと効率化できるはずなんだよねぇ~。

つ~かDWH(データウェアハウス)から、csvに落とす部分が定型なんだから、日時更新後にバッチで処理しておいて決まったところにファイル作成してくれれば、ほぼ完全に自動化できるはずなんだけどなあ~。

毎回決まったものを抽出するなんて、バカバカしくてしかたないんだけど・・・。まあ、他部署に絡む点は、社内政治が影響するので今後の課題にしておいて、自分できる部分を最大限に効率化したいなあ~。

明日は、業務フローにも係わる点でバックアップの事を打ち合わせできるといいんだけど・・・。
【目次】
特集連動付録DVD-ROM付き!
10周年記念号です!
■特集1
根本から一気に理解しよう!
プログラミングの10大基礎

■特別企画
3000人調査で浮かび上がるプログラマ像
プログラマはコレが好き!

■特集2
付録DVD-ROM連動
無償のVisual Studioで
プログラミングを始めよう

■特別付録DVD-ROM
「Visual Studio 2008 Express Editions」
・Visual Basic 2008 Express Edition
・Visual C# 2008 Express Edition
・Visual C++ 2008 Express Edition
・Visual Web Developer 2008 Express Edition

■5大新連載一挙スタート!
じっくり学ぶJava
Rubyでモテモテになろう
わかって楽しいアルゴリズム!
作ってビックリVisual Basic
ノウハウ満載!C言語アラカルト
日経ソフトウエア 2008年 07月号(amazonリンク)
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2008年05月25日

「まぐれ」ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社

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日本語のタイトルが良くないんだけどねぇ~。素直に英語版の直訳にした方が、エセインテリ的な想定読者層には受けるような気がします・・・私には。

本来の原著タイトル:
The hidden role of chance in life and in the markets

Fooled by Randomness

この本を読んで楽しめる読者層って、実は日本ではそんなに多数派ではないと思う。だって、株式投資の基本中の基本である確率論でさえ、理解していない投資家が大半だろうし、本来なら一番分かっているはずの専門家(本書内でもクウォンツとか経済学者が往々にして、間違っている点を指摘している)がある意味、最大の障害つ~か、認めたがらない内容だろうから!

誰だって、成功したと思っている(又は世間一般からそう誤解されている)人々を単純な確率上の一事象でしかないと言われたらねぇ~。なかなか受け入れられないでしょう。まして、著者はかなりのマスコミ嫌いっていうか、徹底的にその存在価値を否定しているかのように見える姿勢で、もっともらしい肩書きでTVや雑誌に出ているだけでちやほやされている人々や、間違いだらけの情報もどきを垂れ流しているメディアをあげつらっている以上、拒否反応を示す人達の方が多いかもしれません。MBAでさえ、使えない奴等というか市場から消えてしまう人々と言っちゃてますから(笑)。

勿論、私などもしっかりメディアに踊らされている方に含まれる反面、相当軽蔑し、嫌っている首尾一貫しない日和見野郎ですけどね。

しかし、そんな私が読んでも本書は、大変示唆に富み、そこで主張される説明が今まで読んだ経済学の本とは、ある種異なった次元で、より合理的だと思えました。

例えば、ずいぶん大昔に読んだ証券アナリスト関係の参考本の「証券投資論」「経済学とファイナンス」や、院生時代に読んでた「金融論」堀内昭義、「金融論入門」芹澤数雄、「金融」館龍一郎・浜田宏一、「証券投資の理論・方法・戦略」水野宣広、「現代経済学の数学基礎」A.C.チャン、確率論は洋書で学んだがタイトルが見つからないなあ~。まあ、そんな本達で学んだファイナンス理論に対して、それ自体が誤りではないが、実際に適用する場面で前提条件が明らかに異なる点(無意識下に無視している点?)を指摘しているという事もできると思う。

是非、証券アナリストの参考文献ぐらいには入れておいて欲しいと切に思う。だって、あの試験内容、それほど高くないもん。(すみません、受けてもいない私が言うと説得力がないかもしれませんが)

問題なのは、あの程度の試験に対しても、とりあえずテストさえ受かればいいというので表面的なことしか理解せずに勉強し、受かっている人達。まあ、何も知らないで個人的なジンクスだけでごもっともな投資理論とかほざいているいる自称・カリスマ投資家やらよりはなんぼかマシかもしれませんが、合理的市場仮説なんて、イデア論の域を出ないだろうなあ~。

もっとも、本書は経済学の素養(+柔軟な頭)があるとすこぶる面白い本ですが、基本的な確率論と論理的に思考さえできれば、表面的には数式などは出てきませんし、誰でも理解できるかもしれません(勿論、100%の理解はできません。私なんかもっと低いレベルの理解でしかありません)。

ある種、純粋な思考実験の賜物ともいうべき作品です。しかし、そこに描かれた内容は、心ある方には絶対に何かしら『気付き』や『衝撃』をもたらすことが書かれています。

いかに自らが気付かないうちに偏った(バイアスのかかった)情報や確率下で、本来想定されるような合理的意思決定が行われていないのか、また、そうすること(=非合理的な決定・選択)自体が何故、一般的に行われ、それはそれで別種の合理性に支配されているのか? そんなことを考えさせてくれます。

知的好奇心旺盛な方、自分が合理的な投資行動を取っていると過信(誤解?)している方、是非、本書をお薦めします。本書を読んだうえでも自分の行動が理にかなっていると思える方は、素晴らしい!! 是非、お友達になりたいです。貴方が教条主義者でそもそも合理性を放棄した方でなければ・・・の話ですが。

理系・文系を問わず、ロジカルな思考さえできるならば、絶対に本書の面白さは分かると思います。著者の全ての主張を肯定するということではありませんが(ここがポイント! 著者も言ってるが、懐疑主義であることが大切なのです)、この手のジャンルの中で本書はここ数年来で一番の良書だと思います。

あっ、念の為、書いておきますが、本書を読んでも株で儲かるとかそういう点には、全く直結しません。むしろ、仕事をしていくうえではマイナスになりかねないでしょう。出世するのは、たまたま偶然で仕事がうまくいった事象が連続し、それを自分で仕事ができると誤解したことでアドレナリンを分泌し、いかにも仕事ができそうなフリをしている人である場合が、実に多いことを指摘しちゃうような本書です。

気をつけないと、同僚や上司に後ろから刺されます(爆笑)。

でもね、実際に実力や能力が伴う場合もあることは、当然ながら肯定しています。その一方で、そうでない場合でも外見上は変わりがないように見えてしまうのが問題だと指摘しているのですが、本書を誤解というか曲解してしまう人は、その辺を頻繁に指摘するみたいです。

日本のマスコミもアメリカのマスコミも、その手の曲解お得意ですし、職業的宿命なんでしょうけど、実に社会にとっての害悪ですね。元々は、情報を周知する素晴らしい機能を持っているのですが、往々にしてノイズを撒き散らし、合理的判断への悪影響の方が昨今多いので、考えものです。

とにかく、読む読まないは別にして、一度は書店か図書館で手にとって目を通して欲しい本です。100人中一人でも本書のことで『気付き』があれば、社会は少しづつでも良くなると信じたくなりますね、私。

本当は、本書内で述べられている具体的な内容をもっと書きたい気もしますが、読んだ時の感動というか面白さが半減しますので自粛しますね。

著者の関心事の幅は実に広範囲です。文学から歴史、芸術、数学、哲学等々。暇さえあれば、本を読み漁って、暗く思考実験しているタイプ(?)。でも、ユーモアの感覚は失っていません。大学の先生とトレーダーの二色のわらじをはくだけあって、本当に魅力的な本です。

私自身は、学生時代、「不確実性下の意思決定」(情報の非対称性含む)が一番勉強していて面白かったのですが、まさに本書はそこをついているわけで、楽しくてしょうがなかったです!!

私自身の一見すると不合理な行動(転職等)も説明がつきそうだけど、人事担当者は理解できないだろうなあ~(苦笑)。説明できても、別な意味で雇われ人としては不適格とか言われそう・・・。

とにかく、私的には最高に面白かった本の一冊でした(満面の笑み)。

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【ちょい、個人的メモ】
本書の中で出てくるサイモンの「経営行動論」。著者は評価しているけど、本当かなあ~。私も読んだし、サイモンの直系の弟子に講義も受けたが、内容は面白いけど、それ以上に発展するものとは思えなかったんだけどねぇ~。

証券投資論の青山先生いわく、「一番いい投資戦略? 赤字会社の今にもつぶれそうな価格の株を適当に多数(種類)買っておけば、どれか黒字になって大儲けできるさ。」とおっしゃっていたことを思い出す。
まあ、ボラティリティを考えりゃ正論だし、現実的にも実効性がありそうだが、博打以外の何物でもないので心理的葛藤があったことを思い出した。合理的市場仮説なんて、まさに仮説以外の何物でもないが、それに市場が近い存在なら、上記の話さえも有り得てはいけないのだが・・・。
【目次】
はじめに:知識を真に受けてはいけない
各章の要約
プロローグ:雲に浮かんだモスク

第I部 ソロンの戒め:歪み、非対称性、帰納法
第1章 そんなに金持ちなら頭が悪いのはどうしてだ?
第2章 奇妙な会計方法
第3章 歴史を数学的に考える
第4章 たまたま、ナンセンス、理系のインテリ
第5章 不適者生存の法則:進化は偶然にだまされるか?
第6章 歪みと非対称性
第7章 帰納の問題

第II部 タイプの前に座ったサル:生存バイアスとその他のバイアス
第8章 あるいはとなりの億万長者でいっぱいの世界
第9章 卵を焼くより売り買いするほうが簡単
第10章 敗者総取りの法則:日常の非線形性
第11章 偶然と脳:確率をわかるのに不自由

第III部 耳には蝋を:偶然という病とともに生きる
第12章 ギャンブラーのゲンかつぎと箱の中のハト
第13章 カルネアデス、ローマへきたる:確率論と懐疑主義
第14章 バッカスがアントニウスを見捨てる

エピローグ:ソロンの言うとおり
あとがき:シャワーを浴びながら振り返る
図書館へ行く:付注
図書館へ行く:参考文献
索引
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか(amazonリンク)
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「Windowsネットワーク&サーバセキュリティ」ネットワークマガジン編集部 アスキー

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基本的にサーバーの管理やネットワークに関しては、できるだけ係わらないようにしてきたのですが、対法人で考えるとアプリ一つとっても知らないでは済まされなかったりする昨今。

私が抑えるべき職務範囲は、キッティングと社内PCヘルプ。&業務効率化の為のツール作成(エクセルやアクセスのマクロやVBA)のはずなんだけど・・・結局、ネットワークは接続のクライアント側の設定まで入ってるようなんだよねぇ~。

直接、サーバー側にはタッチしないものの、pingやipconfigぐらいしか知らないのでは、ちょっと悲しい。せっかくの機会だし、仕事絡みで勉強しようと思って読み始めた本、つーかムック。

パート1の一部、ネットワークの基礎とパート2のActve Directoryを拾い読みしているが、非常にオーソドックスの説明をしている。元々が雑誌の延長線上のムックだけあって、読み易さが考慮されていてGOOD!

変にはしょることもなく、きちんと説明すべきところは説明しているので基礎を学ぶにはうってつけだと思う。読んでもイマイチ理解できていないのは、すみません、私の知識不足。

でもね、気になったところを拾い読みしているだけでも、結構、勉強になる。何よりも途中で分からなくなったら、どこに遡っていけばいいのかがすぐに分かるのって有り難いです。

勿論、頭から頁を順に追っていくのもアリですが、みんなそんな本の読み方しないでしょ。仕事絡みの本だと、何よりも切羽詰っているはずなんで。

これは図書館で借りて眺めていた本ですが、気に入ったので買うことにした一冊です。あると便利な一冊。基本書ね。たぶん、時々パラパラめくって調べたりする系の本だと思います。
キッティング(kitting)ハードウエアを実際に使用できる環境まで組み上げる作業。例えばパソコンの場合,メモリーを挿したり,モニターやキーボードを接続する作業のことを主に言う。OSのインストールやネットワークへの接続までを含める場合もある。~ITproより~
【目次】
パート1 Windowsの仕組みとセキュリティ
 Windowsネットワークの基礎
 ・TCP/IPの基礎知識
 ・Windowsネットワークの仕組み
 ・ブラウジングの仕組み

 Windows Server 2003 「R2」の新機能
 ・Windowsのサポート期間

 Windows XPのセキュリティ機能
 ・XPはブロードバンド時代に対応できるのか?
 ・IEのセキュリティとプライバシー保護機能
 ・IE7のフィッシング対策と個人情報削除機能
 ・Outlook Expressのセキュリティ強化策
 ・大幅に強化されたファイアウォール機能
 ・Windowsの無線LAN機能
 ・WindowsでインターネットVPN

 Windows Vistaネットワークの秘密
 ・ネットワーク機能の変更点
 ・ファイアウォールと防御ツール
 ・無線LAN機能と802.1x
 ・VistaのIPsecの機能
 ・Vista対応IPv6ネットワーク

パート2 Actve Directoryの仕組みとサーバ構築
 Active Directory再評価
 ・Active Directoryで何ができるのか?
 ・情報漏えい対策にActive Directoryを
 ・Active Directoryが実現するセキュリティ機能
 ・Active Directoryを導入するには

 Active Directoryネットワークの基礎
 ・ポートとサービス
 ・トラブルシューティング

 Windows Server 2003構築ガイド
 ・第1回 システムのインストール
 ・第2回 DNSサーバのセットアップ
 ・第3回 DHCPサーバの構築方法
 ・第4回 アカウントの作成と管理
 ・第5回 グループポリシーを利用
 ・第6回 Windowsをリモート管理
 ・第7回 SharePoint Services


パート3 サーバの管理とトラブルレスキュー
 Windows サーバ管理の鉄則
 ・設定とツールの使いこなし
 ・ユーザー管理とアクセス権の付与
 ・サービスとセキュリティの管理
 ・サーバ監視とバックアップ手法
 ・アップデートとリリース管理

 1CD Windows&1CD Linuxでトラブルレスキュー
 ・日本語化とプラグインによる拡張
 ・SP+メーカーでサービスパックを適用
 ・1CD Linuxでファイルサルベージ

 スクリプトでWindowsを管理しよう
 ・プロキシ自動構成ファイルの作成
 ・VBScriptを使ってバックアップしよう
 ・Windowsのアカウントを自動生成

 社内LANセキュリティアップ講座
 ・第1回 PKIを利用したセキュア電子メール
 ・第2回 Windows標準機能で高度な暗号化
 ・第3回 無線LANも暗号技術で安全に
 ・第4回 IPsecによる社内通信の暗号化
 ・第5回 WSUSによる更新プログラムの社内管理
 ・第6回 RMSで情報漏えい対策(前編)
 ・第7回 RMSで情報漏えい対策(後編)
 ・第8回 共有コンピュータのセキュリティ強化ツール
 ・最終回 BSAでパッチ適用チェック

Windowsネットワーク&サーバセキュリティ -Server 2003 R2/Vista対応- (アスキームック)(amazonリンク)
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2008年04月20日

「Excel 計算表で帳票の作成・集計に便利な [関数] 技2」川口 輝久 技術評論社

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通勤電車に乗っている空き時間に読んで、仕事で使えるエクセルの関数をマスターしようというコンセプトの実用本。

狙いは成功していると思います。コンパクトなサイズに、シンプルな構成。豊富なカラーで見易く、分かり易い内容です。基礎から一歩進んで、実際の業務で使える水準で関数の使い方を説明しています。

うまく生かせば、業務作業の効率化に資すると思います。

あえて一言だけ言うと、関数の複数組み合わせで実践的な使い方を説明しているので個々の関数の処理を追って理解する必要があります。車中でそれをやっていると非常に疲れるということ。

実際にやっていると、せいぜい20分まで。30分以上は疲れてしまい、これからの仕事本番に差し支えます。個人的には電車内よりも早く会社に行って30分集中して読んだ方が効果的だと思います。本書のコンセプトに若干反しますけどね。

ただ、使える本だと思いました。見易いです。勿論、全部を読むような本ではなく、自分が使う部分だけは完璧に。それ以外は必要になった時に参照できるようにどんな関数があるのか軽く目を通しておけば良いと思います。
<個人的メモ>
INDIRECT(範囲を示す文字列):範囲として認識できる文字列をセル範囲にする。
ISREF(名前):名前がセル範囲として使えるときはTRUEを返す。
【目次】
第1章 覚えて損なし!数値や金額を扱うコツ
第2章 入力作業を楽にする!文字列を扱うコツ
第3章 これで完璧!日付を扱うコツ
第4章 こんなこともできるのか!リストや一覧表を扱うコツ
第5章 ここまでできれば文句なし!集計を行うコツ
Excel 計算表で帳票の作成・集計に便利な [関数] 技2 (かんたん通勤快読)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「仕事に使える Excel マクロ&VBA の基本がマスターできる本」小館由典 インプレス
「超図解 Access2003 総合編」エクスメディア
「一歩先ゆくAccess2000裏ワザテクニック」大園博美 秀和システム
「かんたん図解 PowerPoint2003」牧村 あきこ 技術評論社
「エクセル関数できた!」アスキー
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「ビジネスプランニングの達人になる法」志村 勉 PHP研究所

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ビジネス(モデル)プランの作成指南書。

冒頭に書かれているようは、何をするかよりも「誰が」「どうやるか」の方が大切とか、押さえるべき本質を踏まえたうえで、方法論(本書のポイントは、アウトフレームの多用がウリ)から取り組むことで、効率的且つ漏れのないビジネスのやり方を教えている。

起業家向けのセミナー等で、まさにしばしばレクチャーされるタイプの内容です。学生の時から、この手の関心があったし、社会人になってからも幾つか受けているのでこの種のものの効用は認めるものの、本では正直効果が薄い気がしてならない。

その場でレクチャーを受けて、実際にやってみながらその手法を体感し、習得する、その後で知識の整理として本書を読むならいいが、この本だけ読んでも私の場合、文字が上滑りしてしまった。

逆にいうと、非常にありがちな本。フレームを利用して、それに対象物を当てはめるだけで効率的なある種のルーチン化された作業に変換し、定型的に処理するってのは、まさにコンサル会社が大好きなパターン。

いかにも分析してます、戦略してますってカンジ。マーケティングとかの分野に嫌ってほど、たくさんいらっしゃるカンジ。私が専門にやってたデータベースマーケティングの本やセミナーなどで飽きるほど、読んだり&聞いたりしたノリなのですが、実際にそれで成功した企業というのは、ごく一例なんですけど・・・。

アウトフレームの利用に主眼が置かれているが、個人的にはその仕組みを生み出す人が一番学ぶ果実が大きいはず。人の作ったものを最初は利用するのも良いが、利用しながら、フィードバックし、それを修正・発展させる視点が本書には読み取れなかった。(固定化し過ぎでしょ!)

まあ、ビジネスプランはもっともらしいの作って、国金から融資受けて事業をしたものの、それを永続的に発展させられなかった私が言っても説得力ないかもしれません。

まだまだ会社は幾つか作ろうとは思うものの、とりあえず、自分以外の人の協力や提携も考えようと思ったりしながら、ビジネス書を読み、日々のお仕事に精励する私だったりします。

こんな私でもネット部門の別会社を経営してくれないかと言ってくれる人もいますが、先が見えず、胡散臭い話が多いのでどうにものれません。発想や行動は突飛でも、根底が堅実でない人と仕事で組みたくないもんなあ~。

もっと&もっと、経験と知識を貪欲に習得せねば! 

ITベンチャーやらベンチャー企業を梯子したので、成功している会社はむしろ定式化(見える化)できない部分にこそ、マネできない独自性、優位性があると思っている私なのでした。

勿論、当たり前のことを当たり前に出来たうえでの話しですが。
【目次】
1章顧客価値の創造
2章ビジネスの着眼法を顧客の創造
3章ブルー・オーシャン戦略の活用
4章利益モデルを組み込む
5章戦略立案とビジネスプランニング
6章成功ビジネスから学ぶ
ビジネスプランニングの達人になる法(amazonリンク)

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「データマイニングがマーケティングを変える!」SASインスティチュートジャパン PHP研究所
「成毛式・実践マーケティング塾」成毛 眞 日本経済新聞社
それ以外のビジネス書は左上の【書評 実用・ビジネス】 カテゴリより。
ラベル:ビジネス書 書評
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2008年04月18日

「私の仕事術」松本 大 講談社

マネックス証券社長によるビジネス書。実は、著者がビジネス誌に書いた記事を何度か読んだことがあるが、すっごくつまらなかった覚えしかない。

それなのに、本書では非常に有益なことを多々述べられていると思った。雑誌に書かれていたことと当然重複するのだが、本として読むのと記事で読むのでこれほど、私の受け取り方が変わった点がまず面白かった!

記事では要点を絞り過ぎてしまい、説明が不足した結果、私には価値を見出せなくなってしまったらしい。これは、新しい『気づき』だ。
・・・・同じ著者でも本と記事は違う、この点を今後は留意したい。

さて、前置きが長かったが、本書について。

「時間間隔」の説明でディスカウントレートを用いているのが面白い。
いかにも金融の世界で働いてきた方らしい説明だが、納得できる。
期限までに出来ない仕事は無価値であり、期限後に100%以上のものが出来ても現在価値に割り引いて考えたら、著しく価値を減ずるというのは、もっともだ。

判断回数が増えれば、増えるほどトータルでみた期待値としての正解率がupし、経験によるフィードバックによりそもそも一回毎の正解率自体も向上する。
・・・これは、以前いた通販会社の社長から嫌ってほど、教えられたことと同じだった。新規事業や新企画は、とにかく数をこなす。その際に、撤退すべき損失額と期待できる利得額を事前に想定し、その基準に従ってひたすら数をこなす中で、成功するシーズを見出し、稼げる事業として育てていく。これって商品開発にも共通するアイデアだったりする。 ⇒ 失敗は当然として、受け入れる。

重要なのは以下の2点
1)失敗を事前にできるだけ減らすべく計算したうえで、実行
2)失敗から得たモノをフィードバックし、次回へつなげること 


アメリカのTV番組「スタートレック」。
多様性を認め、リーダーが責任と自負心を持って行動にあたる。人間の普遍ともいうべき価値観を前面にうたっているのが素晴らしい!
私自身も大・大・大好きな番組の一つですが、見る人はしっかり観てますね。著者も大いにこの番組を評価し、薦めています。私は、その点だけでも著者の価値観に大いなる共感を覚えました。

私的にはこの番組こそ、アメリカの建前であると同時に、アメリカの誇るべき良識であり、価値観だと思っています。ちょい見、似たように見える「スターウォーズ」のような、野蛮な帝国主義的価値観(←私の偏見)は、逆に大嫌いです。3部作全部見てるけど・・・。

昨今、勝間氏のビジネス本とかが売れていますが、あれって受験参考書の延長線上にある、マニュアル本ですよ! 為すべき事が優先順位と共に列挙してあり、マネしたい人はそれを何も考えずに、ただ&ただ実行するだけ。

勿論、現在、この瞬間においてそれなりに成果は出せると思う。その点では売れるのも道理だが、何でも大切なのは、自らそういった『手法』を見出す能力でしょう!! 勝間氏ご自身は、勿論その能力をお持ちだと思うが、あの本にはその一番大切な点が欠けている、と思う。

日本人の学生に、そして社会人に一番欠如している能力。パッケージで旅行して、何かを自ら経験したと勘違いしたまま気付かない天然気質。

散々、迂回して非効率的な失敗をすることで、初めて効率的なものへ至る道を見出せる、その事を理解できない人が実に多い。本書では、そういったものを含めて本質を語っていると思うし、私には素直に首肯できる事柄が大変多い。

私にとっては、ここ半年の中で一番価値あるビジネス書だったかもしれない。強くお薦めします!! まあ、勝間氏の本と、本書の松本氏の一番違いは、リーダーでなかった人とリーダーだった人の違いなんですけどね。GEのジャックウェルチ本なんかも、当然後者と相通じるものがあったりしました。

私は、労働者ではなく経営者に興味があるので本書の方を迷わず選びます。両者を読み比べると、違いが如実に出て更に面白いですよ~。

今度、話題の「まぐれ」を読むから、そちらとも読み比べてみたいです、楽しみ&楽しみ(笑顔)。
【目次】
第1章 「コミュニケーション」とは結果を出すこと
第2章 「時間感覚」を強く持とう
第3章 情報収集のカンどころ
第4章 自分を高める「ビジネス現場での心構え」
第5章 悩んだ時の心の処し方
第6章 もしも起業したならば
第7章 まずはアクションを起こそう
終章 「今のマネックス証券と松本大」―文庫化にあたって
私の仕事術 (講談社+α文庫)
ラベル:書評 ビジネス書
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2008年04月14日

「エクセル関数できた!」アスキー

exceldekita.jpg

エクセル関数の超入門書。プログラミングを少しでもかじったことがある人なら、全然問題ないと思うのですが、そうでない人がつまずき易いであろう、「そもそも関数って何?」から始まり、引数(ひきすう)やエラー値の説明が詳しく書かれています。

何気にエクセルなどを使っていて、分かったようになっていたエラー値ですが、本書を読んで改めて明確に理解できました(苦笑)。

その一方、関数部分の説明は、普通。一見すると分かり易そうなイラストが私的には、かえってうざい。また、関数の使い方として他の関数と複合的な事例を出してますが、これが良くない!

何故なら、実際の使い方としては、確かに有用なのですが、他の関数と組み合わせることで知りたい関数自体の使用方法が分からなくなることが多々あった。他の関数がイマイチ分からなくて、肝心の関数の使い方までよく分からなくなるのは本末転倒ですよね。

その辺は本書のマイナス点だと思う。本書の良い点は、最初の基本的用語や概念の説明で、それ以外は良くて平均点の出来。流し読みで十分な本でした。
引数の種類(6個)

{数値、文字列、論理値、エラー値、セル参照、配列}
エラー値の種類(8個)

#NULL!・・・セル参照の方法が間違っていて、参照先が見つからない場合
#DIV/O!・・・空白のセルやゼロで割り算を行った場合
#VALUE!・・・演算子の種類が正しくない or 引数の要素が間違っている場合
#REF!・・・参照先のセルが無かったり、無効なデータの場合
#NAME?・・・関数の名前が間違っている場合
#NUM!・・・処理できない大きな数値、数式に不適切な数値を入れた場合
#N/A・・・検索用の関数で、見つける値とした引数が不適切な場合
####・・・セルの幅が足りなくて、表示できない場合
そうそう、仕事で作ったマクロの処理でこの関数を知っていたら、もっと簡潔にできたのに・・・と悔やんでしまった関数。
既に本番環境で使ってるので、作り直すとかえってエラー等が怖いのでもういじりませんけどね。メモメモ。

 TRIM:スペースを削除する。但し、文字列と文字列の間に複数のスペースがあった時、一つを残して、後のスペースを削除する

 SUBSTITUTE(文字列、検索文字列、置換文字列):
 検索文字列を同じ箇所を探して、置き換える

エクセル関数できた!―「~したい」インデックスで目的の関数を一発検索! (amazonリンク)

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「仕事に使える Excel マクロ&VBA の基本がマスターできる本」小館由典 インプレス
「超図解 Access2003 総合編」エクスメディア
「一歩先ゆくAccess2000裏ワザテクニック」大園博美 秀和システム
「かんたん図解 PowerPoint2003」牧村 あきこ 技術評論社
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2008年03月26日

「成功への孫子」ジェラルド マイケルソン、 スティーヴン マイケルソン 主婦の友社

sonnsi.jpg

とても読み易い本です。書かれていることは、どれももっともなことです。でも、ただ箇条書きにしてあるだけの『標語』に価値を見出すのは難しいと思います。

日本のビジネス紙などにも、この手のよくありますが、想像以上に表面的過ぎて失望しました。そして、たいした文章量もないのに、いちいち<要約>としてまとめが書かれているのですが、その要約の内容が文章で言っていることと微妙にポイントがずれているのって何故?

原文がそもそもおかしいのか、訳がおかしいのか不明ですが、内容的にみて絶対に<要約>不自然だと思う。

著者ですが、元々軍事戦略が専門で、それを経営に応用したというのですが、経歴にはそれらしい点が全く読み取れません! 通常なら、OR(operatoion research)の専門家かと思うのですが、文章中にその片鱗さえ窺えないのですが・・・???

一応、私も学生時代はORは当然習ったので知ってますが、おかしいです。また、孫子がうんぬんといいつつもクラウゼヴィッツ出すってのはおかしいでしょう。

申し訳ないが、だったら最初から古典中の古典たるクラウゼヴィッツの著作を読むべきです。しかもここで書かれているのは、戦略などというにはおこがましいレベルの低次元。呆れ果てるとはこのことです。

本書を読むなら、「ガリア戦記」や「アレクサンダー大王東征録」、あるいは、石原莞爾の「最終戦総論」でも読んだ方が何万倍も役に立ちます。特に、読み取る力のある人が読めば、絶対に何らかの有意の知識を得られるだけの名著だと思います。

本書がどれほど、駄目かというと第5部を読むと、衝動的に火をつけたくなるほどです。これで孫子の知恵を生かしたという気でしょうか? なかなかに笑わせてくれます。

しかし、原著が本当に売れたのか大いに疑問です。ハウツー本の大好きなアメリカで、類書の多い中でこれが売れたのって読者に合わせてレベルが限りなく低かったからでしょうか? どうしても納得がいかない本でした。

ただ、誤解ないように言うと、個々に書かれていることが悪いわけではないです。あまりにも上っ面過ぎて、経験やら何やらあえて本で読むだけの付加価値を見出せない、この点が問題だと思いました。

まあ、読む価値のない本です。しかし、本当にこの人があのP&Gとかでコンサルしてたんでしょうか? う~ん、信じられません。
【目次】
第1部 成功をつかむのは、どんな人間か?
イントロダクション 自分とはどんな人間か?
己を知れ
誠実になりなさい
きちんと耳を傾けなければ敗北する
思いやりが意外な時に役立つ
リスクは成功者の必須要素
規律を守りなさい
創造力を発揮しなさい
低レベルに満足すれば、一生そこの住人になる
信頼のおける忠告を求めなさい

第2部 成功をつかむための戦略
イントロダクション 戦術の前につねに戦略あり
自分の戦いの場を知りなさい
個人的人脈を築き上げなさい
優れた戦略を立てなさい
戦わずして勝つには?
自分の長所を、相手の弱点にぶつける
避ける障害はきちんと避ける
磐石の立場を築く
現状を打破する
計画はこう立てる


第3部 成功に向けての戦術
イントロダクション 戦略と戦術との連携
攻撃態勢を取る
素早く動きなさい
弾みをつける
チャンスを利用する
この三つの手段が勝ち組の条件
戦略上優位に立つための高所の占領法
成功を次の成功への踏み台にせよ

第4部 競争に打ち勝つ
イントロダクション 何が最重要なのか判断する四つの忠告
勝つ方法とタイミング
巧みな攻撃が勝利を引き寄せる
タイミングがすべて

第5部 成功者の実話
コーチングの課題
奇襲作戦
ビジネスへの応用
日常生活のルールにする
有効な決断
成功への孫子―覇権国アメリカ的な孫子分析(amazonリンク)
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2008年03月16日

「残業ゼロ」の仕事力 吉越浩一郎 日本能率協会マネジメント 出版情報事業

zangyou.jpg

内容としては、実に的確な指摘であり、実際にそれを実践し、成果を出してきた方のものだと思うが、文章としては駄目。

あまりにも無駄が多くて前半は特に冗長、非効率的な文章の典型例。最初はかなり飛ばし読むすることをお薦めする。ポイントは数点のみ。本書独自のものは、一切無い。

以下、要約して列挙してみる。
仕事には明確なデッドラインを設定する
⇒スピードと密度が上がる

問題処理のフロー:
1)緊急対策・・・最優先で処理すべき事に対して、対処療法
2)再発防止・・・原因を追究し、二度と起こらない予防措置の実施
3)横展開・・・類似の現象が生じる可能性があるところへも予防措置を実施

複雑な問題は、複数要因の組み合わせである場合が多い。
⇒問題を小さな問題に切り分けたうえで、問題処理のフローを適用し、緊急性の高いものから処理する

「リーダーシップよりもフォロワーシップ」
フォロワーシップとは、リーダーの指示に従いながら、リーダーをフォローする能力。指示の背景にある意味を把握したり、全社的な視点から、その指示の必要性を理解していることが同時に必要とされる。

仕事の範囲が明確になっていることが高い生産性を可能にする。
朝、定時に会社に来て新聞を読んでいる人がいる。私の経験でこういう人で有能だった人はいない。同様に朝の一服などをしている人で使える人はいないだろう。

朝イチは一番生産性の上がる時間帯であり、電話がかかってきたり、会議の始まる前に、最優先事項の処理と一日の作業スケジュール作成(まさに当日内でのデッドライン設定)は必須でしょう!

問題の切り分けもあまりにも常識的過ぎるが、突発的なトラブル発生時、それが的確且つ迅速にできる人は、数少ない。

フォロワーシップですが、私は若いときに嫌ってほどやったのでこれは実感として分かりますね。社長直属で他部署や役員に指示の伝達やプロジェクトの進捗確認等のフォロー、経営戦略資料の作成&立案等、ありとあらゆることやったから、本当に勉強になりました。

もっとも著者もかかれてますが、どんなにフォロワーシップが出来てもそれがリーダーシップに繋がるかということは別問題で、たぶんに個人的資質に影響される、というのがやはり正解のような気がします。

どんなに優れた従業員(管理職)でも、経営者とは根本的に違うというのは真実だと思います。経営者は、当然、業務を理解していなければなりませんが、業務を遂行する能力はなくてかまわないのですから!

ビジネス書としては、読む価値は無いでしょう。仕事のできる人は、間違いなくすべて実践している、常識範囲です。勿論、それを実践していて成果を出している点が著者の非凡なところですが、一番大切な実践上の経験やアドバイスが足りないように感じてなりません。

端的に言うと、安易な本で時間の無駄。
【目次】
第1章 御社の残業がなくならない理由
第2章 問題はとにかく「分けて」考える
第3章 次に「会議」を変えていこう
第4章 「続ける」ための考え方
第5章 「速くて強い」チームの作り方
第6章 「仕事の常識」はこれだけ変わった
第7章 ほんとうのワークライフバランス
「残業ゼロ」の仕事力(amazonリンク)
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2008年03月06日

「週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号」「グーグル化」知的生産革命

daiyamonnd209.jpg

特集名は、「グーグル化」と昨今のブームに乗ったタイトルではあるが、少なくともこの特集内容に関する限り、グーグル化とはほとんど関連性がない。グーグルに関する部分は、いつも以上に初歩の初歩の内容で普通に仕事しているビジネスマンでこれらを知らなかったら、ちょっと問題では?という感じさえするレベル。

むしろ、他の著作で書かれている勝間氏のノウハウの要約(あるいは、焼き直し)として捉えるべき内容。本を読んでいる人なら、あえて読む必要はないが、初めてだったら、非常に効率よくまとめられているので大いに価値があると思います。

逆に従来の著作の中で触れられていなくて、今回の特集で興味深かったのは、著作の宣伝手法(=いかにして本の知名度を上げて、売上を伸ばすか?)。これは、最近流行の口コミマーケティングを最大限活用しており、ベタ過ぎるほどだが、それを徹底的に行っているのが特徴!
アルファブロガーやソーシャルブックマークなどの解説が、分かり易い。

ちなみに・・・うちのブログもアルファブロガーの一次審査は先月パスしたとかメールもらったりする。はてなブックマークにもパラパラと入っていたりする。・・・でも知名度ないけどね(笑)。献本も数冊しかもらったことないから、メジャーへの道は遠い(目差してないけど・・・ネ!)

そうそう親指シフトとかを薦めているけど、正直この点は苦笑(というより、失笑)した!!
私は大学生の時、最も効率的な入力方法として当時ワープロでこれをやっていたが、就職したらローマ字入力しか選択肢がなく非常に苦労した。会社の研修中にローマ字入力ができず、作業が一番遅くなって休日の間、ずっとこっそりローマ字入力の練習をしていたっけ。

また、海外で旅行していて現地からメールするとき、親指シフトなんてできるわけないじゃん。その為にソフト使うなんて、本末転倒ではないでしょうか? ローマ字入力で私は十分に早いですし、通常の入力スピードで他人に負けることなんてほとんどないです。

出先でイチイチ親指シフトにこだわる無駄なことをするよりも、ローマ字入力だけに絞って効率性を高めるべきではないでしょうか? 

そうそうgmailの活用法も確かに当然の利用法なのですが、知っている人は知っていると思いますが、gmailのセキュリティが海外では大問題になっていますね。その為、多国籍で展開している企業では、gmailへの転送を禁止しているところが結構あります。

その場合、勝間氏のいうgmailのビジネス活用はそもそも前提からして不可能だったりします。私の知り合いの会社もgmailへの転送禁止令が出ているし、そもそもできないように設定されています。その辺には、全く触れられていないようですが・・・どうなんでしょう?

まさかプライベート限定での話しなのかな? 

どうもIT機器を使いこなす的な話が多いのですが、私には、あまり有益ではありませんでした。今回の特集ではあまり触れられなかった、勝間氏の勉強方法とかの方が実用性の高いスキルだと思うのですけど・・・。個人的にはそちらをもっと&もっと、知りたかったです。別な本、読もうかな

紹介されている本も、あまりにも実用本位でねぇ~。もう少しゆとりを持って教養主義的なものも期待したいところかと。話す話題も仕事関係しか無さそうで、ちょっとガッカリ。勿論、それはそれで素晴らしいとは思うのですが、私の友人達と比べると、世界が狭そう・・・。

【追記】
少し時間をおいて勝手に私が気付いたこと。
ランチで情報交換とか、通勤時の自転車利用とか、勝間氏の特筆すべきノウハウは、やっぱり全て日常生活の中に『行う』べく組み込んでしまうシステム(仕組み作り)ではないかと思う。意思の力で行うのではなく、システムとして達成できるようにしてしまう、この視点で今回の特集内容を見てみると、非常に理解し易く、納得がいくように感じた。

それと・・・ビジネス書にしばしばあるが、amazonで1冊購入しても送料が無料になる価格(=1500円以上)に本の値段を設定するのも基本なんでしょうね。特集内では、触れてないけど。忙しいビジネスマンが本を買うならamazonでしょう。書評を見て買うにしろ、ネット経由が一般的なら、これはある意味必須要件。

本来なら、1200円や1300円でも十分なのに、あえてamazon対策で1500円以上のプライシングって、まさにベタなマーケティングの基本ですね。納得!!
【特集の目次】
PROLOGUE 書けば必ず売れる勝間本の秘密
 インターネットで自己増殖する「勝間本」情報のメカニズム
 現代最強の「口コミ媒体」はてブトルネードの猛威
 ベストセラー陰の仕掛け人「アルファブロガー」の実像

STEP1 グーグルを使い倒す
 マイクロソフトを脅かすグーグルのオープン戦略

STEP2 1%の本質を見抜く
 マッキンゼーで教わった情報整理の「イロハのイ」
 最強の「優良コンテンツ」!良書が知的生産力を高める

STEP3 すきま時間を上手に使う
 時間のムダをあぶり出す勝間式「手帳術」の真骨頂

STEP4 人脈づくりの基本技術
 マクドナルドで実践可能 「数字力」を鍛える思考術
 働く女性の「"知"の集積基地」 グーグル化したムギ畑の威力
 面白いように仕事が進む知的生産術の「3種の神器」

EPILOGUE 「私の知的生産術」の系譜
週刊 ダイヤモンド 2008年 2/9号(amazonリンク)

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「会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール」福沢 恵子、勝間 和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン
「仕事に活かす!本200%活用ブック」日本能率協会マネジメントセンター
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2008年03月03日

「仕事に使える Excel マクロ&VBA の基本がマスターできる本」小館由典 インプレス

EXCELVBA.jpg

非常にちゃらい造りの今風の本です。でも、携帯し易い大きさと薄さ、カラフルで分かり易い色使いは秀逸です。最近、類書が多い中では定評のあるインプレスにしておきました。通勤途中でさあっと目を通して知識を確認したい時には、最適です。

実際、通勤電車の往復で全部目を通せましたが、マクロやVBAの基本中の基本を、シンプル且つ的確にまとめてあって実に有用だと思いました。

エクセルのVBA自体は、8年ぶりぐらいに使ったので、はるか昔の記憶の為、だいたいは分かるものの微妙に忘れていたりする。

本書を読んで、基本をしっかり確実に思い出せたので、明日からは楽勝でVBA作成ができそうです。良かったぁ~♪

この手のものは、基本ができたら、後は慣れと関数を使いながら理解していくだけですが、手頃なものが見つかってラッキーです。初めてマクロやVBAをやろうとする人にも勿論、有用だと思います。

内容的には、似たようなもの多いのですが、何しろ大きくてかさばるのが難点。忙しい人は電車の中ぐらいしか、読書時間ないでしょう。そういう意味でこの大きさ・携帯性だけでも十分に評価に値します。

元々、基本書として出てる本を更に厳選・要約して薄くし、値段を下げたものみたいですが、値段が安いのも嬉しいです。後は、ネットで関数を調べれば十分です。必要なら、関数だけのリファレレンス買ってもいいしね。

とにかくこの手のアプリケーションの入門書としては、一押しです。分かっている人には、不必要な部分が多いでしょうが(私でも9割以上は、知っていても確認がしたかった)、入門書レベルでは最適だと思います(笑顔)。

読破する手間がかからず、実務に使えて、安いという点でコストパフォーマンスが非常に高いです。
【目次】
第1章 マクロの基本を知る
第2章 名簿整理の操作を記録してマクロを作る
第3章 データを転記する操作を記録して相対参照マクロを作る
第4章 VBAプログラミングでマクロを修正する
第5章 VBAを使って見積書を使いやすくカスタマイズする
第6章 VBAプログラミングで帳票を便利にカスタマイズする
できるポケット 仕事に使える Excel マクロ&VBA の基本がマスターできる本(amazonリンク)

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「超図解 Access2003 総合編」エクスメディア
「一歩先ゆくAccess2000裏ワザテクニック」大園博美 秀和システム
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「下流社会」三浦展 光文社

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数年前に流行った本です。いつも通りひねくれ者の私は、売れてる時は見向きもしませんでした。友人が読んだと聞いた時も、全然関心がなかったのですが、ほとぼりもさめた頃なので、ようやく読んでみました。

感想を一言で言うと、なかなか面白い! 
対象集団をその属性で分類して類型化し、その類型化したグループ毎に個別化した最も効果的と思われる種々の販促企画を実施していくというのは、マーケティングの基本ですが、まさにその王道のパターンを行っています。

もっともずいぶん前からはその類型化は一層細分化して、ONE TO ONE MAKETING になり、それすらも古くなった昨今のご時勢から言うと、ずいぶんと古臭い手法ではありますが、見方を変えればトレンドを掴む的な視点からすれば、まだまだ効果的でしょう。

但し、本書の著者は社会的に顕著な現象(=マスコミで囃し立てて、一般人が関心を持ちそうな話題)を採り上げ、それを仮説と統計的資料から説明しようとしているのですが、それを踏まえて『行動』に結び付く提案や提言はほとんどありません(本書の「おわりに」で書かれたものは、あくまでも体裁を整えた程度で価値はないでしょう)。

端的に言うと、社会的にキャッチーなトピックの一見もっともらしい説明をした本、ではないかと思います。(これはこれで適切なものなら、素晴らしい価値があります)

最初に疑問点から挙げてみると・・・。
著者自身が頻繁に触れているが、あまりにも統計資料の標本数が少なくて、有意のものを言えるのか根本的に疑問? 即ち、統計的分析に値するのかが不明。

質問形式やアンケートの採取方法など、具体的な例示がなく、仮に質問が恣意的であったとしても、バイアスがかかっているかどうか不明です。

仮説の立て方そのものも、いきなり提示されているが、複数仮説を立てるにせよ、その仮説の前提条件の明示と合理的な選択肢の列挙が十分とはいえないだろう。

あと、文章を読んでいると怪訝に思ってしまうのはいかにもメディア受けしそうなキャッチーなトピックや用語を多用している点。ご出身がパルコ系でマーケティング情報誌をやられていたというので、思わず納得! 

いろいろな意味で非常に表現が上手いのですが、リサーチャーとしては、上っ面な感じがしてしまうのも事実(真実?)。西武の通販会社でデータベースマーケティングやってる人を知ってましたが、確かにもっともらしいのですが、細かいとこを突っ込んでみると、理論ばかりで現実がついていかず、客観性にかけていたような・・・? 同じグループ企業だからと一緒の扱いをするのも失礼な話ですが、ノリが似ているんですよ~、ホント。

西武グループの感性経営がその後、どのようになったかは皆さんご存知の通りです。美術館も、リブロポートもつぶれちゃったしね。(経営的にはつぶして正解だと思いますが)

まあ、その辺の気になる点(統計的な分析は、あまり意味無い感じがします)を無視して、あくまでも社会変化を捉える仮説として読む分には、大変面白いと思います。

自分らしさを求めるのは下流だとか、コミュニケーション能力の不足が所得格差に関係しているとか、週刊誌の記事的なノリで読むなら、ふむふむ確かにそうかも、って思う事が多々有ります。だからこそ、たくさんの人の共感を呼び、本書が売れたのも納得のいく話です。

でも・・・
それこそ、知的好奇心旺盛で上昇志向の強い人なら、本書を読んでただ首肯しないと思います。自信と誇りを持って生きてきた自分の生き方を知ったかぶりをしたサラリーマン程度の奴なんかに類型化して解説されたら、憤りを感じるのではないでしょうか?
 
自尊心の強い人や自らを『上』のグループにいると思う人が、自分より下と思われる『人』の分を過ぎた行いに対して、安易に許容するとは思えません。まあ、余裕がある分だけ、無視して放置するという対応もありますけどね。

あくまでも一つの見方(仮説)としては、面白いし、もしかしてそうなのかも?って思うんですが、思い付き以上のものがないのが残念。
もっと、掘り下げてきちんと統計的な裏付けを取ればいいのに・・・と思うのですが・・・。

でもでも、評価が二転三転するような書き方で申し訳ないが、やっぱり面白いです。

結婚や子供の有無が、想像以上に所得水準と相関性があるというのは、悲劇というよりも喜劇ですね。さんざん自由と平等という共同幻想上に成り立ってきた日本社会の実情がこの通りだったら、目も当てられません(苦笑)。

階層により居住地域の固定化というのも、実に近代的な『自由』であるところの移動の自由、職業選択の自由が実質的に「負」の方向性でしか機能していないという指摘であり、地域分権化論とも絡ませて考えるべきテーマだと思いました。ナショナリズムの前に、セクショナリズムですか・・・ハハハ。

先日見たNHK特集の中国と比べると・・・よろしいんじゃないでしょうか? 過労死する人も減るでしょうし、所得が半分になって自由時間が倍になり、GNPが毎年マイナス成長の国っても悪くないでしょう。

ゆとりの国ですもんね、日本は。努力しているのをかっこ悪いとする国ですし。美しい国でしたっけ?ねっ? 
ふと、そんなことを思ってしまいました。

そういえば、本当に地元以外の何物も知らないでそれだけで全てに満足している人が多数いるんですよね。それはそれで、その人の価値観で良いと思いますが、その価値観がドンドン増えていく日本という国は、投資対象になるのかなあ~とも思いますね。topixを見るまでもなく、昨今の外人売りは、すると正解かもしれませんね。ふむふむ。

と、会社を休んでブログを書いている人が言ってるようなのが、問題なんですね。仕事しろ~って!
【目次】
第1章 「中流化」から「下流化」へ
第2章 階層化による消費者の分裂
第3章 団塊ジュニアの「下流化」は進む!
第4章 年収300万円では結婚できない!?
第5章 自分らしさを求めるのは「下流」である?
第6章 「下流」の男性はひきこもり、女性は歌って踊る
第7章 「下流」の性格、食生活、教育観
第8章 階層による居住地の固定化が起きている?
下流社会 新たな階層集団の出現(amazonリンク)

ブログ内関連記事
NHKスペシャル「激流中国・小皇帝の涙」
「大満洲国建設録」駒井徳三 中央公論社
「東京の下層社会」紀田順一郎 筑摩書房
「日本の下層社会」横山 源之助 岩波書店
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2008年03月02日

「会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール」福沢 恵子、勝間 和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン

最近、何かと話題の人である勝間氏が以前に書いた本。この方の勉強法の本とgoogle化の本が面白くて使えるところがあったので、興味を持ち、この本も読んでみました。

結論、かなりのレベルでゴミ。ビジネス書として読むなら、時間を浪費させるだけなので悪書の部類。

書かれている内容は決して間違っていません。ほとんど全てに同感しますし、正解だと思います。問題なのは、こんな当たり前のことを本で読まなければ分からないこと(つ~か人)。

どんな会社であってもプロジェクト・リーダー以上を経験していて、このレベルのことを理解し、実行していなかったら、単純に使えない人だと思うのですが・・・。

勿論、新入社員とかで分かっていない人がいてもそれはそれでいいと思います。私も一部しか分かってなかったし、仕事をしていけば、身に付くことだす。逆に身に付かない人は、スポイルされていくだけでしょう。

それなりの社会経験があって、本書を読んで気付きました~という人は、その時点でだいぶ問題があるような気がしてなりません。何故なら、周りの人と一緒に部署の仕事を進めていくうえで知らなかったではすまない必須の知識だと思います。教えてくれなかったらではなく、気付くのが当然なのです。

少なくとも仕事のできる同僚や上司を観ていれば、必ず本書に書かれている以上のことを意識・無意識を問わず、実践されているのに気付きます。その際、可能な限り、高いポジションにいる人で出来る人を見ると、非常に参考になります。


さて、本書ですが、個人的には読むべきではないと思います。新人で進んでこの手の知識を学びたいとしても、この手のことは実体験を伴わずに紙の知識で知っても薄っぺらで何の役にも立たないし、身につきません。一見無駄でも、失敗を通して身に付けるべき知識と、効率的にノウハウとして習得する知識と2種類があるのではないかと私は思います。

本書に書かれていることは、まさに自分で気付かなければいけない事であり、本を読んで気付く方は既に向いていないと思うのです。そういう方が今後、この手の方向に進もうとしてもかえってマイナスのような気がします。

人には得て不得手があり、向き不向きがありますから。参考までに本書で書かれていた、何をいまさら的なものを挙げてみます。それを当然じゃんと言えるかどうかで決まるような気がします。
出世:
他人のリソースや会社のリソースをもっと自由に使えるようになること。そしてそれにより成果・利益を生む仕組みをつくること。

有能:
相手の期待値を超えた仕事をすること。
(間違っても自己の満足の為に仕事をしないこと)

本音を言って他者のメンツや立場を否定しない。自分の正しさをアピ-ルするためではなく、会社の利益に貢献するために発言する。
そうそう、本書は女性の社会進出の為のノウハウ提供という趣旨があって書かれていますが、その辺はあまり考慮しなくてもいいと思います。あくまでもビジネス社会では基礎的なレベルの話です。さすがに産休うんぬんは、関係ないけどね。

ちなみに経営者レベルでは、こんな子供騙しの話とは遠くかけ離れた次元のルールで思考し、行動されています。ベンチャー企業の創業者と会話すると、一番刺激的で創造的で得るものが多いと思います。
【目次】
はじめに
女性たちってこんな時代を歩んできたんだ・・・
15のリアル・ルール、教えます
ルール1 出世のために仕事をするべきではない。やりがいが重要である ―これって本当?
ルール2 まじめで有能であれば、周りから、認められ評価される ―これって本当?
ルール3 社内政治は本来あってはならないもの、関わるべきではない ―これって本当?
ルール4 仕事は中身が重要であり、お金にこだわるべきではない ―これって本当?
ルール5 仕事の場で群れるのは慎むべきだ ―これって本当?
ルール6 上司からよくほめられるのは、評価が高い証拠である ―これって本当?
ルール7 本音とタテマエを使い分けてはならない ―これって本当?
ルール8 人を攻撃してはいけない ―これって本当?
ルール9 人から嫌われてはいけない ―これって本当?
ルール10 残業もいとわず、できるだけたくさん仕事をする人のほうが評価される ―これって本当?
ルール11 上司の機嫌をとるよりも仕事の内容で勝負すべきだ ―これって本当?
ルール12 失敗して叱られるようなことがあってはいけない ―これって本当?
ルール13 仕事とプライベートはきっちり分けるべきだ ―これって本当?
ルール14 産休・育休は、当然の権利として堂々ととっていい ―これって本当?
ルール15 ルールはいかなるときも守らなくてはならない ―これって本当?
辛口対談・・・・・・ここだけの話
会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール(amazonリンク)

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「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」勝間和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン
ラベル:書評 ビジネス書
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2008年02月26日

「超」整理法 野口 悠紀雄 中央公論社

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大昔のベストセラー本です。流行り物が嫌いなくせに、結構ミーハーという屈折した私的には、当時絶対に読みたくなかった本ですが、今ならほとぼりもさめただろうということで読んでみました。

それに本当に使える本なら、ブームが過ぎてもそこに書かれた原理・原則は生きているはずですからね(たぶん・・・)。

でもって、結論から言うと、基本的に正論だと思うし、いい加減な本ではない。でも、本書を読んで自分の役に立つ事あるか?と言われればゼロです。知っていることばかりだし、本書に書かれている以上のことを自分は実施していると断言できるから!!

何故なら、ここで述べられている本質的な整理法は、既にgmailによって100%以上実現しているからです。

要は『時系列整理法』ですが、何でもかんでもそのまま保存しておいて全文検索かけるのは、まさにgoogleの十八番です。同様にgoogleが提供している画像ソフトpicasaにあるタイムラインなんて、そのまんまですもん!

普通に情報整理を意識している人なら、誰でも当たり前に使っている話ですね。この説明で分からなければ、たぶん「情報」論で遅れてます。

ご存知のように、gmailではタグもあり、本書でいうところの分類に迷う場合のあいまいさも担保しています(=同時に複数分類可能)。さらに、gmailとブログの相互利用でより柔軟性がある(且つ自己拡大していく)外部記憶にまでなっていると思います。これって、凄いことですよ~。

このように技術進歩が本書で著者が書いている『時代』を遠く追い越している以上、技術的なノウハウとしては陳腐化してます。また、本書で書かれている原理原則は現在も妥当してますが、もうそういう基本的なレベルでは差がつかない時代ですので、結果的に意味がないものとなっています。

そういったこととは別に、根本的なところで著者に対して異論があります。私の場合。著者は、分類することによる弊害を挙げていますが、むしろ分類する事で、対象物の評価が変わり、他の物との新しい連携に繋がりが生まれると思います。そこに新しいアイデアの芽があると思うのですけどねぇ~。

同時に、私は書類は基本的にエッセンスだけを抜き出した後、一定期間後にためらうことなく捨てるので常に適正量であり、整理の必要性もあまりないです。本も埋もれる事はあるものの、相当量を常に処分しているので著者の論理には、承服しかねるところが大です。

まあ、確かに歩くのは脳に良い刺激を与える点だけは、同感ですけどね。私もひたすら歩くようにしていますし。

むしろ、本書を読んでいて頭に浮かんだのは、リアルタイムで売れている勝間和代氏の「自分をグーグル化する方法」って本のことです。まだ、全部読破してませんが、野口氏が言いたいことをよりシンプルに現代的に行っているのが、この本の内容になります。

もっとも、勝間氏はあまりタグとか使っていないようで、その辺、私はどうかと思いますけどね。私の場合は、gmailのアカウントを複数使い分けて用途別にしてますし、ローカルPC内とネット上で常にダブル以上にバックアップとってます。そんなのは、当たり前でしょう。つ~か、していない人の方がビジネスマンとして疑問?なのだが・・・。

そして、あえてPCとは別に手書きのメモや大きくノートに書き出すことで、発想を広げたりするのは、常識でしょう。アイデアや問題点を明確化し、仲間と話す事でそれをブラッシュアップし、伸ばしていくのも今時、当然過ぎる話です。

個人的には、そういうのは結構好きで昔は異業種交換会とかにもよく出ていましたが、質がイマイチで時間の方がもったいなかったので最近は、出たことないなあ~。う~ん、今の仕事は業者と商談とかないし、会議もちゃらくて刺激無いなあ~。もっと、ハードな仕事もしてみたいかも? 

とりあえず、明日も事務処理の合理化の為のツールを作らねば!!
【目次】
序章 あなたの整理法はまちがっている
1整理は分類か
2分類の陥穽
3アリアドネの糸

第1章 紙と戦う「超」整理法
1押出しファイリングの基本思想
2押出しファイリングの実際
3名刺も時間順に
4本の分類は可能か

第2章 パソコンによる「超」整理法
1情報管理の基本思想をくつがえす
2パソコンに何をさせるか
3パソコン超整理法の実際

第3章 整理法の一般理論
1反分類型整理法の系譜
2整理法の分類学
3最適な整理法は何か

第4章 アイディア製造システム
1発想法は存在するか?
2取掛かり
3ゆさぶり
4ひらめき捕獲システム

終章 高度知識社会に向けて
「超」整理法―情報検索と発想の新システム(amazonリンク)
効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法(amazonリンク)

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「日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 2/19号」日経BP出版センター
「超」勉強法 野口 悠紀雄 講談社
「知」のソフトウェア 立花隆 講談社
「デジタル書斎活用術」紀田順一郎 東京堂出版
「分類する技術が仕事を変える! 」久我勝利 日本実業出版社
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2008年02月14日

「日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 2/19号」日経BP出版センター

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普段はあまり買わない雑誌だが、特集記事を立ち読みしていて気に入ったので買ってみた。

最初一読した時には、なるほどと思った内容が多かったのだが、使えるところだけメモしようとして飛ばし読みしつつ再読すると、それほど目新しいところは無かった。

以下、個人的メモ
付き合う人を間違えると、時間やエネルギーをすごく取られてしまう。従って、よく分からない人とは付き合わない。
これは微妙。確かに付き合ってマイナスになる人物が実に多い。特に飲みに行く時などは。一方で、付き合って初めてその人の持つ素晴らしい魅力を知ることも多い。

人を見抜く力があれば、ベストなのですが、神ならぬ身にはせいぜいその片鱗を感じ取るので精一杯です。私の場合は、基本、いい意味でも悪い意味でも『普通でない』人をできるだけ選ぶようにしています。

一見、普通でOKですが、「私って普通だから」と自分で言うような人とは、飲みに行きません。淡々としていても自分を持っている人、こういう人は、何かしら自分に無い魅力を持っています。まあ、そんなんだから、浅草でヤクザのちんぴらと知り合いになってしまったりするのだけれど・・・(苦笑)。
裏表を作らない。表と裏で違う事を言っていると、後で必ずつじつまを合わせなければならなくなり、かえって時間がかかるし、信頼も失ってしまうから。
これは激しく同意!! 
その瞬間は取繕えても必ず見ている人がいて、事実でないことはばれます。その際に必要とされる労力は、問題が生じたときに素直に認めて、即座に対応した場合の10倍以上になるでしょう。
それよりは、即座に自分の過ちや欠点を認めた方が、はるかに有益な『信頼』に繋がると私も思います。


あと、本書では意思決定において、時間選好率を加味して割引現在価値の期待値を最大化する決定ツリーでの例を挙げているが、私的に言えば笑止。

確かに学生時代に学んだし、実社会でも意思決定の準備段階ではそれっぽいことを確かにするが、私的にはどう考えても期待値の低くなるであろうものを、進んで選択する場合が多い。

経済でいうところの効用関数をあの表には含まれていないしね。もっとも雑誌の記事では、金が全てという効用関数なのかもしれませんが(苦笑)。

人の意思決定は、効用関数で通常かなりのバイアスがかかるし、私も積極的にそれを肯定する方なので、意味無いんだよねぇ~。勿論、そうであっても当然、一度はそれを準備して確認したうえであえて無視するんですが・・・。

それ以外にも、はて?と個人的には疑問のある行動計画が多数挙がっていた。確かに効率化は大切なんだけど・・・そんなんだったら、どこぞの外資のコンサルタント・ファームに全て依頼しろよって!

それで会社の経営戦略がかえっておかしくなり、貴重な資金とそれ以上に貴重な時間を失った企業が山ほどありますけど・・・ネ。まあ、反面教師として読んでも良いかと。比較することで、自分の行動を再確認し、次につなげられれば、素晴らしいことですし。
【目次】・・・一部だけ抜粋
特集 できる人の「しないことリスト」
“あれもこれも” から脱出する意思決定の手法
「しないこと」を決めれば人生が変わる

[CHAPTER 1 成功を呼ぶ「しないことリスト」]
仕事の中のムダが時間とエネルギーを奪う 松本 大 氏 (マネックス ・ ビーンズ ・ ホールディングス社長CEO )
夢 ・ 目標に対するポイント以外は捨てる 熊谷正寿 氏 (GMOインターネット会長兼社長)
スーパーウーマンが切り捨てる「できないこと」 川本裕子 氏 (早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授)
COLUMN 天下人3人の「しないことリスト」

[CHAPTER 2 「しないこと」を決める方法]
“勝ち組” 企業の「マイナスの差別化」戦略
まずは重要性と緊急性の判断力を磨く
「できない」 「したくない」を決める1人コーチング
「すべきでない」を決める定量分析の方法
INTERVIEW 直感で決めてプラスαぐらいは返す YOUさん (タレント、女優、歌手)

[CHAPTER 3 「しないこと」を “実践” する極意]
大企業の中でいかに「しない」を貫くか 西山昭彦 氏 (東京ガス 西山経営研究所所長)
法的義務を確認せよ/本誌独自調査 不快にさせない断り方 ・ 頼み方
ムダを徹底カットする “ちり積も” ハック集
INTERVIEW 頑張れば何でもできると思うのは傲慢 山田太一 氏 (脚本家 ・ 作家)


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 2/19号 [雑誌](amazonリンク)
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2008年02月11日

「超」勉強法 野口 悠紀雄 講談社

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一時、「超」整理法とかでベストセラーになった野口氏による本。本書もだいぶ売れたんじゃなかったかな? 読んだような記憶もあるが、不明? 二度目かも? 

当たり前のことしか書かれていないので、本書を読んで目からうろこということは無かった。私も一応、かつての受験生としてこの程度のことは、当然実行し、それなりの成果も挙げていたので目新しいことは無い。むしろ、単純に受験勉強の効果的な学習方法論なら、本書でも紹介されていたが和田氏の本の方がはるかに素晴らしいし、有用だと思う。大昔にあの本を読んだ時は、ある種の驚愕に近い感情を覚えたものです。

但し、本書は実に分かり易く、おそらく誰でもが容易に納得し、応用できる『原理原則』を提示し、それを具体的な方法論にまで落とし込んでいる点が特徴かと思う。これは他の本では見られない長所だと思う。

個々の科目毎の勉強法はあくまでも、原理原則の応用例としての一例ぐらいに捉えるべきだと思う。著者ご自身は、その具体的方法論の方が本書のテーマだと書かれているが、それには異論を唱えたい。

むしろ、本書で述べられている物事を学ぶ際の『原理原則』が、実社会で学ぶ際にも使える、応用性の高いツールとして私は価値があるのではないかと思う。

また、暗記する事自体は、私も非常に大切だと思うし、効率性の観点からも重要だと思うが、本書の5章で述べられている暗記法そのものは、駄目だと思う。個人的には全く使えないし、もっと良い方法を紹介している本が多数あるのでそちらをお薦めする。

以下、本書で気になった事、使えそうな事をメモ。
超勉強法の基本原則
1)面白い事を勉強する
2)全体から理解する
3)八割分かったら先に進む
まさに、この原則に則って学習を続けた場合、著しい成果が期待できると思う。仕事をしていく際にも、強い関心と情熱を持って学ばないと、金の為だけでは私はやってられないと常々考える。これは新入社員として働き出した当時から、今に至るまで変わらない私の信念でもある。激しく同意!
知識を増やして興味を深めよ。そうすれば、知識がさらに増える。

部分の積み上げで全体を理解するのではなく、全体を把握して部分を理解せよ。

「ふつうの」建物に居住し、仕事をする者は、ついに「ふつうの」発想から抜け出せないことに思い至れば・・・(以下、略)。

教科書を丸暗記すれば、英語の成績はめだってあがる。
鳥瞰図は、まさに基本中の基本。私が仕事を覚える際にも、また部下に仕事を教える際にも、まず全体像を話してその作業の意味を概説してから、開始する。何の為に、その作業をするのかこれを意識して学ぶ人とそうでない人では、習熟速度に雲泥の差が出る。また、それに関連して人に教わる時にメモを取らない人間は、それだけでたいていの場合、仕事のできない人であることが多い。

出来る人ほど、メモを取り、必要に応じてそのメモに追記していくが、最終的にはその人の頭の中に全て入っていく。これが分からない人が、最近あまりにも多いように感じる・・・。
すべての文章は次の4つのレベルに分けられる(←サイズが内容を決定する)
1)細胞-150字程度
2)短文-1500字程度
3)長文-1万5千字程度
4)本-15万字程度
これは、私があまり意識したことがなかった視点。実にイイ気づきだと思う。何かに生かしたい。
分かりやすい文章を書くルール
1)一つの文で複数の内容を述べない
2)「ねじれ(=主語と述語が対応しない)」をなくす
3)修飾関係をはっきりさせる
余計な心配事は、メモなどに書き出して、一旦追い出し、脳内のワーキング・メモリを勉強にあてよ。
これは、毎日実践しているし、今日も当然行っている。何かの作業中に気付いたことは、とりあえずメモして一旦は意識外に置く。そうすることで、目の前の事に全力を挙げて集中できるし、気付いたことは、書き出して時間を置く事で客観視され、より効率的な処理ができる場合が多い。単純に忘れる心配がないというだけでも、有効性の高い習慣だと思う。
【目次】
序章 勉強はノウハウ
第1章 「超」勉強法の基本三原則
第2章 英語の「超」勉強法
第3章 国語の「超」勉強法
第4章 数学の「超」勉強法
第5章 「超」暗記法
第6章 「超」受験法
第7章 勉強の「超」ヒント集
終章 未来への教育
「超」勉強法(amazonリンク)

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2008年02月06日

「成毛式・実践マーケティング塾」成毛 眞 日本経済新聞社

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マイクロソフト日本法人の社長を10年以上やっていた人物だけに、やはりマーケッターとしての視点には非常に説得力があり、見習うべき点が大変多かった。

その反面、著者の肩書きがなかったら、普通にあるマーケティングの本とそれほど違わないのも事実。マーケティング関係の本を何冊か読むと、必ずそのどれかに書かれている内容とも言える。

もっと著者の場合は、それを実際のビジネスで実践し、形にして成果を出している点が非凡なのであり、ある意味もっとも付加価値の高いはずのその実践への具体的過程は、たいして紹介されていない。この点は、大変残念だ。

また、良くも悪くも『実践』の行動の人なので、著者の環境では、最大限有効な手法をとられているのだと思うが、必ずしもその原則は一般化できないものもいろいろとあるように感じた。

具体的に言うと、あえて専門用語を使って商品の解説や宣伝をすることで、その商品に精通した先導者的な顧客層(オタク)を生み出し、彼らを通じて市場自体を拡大・活性化するというのは確かに卓越した戦略だが、あくまでも市場占有率の寡占を狙え、市場が拡大するという前提での話であり、市場内においての少数派である場合、それが有効だと思えない。

個人的なビジネス経験から言うと、専門用語はやはり使うべきではないと思う。顧客に努力を要求する姿勢は、確かに中長期的には、ロイヤリティの高い顧客を育てて有効ではあるが、基本的な顧客予備軍の大多数を失う危険が高い。成熟市場であれば、そうしたリスクを犯した会社は消え去るだろう。まあ、著者が念頭においているのは、あの当時のIT業界ですからね。

そういった割り引いて考慮すべき点はいくつもあるが、改めて頷かされる点も多々あった。以下、個人的メモ。
「最低レベル(=できない理由を探す保守的な人)」を切る

毎年、下から5%だけ切る。同時に、毎年新しい人が入るわけでその全体の中から、5%を切っていく。

戦略(=勝利条件の確定)と戦術を区別する。

ネットワークの外部性
ネットワークに参加するメンバーが増えるほど参加メンバーの効用が増えること。その結果、もともとの当該の商品や規格を作った企業などとは関係のないところで、ネットワークの加入者が増え、もとの企業にもプラスの影響を与える
・・・山田英夫「デファクト・スタンダードの経営戦略」中公新書

時間は貴重だからこそ無駄遣いさせよ
 ← 損切り」をためらう消費者心理で購買につなげる

専門用語で語ろう
 マニュアル代わりに使われるカタログ

何故海外ばかり出掛けるのか 
 ← 道中全てをマーケティングせよ
どんな集団、どんな組織にもマイナス面だけに脚光を浴びせ、変化を拒む人達がいる。彼らがいる限り、組織は必ず衰退すると私も信じている。
新しいアイデアに対して、生じるであろうマイナス要素を提起すること自体は、決して悪いことではない。問題なのは、どうしたらそのマイナス面をクリアできるかの対処法(あるいは代替案)を出さずない問題提起することである。私が会議を主催していた時は、マイナス要素の指摘に対しては必ず対処法をセットでなければ、その発言を評価しないようにしていたものだ。そうでなければ、会議で建設的発言など有り得ないだろう!

ネットワークの外部性、パラパラといろんな文脈で見かけるが、今ひとつ理解しているとは言い難いことに気付いたので、今度はその辺を読んでみよう。

製品カタログは、実は購入前よりも購入後に見たりするのは、意外に知られていない真実です。これは通販などでも同様で、商品到着後にこの商品って何ができるの? 何がメリットなの?ってカタログを見て初めて商品に納得するというのが、よくある行動。

その理由は簡単です。詳しいだけで読み手のことを考慮しない取り扱い説明書やマニュアルに対して、カタログは究極まで読み易さや理解し易さを目的に書かれているので、当然客は読み易いカタログを見るのです。
【目次】
第1講 利益を生み出しているのは誰?
第2講 マーケティングは楽しい戦争だ
第3講 時間を無駄遣いさせよう
第4講 隠れ中間層を探せ
第5講 魔法とファンタジーに注目しよう
第6講 ITとカネとアタマは使いよう
成毛式・実践マーケティング塾(amazonリンク)
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2008年01月04日

「超図解 Access2003 総合編」エクスメディア

定番中の定番の一つ、「超図解」シリーズの一冊です。入門編とは書いてなかったので中級以上の内容まで網羅しているかなあ~っと思って読んだのですが、失敗しました。レベル的には初級から中級入口ぐらいです。

但し、これは私が求める内容の水準を誤っただけで本書自体は、非常に分かり易いし、説明やイラストなど大変バランスが取れています。

初めて読んで一定レベルまでなら、本書は大変使える本だと思います。実際、私も初心者だった頃はこの超図解シリーズよく買ってましてし。

今回、私が求めていた水準は、関数やマクロ及びVBAまで含んだ部分とレポート関係だったので特に前者についてはそれようの本を選ぶべきでした。できれば、基本的な事項についても復習しながら学ぼうと思ったのでレベルを落とし過ぎました。失敗&失敗!

明日にでも、関数とかマクロの本買って読んでみようっと。あと残り二日しかないしなあ~。
【目次】
第1章 Access2003の基礎
第2章 テーブルの作成
第3章 テーブルの活用
第4章 クエリの基礎
第5章 フォームの作成
第6章 フォームの活用
第7章 レポートの作成と印刷
第8章 さまざまなクエリの活用
第9章 ピボットテーブルとピボットグラフの活用
第10章 他のアプリケーションとの連携
第11章 データベースの管理
付録
超図解 Access2003 総合編―WindowsXP/Windows2000対応 (超図解シリーズ)(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「一歩先ゆくAccess2000裏ワザテクニック」大園博美 秀和システム
「図解 データベースマーケティング」奥山真一郎 日本実業出版社
「データマイニングがマーケティングを変える!」SASインスティチュートジャパン PHP研究所
ラベル:書評 実用 access
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「ユニクロvsしまむら」月泉博 日本経済新聞社

あまりにも稚拙、あまりにもジャーナリスティック、あまりにも分析不足。ビジネス書としては、水準以下でしょう。

東洋経済や日経ビジネスとかで流通業の特集している時の記事の水準と比べると本書の分量は10倍で内容は10分の1かと・・・。

まず、あえてユニクロとしまむらを採り上げているのにその点に焦点を絞った書き方がされていない。また、本書で挙げられている項目は日経新聞で散見する記事のレベルを超えることなく、独自にインタビューしていてもありきたりのどうでもいい内容に終止し、付加価値足りえていない。

更にありきたりの素材であっても、流通の専門家として分析面で何かしらの価値があるかと期待したが、その点でも全く意味が無い。本当にこの方、流通の専門家か疑いたくなるほどです。

実は去年の深夜、TVでユニクロの柳井氏がゲストして出演している番組を見て、大変興味を覚えて本書を読んだのだけれど、全く価値が無かった。TV番組の中でご本人が語るユニクロの失敗や理念の方が本書の100倍以上の価値がありました。

ビジネスで新しいことをすれば、必ず失敗がつきものであり、とにかく成功するまで継続し、チャレンジしていく! 当たり前だけれど、不変且つ普遍の真理の方が私には役立ちます。つ~わけで今年もいろいろチャレンジしたいもんです。

そうそう余談ですが、こんなの読むより日経の私の履歴書読みましょう♪ 通貨の番人グリーン・スパン氏のがなかなか面白い。ミクロからマクロにいった元旦の記事も、ふむふむと思いました。

それと日経一面ね。世界の二流国になりつつある日本の現状がじわじわ実感されますね! 二重価格ですか・・・。いやはや・・・。
【目次】
プロローグ なぜ今、「ユニクロVSしまむら」なのか?
第1章 中間流通の不要化(ユニクロ)と内包化(しまむら)
第2章 「早わかり」ユニクロ、しまむら創業と成長の軌跡
第3章 まさに対極に位置する経営・業態構造
第4章 トップのマネジメントとその生き様
第5章 成熟消費時代を突破する2強の「市場解読力」
第6章 “日本発”世界標準流通業を目指して
第7章 「2強の天下」はいつまで続く?
エピローグ ユニクロ、しまむらは何を破壊し何を創造したのか?
ユニクロvsしまむら―専門店2大巨頭圧勝の方程式(amazonリンク)
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2008年01月03日

「一歩先ゆくAccess2000裏ワザテクニック」大園博美 秀和システム

「裏技」と言っているので、正直言ってもう少し使えるノウハウが紹介されていると思ったのだけど、かなりお粗末な本です。

私はクエリーで集計かけた時にnull値の時に何も表示されないのをゼロ表示させるやり方を知りたくて探していて、本書を見つけました。
・・・・INT(NZ())

その点では確かに役立ったのですが、本書全般に共通する点として、ただこうすれば良い(この場合は関数が書かれてただけ)と書かれているだけで詳しい説明が無いので、個別事象においては対応できても広い意味での応用が利きません。これではあまり意味がありません。私の場合は、結局、本書で説明されているやり方を他の本で調べて補う必要がありました。

他にも取るに足らないやり方をわざわざ「裏技」と大層な呼び方をしているだけで、有用性はかなり低いです。いわゆる入門書をやっと卒業したレベルならいざしらず、少しはまともに使っている人には本書はどうかと思います。

私の場合は、レポートとかの機能は実務でほとんど使ったことないので目新しいものがありましたが、説明が足りなくてはななだ不満です。本書を買うよりも、普通の関数リファレンスとかを買った方がはるかに使える気がします。

本書は借りた本で良かったですが、買ったら後悔しそう・・・。お薦めしません。
【目次】
第1章 テーブル作成の裏ワザ
第2章 フォーム作成の裏ワザ
第3章 クエリ活用の裏ワザ
第4章 リレーションシップの裏ワザ
第5章 レポート作成の裏ワザ
第6章 その他の裏ワザ
一歩先ゆくAccess2000裏ワザテクニック(amazonリンク)
ラベル:access 実用本 書評
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2007年12月31日

四畳半出版社で稼ごう!

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これはどっかの古書店で見つけたけど、在庫本が大量に流れたようで105円だったもの。ブックオフにも同じ本が何冊もあった。

本書は自分で出版社を作って金を儲けようという、いかにも上っ面なアイデアとネーミングでまともな人は手に取ろうとも思わないだろうが、実は使える価値がある本です。勿論、定価としてではなく105円ならば。

出版業界の作業工程の流れや構造がシンプルに分かるうえに、原稿料は8%基本とか(私はずっと10%だと思ってた)、出版物の原価計算とかは自分が仕事で印刷会社に発注する際にも知っておきたい項目が多々あった。

ISBNコードやJEANコードなどは、仕事で係わった時に説明を聞いたことがあるけど、ほとんど忘れていたので後でメモしておくつもり。

あと巻末に出版用語解説があるば、初心者向きで簡単だからこそかえって有用かも。雑誌記事でも見たことあるけど、雑誌では足らず、少し詳しい本だと多過ぎてごちゃごちゃするが、本書のは基本的なものだけだから好都合です。

印刷物に関係する仕事をする機会があるなら、これぐらいは押さえておきたい事柄でしょう。それと・・・自費出版で売れもせず、自己顕示欲だけ満足させる為に出版したい場合に、どこぞの悪徳出版社の餌食にならない為にも最低限の仕組みと個々の作業の相場がどのくらいか知っておきたいものです。

私もコピーを書いたり、企画書を書いたりしたことはあるが、編集作業はやったことないんだよねぇ~。印刷会社や運送業者との商談はよくやっていたが、部分的なことだけは詳しく知っていても全体像を分かっていない私のような人には、使える本です。
【目次】
Part1 出版ほど夢のもてる仕事はない
借金1億円もなんのその。1冊当てれば、完済だ! 
出版は、脱サラや退職後にぴったりの職業   
専門分野か無差別攻撃出版か
勢いのあるテーマの本を作る
さまざまなイベント会場へ出向く
1億円の売り上げ計算

Part2 四畳半出版社の作り方
四畳半出版社を作る下準備
出版社の社長のやること
出版業界の仕事
取次について
書店について
編集者のキャリア
50万円を提供するスポンサー探し
在庫は、安いトランクルームで
出版の原価計算

Part3 編集技術入門
常にペンとメモ用紙を持つ
出版テーマの絞り込み方
にわか原稿の書き方
四畳半出版社と自費出版
原稿作成から編集制作
Wordで本を作る設定
目次を作る
画像を組み込む
パソコンでの現行の書き進め方
パソコンを使った原稿整理
パソコンを使った原稿整理
Wordで本の原稿を仕上げる
スケジュール管理表の作成
ISBNコードについて

Part4 出版社としての営業活動
作った本は必ず売りさばく
現実の売上計算
新聞や雑誌に書評本を送る
自主出版物を書店から購入
本の発送方法

Part5 出版活動の実際
自己管理
出版企画を何本動かすか
本に印刷するデータ
企画立案から原稿アップ
原稿執筆
印刷会社との折衝

Appemdix出版用語解説
四畳半出版社で稼ごう!―資金50万円で、1冊当てれば一億円!
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2007年12月30日

「知」のソフトウェア 立花隆 講談社

tinosoftware.jpg

立花氏の本を読んでいると、頻繁に出てくる『知的情報のインプット&アウトプット』に関する個人的ノウハウ本を独立してまとめたもの。著者の読書に関する本でかなり重複して採り上げられている内容であり、それらが既読である場合、目新しさという点での価値は低下するが、まとめられているので分かり易くはなっている。

また、著者自身が言うようにこの手の方法論に最適な一般解が無いのであくまでも参考に資する程度だというのは、適切な理解だと思う。と同時に情報に対する基本的な姿勢・考え方には大変勉強になる点がある。

一方で本書は、執筆当時の社会情勢や技術水準に決定的に影響されていて、現在のネットやPCといった情報機器を利用した情報収集・管理・利用という点では、致命的に時代遅れである。スクラップがどうとか書いている部分や書名・雑誌名・記事・論文検索などは、あまりに古い発想とやり方で今日そのままでは全く使えない。
←googlebooksearchやgooglescholar使いましょう。amazonでもOK!
NYtimesの記事検索もあるしね。

極論すると、具体的なやり方を書いている部分(本書の四分の一ぐらい)はそっくり削ってもいいような不要な部分かもしれない。

でも、本書を読むことで自分の情報収集や管理方法を常に他人の視点から見直す契機になることも事実。肯定・否定といろいろな場合があるものの、常に刺激を受けて自らの方法論をブラッシュ・アップできるので私には本書は有用でした。

でも、私のやり方とは全く異なる点も多数ですけどね。

さて以下、私の読書メモ。
本書の構成
1)インプットの仕方
2)アウトプットの仕方
3)インプットからアウトプットに至るプロセス

インプットの二つのタイプ
・知的生産型・・・インプットは手段(アウトプットの為)
・知的生活型・・・インプットは目的

スクラッ・ブック作成について:
資料の情報収集という作業に夢中になり、本来の目的を忘れて自己目的化することだけは避ける
←何の為のスクラップかを常に明確に意識する!

スクラップ・・・同一資料をコピーなどで重複させて、クロスリファレンスに対応させる(←現代なら、テキスト付きpdfだろう)
1)単純時系列スクラップ
2)価値評価を加えて取捨選択した後、内容別に分類したもの

スクラップ時の記入項目:
紙名、年・月・日

外国の雑誌記事索引
"Readres's to Periodical Literature" THE H.W.Wilson Company社刊
アメリカの約180誌の雑誌記事が分類されている

アメリカの情報源
"A Directory of Information Resources in the United States"議会図書館発行

良き入門書の条件
・読み易い
・その世界の全体像が適確に伝えられていること
・基礎概念、基礎的方法論などがきちんと整理されて提示されていること
・更に中級・上級に進むためにはどう学んでいけばよいか、何を読めばいいかが提示されていること

読むに値しないくだらない本であるとわかったら、直ちに読むのをやめて捨てる

資料を読む時の心得:
・資料の裏づけがある客観的記述なのか? 筆者の主観的意見や思い込みに過ぎないか?
・資料の裏づけがある場合、その資料が信頼の置ける資料か否か、信頼の置ける資料であっても筆者がそれを正しく用いているかどうかの吟味が必要
  ↑
資料の信頼性チェック
 資料の方法論の吟味とその方法論の具体的実践のされ方の吟味


聞き取り取材の心得:
頭の中で絵を描け

説明下手の原因:
説明の順序が悪い

説明のプロセス:
無説明で前提としてよいある共有知識の上に、新しい共有知識を積み上げるということ=話を進めるごとに共有知識の山が危なげなく積み上げられていき、最後に結論の認識を読者と共有できればOK!

『ウラ取り』
職業的懐疑の場合、これはホントだろうと直感的に思っていても、一応必ず疑ってみることを原則とする。
・・・人は自分が信じたいことはたやすく信じてしまうものである。信じたいことなら、未確認情報でも、つい真実だと思い込んでしまう。逆に信じたくないことなら、なんとかしてその情報が真実ではない証拠を探そうとする。それ故に、自分が信じたいことに好都合な未確認情報を得た時こそ、ウラ取りを忘れるな!
私はジャーナリズムの世界は経験したことがないので分かりませんが、経営情報の分析とかマーケティング情報の分析をやっていて、本当に痛感したものです。同じ資料から、正反対の結論や求める結論へ誘導する為の資料作成がいかに容易かと。と同時に周囲の圧力に屈せず、実際の現実を現す数字としてそれを評価することがいかに大変かを。

どんな組織であれ、上司や部下、関連部署や自分への評価など思惑が無いことなどなく、それが意識・無意識を問わず、判断を歪めるものだったりする。また、数字の評価だけではなく、数字の取り方もなかなか難しいし、最近流行のネット調査ほどいい加減なものはない。

何故なら、私も現実の実態を知る為に複数の調査モニターを今も兼ねているが、僅かな報酬で膨大な質問数。誰がまともに回答するだろうか?それなりに考えられていれば、誠実に回答しようとするが、実際、あまりにもひどい質問形式だと私はかなり作為的に適当な回答をする。おそらく、これは他のモニターでもそうするだろう。

残念ながら、調査を依頼する企業はコストとアンケート結果だけしか見ておらず、具体的な方法論の適否まで判断しないので現在の歪んだテストマーケティングが横行しているのだが・・・。

私の企画なら絶対にネットアンケートを委託などしない。だが、楽だから丸投げしてるマーケティング部が実に多いこと、多いこと。しかもそれをベースにいくら企画を考えても・・・ネ。失笑を禁じ得ない。

まあ、いささか本書から論旨がそれたが、私の考え同様、情報を常に懐疑的に見て、元データに当たって確認する大切さを指摘されている点は、大いに共感しました。
【目次】
1情報情報のインプット&&アウトプット
2新聞情報の整理と活用
3雑誌情報の整理について
4情報検索とコンピューター
5入門書から専門書まで
6官庁情報と企業情報
7「聞き取り取材」の心得
8アウトプットと無意識の効用
9コンテ型と閃き型
10材料メモ・年表・チャート
11文章表現の技法
12懐疑の精神
「知」のソフトウェア(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」立花 隆 文藝春秋
「ぼくはこんな本を読んできた」立花 隆 文藝春秋
「脳を鍛える―東大講義「人間の現在」」立花 隆 新潮社
「ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊」立花隆 文藝春秋
ラベル:実用書 書評
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2007年12月21日

「難問を解決する 意思決定の思考法」今井繁之 日本実業出版社

確かに合理的な思考方法であり、特定の事象に対し、最大限効果的に対処するには大変有効な考え方だと思います。

と同時に、あまりにも安易過ぎて一昔前の方法論という感じがしないでもありません。というのは、王道というか基本に沿った対処方法であり、正しいのですが、あくまでも対処療法の域を出ず、現在のビジネスを考えた時にこのレベルでいいのか疑問を感じます。

例えば、製品の不具合が発生したら、効率良く原因を追究し、その原因だけへの対処でその問題を解消したというレベルであり、一歩進んで問題となる根本原因をそもそも無くすような、より生産性が高く、効率的な生産方法自体の開発等に繋がっていくようなことは、本書のやり方では生まれない感じがします。

本書で例示される各種企画の意思決定なども、勿論、事前の見積もりなど当然していて当たり前だが、何が『当たる』か不確実性の要素が増す時代には、予測は単なる希望的数値である場合が多いので、むしろ一定の枠内での損失限界程度に留め、最終的には担当者の直観・センスが大切だと思うのですが・・・。

本書では、ナンセンスと切り捨てられてますが、どうなんでしょう? 勘だけでは、勿論駄目なのは自明ですが、データに頼って売上の上がる企画が出来るなんて考えてる人は、今時いないでしょう。それで失敗したデータベースマーケティングは、事例に事欠きません。

どんなことにも当てはまりますが、標準レベルまでは、正統派手法が効果的ですが、非凡になるには、一度それらを捨てて個人のセンスが最後にものを言うと思います。つ~か、そう私は信じてます。

努力しても結果を出せない人は、確かにいるもん。どんなに頑張っても売上の上がらない人。もっとも適材適所で別な場所では、センスが光ったりすることもあり、だから人は面白い!

本書は、とにかくつまらない。論理的な思考が身に付いていない人なら、役立つかもしれないが、それなりに分かっている人には不要。つ~か無駄。面白くない本でした。要約する気になれません。
【目次】
プロローグ 「いま思考力の強化が求められている」
第1章 意思決定「四つの思考手順」とは
第2章 手順の適用…ハナブサ製薬の場合
第3章 原因分析
第4章 決定分析
第5章 リスク分析
第6章 状況分析
エピローグ 「筋道の立った思考力をつけよう」
難問を解決する 意思決定の思考法(amazonリンク)
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2007年12月19日

「NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法」川本佐奈恵 ベレ出版

この本はいけません、英語を学ぶうえでほとんど参考にならない本だと思います。NHKの語学講座を利用するという点だけはいいと思いますが、著者のやり方で英語ができるようになるとは思えません。

まして、普通の人にとって英語は単なる道具でしかありません。仕事関係で英語で書かれた専門書を読む、旅行で必要な用事を果たす、英語で観たい映画を見るなど、たかが道具をマスターするのに何年もかけるという発想はいかがなもんでしょう???

勿論、きちんとした英語を身に付けるとか、通訳になる、英文学の専門家になるといった場合なら、何年もの学習が必要でしょうが、本書を読む人はとりあえず英語を使えればいい人だと思います。

それなのに、本書では一年ではほとんど身に付かないようなことを最初に言っています。これは嘘だし、そんな方法論なら働いている人には役立たないでしょう。以前に何かの本でも読んだし、私の知り合いで英語の通訳をやっている人やイタリア語の通訳をやっている人からも直接聞きましたが、基本は3ヶ月で十分だそうです。但し、本書のようにとにかく15分続ければ・・・なんてやり方は論外です! 非効率の極み!

他にもNHKのテキストを選び方ですが、自分の知らない内容が書かれている本・・・はあ? 通常のテキストでは、だいたい分かるでしょう。テクニカル・タームや時事的な用語で分からない場合はあるでしょうが、テキスト見れば、内容は普通分かります。

文字でみて理解するのと、耳で聞いて理解する水準で明らかに差があるのが、日本人の大多数だと思います。だから、テキストの内容で判断するなら、読んで十分に理解できるものの、聞いて分からないレベル、それを念頭に置きながらテキストを選ぶべきだと思います。

いろんな意味で本書の著者は、ずれてますし、私には奇異に思えてなりません。本文を読んでから、著者って本当に英語のできる人なのかなあ~と思って経歴を見たら、allaboutのガイドさんかあ~。

あれって、超&超初心者向けのガイドで少しでも知っている人が見ると、唖然とするレベルだったりするのもあったりします。他のジャンルの方のガイドもレベル低過ぎたのとかあったからなあ~。全部が全部でないにしろ・・・う~ん。

語学だけでなく、新しいことを学ぶのに年齢は関係ありませんが、きちんとした方法論も無しに(+ 狂気に近いような情熱も無しに)ただ気長に頑張ろうというのは、ナンセンスでしょう。

とにかくまともに英語を勉強しようと思う方が読むべき本ではありません。書かれている内容は物事を学びたい人には使えないと思います。もう少し使える方法論の書かれている本探そうっと、私も。

とにかく私も英語力のブラッシュ・アップが必要になってきたので努力せねば。
【目次】
1 NHK講座を使えば話せるようになる
2 NHK英語講座のラインナップ
3 NHK講座を利用した英会話上達のポイント
4 ラジオ講座実際の利用法
5 有効な利用のコツ・ポイント
6 さらに効果的な活用法
7 さらに上達させるために
8 上達する気持ちの持ち方
9 私が実際に行ってきた学習法
NHKの英語講座をフル活用した簡単上達法(amazonリンク)
ラベル:英語 書評
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2007年12月16日

「やる気を起こせ!」ジョージ シン 三笠書房

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かなり典型的なモチベーションを題材にしたビジネス書です。おそらく目新しいものは、あまり無いと思います。しかし、やる気がなくなってきたりした時には、こういうのを読むことで改めて行動する気になるのも事実。

自分は、何をすべきだったか? それを再確認する契機になるし、自分で決めたことさえ忘れて易い私には大変有用でした。単純に言うと、本書を読むと元気になってやる気が出ます!

活力に満ちている時には、読まなくてイイ本。落ち込みつつある時には、是非読み返したい本です。

仕事し過ぎで鬱になっている人、何もかもがうまくいかなくてつまづいている人、周りの批判ばかり愚痴ってる人、きっと変化があるかもしれません。少なくとも最後まで読み通し、一つでも行動した時、何か変化があると確信します!! 私もとりあえず、一個実行してみます。
【以下、本書より抜粋】
情熱とは自分の仕事に熱中すること。情熱があれば、物事は好転する。それは情熱が好転を信じるからだ。

成功する為には、3点が必要 ← 本書は「自己動機づけ」がテーマ
1)何をしたらいいかを知る事
2)どうすれば成し遂げられるかという知識
3)実行に至る「自己動機づけ」

自己動機づけ=意思(=精神面)と行動(=肉体面)
 → 自分を信じる

自分を信じる為に必要な4つの事
1)自分の夢のリスト作成
2)目標毎に、そこへ到達するために通らなければならない段階をリスト作成
3)目標達成に必要な自分の性質(性格)のリスト作成
4)3)に関連して、自分に足りない or 欠けている性質(性格)のリスト作成
    ↑
4)が出発点。この性質を身に付けてリストから消していくことが目標達成への第一歩!=自分をコントロールする


自分をコントロールする考え方
・何事にも積極的な考え方をする
・常に最善を期待し、最善を尽くす
・常に目標に焦点を合わせ、実現時を思い浮かべる
・常に前をみる=過去を振り返らない
・目的達成の為に、代償を惜しまない
・いつも自分を信じること・・・最重要!!


「人は病より心労によって死ぬ」

好意は好意を呼ぶ。敵意は敵意を呼ぶ。・・・人間性の「山びこ効果」

「行為」は否定しても「人格」は否定するな

「失敗はいわば橋だ。橋の真ん中で立ち止まって、下へ飛び降りる者もあるが、その橋の向こう側には全く新しい世界が開けていることを知っている者もある。ただ、歩き続ければよいのだ。そして、将来次々と橋に出会っても、恐れてはいけない。橋は必ずどこかへ連れていってくれる。大切なのは立ち止まらないこと、そして自分がどこへ行きたいかを知る事だ」

失敗についての留意点:
1)失敗は敗北ではない
2)一つでも教訓を得たら、失敗は忘れる事
3)努力し続けている限り敗北はない
4)失敗は、自分でそう認めなければ決定的なものではない

問題解決の6つのステップ ← 順番に実行する
1)どんな問題でもしり込みせず、否定的な見方は一切やめる
2)問題を客観的にみつめ分析し、正しい事実をつかむこと
3)解決に専念する。難問は分解して単純化する
4)自分にできること(経験済みの事など)から手をつける
5)相手にも十分納得のいく解決策か考える
6)素早く且つ大胆に行動に移せ!
今回抜粋したのは、現段階で私が気になったこと。他にも、別な状況なら使える部分はたくさんあります。その時々で読み返して良い本だと思う。概要なら、以下の目次参照。
【目次】
1章この「動機付け」で人はここまで変わる!

 なぜ、こんな"魔法"みたいなことが起こるのか!
 やる気に燃えている人に「手遅れ」はない!
 頭の鋭さは「目のつけどころ」でわかる
 "しまらない"生き方はするな
 「変わること」を恐れては何もできない!

2章毎日を疲れないで生きる 「頭と心・体」のリフレッシュ法

 エネルギッシュな心と体をつくる秘訣!
 外見も「自分の精神」の一部と思え!
 「内面」が充実している人の圧倒的魅力
 大切な人と"しっくりいく関係"をつくる秘訣

3章「何がポイントか」を見抜け、それだけで生き方が変わる!

 なぜ「考えなくてもよいこと」にこだわるのか
 貴重なエネルギーを"間違った方向"に注いでいないか
 再び立ち上がれる人には「これ」がある!
 なぜ、そんなに臆病になるのか!
 スケールの大きな人間はこうしてつくられる!

4章物事をもっとシビアに、もっと現実的に処理する法

 チャンスを呼び込み、必ず「もの」にするために
 一分の無駄なく時間を生かしきる法!
 なるほど、これが本物の「成功者」だ!
 説得力のある人に、人は引き寄せられる
 変化を上手に受け入れて賢く順応せよ!
 これが"つぶしと応用がきく"頭の訓練法!

5章自分に「勝ちぐせ」をつける一番効果的な思考法

 自分の人生に「勝ちぐせ」をつける秘訣
 「古い頭」を「柔軟な頭」に切り換える秘訣
 「未知なるもの」を恐れるな、出会いを喜べ!
 自分を勇気づける力・奮起させる力
 この「自信」こそ人生最高の「助っ人」になる!

6章人生、ここまでできれば、後悔するはずがない!

 思いつきだけの人、それを実行できる人の「中身の差」
 どんな時でも「セルフ・スターター」になれ!
 常に「完全燃焼」して生きる人の強さ・たくましさ
 成功は必ず「子供」や「孫」をつれてやってくる!
 この人生は「自分のために」用意されている!

訳者あとがき
やる気を起こせ!(amazonリンク)
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2007年12月13日

「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」勝間和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン

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『年収10倍』という、いかにもキャッチーで中身が無さそうなタイトルが嫌で知ってはいたものの、読まないでいた本でした。

しかし、残念ながらいい意味で予想は裏切られました。これは何かのスキルを学ぼうとする時、非常に有効なやり方だと思います。だてにいくつもの資格をとっているわけではありません。大変、学ぶべきところがある本です。

その一方で、年収10倍と言っていますが、著者ご自身については嘘偽りではないと思うものの、経歴を見れば分かりますが、外資系のコンサルティング・ファームだもん。申し訳ないが、日本の大企業でどんなに有能で仕事ができても著者の話は有り得ません。

また、本書は、素晴らしいエキスパートになる準備としての資格取得には有用でも、リーダーシップに溢れ、組織を動かすマネージャーや経営者になる為に直接役立つとは思えません。もっとも、初めからそれらは対象外なんだと思います。

その点を理解したうえで、効果的なスキルの身に付け方だけに絞ってみらたら、これは実に素晴らしい本だと思います。本書の内容は一言!意思ではなくて、システムによる『学習の継続』。発想が実に非凡です。

他のやり方も見るべき物があります。思い出してみたら、私も一ヶ月も無くて全く勉強したことのない経済学(ミクロ・マクロ)を学んで大学院を受けた時にこうした方法を使っていたことに気付きました。今から思うと、受験勉強のやり方というのは、社会人になっても通用する素晴らしいものだったんですね!

本書を読むまですっかり忘れていました。

上記のように今まで忘れていたこと、全く思いもしなかったやり方など、とにかく実行に移せば、きっと役に立つはずです。是非、読んですぐに実行しましょう。

著者の他の即物的なものの考え方には、嫌悪感を覚えますが、使えるもんは何でも使うべきというのは、一面、真理であることも事実。とにかく、読んで学んだら、即実行!

どんなビジネス書にも共通の不変の原理です!! 私も少しだけでも実行してみました。まだまだ途中なんですけど・・・。
【以下、本書からの要点メモ】
何故、勉強が続かないか ← モチベーションが下がる=飽きる
  ↓
それ故、必然性に基づく続く仕組みをつくることで対応する
 1)会社からの強制を利用する
 2)成果がまめに図れる報奨制度を用意する
 3)ある程度の投資をして、自分を追い込む
 4)勉強の成果をまめにアウトプットする

勉強の基本的なコツ
 1)基礎を最初に徹底的に学ぶ・・・半年間、基礎のみ
 2)先達から、勉強の仕方をしっかり聞く
 3)学ぶ対象の基本思想(基本構造)を理解する
 4)学んだことを自分の言葉でアウトプットしてみる・・・in50%&out50%
例 過去問をやってから教科書へ outからinへ
 5)勉強をわくわく楽しむ

英語の効用
日本語だけの場合よりもマーケットが大きい → 顧客数が多い
故に、儲けられる可能性も大きく、外資系の給与が高くなる
(個人的には、この論理が正しいとは思わないが、一つの説明としては説得力があると思う)

TOEIC 800ぐらいは基本らしいので、とりあえず取るか私も。10年近く前に試しで受けてスコア680(グラマとかはほぼ満点)だったから、今度は明確に意識して狙ってみよう!

日経の裏を読む
・気になる記事は出典オリジナル文献、データに当たるクセを
・自分が関心のある事柄にフックをかけて読む
【目次】
年収10倍アップ勉強法 基礎編
1なぜ勉強するのか?
2なぜ勉強が続かないのか?
3まずは道具を揃えよう
4勉強の基本的なコツを知る
5目でする勉強 本・新聞・雑誌・ネット
6耳でする勉強 オーディオブック・音声コンテンツダウンロード
7目と耳でする勉強 セミナー・DVD
8学校に行ってみる
9基礎編のまとめ 「勉強の仕組み」を投資しながら組み立てる


年収10倍アップ勉強法 実践篇
10何を勉強すればいいのか?
11英語 めざせ、TOEIC860点
12会計 「さおだけ屋」を超える知識とは?
13IT みんなに頼られるエキスパート
14経済 日本経済の裏を読める
15転職 身に付けたものをお金にしよう
16資産運用 勉強内容が収入に直結する
17さあ、スケジュール帖に予定を入れましょう

あとがき
本文で紹介した本・サイトなど
ちなみに・・・本書も日経の書評に挙がっていた本です。

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法(amazonリンク)

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「仕事に活かす!本200%活用ブック」日本能率協会マネジメントセンター
活字の海で~読書術は普遍的テーマ 相次ぐ指南本が好調~
「キラー・リーディング」中島孝志 実業之日本社
「レバレッジ・リーディング」本田直之 東洋経済新報
「本を読む本」M.J.アドラー、C.V.ドーレン 講談社
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2007年12月11日

「手帳・メモ・ノート200%活用ブック」日本能率協会マネジメントセンター

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以前同じところ(日本能率協会マネジメントセンター)から出ている本「仕事に活かす!本200%活用ブック」が大変良かったので、本書も少しだけ期待して読んでみた。

内容は、ビジネス書でしばしば見られる仕事の為のメモ術、といったハウツー本で複数人から聞いたものをまとめたもの。この手のハウツー本の読者は当然、効率性を求めるが、一冊で複数人分のノウハウを学べるのでその点では効果的。ただ、本書自体はそれほど有用でも無い。

私の感覚には合わない物も多数あった。その一方で、今まで無意識にやっていた自分の手法を再確認したり、改めてどうすれば、もっと効率的になるかを考える契機になった。

本書を読んで、自分の身の回りでも仕事のできる人は、確かにメモを採っていたことを思い出し、今まで以上にメモを残す意義を前向きに捉えられるようになった。自信にも繋がって良かったかもしれない。

以下、本書から使えると思った点の抜粋+私のアイデア等。
・目標は手で書いた瞬間にスタート
・目標を数字で明確化する

・企画作りにはフォーマットがある
←私の経験でもトップバイヤーから教えてもらった商品提案書にも明確なフォーマットがあった(これ、探してまとめておくこと!)

・企画の方法論
1)目標・・・何を解決するのかという目標を掲げる
2)現状分析・・・今はどうなっているかのを把握する
3)課題・・・解決するためには何をしたらいいのかをはっきり示す
4)プラン・・・そのためにどうしたらいいのかを提案する

・会議では必ず立ち上がってホワイトボードの前に立つ
 ⇒話の主導権を握れる


・他人と話をすることで、自らのアイデアを進化させることができる
・会話の中から、ひらめき(=気付き)を得ることがある
・新しく知ったこと、気付いたことを他の人に話す事で記憶に定着し、更に考えが深まり、知識が自分のものとなる

・仕事の優先順位
 normal:直近の締め切りの近いものから
 better:急ぎの仕事は、処理する時間が十分でないから、焦ってしまうし、手抜き仕事になりかねない。自分の実力を発揮して、成果を上げる事が期待できるのは、締め切りまでに余裕のある仕事。その中で重要度の高い仕事の為に時間を確保すべきで、急ぎの仕事はあくまでも効率よく、短時間で終わらせるものと心得て欲しい。

※ 今度チェックしてみる。榊原廣「プレゼンのプロが教える伝わる技術」
さて、明日にでも少し実行してみよう! ちなみにこのブログを書いていること自体が、まさにメモ術の実践ではあるのだけれど・・・。
【目次】
巻頭インタビュー
 言葉は虹色に変化する

目標達成篇 夢や目標を手で書いて実現する
 手で書き出し目標を始動
 仕事ができる堀流ノート術
 目標に向けて世界観を共有
 手帳は僕の名コーチ
 言葉はエネルギーだ
 自己対話はノートから
 手帳に書いて夢をかなえる

発想篇 手書きはクリエイティブである
 手書き復活浅間
 紙とペンで企画はできる
 発想の瞬間を切り取る
 最強の文章を産むメモ術
 メモも積もれば本になる
 情報牧場で情報を飼う

仕事篇 手書きは、仕事の質をグンと高める
 優先順位を見直してみる
 過去を蓄積し今に活かす
 ポケット手帳に情報集約
 落書き習慣のススメ
 流行らさたいメモ術
 ふせんで描く情報の地図
 脳を刺激する楽しい暗記術

 
手帳・メモ・ノート200%活用ブック(amazonリンク)

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「脳が若返るメモする習慣」米山公啓 中経出版
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2007年11月30日

「本を読む本」M.J.アドラー、C.V.ドーレン 講談社

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確かに書かれている内容は正論であり、大枠で言うならばもっともなことだと思う。でもね、著者自身も書かれているが、あまりにも厳密で時間を消費する読書方法であり、膨大な本を読む人でも生涯で数冊あるかないかの極めつけの良書を読む時に使うものらしい。

ということは、普段の読書にはおよそ不要であり、私的には貴重な読書時間がこれによって浪費され、むしろ弊害さえ生じかねないと危惧する。

当然、著者もそれは分かっており、適宜、本に合わせて読書法を省略したり、簡略化して行うことを推奨しているが、その点についての具体的な方法はほとんど述べられておらず、『実用性』というよりも『実現性』に極めて乏しい。

少なくとも読書法を教授する意図で書かれた本であり、これを使う事でより良い読書ができることが期待されるはず。所詮ハウツー本である以上、より簡素な明確さが必要であり、分かり難いとは言わないまでもあまりに冗長な文章はいただけない。実際の読書での実現性に乏しい点に至っては重大な問題だ。何よりもこれ読んだら、読書したくなくなってしまうんですが、これって致命的な欠陥だと思うのだが・・・?

私は、この本は絶対に推薦しない。

小説や文学で本書で書かれていることを意識しながらでなければ読めない人は、その時点で読まない方がいいと思うし、学術的な論文を読むなら、そもそも冒頭にabstractがついていて内容が簡潔にまとめられているはずだし、論文の構成は、完全にパターン化しているから、本書のような読み方をわざわざ必要としない。

amazonの多数の書評とは、真っ向から反対の意見です。概念的には言いたい事が分かりますが、理想論者の話に過ぎず、とにかく空虚。勿論、私の意見が偏っている可能性もあります。もし、本書に興味がある方は、他の方の書評やレビューも参考にされた方がいいかもしれません。

しかし、どうして本書がいいと思うのか、私には分からないなあ~。レビューを読むと分かり易いというが、私には全然そう思えない。もし、本当に分かり易く説明するならば、図解を入れるか、例えば、章末ごとに明示的に要点整理などのまとめを入れるべきだと思う。

本の読み方なら、即物的なハウツーものか、『読書百遍義自ずから通ずる』の二者択一でいいと思うのですが、本書の内容は、内実の無い教養主義のようで私には首肯できない。むしろ、徹底した教養主義ならとにかく社会で役に立たない本を読めば・・・と思ってしまうんですが・・・。

まあ、いろんな考え方があるものです。

そうそう、最後に本書のまとめ。
読書レベル・・・4段階
1)初級読書:読み書きのできない子供が初歩の読み書きの技術を習得するためのもの
2)点検読書:限られた時間内に、系統立てて拾い読みする技術
3)分析読書:時間制限無しに、徹底的に読むこと
4)シントピカル読書:一つの主題について、何冊もの本を相互に関連づけて読むこと
このシンプルさが、本書のどこにも書かれていない時点で実用性に難有り。目次でさえ、イマイチだもん。

ちょっと話は変わるが、やはり日経の書評は本を読まずに書いていると確信した。なんだかなあ~残念だ。紹介してる内容と本が違うんだもん。
【目次】
第一部 読書の意味
1読書技術と積極性
2読書のレベル
3初級読書―読書の第一レベル
4点検読書―読書の第二レベル
5意欲的な読者になるには

第二部 分析読書―読書の第三レベル
6本を分類する
7本を透視する
8著者と折り合いをつける
9著者の伝えたい事は何か
10本を正しく批評する
11著者に賛成するか、反論するか
12読書の補助手段

第三部 文学の読み方
13小説、戯曲、詩の読み方

第四部 読書の最終目標
14シントピカル読書―読書の第四レベル
15読書と精神の成長

日本人の読書―訳者あとがきにかえて
本を読む本(amazonリンク)

関連ブログ
活字の海で~読書術は普遍的テーマ 相次ぐ指南本が好調~
「レバレッジ・リーディング」本田直之 東洋経済新報
「仕事に活かす!本200%活用ブック」日本能率協会マネジメントセンター
「キラー・リーディング」中島孝志 実業之日本社
ラベル:書評 実用書
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2007年11月28日

「レバレッジ・リーディング」本田直之 東洋経済新報

rebareji.jpg

先日読んだ日経の書評絡みで、読んでいるビジネス書です。基本スタンスは記事への『不信』。

結論から言うと、やはり本書も一番使えるエッセンスは「仕事に活かす!本200%活用ブック」に集約されている感じだ。わざわざ本書を読むだけの付加価値は見つからなかった。

ただ、本書を読んでいてこれは是非他のビジネス書でも見習って欲しいと思った点がある。章ごとにまとめがついている。受験生などの使う参考書によくあるが、ビジネス書が使う為のツールである以上、効率良く理解し、利用する為には是非欲しい!

逆に言えば、これを見るだけで本書の内容は推測され、要約されている。
【本書内より抜粋】
1章のまとめ
・読書を投資活動として捉える
・1500円の本一冊から得た知識は、将来100倍になって返ってくる
・「本を読む時間がない」はただの言い訳。本当は「本を読まないから時間がない」
・本には他人の数十年分の経験が詰まっている
・読書をしない一流のビジネスパーソンは存在しない
・多読は誰にでもでき、特別な道具も訓練もいらない
・読めば読むほど累積効果で「パーソナルキャピタル」の「含み資産」が増える
・情報の取捨選択能力がつき、主体的な思考力が身に付く

2章のまとめ
・本は探す段階からこそ重要である
・目的に沿って読む本を選ぶ
・自分にとってやさしくて値段の安い本の方が、すぐに役立つことが多い
・学者や研究者が書いたような「教養型」の本より、著者が自分の経験から得たノウハウを述べた「経験型」の本を選ぶ
・テーマが決まっているときは、「カテゴリー集中法」でその本を片っ端から読め
・本選びには、口コミ、メルマガ、書評記事、新聞広告、書評サービスなどを徹底的に利用する
・ネット書店とリアル書店の特徴を知って、使い分ける
・ネット書店は目的買いに便利、リアル書店は新刊を見つけるのに便利

3章のまとめ
・本を読む前に「この本から何を学ぶか」とはっきりさせておく。そうすれば重要なポイントがよく目に入るし、余計なところを読まずにすむ
・一日の生活のリズムに読書を組み込む
・読書時間は意識的にとらないと、いつまでもとれない
・読む前に「何時間以内で読む」と決める
・「まえがき」「目次」「あとがき」などに目を通し、あらかじめ本の概略をつかむ
・本のストックは切らさない。ダメ本は、さっさと読むのをやめる
・ポイントに線を引き、ページの角を折る。読みながら考えたことはどんどん書き込む
・読むスピードは一定ではなく、緩急をつける
・読みながら自分に置き換えてシミュレーションする

4章のまとめ
・読書後のフォローは絶対必要
・線を引いたところを抜粋した「レバレッジメモ」を作る
・メモは常に持ち歩き、空き時間に何度も読む
・メモはパソコンで作ってプリントアウトするだけ
・メモはテーマ別、データ別、引用文に分類すると使い易い
・基本的に一度読んだ本は、よほどの良書でない限り、もう読み返さない
・メモの内容を実践で活用し、条件反射的に行動できるようにする
以上は、あくまでも著者の主張。私には、無駄な部分が非常に多い。以下、私の考えを含めて本書よりメモ作成。
・ビジネスにおいてレバレッジをかけるにはどうするか?
→本を読んでそこに書かれているノウハウを自分流に応用し、実践で活用すること
 VS
私の経験では、自分で失敗し、試行錯誤しないと本当に身に付かない。
=他人の失敗を教訓にし、他人の成功例を応用するのは相当難しい!

むしろ、一番のポイントは、実践で活用する際にノウハウを学んでいることで失敗を最小限にして成果を最大限にすること、しかもそれに要する時間の短縮化が3点がポイントではないかと思う。
→同じ経験をしても短時間で経験できれば、他人よりも効率よくビジネススキルを習得できる。凡人が他人に勝るのは、まさにその一点のみではないか?


・目的を明確化して読書する=問題意識の存在がポイント

・自分が理解できる(=ある程度、その内容を知っている)本、安い本は即効性があり有用 → 全てを一から理解しなかればならない本は、『情報吸収性』(私の造語)で不適。

・余白に書き込む、線を引く
主体的に自分の意識の中に刻み込む他、触発された自分の『気付き』&『思い付き』の明確化に役立つ。

但し、私の場合は、付箋を使う。何故かというと、読み返し時にもう一度その頁全体を眺めて重要なポイントを探す為、線を引いた場合では見逃す情報を再確認し、重要な点をより深く認識し直す機会になるから。(=線を引くと、それ以外のところはかえって見逃す傾向が発生するので)

・本書の主張(緩急をつける)とは正反対に、全体像を頭に入れる為、読書中は斜め読みしつつ、できるだけ一定のリズムで読み終える。読書中にメモしないのも速度を保つ為。
但し、付箋を貼った頁だけ、再度読み返すことで実質的な緩急をつける。

・書評等は原則、参考にしない。例外は、知人やある程度、共感できる人のものだけは限定的に参考にする

・本書の最大のノウハウ:読書後のメモ作成法とその活用法
1)読書によって得た重要点のメモ作成
2)PCで保存
3)まとめてA4でプリントして常に持ち歩く
4)実践してみる
5)実践での経験を踏まえてメモを修正・取捨選択

1)~5)のフローで他人のノウハウを自らの経験として骨肉化するのが、最大の長所!
結論、読書メモの作成と活用に本書の価値がある。しかし、それは前述した本で事足りる。
【目次】
第1章 ビジネス書の多読とは何か?
―100倍のリターンをもたらす究極の読書術
第2章 本探しは投資物件選び
―ビジネス書の効率的スクリーニング術
第3章 一日一冊、ビジネス書を戦略的に読破する
―訓練不要であなたの読み方が劇的に変わる
第4章 読んだままで終わらせるな!
―反復と実践によって一〇〇倍のリターンを獲得せよ
レバレッジ・リーディング(amazonリンク)

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2007年11月24日

「キラー・リーディング」中島孝志 実業之日本社

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私的にはタイトルからしてセンスに合わないし、役に立たなそうな印象の本で本来ならば絶対に読まないタイプの本なのだが、日経の書評で挙がっていて、その書評自体に不信感を抱いたのであえて読むことにした本。

一言で感想を言うと、メモ書きの羅列。目次を見れば分かるが、だいぶ項目が重複しているし、並べ方や整理の仕方が不十分でしっかりと練り上げられていない。たま~に有用な内容もあるが、深みがなく、思いつきレベル。著者ご自身が気付きのブラッシュアップの必要性を説かれるが、この本自体がまさにブラッシュアップの必要性を痛感する出来。

なお、内容についてだが、80%以上は新入社員以上のビジネスマンには不要で、残りの18%ぐらいは仕事で資料を読み込んでいる人には、最低限の常識レベル。最後に残った2%は有用だと思う。

この本こそ、キラー・リーディングの必要性がある本だろう。

著者は確かにたくさんの本を読んでいるだろうが、失礼ながらそれは字面を追えば良い程度の文章で、深く思索&理解しながら読む文章ではないし、専門書では無いような感じがする。また、著者は年20冊を執筆しているというのは凄いとは思うが、本書レベルの本なら、申し訳ないがいくらでも書けるだろう・・・(但し、それが出版社から評価されて本として出ている点は、非凡だと思う)。

読んでいて思ったは、多作のせいか、実用本としても水準がかなり低いし、書きなぐりのような気がしてならない。忙しいビジネスマンの友人に薦めたら私自身の評価が下がるような気がする・・・。

本書を読むなら、絶対に「仕事に活かす!本200%活用ブック」の方をお薦めします。本書の著者も確か記事を書いていたはず? そちらに本書の使えるエッセンスはほとんど入ってますし、もっと整理されていて非常に有用な形になってます。

後は、本書での気付きをメモしていきます。

【追記】
事件の点景(=インテリジェンス)から全体像を紡ぎ出す構想力(=イマジネーション)
・・・私の言葉でいえば、『気付き』から『企画&行動』ってところかな。

問題意識(視点)を持った読書 ―> 気付き ―> 実際に直面している場面での応用。
著者はここまでまとめていません。バラバラのまま、書き散らしてます。


キラー・リーディング= 速読 × 多読 × 省読
・・・私に言わせれば、こんなのできていて当たり前。問題はとりあえずの課題に対処した後、いかに欠落部分を埋めて更に深い理解ができるか? この点で手を抜くか否かでその人が伸びていくかどうかが決まる!(立花氏の本で触れられていた点)

「あとがき」には著者の人間性がさらけ出されている、
と本書では書かれているが、それはしょうもない本を読んでいるからでまともな本では、本文内で書き切れなかった点の説明(資料不足、各種しがらみ等々)や一歩下がって異なった視点で見た場合のその本の評価など、大切な情報が含まれていることが多い。だから、それを知る為に読むべきで著者の人間性なんて、情報を得る為の読書でなんで必要なのか私には意味不明?

「困り果てる」という行為は、問題点を明確にし、且つ問題点を解決するプロセスの一つだ。困れば困るほど、考えに考え、結果として賢くなる。
「困る」―> 問題意識の発生 
この単純な図式でOK。著者は、アイデアをまとめて整理するという作業をしないまま、本書を書いている感じがしてならない。重複が多く、アイデア間の流れが断絶しているし、中途半端なカタカナ英語は意味の不明確さを生じさせていて私の評価はかなり低い。
【目次】
第1章仕事脳をたちまち変える!キラー・リーディングの秘密

インテリジェンス×イマジネーション=キラー・リーディング
キラー・リーディング(キラー・ワード×キラーフレーズ)は仕事を一翻あげる
キラー・ワードとキラー・フレーズに遭遇できる確率は低い?
キラー・ワードやキラー・フレーズに人を引きつける「フェロモン」がある
キラー・リーディングのコツは「速読」×「多読」×「省読」にある
テーマに集中すると、思わぬ副産物が得られる
キラー・リーディングは知的消費を知的生産に変える
「正解など、どこにもない」と考える
「調べる脳」を「考える脳」に変えるにには、”一人ブレスト”が効果的!
キラー・リーディングには「翻訳作業」が求められる
読書スタンスを「ヒーロー(ヒロイン)・モード」に切り替える
キラー・リーディングの「チョイスの法則」-どんな本を選ぶか
キラー・リーディングは脳をフル回転させる
脳は「オートマトン機能」×「オートリサーチ機能」×「アラート機能」の複合体

第2章「速読」×「多読」×「省読」でキラー・リーディングを完全にモノにする!

「本を読んでいる時間がない」は真実か?
ナレッジを「インテリジェンス」にバージョアンアップさせる
キラー・リーディングは情報武装法である
キラー・リーディングでらくらく情報武装できる
キラー・リーディングは「速読」×「多読」×「省読」の三位一体リーディング
本は1ページ目から読んではいけない!
キラー・リーディングをモノにする5つの読書法
1)「80:20の法則」を読書に生かせ
2) この順序で読めば、効率的かつ生産的な読書ができる
3)「面→線→点」の3段階読書法
4)1週間かけて精読するな、1時間ずつ3回読め!
5)「パラレル・リーディング」のすすめ

第3章芋づる式にアイデアがひらめく!キラー・リーディング

参考図書をチェックしても新しいアイデアなど生まれるわけがない!
アイデアは「異質×異質」の化学反応から生まれる
社長が書いた本と社員が書いた本は、どちらが信用できるか?
読んだことがない種類の本にチャレンジせよ
書店の足を踏み入れたことがないコーナーで1時間立ち読みしてみる
「読むこと」と「書くこと」はまったく違うものという認識を持つ
「ここが足りない!」という自分の”穴の部分”を前もって押さえておく
本当に困っていると、ヒントが向こうからささやきかけてくる
脳に「フィードバック・システム」を組み込んでおく
新聞は最初に広告欄をチェックする
電車の中吊り広告も欠かさずチェックする
本との出合いも”一期一会”と心得る
「ネット・クルージング」で発想を次々に誘爆させる
「スパーリング・リーディング」で著者に反論しながら読む

第4章どんどん情報が得られる!キラー・リーディング

「ザイガニーク・リーディング」で早朝の1時間を読書タイムに充てる
出掛けるときは、本を忘れずに!
「他人の脳みそ」をネット書店で物色する
ベストセラー本はネット書店で買ってはいけない!
絶版本はネット書店で探してみる
アマゾンでの古書購入で思わぬ人脈ができた!
リアル書店では「思わぬ拾い物」が見つかる
「オーディション・システム」で見切り千両、損切り万両!を実践する
古書店を自分の本棚代わりに活用する
図書館のそばに住もう
待ち合わせ場所はいつも書店にする

第5章3000冊をとことん消化しつくす!キラー・リーディング

年間3000冊読破、20冊執筆、50冊プロデュースするわたしの方法
インテリジェンスをゲットする3つの習慣
 1、考える習慣 2、まとめる習慣 3、メモる習慣
本をとことん消化しつくる「アナログ・リーディング」の道具術
アナログ・リーディングの道具術
1)「ポストイット」はマーキングの絶対必需品
2)ノート、手帳で情報を整理する
3)「京大カード」を使ったマインド・システム
4)「ローロデックス」を使ったマインドマップ・システム
5)クリッピングしたらA4サイズでコピーする
デジタル・リーディングの道具術
1)パソコンの検索機能をフル活用する
2)Skipping Skimming、Scanning の法則
3)デジカメからパソコンにインプット
4)便利な「音声入力ソフト」を活用する
5)ケータイで速読する
6)読んだ本の内容をブログに発表する
キラー・リーディング 「仕事脳」が劇的に回り出す最強の読書法(amazonリンク)

関連ブログ
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「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」勝間和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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「本を読む本」M.J.アドラー、C.V.ドーレン 講談社
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2007年11月21日

「デジタル書斎活用術」紀田順一郎 東京堂出版

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翻訳や創作をはじめとして、様々な本に関する著書を多数出している紀田氏によるデジタル書斎に関する各種提言(?)を含んだ本だが、大変失望した。

執筆時の2002年という時代を考慮しても、その時点でも有用であったと思える情報が皆無でした。書斎に使う机や照明等も単なるお年寄りの独り言だし、なんら参考になることはありません。

更に辞書や蔵書がデジタル化していく話についても、通り一辺倒のどうでもいい一般論に終止し、とてもではないが、あの紀田氏の本だとは信じられないレベルです。

勿論、今現在の観点から見たら、あまりの見通しの無さに情けなくほどでしょう。個人的に、非常に尊敬している方でしたのでこのうえなくショックでした。

幻想文学や古書業界への深い造詣は、今も素晴らしいとは思うのですが、こんな本を書くべきではなかったでしょうし、出すべきではなかったでしょう。誰しもスーパーマンではないのですから、得意不得意や専門、専門外があって当然ですが、何故こんな本を出されたのか・・・悲しい限りです。

あの当時も含めて、今なら尚更、本書に有用な点を見出せません。私には。これを読むなら、普通のコンピュータ雑誌でも読みましょう。日経コンピュータとかの方がはるかに有用だし、デジタル書斎の観点からも使えます。間違いなく!
【目次】
1 デジタル書斎の構築
デジタル書斎に似合うデスク
書斎椅子の話
書斎と照明
紙辞書からweb辞書へ
執筆生活と電子百科
紙の蔵書と電子蔵書
紙をめぐる随想

2 デジタル書斎の方法
インターネット検索の可能性
インターネットで本探し
<電網快々>古書店のホームページ
海を渡ってくる本
電子本の愉しみ
電子書評の可能性
横書きか縦書きか
国際化時代のローマ字

3 書斎生活その日その日
ホームページは一日にして成らず
メディア環境と読書
朗読とスピーチ
机の上の映画館
インターネットに見る文化の継承
戸外の書斎
入院生活とインターネット

4 電子書斎の周辺
オンラインショップでペン探し
電子手帳とシステム手帳
デジカメの可能性
眼鏡よまやま話
書斎の時計
理想のカバンを求めて
100円ショップのやさしい文具たち

巻末エッセイ
インターネットと知的生産
デジタル書斎活用術(amazonリンク)

関連ブログ
「東京の下層社会」紀田順一郎 筑摩書房
「古書街を歩く」紀田 順一郎  新潮社
「第三閲覧室」紀田 順一郎 新潮社
「われ巷にて殺されん」紀田順一郎 双葉社
ラベル:書斎 書評
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2007年11月08日

「考える力をつけるための「読む」技術」妹尾 堅一郎 ダイヤモンド社

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私が考えるところでは、本書は明白に実用書、ハウツー本の類いだと考える。出版社からしても、ビジネス書・経済書を出しているダイヤモンド社であり、当然だろう。

しかし、ハウツー本して見た時、本書はかなり使えない本だと思う。私の知り合いには決して薦めない本だ。何故なら、一見すると、整理された項目が並んでいるように見える目次だが、それぞれの項目が有機的に関連していないように感じてならない。また、いかにも学者らしく冗長で無駄な説明が多く、自分の主張を説明することに重点が置かれていて読者の理解し易さへの意識が足りない。

要するに、実際に読んでみると分かり難いし、くどいし、応用しずらく学者の独り善がりのハウツー本だと感じた。

少なくとも本書で書かれている内容で大切だと思うことは、うちのブログ内で全て説明したことがあるし、私的に本書から学ぶ事は一つも無かった!

とにかくあまりにも常識的な事柄が多過ぎて、無駄な本である。まさに箇条書きで事足りるレベルの内容をわざわざ分かり難い具体例を挙げて、くどくど説明している。忙しいビジネスマンは絶対に読むべきではない!

統計の話やネットからの引用・検索のノウハウなら、はるかに使える事が他の本に書かれているし、そのいくつかはうちのブログ内にもまとめてある。専門書の読み方も、私的には効率の良い方法とも思えないし、はなはだ疑問が残る。

これは一例だが、本書内で出てくるサイモン氏の「経営行動」の話。私はその直系の教え子から講義を受けたことがあるが、あれは全然使えないだろう。訳語がどうのこうのというよりも、あくまでもあの時代だから受けてノーベル賞とっただけでしかない。 わざわざあのなのを例に出す気がしれない。

むしろ、具体的な統計データの読み方をもっと突っ込んで解説して欲しかった。表面的過ぎる解説に、不相応に頁をとった解説で、値段ばかり高い本はいただけない。

著者は自らが書いている本をハウツー本と思っていないような感じがしてならない。学生は先生に逆らえないから、どんな読みにくい本でも黙って読むが、一般読者はそんな義理は無い。値段に値しない使えない本は、淘汰されてしかるべきだろう。慶応大学の情報関係の教授の本がこれでは、悲し過ぎる。期待し過ぎた私が悪いのかもしれないが・・・。
【目次】
1章 「情報」を読む―データを解読し、解釈せよ
2章 「図・表」を読む―「分かったつもり」の罠にはまるな
3章 「統計」を読む―データの向こう側にリアリティを見よ
4章 「新聞」を読む―一望で世の中の動きをつかめ
5章 「専門分野の本」を読む―仕事に役立つ「知的栄養」を吸収せよ
6章 「百科事典」を読む―定説・通説から概要を押さえよ
7章 「年表」を読む―時間軸に沿って関係づけよ
8章 「ウェッブサイト」を読む―読む前に選べ
9章 「学問と理論」を読む―体系的に理解する力をつける
考える力をつけるための「読む」技術―情報の解読と解釈(amazonリンク)

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「仕事に活かす!本200%活用ブック」日本能率協会マネジメントセンター
「レファレンスツール活用マニュアル」日外アソシエーツ
「文献調査法」毛利 和弘 日本図書館協会
「ぼくはこんな本を読んできた」立花 隆 文藝春秋
「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」立花 隆 文藝春秋
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2007年10月31日

「仕事に活かす!本200%活用ブック」日本能率協会マネジメントセンター

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最初は、効率良く本を読んで利用しようという、いかにもビジネス書的な俗っぽい発想による必要悪なノウハウ本かなあ~と思っていました。実際、本書は娯楽としての読書ではなく、情報収集などをメインにした読書の為の本であると明言しています。

しかし読了してみるとシンプルな構成ながら、合目的な実用本としてはかなり有用な部類に入る本だと思います。端的に言うと、使える本です!

目次を見れば、本書の内容は一目で具体的且つ実践的であり、目次を見るだけで分かる人ならほとんど本書の内容の推測がつくはずです。そしてそれは正しいです!

何故なら、本書は極めて正統的な(ビジネス本の)読書方法を提案しており、おそらく仕事のできる方なら既に実践している内容でしかありません。最もそれ故に、誰もが納得する合理的な方法なので自らの方法の再構成と一部の漏れの有無の確認としても使えます。

どうやっても読了に1時間かからない本ですので、仕事の知識を得る為に本を読む人なら万人に有用だと思います。もっとも私的には、納得のいかないところもごく一部ありましたが、それらを自分なりに訂正して本書のエッセンスをメモしてみました。
(注意:本書の内容+αとして私の意見が入ってます)
夢を叶える3つの力 ← 私的に最も欠けているのは夢の明確化
1)夢を具体化する力
2)自分を客観視する力
3)決断する力

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『勉強する』とは
1)必要な情報の収集
2)情報の取捨選択・整理
3)整理した情報に基づくブラッシュ・アップ(思考、議論)
4)必要に応じてアウトプット(表現)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本の読み方
・全体像をつかむ(目次を読む、「はじめに」「おわりに」を先に読む
・読書目的を明確にしてから、気になった点をマーキング

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目的読書の分類――本書の目的は、情報読書&テーマ読書で娯楽読書は対象外
・娯楽読書
・情報読書・・・情報収集の為
・テーマ読書・・・理解度UPの為

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【これは完全に私のオリジナル】
本の探し方・・・1)~9)の一連のサイクルを繰り返すことで探書の質を向上させる!
1)知りたいテーマの用語や関連語をPICKUP(連想で)
2)1)のキーワードをネット検索し、書名を探す。使える書評があればそれも参照
3)読書候補としての書名を列挙・整理
4)書店及び図書館で実物をCHECK
 ・著者の経歴
 ・出版社
 ・他の著作
 ・目次
 ・はじめに
 ・興味のある章や既知の内容の章を流し読み
 ・参考文献
5)実物を見たうえで同テーマの本、3~4冊を選択
6)短期で全部読破(但し、無用な本だと分かったら、目次だけで流す)
7)読み比べたうえで、優劣の順位をつけていく
8)その順位を踏まえて
 ・良かった本の著者の他の著作をCHECK
 ・良かった本の置かれていた棚やジャンル、分類の本をCHECK
 ・良かった本に出てきた他の本をCHECK
 ・良かった本の参考文献をCHECK←複数の本に共通するものは、高く評価
 ・良かった本に出てきたキーワードをPICKUPしてネットで検索
9)1)に戻って精度の高い使える本(or 良書)探しを継続

※自分の知らない分野で新しくチャレンジする場合、5)の段階で入門書的な薄手の本を優先することも考慮することが必要

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
リアル書店や図書館の利用
・上記に関連するが、自分の知っている良書がある棚(カテゴリ)を探すと、その周辺に関連本があるので、それを参考にする
・売場のキャパシティによる制限から、最近のトレンド的なもの(テーマ、用語等々)をいち早く察することができる
・幾つかの特徴のある書店、図書館や売場を知っていると、担当者のセンスにより、一定のフィルターがかかった本が並べられているので、自分では見過ごしている本を見つけることがある
・実物の関連本に囲まれている中でしか、気付かないことがある

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【ここも私のオリジナル】
書評の利用
1)雑誌・新聞・・・どんな内容の新刊が出てくるのかのCHECK。専門雑誌の特集などでは、特定のテーマでの基本書案内など有用なものがある。但し、たいていの場合、本の紹介はスポンサーに気兼ねをしているので事実が歪められているし、書評者が感性や教養のレベルで自分と合っていないと無意味。

2)個人書評(ネット)・・・実際のところ、ほとんど無価値の書評が多い。しかし、せんみつで大変有用なものがある。
その判断基準は
 ・自分の知っている本や関心のありそうなテーマの本を読んでいること(=ジャンルが重なる人)
 ・自分が読んだことのある本の書評を見て、書評をしている人の能力や価値を判断し、参考にするか否かを決める

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ベストセラーについて
(私の場合)基本は読まない&読みたくない。なんかみんなと一緒というのが嫌。
但し、どうしても関心があるテーマとか、自分の評価する人が進める場合は前向きに検討。
仕事に関連する場合、共通の認識を持って判断をする為に必要なら、嫌でもあえて読む。

※実は、ダ・ヴィンチ・コードも最初、読みたくない本の筆頭だったのですが、知人の薦めもあってたまたま手に取ったら、興味を惹くところが多く、いつのまにかこのブログが出来ていたりする(苦笑)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あえて意外な本を選ぶ ⇒ 今までと違った刺激を受け、自らの幅を広げる可能性がある
・自分と反対の意見
・これまで外してきた本
・苦手な人が持っていた本
・買ったことのないジャンルの本
・知らない出版社の本

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読書後のアウトプット
ブログに書いたり、他人とそのテーマで話し合う事で理解が深まり、記憶の定着が増す

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
多読の良い点:
・一定量の読書は、確率が一定なら、数を増すだけ良書にあう回数も増える
・一定量の読書によって初めて良書を見分ける力がつき、確率自体が高まる
←これはビジネスで新しい手法を採用する場合にも当てはまる。一定の数を経験することで効率的なやり方が分かるし、成功する手法を見分ける力も増す

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本を汚す―線引きや付箋、書き込みの利用
あくまでも実用書の使い方としてなら、当然のこと。
私は章毎にばらして、読破し、重要点だけノートにまとめてた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1テーマにつき5冊・・・『短期間内に』がポイント
1)読む比べで違いが分かる
2)相互作用で理解度が向上する

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名著の利用の仕方 『枝葉⇒幹』
著者が影響を受けた本や人にまで遡って調べる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読書で得た知識・アイデアは即、実行することで価値が生まれる
(すぐ実行できない場合は、メモなどで「見える化」を図る)
 ※知の骨肉化=体験こそ、一番の取得法
 トヨタ自動車のライン上の不具合対処と同様!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
五感を生かして、記憶に刷り込む
レバレッジメモ
1)読みながら線引き
2)PCに抜き書きメモ
3)メモをプリントして見返す(→図を使ってビジュアル化も有効)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自分の為のアウトプット(項目例)
1)本の基本事項―タイトル、筆者名、出版社
2)概要―ジャンル、内容
3)面白かった点―感動した所、使える所、仕事に参考になった部分
4)面白い理由―感動の理由、どこで使えるのか、どのように参考なったのか
まあ、うちのブログ自体がまさにこの本でいうところの読書後のアウトプットなんだけどね。本の内容整理と評価、使える部分の抜き書き。後で世界中のどこからでも自分が読んだ本を検索できる有用性。

たまに誤解している人がいるが、個人のブログである以上、自分の役に立つツールとしての利用が最優先だし、記憶を鮮明にする為にも、自分が読んで感じた感情をできるだけ書き残すのにはそういう訳がある。(別に著者を批判したり、けなしたい訳ではないのですけどね)

勿論、それが他の人の読書や調べ物にも役立ったり、同じ関心を有する人からコメントや情報を頂いたりするのは、幸運だし嬉しいことだがあくまでもそれは余禄という位置付けだったりする。

実際、自慢できることではないが、私は何を読んだかよく忘れるし、内容なども一部を除いて覚えていない。しかし、自分のブログの書評を読むと、かなり精度で本の内容を再構成できたりする。これって、凄いことだと思うんだけどなあ~。

まあ、私のことは置いといて、この本は使えますし、私がここに抜き出し&修正したメモでさえ、それなりに有用だと思います。使えるところがあれば、ドンドン使ってみて下さいね!(サービス&サービス byミサト)

う~ん、分かる人には分かるけど、古いネタだ。
【目次】
読書の達人
 伊藤真、本田直之、勝間和代、土井英司、和田裕美

選び方
1「目的読書」が人生を変える
2「あたり」と「はずれ」を見分ける
3書店活用の「達人」になる
4「行き付け」の書店をつくる
5「芋づる式」に良書を見つける
6信頼できる「ブックマスター」を探す
7売れている本は「とりあえず」読む
8あえて「意外」な本を選ぶ

読み方
1「量」が「質」を高めてくれる
2「多読」と「精読」をうまく使い分ける
3全部読まずに「全部」理解する
4本はできるだけ「汚す」
5毎日「読むしくみ」をつくる
6「だったら読み」で体験を増やす
7ワンテーマ「5冊」集中読み
8「計画読書」にチャレンジ

活かし方
1読書を「やめて」今すぐ実行
2「ながら」で記憶に刷り込む
3自分のために「アウトプット」する
4「読書ノート」は忘れるためにつける
5たった一冊で「チーム」が変わる
6本は「人生の漢方」だ!
7「議論する力」を鍛える
8「だったら読み」を応用活用

整理の仕方
1「ばらまき整理」で読書を促す
2「自分だけ」分かればいい
3「捨てる候補」をつくる
4本の「殿堂」をつくろう!
仕事に活かす!本200%活用ブック(amazonリンク)

これらの目次もかなり有用ですよ~。でもね、本書のやり方が通じるのは、あくまでも実用本の場合のみ。本当にいい本を読むには、こういう読書法では200%どころか100%も吸収できないと思いますので要注意。

ブログ内関連記事
活字の海で~読書術は普遍的テーマ 相次ぐ指南本が好調~
「キラー・リーディング」中島孝志 実業之日本社
「レバレッジ・リーディング」本田直之 東洋経済新報
「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」勝間和代 ディスカヴァー・トゥエンティワン
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2007年10月25日

「レファレンスツール活用マニュアル」日外アソシエーツ

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久々に実用本として、使える本だなあ~と思いました。ある事を調べるにあたって、何を考え、どういう手段をとって、どのように行動して調べるのか、具体的な手順と共にもっとも基本的な考え方から説明してくれます。

高校生や大学生を初め、自分で何かを調べようとする人に必ず役に立つ本だと思いました。個々の具体的な調査方法は、勿論役立つのですが、何よりも概論の『物を調べる』際の考え方が大変有用です。

私の場合は、その辺が学生の時に分からないまま、四苦八苦の手探りで身に付けましたが、本書は実にシステマティックに解説してあり、労せずして得る所大です! 楽し過ぎかもしれませんが、生涯に渡って貴重な知識になると思います。

本当は、こういうのを大学の一般教養で教えてくれたらいいのにねぇ~。そもそも勉強なんて自分で学んでいくものだし(愚痴愚痴)。

それはおいといて、働いていて仕事に関係した調べ物などをする際にも、本書の知識は使えます。本書は紙媒体のみではなく、ネット上の情報にまで言及していますし(しかしほとんどは紙ベース)、現在はネットでの検索が主流ですが、それを踏まえても本書の内容は有用だと思います。

こういう基本的なハウツー物は、基本であるが故に普遍なので、調べ物が苦手な人は、一度基本を抑えると全く違ってくると思います。初心者から、かなり慣れた人まで、本書を読むことで得るところのある本だと思います。

私も知らないレファレンス資料ばかりでしたし、本書を読んでいくつか整理された知識も多かったです。私的には、結構お気に入りです。

そして、ご存知かもしれませんが、出版社の日外アソシエーツって、この分野では大変有名な会社ですし、まさに専門家そのものでレファレンスの第一人者ですから一読に値するのも納得ですね!

本当に勉強になる本でした(笑顔)。

以下、個人的な抜き書きメモ。
疑問を解決するために

  疑問の整理
    ↓
  解決手段の推測
    ↓
  実際の調査
    ↓
  情報の評価
それぞれの段階で説明がされています。基本中の基本ですが、だからこそ、それぞれの明確化が大切!
インターネットで得られる情報の問題点
 1)恒常的・固定的でない(確実性、持続性に欠ける)
 2)情報源や客観性に不安がある
 3)断片的・感情的・野次馬的な傾向がある
そう、まさにこれって私も思うところ大です。しばしば言及されている内容ですが、ネットの情報ってすぐ変わるうえに、ニュース記事は古くなると消されているんだよねぇ~。

最初は、ニュースの引用時、本文は遠慮してたんだけど、時間が経ってリンクをクリックしても読めないことが多々あり、しかたなく本文まで引用するようになったりする。

それと『感情的』~のところ。これは私自身にモロ当てはまり、耳が痛かったりもするが、そもそもブログなんて無報酬の自己満足以上の何物でもない以上、感情的でなければ、続かないと思うんだよねぇ~。

個人的には、必要悪だと思う。問題なのは玉石混交の情報の中で真贋を見分ける能力やノウハウを持っているか、情報の受け手の問題のような気がする。

新聞やTVも結構いい加減な間違ったことを流しているが、100%信じられるものなど何もないでしょう。私は高校生の時、歴史の教科書の間違いを見つけて出版社から、礼状をもらったこともあるもん。うのみはいけません!
文献(いわゆる出版物)の優位性
 1)著者や出版社など責任の所在が明確に示されている(責任の明確化)
 2)図書館などに保管され、書名や著者名を指定すれば誰でも確実に同一の情報を参照することができる(情報の固定化)
 3)パソコンなどの他の機器がなくても(使えなくても)簡単に閲覧できる(情報アクセスのし易さ)
基本的に正論だと思うのですが、アクセスビリティでいうならば、今の時代、わざわざ本を見つけ出す手間もいらず、PCさえあれば調べられる方が上だと思うんですけどね。必要な本を探すのってかなり面倒だもんね。
参考文献:著作や報告などをまとめる際に参考にした文献のこと
参考図書:辞典や図鑑、目録などのレファレンス・ツールのこと
書誌:ある特定の観点によって文献を集め、タイトルや執筆者など基本的な情報をまとめたリスト(別名「文献目録」)
時々、私こんがらがってたりする。ふむふむ。
文献を探す三つの方法
1)現物を直接探す(図書館や書店の棚などを実際に目で追って調べる)
2)いもづる式に探す(ある文献の中で挙がられている参考文献をもとに探す方法)
3)ツールで探す(図書目録や検索端末などによって探す)
これは、さすがに当然だけど、個々の説明は読んでおいていいと思います。基本は何事も大切ですから。
【目次】
概論
人物・人名についてしらべる
本や雑誌記事についてしらべる
ことばやことばのよみかたをしらべる
いろいろな事項をしらべる
ネットでしらべる
CD-ROMでしらべる
レファレンスツール活用マニュアル (しらべる Q&Q)(amazonリンク)

関連ブログ
「文献調査法」毛利 和弘 日本図書館協会
「何でも見つかる 検索の極意」笠井 登志男 技術評論社
米Google,著作権を問われない書籍を「Google Print」で全文検索・閲覧可能に
現在は、googlebooksearch という名称ですが、私もよく使ってます。
「見えなかった情報」を可視化――NII、論文300万件をGoogle検索対象に
Google Book Search、「デジタル化まだ」の本も検索可能に
「御伽草子」も全文検索――Googleブック検索に慶大が参加
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2007年10月24日

「脳が若返るメモする習慣」米山公啓 中経出版

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私自身もメモは頻繁にとるし、本書で書かれていたことはやってる人なら誰でもがしている内容。メモに関する実用書なら、書き古された枠を出るものではない。

ただ、非常にオーソドックスなのでメモを書く習慣の無い人には役立つかもしれない。私は、自分のメモ書きスタイルを確認する為に眺めてみた。30分もあれば確認できる内容。後で詳細目次を挙げておくのでこれを見るだけで十分かもしれない。

そうそう本書の明確な欠点を一つ。本来、メモは整理して価値があるのだが、本書の目次は整理が不十分。単なる羅列プラスαで留まっている。電車内の雑誌の吊り広告のようなキャッチコピーばかりなのは、実用書として大いなるマイナスだと感じた。読み易いが、ぶつ切れで有機的なメモ活用方法のハウツーにはなっていない。

以下、個人的なメモ。
・書くことで記憶の定着率がUPし、使える骨肉の情報となる。

・書くことで自らの意識が変わり、情報感度が鋭くなり、結果的に必要な情報が集まるようになる。

・文字や絵にすることで、「夢」や「目標」は明確化され、達成可能になる。自分以外の人からの良き助言や支援が得られる可能性も生まれる。

・本文中にある「パソコン入力でも手書きと同じ効果あり」、これに対しては私の経験からは間違っていると思います。手書きの方がはるかに記憶に残り、脳の活性化度合いが高いと感じています。但し、あとあと見返す時に検索し易く、利用しやすいという利点がPC入力にはあるので場合によって使い分けが必要だと個人的には思います。

・本を読んでいて知識としてしっかり定着させたい場合は、手書きの抜き書きメモや要点メモを作成後、それをPC入力したりと二度手間をあえてすることもあります。私の場合。

・メモした内容はその日のうちにPCやノートへ。人はすぐ忘れるし、情報価値の高いうちに。

・失敗はできるだけ簡単に書き、ダラダラとストレスを継続しない。具体的な対応策も一緒に書いておく。

・否定されたことを肯定的に書き換える。
最近、目標の明確化や期限を付けた計画作成をやっていないので、改めてやろうとo思いました。私的には、いい刺激にはなったけど、具体的なメモ手法としては、初級レベルのように感じました。お薦めしません。
【目次】
第1章「書くこと」で脳が働き、夢に近づく!
1「書くこと」と「脳」との関係は?
2書いて覚えて、書いて思い出す!
3文字した途端に、知りたい情報がやって来た!
4書けば書くほど、脳には文章があふれ出す
5書くことが、なぜ「夢実現」につながるのか
6メモをとることで、時間をもっと効率よく使える!
7文字は書けばいいのではなく、考えながら書くこと!

第2章あなたの手帳がこの書き方で「夢実現ノート」に変わる!
1「バイブル」サイズのノート1冊で、さあ、スタート!
2長い文章の場合は、やはりパソコンがおすすめ
3浮かんだアイデアは、すぐメモするのを習慣にしよう
4「夢実現ノート」を作るための4つの約束

第3章脳がみるみる元気になる27の「ネタ帳」
1「買い物記録」をつける
2「今日食べた物」をメモする
3「健康日記」をつける
4会った人の名前を時系列に書く
5「旅行日記」をつける
6ブログを書く
7「感動したこと」を書く
8「今年のマイブーム」を書く
9俳句・短歌・川柳・詩を書く
10「デジカメ日記」をつける
11「絵手紙」や「絵日記」を描いてみよう
12いまの「人間関係」を図にしてみよう
13「夢の絵」を描く
14「ことわざ」や「格言」「名言」を書く
15思いついた冗談を書く
16たまには外国語で日記やメモをつける
17「アイデア日記」をつける
18目標をいくつか書き出してみる
19「いまやりたいこと」を書く
20「締め切り」を書く
21読んだものの「要点」を書く
22「言いたいこと」をA4の紙1枚にまとめる
23短い時間でアイデアを100個出す
24「自分史」を書く
25納得できないことを書く
26失敗リストを作る
27無駄だと思う時間には、「何が無駄なのか」を書く

第4章この習慣をやめればもう「3日坊主」で悩まない!
1あとから清書はしない!
2面白いと思った記事をそのままにしない
3書いても効果はゼロなのは「書きっぱなし」だから
4「必要かな?」と考えるよりも、まずは書くこと

第5章1ヶ月で本1冊も夢ではない! Dr.米山流すらすら「文章術」
1とにかく書く
2書く場所をいろいろ変えてみる
3あとで考える
4三度の食事で、脳にエネルビー補給
5書いたものを本にする
6定年後こそ、書く機会を積極的に見つけよう!
脳が若返るメモする習慣(amazonリンク)
ラベル:書評 メモ 実用書
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2007年10月17日

「分類する技術が仕事を変える! 」久我勝利 日本実業出版社

最近、ブログの書評カテゴリーの記事が増え過ぎてしまい、新たにカテゴリー分けをしないと探しづらいなあ~と考えていた矢先に見つけた本。

基本的に全て知っていた知識であり、実際に仕事やプライベートでも使っている事ばかりであったが、本書を読むことで改めて視覚的・明示的に認識できたのは大変有益だった。

無意識に行っていたやり方が、本書を読んで再認識された意義は高い! 気付かされることが多く、本書のやり方を踏まえてどうすれば、もっと効率良くなるか、更に改善していく道筋を確信できたのは幸運でした(ニコニコ)。

基本は第1章から3章まで。この3章分読めば、普段の作業で無意識にやっていたことやそれなりに意識していたものの、その効用を漠然としか感じられなかったことを再認識できます。

即ち、これらを斜め読みするだけで種々の作業効率はアップするでしょう!

残りのものはおまけで、分類したものをより生かす方法や応用したもので、本質的な『分類』に関する内容は前章までで終わっている。

全部を通して読んでも1時間以内に読了。早い人なら、30分でポイントを押さえられます。本書読むのに、1時間以上かかる人は、ちょっと効率性で問題有り。逆にそういう人だと本書のハウツーは生かせないと思うので、読まないほうが無難かもしれません。

たまに誤解している人がいますが、効率性を求めてハウツー(ノウハウ)本を読む人のうち、実際に効率性が向上するタイプの人は、この手の本を素早く読み飛ばせるタイプ。じっくり読んでしまって、考え込むなら、読まない方が時間の節約になります。

以下、本書で有益なポイント列挙
1)分類は適宜見直しが必要で、見直すことで新しい発想が生まれる
2)分類目的の明確化とそれに役立つ範囲での分類基準の設定
3)二分割+分類できないもの
4)分類による単純化と明確化の効用
・・・等々。

人によって、有益なポイントは変わるし、本書内で列挙されているポイントははるかに多いが、30分でそこそこ使える本だと思う。後は、どれだけ実行できるかだけの問題。
【目次】
第1章 分類上手は“仕事上手”
第2章 これが分類の“黄金則”だ
第3章 仕事や勉強に活かせる分類術
第4章 分類したものを上手に整理するコツ
第5章 分類術の一歩進んだ活用法
第6章 分類の身近な事例に学ぶ
第7章 「知の分類」の歴史はヒトが歩んできた道
分類する技術が仕事を変える!(amazonリンク)
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「図書館であそぼう」辻由美 講談社

物を調べる喜びを伝えようとする姿勢は買いたい。でもね、情報検索のノウハウまで含めて教えようとするならば、もっと使える情報が欲しい! 

勿論、普段図書館を利用しない人を対象にしているのだろうが、図書館へのとっかかりレベルで終わっていてはなはだ不満が残る。エッセイ自体は気楽に読めるものの、それが図書館を有効に利用しているという線に結び付いていない。著者の自己満足で終わってしまっている感じにも取れてしまうのが残念。

個人的には、もっと&もっと図書館は使えるところだし、有効な利用法があると確信しているが、著者の使い方では、いろいろな意味でもったいと感じざるを得ない。でも、著者は翻訳家であり、仕事で図書館を十二分に活用されているはずだけに個人的には納得がいかない部分が多い。

また、ネット絡みの検索という点では、時代が古過ぎてその点では全く役に立たない。今は、海外の論文はある程度無料で読めるし、個人でもお金さえ払えば自由に読める。日本の論文等文献も同様の時代です。あわせてgooglebooksearchを使えば、著作権の切れた本の内容まで調べられるし、本書の書かれた時代的な点を差っぴいても、著者の情報リテラシーはかなり低い感じがする。

図書館でレファレンスを利用するのは、確かに悪くは無いが、個人的に利用した感触でいうと、よほど専門的な能力のある人ではないと調べ物の役に立つ資料を見つけることができないと思う。依頼して回答がくるまでに相当の時間がかかったり、自分の求めているものではなかったりする場合が多い。

大学の専門資料室の人とかなら別だが、普通のレファレンスを利用する気にはならないなあ~。個人的には、私自身が古い考えの人間だから、自ら試行錯誤して情報を集めた方が幅広く調べられるし、関連情報を含めて知識の枠が広がるので他人に頼る気にならないなあ~。真の意味で専門家が近くにいれば、当然「先達のあらまほしきもの也・・・」ではないが、教えを請いたいが、中途半端な知識では何の役に立たないと思うのだけれど・・・?

私的には、本書は使えない本でした。以前読んだ文献を探す為のノウハウが書かれた本の方がはるかに役立ちます!!

図書館であそぼう―知的発見のすすめ(amazonリンク)

関連ブログ
「文献調査法」毛利 和弘 日本図書館協会
Google Book Searchに「個人蔵書」機能
米Google,著作権を問われない書籍を「Google Print」で全文検索・閲覧可能に
「御伽草子」も全文検索――Googleブック検索に慶大が参加
「見えなかった情報」を可視化――NII、論文300万件をGoogle検索対象に
大英図書館、アマゾンの書籍リストに希少本を掲載
大英図書館、シェークスピア作品の原本画像をネットで公開
「何でも見つかる 検索の極意」笠井 登志男 技術評論社
ラベル:書評 図書館
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2007年06月19日

「図解 データベースマーケティング」奥山真一郎 日本実業出版社

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本自体は、この手のものとしてはいささか古くなりましたが、データベースマーケティングの入門書として、1)説明の容易さ・論理性 2)用語の明確な定義 3)対象範囲の広範さ 4)具体的事例の四点から今でも十分に評価できる一冊だと思います。

私自身はこの手の本は山ほど持ってるし、実際の経験もあるのですが、改めて知識の整理と客観性の確保の為に、この手の本を読み直しています。その中でも本書は、初めてデータベースマーケティングを知りたい人に強くお薦めしたい本です。ちなみに著者は、以前読んだ本「データマイニングがマーケティングを変える!」と同じく元SASの方だそうです。あちらより、こちらがベター。

その理由は、本書では基本的方法論(客観性を可能な限り担保する科学的手法)をしっかり押さえたうえで、実際の業務でそれを応用する際に生じる限界や問題点を明確に意識し、それを率直に認めているから。

当たり前のようだが、それが実務では一番困難だと思う。えてしてもっともらしい数字や論理が一人歩きしがちであり、売上に役立たないマーケティングなど愚の骨頂に他ならない。しかし、この手の本(マーケティング全般の本)はおうおうにして、綺麗事ばかりで現実の問題点を無視する、あるいは見て見ぬふりをしがちだ。

本書では、データベースマーケティングの観点からそうあって欲しいデータベースの理想像を提示する一方で、実際には購買履歴以外だと氏名や住所、せいぜいが性別ぐらいしかないデータベースでどうやって少しでも理想に近づけていくか、その為の視点を忘れない。おそらくこれが実際には、一番大切になってくるし、同時にテンポラリーな一回限りの作業ではなく、データベースマーケティングを絶えず継続しながら、その精度を高めていく継続性の重要性も指摘している。まさに私も強く同感する!

本書はあくまでも基本書ではあるが、この本に書かれている本質的な点を理解するならば、後は各人の努力次第でいくらでもデータベースマーケティングの成果と可能性は広がっていくだろう。

自分の知り合いで、データベースマーケティングに関係する同僚や部下なら、これを薦めておけば間違いないだろう。研修用にも使える本です。
【目次】
第1章 データベースマーケティングとは何か
第2章 データベースマーケティングの目的
第3章 データベースマーケティング戦略
第4章 データベースマーケティングを支える情報技術
第5章 データマイニングによる情報抽出
第6章 データベースマーケティングの実践手順
第7章 事例解説 データベースマーケティングの実際
第8章 これからのデータベースマーケティング
図解 データベースマーケティング―顧客志向マーケティングの実践ノウハウ(amazonリンク)

関連ブログ
「データマイニングがマーケティングを変える!」SASインスティチュートジャパン PHP研究所
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「TCP/IPの絵本」アンク 翔泳社

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タイトルにいきなり「絵本」とかいう文字が入っていて、思いっきりなめてかかっていました。過去の経験から言うと、この手の本って図が入っていて読み易い反面、必要な知識などが全然足りない場合が多くてせいぜいが概要把握に使えればヨシ、読む前はその程度しか期待していませんでした。

実際に読んでみると、私の予想は大外れ! 本書は図が入っていて分かり易いのですが、それ以上にきちんとした内容を過不足無く適切に説明していて、内容は想像以上に盛りだくさん。そこいらにある初心者用の入門書と比べると、はるかに水準も高いです。しかも、たった一時間程度で読了できたし。

実はSE用のネットワーク入門の本も買ってあって、それを読む前の準備体操代わりにこれを読んだのですが、今そちらの本を読みながら、改めて比較すると、本書の方がずっと説明が明確で分かり易いうえに、内容もこちらのレベルが上の部分もあってビックリしてます。あやうくタイトルに騙されるところでした。

普通にちょっとしたネットワーク絡みの話をするだけなら、ほとんどの場合に本書のレベルでも事足りるかと思います。ネットワークを専門とした仕事ならば事情は異なりますが、それでも本書で基本+αを押さえたうえで、更に高度の本へ進むステップとしてもOKではないでしょうか。

私も次はもう少し高度な本へと移行するつもりですが、これはネットワークに関心のある方なら、是非お薦めしたい本です。特に私のような初心者には最適だと思いますよ~。

他の入門書では分かり易くしようとして、変な例えで余計分かり難くなったり、逆に用語の説明だけで本質的な部分がイメージできない欠点がありましたが、本書ではそれらの問題点が克服されていると思います。

とにかくどの本を読むか、悩んでいるならまず本書を読んでから考えるべきでしょう。一時間は惜しくない投資だと思います。
【目次】
TCP/IPの勉強をはじめる前に
第1章 TCP/IPの概要
第2章 通信サービスとプロトコル
第3章 アプリケーション層
第4章 トランスポート層
第5章 ネットワーク層
第6章 データリンク層と物理層
第7章 ルーティング
第8章 セキュリティ
付録
TCP/IPの絵本 ネットワークっておもしろい!(amazonリンク)
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2007年04月15日

「データマイニングがマーケティングを変える!」SASインスティチュートジャパン PHP研究所

ちょっと必要があって、知識の整理の為に買った本。あの解析ツールを出しているSASの人達が書いているので変なマーケティングの本よりは、分かり易い。

但し、良くも悪くも基本的なことだけに絞っている為、セミナーで配られる資料やパンフに毛が生えた程度。大まかな概念把握には有用だが、実際に仕事で使うにはもっときちんとした本を読む必要がある。本職のデータベースマーケティング担当者以外なら、有用だと思う。

私自身が実際に通販会社で専門部署でしていた経験から言うと、データ分析は所詮どこまでいっても机上の空論。実際に価値ある成果(=特定のルールを見出し、それを販促等で実践して売上を上げて、利益増加に資する)の為には、現場の直観を契機にそれをデータ分析で補強することで価値あるルールを見出せたと思う。

何故なら、単純に統計的に処理できるなら、ツールやパッケージソフトでいくらでもモデルは自動生成できるが、それを実際に活用して収益に寄与した会社が、どれほど例外な存在かは、誰もが知っている通り。何億も何十億もこの手の解析ツールに金かけて、売上が低迷して身売りした通販会社やその他の小売業者は無数にある。

例えばデータウェアハウス一つとっても、通常基幹系データベースはどんな会社にも存在するが、マーケティング用のデータベースを別に準備するのは非常な困難がつきまとう。単純に別途データベース機器の費用がかさむだけでなく、基幹系の情報があくまでも基本なので、それを加工する過程が必ず必要であり、更に追加的な独自要素を追加登録するなど、現場サイドへの過重な負担が発生する。

しかも、データベースマーケティングが十分に機能してなんらかの成果が出ても、それは他部署から見えにくいものであり、経営陣のよほどの支援がない限り、その存在自体を疎まれる事態さえ発生する。

友人のコンサルティングファームの奴も言っていたが、えてして現場は改革・改善を嫌う。たとえ非効率であっても、ルーティーンと化した作業の継続を好むものだから。

もしろ、その手のインフォーマルな抵抗によって社内改革が頓挫するのはありがちな話である。データベースマーケティングは決して一部署内に収まる仕事ではなく、会社全体の業務のありようにまで及ぶものだから、教科書的な話だけではほとんど必ず失敗するように思えてならない。

勿論、本書はあくまでも基本事項の説明に絞っているので私のいうような内容を求めるはそもそも間違いなのだろうと思うが、どこかで一言程度は、言及して欲しかった。絵に描いた餅はおいしそうだが、決して食べれないのだから!

また、基本的なモデルは簡単にできるのだが、パラメータの数値設定こそが一番の難題である。政府やシンクタンクが発表する予想経済成長率などがいい例だが、ほとんど同じモデルを使っているのにパラメータが違うだけで、出される数値は全然異なっている。それが現実に他ならない。

しかも私の経験からいえば、売上が伸びている会社には必ずそれなりの理由があるし、成功しているマーケティングにも何かしらの工夫がある。データベースマーケティングも教科書的な基本プラスアルファの部分が実は、非常に重要である。

そして、その部分はどの会社のデータベースマーケティング担当者も決して明かすことはない。分かっている人が聞けば、必ず納得してもらえる工夫ではあるものの、それが本や同業他社から漏れることはないと思う。実際に、いろんなルートで情報を集めたが、非常に特殊なルートでしかそれは入手できなかったものだ。

その辺についても、具体的なことは書けないにしても本書で少しは触れて欲しかった。あまりにも綺麗事だけで書かれているので、どうしても営業用パンフレットの豪華版という感じがしてしまう(=本当にその手の意味もありそうだが・・・)。もっとも、新しく入った部下などの自習用には有用だと思う。本書をざっと読ませてから、専門書でさらに基本的な知識を押さえたうえで、OJTをするのが良いだろう。そんか感じで部下を実際教えてきたしね。

まあ、基本書としては良心的な部類。

そうそうamazonのレビューで書かれている内容で納得できないところが多かった。LTVの意味が誤用と書かれているが、そんなことはないと思う。彼らは自分の知っているマーケティング用語とデータベースマーケティングの用語を混同しているように感じる。少なくとも、私が読んだもっと専門的な本でも本書と同じ意味で用語は使われていた。また、英文で資料を読んでいた時もこれで合っていると思う。恐らく、きちんとしたデータベースマーケティングの本を読んだことのない人達のコメントだと思う。無視していいコメントだろう。
【目次】
進化するマーケティング
マーケティングを科学するデータマイニング
データマイニングの基礎知識
購買データから「売れる法則」を見つけ出そう
顧客を感動させるOne to One DMを送ろう
心地よい電話で顧客の心を惹きつけよう
見えない顧客の心をWebログから感じよう
顧客データを分析し、「優良顧客」を獲得・維持しよう
顧客データを分析し、「顧客離反」を食い止めよう
データマイニング・プロジェクトの進め方
マーケティング以外のデータマイニング活用法
データマイニングがマーケティングを変える!―経験とカンを科学する最新手法(amazonリンク) 
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2007年03月15日

「はじめてのPerl/CGIプログラミング」玉川 純 秀和システム

独習を目的に購入・読破した本です。amazonの書評にもありますが、説明が全然なっておらず、およそ初心者には不向きな本です。端的に言って、タイトルに偽り有り!

最初から順を追って読み進めても常に説明のない部分がでてくるし、読了してもマスターできません。ネット上でperlの解説をしているサイトの方がはるかに説明が分かり易いです。わざわざお金を出すに値しません。

また、誤植かそもそものソースのミスか不明ですが、明らかに誤っている記述が数箇所見られました(一箇所ではありません)。初心者がソースを見ていて、誤りか否かを判断するのはかなり不安ですが、明らかにおかしいのですぐ分かります。しかし、そんな本の記述では、どこまで信用していいのか分からず、やる気がなくなります。一応、読了しましたが別な本を買って勉強し直すつもりです。時間と金の無駄でした。

ちなみに私はVBAやマクロ、COBOL程度は、ほぼ独学でマスターしましたが、この本はいままで読んだ中で一番分かりにくいです。不必要なことに詳しい説明がある反面、perlの習得に必要な知識の適切な説明が欠けているように思えます。

少なくとももし買うなら、一度本書に目を通してからにすることを切に願います。私はお薦めしませんけどね。
【目次】
Perl/CGIプログラミングの基礎知識
学習環境の構築
速習Perl/CGI
HTTPプロトコル
環境変数
HTMLフォーム
クッキー
スカラ変数
リテラル
演算子
配列・ハッシュ・リファレンス
正規表現
制御構造
ファイル入出力とサブルーチン
オブジェクト指向プログラミング
CGIモジュール
データベースインタフェース(DBI)
Perl組み込み関数リファレンス
はじめてのPerl/CGIプログラミング Linux/Windows対応(amazonリンク)
ラベル:Perl 書評
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2007年02月12日

「文献調査法」毛利 和弘 日本図書館協会

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最近、何冊か資料を探す為のリファレンスに関連する本を読んだが、役に立たない本がほとんどだった。書籍だけでなく、論文や雑誌の記事も含めて自分の知りたい資料・情報を調べる為の貴重なノウハウが詰まった本です。

市販されている書籍に限らず、非売品の各種調査報告書等や洋雑誌、洋書や戦前の出版物など、どういった文献をどのようにして調べればいいのか、具体的な例を示しながら、教えてくれていて実に重宝します。

紙ベースのリファレンスだけではなく、ネットを利用したものにも言及しており、本書の使い方次第で必要な資料を集める時間の大幅な節約ができ、是非とも学生時代にこれを教材にして講義でもして欲しかった!と痛切に思います。

こういってはなんだが、不勉強で使えない司書さんにアドバイスを頼むより、本書を見て自分で資料を検索した方がはるかに効率的で結果が出せます。

実際に、私も本書を活用していくつか探していた資料を効率よく見つけ出すことができました(満面の笑み)。

但し、本書で触れられていないが文献の検索方法としてamazonやgoogle(labのGoogle Scholar)とかも重要な情報源だと思う。それらは網羅的でない点など欠点もあるが、限定的でも結構使えるし、自分で購入する場合には、必須でしょう♪

更に言うなら本当に使う本で読むだけでなく、手元に置いておきたい場合。絶版本をいかにして探してそれを入手するか。そこまで言及してくれたら、もう言うこと無しですね。
国会図書館で借りたり、複写サービスを受ければ、とりあえずは読めるもののどうしても原本が欲しい場合があるからね。

基本的に満足すべき内容で、見つけたら即買うべき本ですが、問題もあります。活字のせいもあるが、それ以外にも本全体の編集が正直言って良くない。内容が良い本だけに、非常にもったいない。

目次もイマイチだが、それ以上にアレレ?って思うのが索引。勿論、ついてはいるのだけれど、頁の表示位置がぐちゃぐちゃ。単純にwordで打った文章をそのまま印刷したレベルでグーテンベルクのインキュナブラに負けてるよ、これは。かなりヒドイ。

即刻、印刷会社を変えて編集に手をかければ、本書は素晴らしいものになるのになあ~とつい、思ってしまったりする。でも、これは絶対に手元に置いておきたい本です! 
(なお、大目次の他に、頁を変えて詳細目次があり、良い点もあります。)

【補足】
続編で2006年に出たものがありました。内容は確認していませんが、そちらでネット上での検索は触れられているかも?
【目次】
1本の探し方
2雑誌記事の探し方
3新聞記事の探し方
4どのような種類の新聞・雑誌があるかを調べる、そしてその所蔵館は?
5人物から文献を探す
6人名情報の探し方
7事実・事項調査のための情報源―書誌以外のレファレンスツール
文献調査法―調査・レポート・論文作成必携(amazonリンク)

文献調査法―調査・レポート・論文作成必携(amazonリンク)
こちらが続編で2006年に出たもの。私もまだ読んでいません。

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2007年01月15日

「体系的に学び直す DVDのしくみ」神崎 洋治、西井 美鷹 日経BPソフトプレス

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AVIファイルからmpeg2に変換して家庭用DVDプレイヤーで見れるようにしていた時に、フリーツール(DivxToDVDやAVI Linker等々)を使っていたんですがなかなかうまくいかなくてこりゃもっとDVDのことを学びたいな、と思っていた時に見つけた本です。

技術屋さん向けのいきなりわけの分からない技術書でもなく、またあまりにも幼稚な入門書で使えんよコレってほど低レベルではなく、私にとってはちょうど良いレベルの入門書でした。

「体系的に~」とうたっているだけあって業界における標準化の歴史的経緯から順序良く説明され、個々の規格からその仕組み、更にはそれを支える技術的な解説など非常にバランスが良い一冊です。初心者が基本を押さえるにはうってつけかと思います。

勿論、分かっている人には技術的な説明が全然足りないかもしれませんが、ざっと仕組みをおおざっぱに捉えたり、普通の人がいろんなツールを使ってDVDというメディアを活用するには、ちょうどいいくらいではないでしょうか?

一通り全部を読破しましたが、細かい技術的なところで関心がないところ(または分からないところは)そのまま飛ばし読みしましたし、業界における歴史的な流れや個別の業界組織は正直どうでもいいのでほとんど目を通しただけです。

その代わり、自分がツールを使いこなすうえで重要なコーデックやリッピング、コピーカードなどは熟読しました。分かり易い説明でネットで検索して調べるよりお薦めです。これでバリバリDVDに焼きまくりましょう(笑)。

但し、本書全般に言えることですが2003年の本の為、今では陳腐化した内容が時々あり、今じゃそんなことないよ~。とかいう部分もあったりします。ですが、これは常に進歩していくデジタルの世界ではしょうがないですね。本書が出た時点では、これが最先端の状況だったのかもしれません。

それであっても基本は変わりません。本書で書かれているまさに基本的な内容は今も中心であり、これを理解しないと新しいことが分かりません。全然知らない人だったら、変な本よりもまずは本書がいいでしょう♪

私にはとっても役立ちました。DVDメディアを無駄なく効率的に使っていける自信がつきました(笑顔)。
【目次】
第1章 光ディスクとDVDの変遷
 1-1光ディスクの変遷
 1-2DVDの基礎知識
 1-3DVD-ROMのフォーマット
第2章 記録型DVDの規格と互換性
 2-1記録型DVDの変遷
 2-2DVD関連の組織
 2-3記録型DVDメディアと規格
 2-4記録型DVDをより理解するためのキーワード
第3章 DVDドライブ
 3-1DVDドライブの構造と技術
 3-2データ再生・記録の仕組み
第4章 動画技術とフォーマット
 4-1DVDの動画技術
 4-2DVDフォーマットの理解と活用
 4-3コピーガードとリッピング
体系的に学び直す DVDのしくみ 「体系的に学び直す」シリーズ(amazonリンク)
ラベル:DVD 書評
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2007年01月11日

「かんたん図解 PowerPoint2003」牧村 あきこ 技術評論社

実は実は、いろんなソフトやツールは普通に使っているのですが、私ってpowerpointだけ使ったことなかったりする。会議でプレゼンする時も可能な限り、資料を増やしたくない(=紙の枚数を減らしたい)のと数値自体よりもそれを加工したグラフや表に注意がいき、本質から乖離するのを避けたいとの理由から、あえてパワポは使わないできたのでした。

でも・・・。
いかにも簡単そうなソフトであり、おおよそその内容に見当がつくもののこれだけ普及しているソフトであり、基本を一度くらい押さえておくべきかと基本書を読み通してみました。

思ったよりも多機能なんですね。excelをそのまんま取り込んでおけることとか、アウトラインプロセッサとしても使えることは知りませんでした。それとリハーサル機能とかはなかなか便利そう。プレゼンの準備向き。また、パワポがなくて閲覧できるようにできるとは、ちょっと感心しちゃいました。

まあ、ご存知の方なら当たり前過ぎて笑われてしまうかもしれませんが、少し使ってみてもいいかもと思いました。

本書はよくある図解入りの入門書のたぐいですが、結構、分かり易くまとまっていたかと思います。あまりに初歩的過ぎるところは飛ばすとして2時間もあれば、結構隅々まで目を通して読破できます。仕事の空いている時に、ちょっと読めばすぐ理解できますね。excelやaccessをまともに使える人ならば、本当に簡単だと思います。急ぎで仕事で使うところだけなら、本書を1時間読めばOKです。初めて読む本としては、過不足なく合格点かと。

ただ、本書の問題ではなくパワポ自体の話ですが、論文やレポートとかを書く際のドラフトを作成するには、ちょっと役不足。他にもたくさん有用なアイデアプロセッサがあるのでそちらの方がはるかに便利で使い易いんだよねぇ~。但し、それで作成した成果物たるファイルが、他でも使えるかというと・・・微妙(?)だったりする。そういう点では広く普及しているパワポの方が有利なんだよなあ~。

まあ、仕方ないパワポで代用してみようか? 他の人って何使っているのかなあ~? wordは何気に不便だしなあ~。う~む。
【目次】第1章 PowerPointを使うための準備
第2章 PowerPointの基本操作
第3章 プレゼン資料の骨格を作る
第4章 表現力のある資料を作る
第5章 動きのある資料を作る
第6章 プレゼン資料の全体構成を考える
第7章 プレゼンテーションを実行する
第8章 スライドを印刷する
第9章 その他の便利な機能を活用する
かんたん図解 PowerPoint2003 基本操作 WindowsXP対応(amazonリンク)
ラベル:書評 Powerpoint
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2007年01月10日

「脳を鍛える―東大講義「人間の現在」」立花 隆 新潮社

毎度のことながら、個人的には合わない感じがするわりに何故か気になる立花氏の本です。

東大で行った講義をベースにして大幅に改編し、かなり再構成されたうえで一冊にまとめた本とのことです(著者の説明による)。

本書で説かれていることは、人類の『知(or智か)』というものは、文系・理系というものを統合した均衡のとれた総合知として身に付けて初めて世界のスタートラインに立てる事ではないかと思う。それなくしては、真に現在の世界を理解することなどできず、理解ができなければ更にそれを伸ばし、発展させていくことなど論外であることを訴えている。(と私は思う)

本書を読むまで私は、自分がそんなにも物を知らないとは思わないでいた。高校時代に一応、物理・生物・化学・地学はやっていたし、数学も好きで理系の人間よりもできていたし、大学院では数学がメインだったような気さえしていた。(学部の卒論は法律学で、修士は数理経済学だったのが・・・)

でも、私の科学知識もどきって、改めて現代科学の水準から言うと、非常に低いことが分かって愕然とした。私って自分の無知さえも知らないほど、レベルが低いとは思っていなかったのでかなりショックを受けている。

就職してからも仕事はデータベースの分析とか、簡単なプログラムを組んだり、システムやデータベースの構築にかかわったり、一見すると理系もどきの仕事だと思っていたのも全然違うんですね。うっ、うっ、己の浅はかさを痛感させられる一冊です。

正直に言おう、後半の理系に関する記述の部分ほとんど意味わかんない。漠然と概念的なものがうっすらと分かる程度。マジ、屈辱かもしれん。これまでも興味の無い分野は知らなくていいし、時間の無駄とやってこなかったのは間違っているとは思わない。でもね、分子生物学に関しては十分に興味があり、大学の専攻をそちらにして理転するかと受験時代にマジ考えたことあるのに、その辺の本をほとんど読んでないのは、やっぱり無意識に逃げてきたような気がする。

「ニュートン」とかの雑誌を読んだり、NHKスペシャルの「人体の小宇宙」シリーズを喜んでみたりするくせに、自分でお金を出して関連本を買わない私は間違いでしょう。本書を読むと、そういう自分の欠けているものを嫌でも痛感します。氏の主張には、細部に同意できない部分があり、首肯するのにはどうしてもひっかかるものがあるんですが、それ以上にやっぱり、衝撃を受けるところ大です!

知っているうえで、こんなものはいらない。自分には不要だという価値判断は個人にかかわるものであり、当然OKですが、理解できないから否定するのは、単に無能さをさらけ出すことでしかないでしょう。

勿論、努力しても駄目な場合もあり、それはそれで自分の限界として受け入れればいいだけのことですが、努力もしない奴は論外。そういう人にだけはなりたくないので、改めて勉強しなければいけないことを気付かせてくれた本です。

私的に決して面白い本ではないし、理解できない内容も多い本でしたが、自分の無知を自覚し、絶対に衝撃を受ける本だと思います。悔しいけど、基本的な科学的基礎知識を勉強しなおそうと思いました。

将来に目指すもののある人、いろんな意味で最前線で世界を動かしていきたい人などなど、飛ばし読みしときましょう。決して損はないです。分からない世界ですが、絶対に面白そうな感じがするし、やればある程度分かる感じが根拠はないけどあるしね。大概の場合と一緒。やれると思ってやれば、たいていの場合、やれるもんですし。

本書を読み、刺激をうけ、行動し、学び、自分の『世界』を広げましょう♪ くだらない「脳トレ」本やゲームなど捨てて、もっと&もっとやるべきことがあることを気付かせてくれる本でした。で・も・ね。本書は本書で、偏りがあることも気付きつつ読むこと。気付く人は気付きます、たぶん。
【目次】
第1回 環境、私、宇宙
第2回 大学は知の拡大再生産過程の最前線
第3回 アインシュタインの脳を分析したら
第4回 授業はサボるためにある
第5回 学生時代のノートから
第6回 辞典をまるごと読んでみる
第7回 このままじゃ、日本の「知」はダメになる
第8回 世界はすべてエネルギーの流れ
第9回 時間と空間の観念を覆したスーパー理論
第10回 世界の見方がすっかり変った
第11回 対称性とはどういうものか
第12回 百科事典に載る家系
脳を鍛える―東大講義「人間の現在」(amazonリンク)

関連本
「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」立花 隆 文藝春秋
「ぼくはこんな本を読んできた」立花 隆 文藝春秋
ラベル:書評
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2006年12月05日

「これだけはおさえたい データベース基礎の基礎」谷尻 かおり 技術評論社

最近ブログに書いた書評を探すのが面倒だなあ~と思い、perlでプログラムでも作ったら、便利かな?と思う日々。perlの本は既に買ったまま読まずに積読状態なのですが、まずは以前やっていたデータベースのことを思い出してからと、本書を読み始めてみました。

タイトルに「基礎の基礎」というだけあって本当の初心者向けに書いてある。う~ん、個人的にはデータベースについての復習にもならないレベルの容易さ。

データベースの概念書を何冊か読み、実際にデータベースを使用しているなら、正直読まなくてもいいレベル。あえて復習にもならないほど、簡単です。データベースの設計についても、う~ん当たり前のことなんだよね。そこそこ分り易い言葉で書かれているのが良い所かな?

第5章のSQLの書き方だけ、私には少し役に立ちました。普通にqueryを使っていれば、無意識に知っていることですが、あえてSQLという観点から意識したのは初めてだったのでそれだけは価値がありました。

でも、正直この本を読んでも何にも使えません。データベースを利用どころか、構築なんてまして無理。これから、きちんとした本を読む前に、一度もデータベースのことを知らなかった人向けという本でした。

さて、どうしようかな?これからきちんとしたデータベースの専門書読むか、それともperlに行こうかな???
【目次】
第1章 オリエンテーション
 データベースって何だろう?
 データベースをとりまく人々

第2章 ファイルからデータベースへ
 紙からファイルへ
 ファイルを使ったデータ管理
 データベースを浸かったデータ管理
 データベース管理システムの役割

第3章 リレーショナル・データベースのしくみ
 リレーショナル・データベースの特徴
 テーブル内の制約
 NULL値の扱い方
 テーブル間の関連づけ
 パフォーマンスに関する機能
 データ操作のしくみ
 実体を持たない仮想テーブル

第4章 データベースを設計しよう
 大まかな流れを確認しよう
 通信販売会社よろずやカンパニー
 第1段階:何を作るかを明確にする
 第2段階:必要な情報を整理する
 第3段階:目的を果たせるように情報を整理する
 第4段階:データ登録時の決まりを作る

第5章 SQLの書き方をマスターしよう
 SQLとは?
 SQLの書き方
 データベースを定義する
 目的のデータを取得する
 データを編集する
 データを使って集計する
 
第6章 アプリケーションを作るヒント
 RDBMSと開発言語の選び方
 データベースに接続する方法
 接続の為に必要なもの
 ExcelVBAで試してみよう
これだけはおさえたい データベース基礎の基礎(amazonリンク)
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2006年11月13日

「何でも見つかる 検索の極意」笠井 登志男 技術評論社

率直に言うと、時間の無駄であった。勿論、知っていることは極力斜め読みにしたが、わざわざ時間と労力をかけて検索スキルを伝えるのならば、もう少しディープなことを知りたかった。

本書は『検索』における基本中の基本について、きちんと書かれています。yahooの検索を特別な(!)意図無しに使っている初心者の方ならば、格段に検索精度とスピードが向上するかもしれません。それは確かです。

でも、ある程度ネットを使っている方ならば、ここに書かれていることは史っていて当然であり、全てではないにしろ、98~99%はマスターしていると思います。でなければ、仕事になりませんし、ネットを使う意味がありません!

私も100%とは言えませんが、ここに載っていて知らなかったのって2個ぐらいかな? しかも別なやり方で使っていたし、正直期待外れ。まあ、買わなくて正解でした。

ただ、これって著者には酷な話でもあるんです。ネットの技術って日進月歩どころかドッグイヤーも真っ青なスピードで進むので、本にするまでのタイム・ラグや読者の素養も本当の初心者から、玄人まで千差万別。まして、ある程度知っている人なら本など買わずにネットから直接情報を求めるから、必然的にこの本のターゲットはわざわざ本で学ぼうという初心者に限定されてしまうわけですしね。

今更googleデスクトップやツールバーの説明されなくたって、既にこのPCに入っているし、SEOだってやってますもん! ちなみにこのブログも「ダ・ヴィンチ・コード」や「マグダラのマリア」、「ロスリン礼拝堂」等のベタなキーワードで検索すると、googleやyahooを問わずトップ頁に出るし、さすがにamazonや角川さん、SONYには負けますが4位や5位には普通に入ってますって。元々私の仕事って、マーケティングが専門なんだから(笑)。

それはさておき。使える『検索』手法はもっと&もっといろいろあります。本書のレベルでは、仕事をしていくうえでは足りません。マジに。自分なりのやり方はあるものの、他の人のやり方で参考になる情報が欲しいよなあ~。

まあ、一番いいのはこの手の本ではなく、ネットのIT系ニュースが一番いいけどね。検索エンジンの情報もはるかにインサイダーぽくって、実際に使えます。私ももう少し勉強しないとなあ~。とりあえず、ある程度知っている人には本書はお薦めしません。もう、ネタ的にも古いしね。この手の本は出て3ヶ月を過ぎたら鮮度が落ちてしまうものだから。
【目次】
1 検索の極意
2 Googleを使いこなそう
3 パワーアップしたYahoo!検索に迫る!
4 検索テク向上のツボ
5 検索を極める
6 デスクトップ検索を使いこなそう
何でも見つかる 検索の極意(amazonリンク)
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2005年06月07日

「この辞書・事典が面白い!」室伏哲郎 監修 トラベルジャーナル

kono.jpgもうちょっと面白いかなあ~って思ったんですけどね。それほどでもなかった。プロローグで大層なことを語っている割に中身はかなり俗っぽい感じ。

それぞれの分野の専門家を選者にして選んでいるので、かなりの人数が関わっており、選ばれているのはそれなりの本かもしれないが、あまりにも言葉足らずな説明。簡潔なら好ましいが、説明不足に頁数不足の両方が相俟って、なんか薄っぺらで結局どっちつかず。私にはこんなのが辞書や事典選びの役に立つのでしょうか?と疑問に思わざるを得ない。

冒頭の意気込みから、ちょっとは期待したんだけどなあ~。結局、流行の○○が面白い的な安直な本でした。勿論、書名さえも知らない本がたくさんあり、そういうのが分かっただけでも有益ですが、どうせならもっと、硬派に書誌的なことを羅列してくれても良かったのにね。そもそもそういうのが探せないし、知らないから困ってるんで、選者の必要以上の思いなんていらない。思いだけで成果につながらないのは無駄。だって、エッセイじゃないんだからね。

読み易さを重視して中身が空っぽになってしまったみたい。なんか悲しいなあ~。本当はもっと&もっと増えていって欲しいタイプの本なんですが、こんなんだったら売れないだろうし、後続する本にもマイナス影響が出そう。

どういう方針でこれから進むのか分かりませんが、もっと腹くくってこの手の本は書いて欲しいなあ~。路線としては、大いに期待してるんですから。さあ~って、仕事でもして落ち着いたら、もっと素敵な楽しい本を読もうっと。

この辞書・事典が面白い! (amazonリンク)
posted by alice-room at 19:06| 埼玉 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスA】 | 更新情報をチェックする