10.21
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放射線量:柏で57.5マイクロシーベルトを計測
毎日jp 2011年10月21日 21時35分 更新:10月21日 21時40分

57.5マイクロシーベルトの高い放射線量が検出された現場を土盛りし、放射線量を計測する市職員ら
=柏市根戸高野台で、午後7時20分、橋口正撮影
千葉県柏市は21日、
同市根戸高野台の市有地で毎時57.5マイクロシーベルトの高い放射線量を計測したと発表した。
同市周辺は東京電力福島第1原発事故の影響で比較的放射線量が高いが、
現場で線量が高いのは半径1メートルとごく限られた範囲のため、
同市放射線対策室の染谷誠一室長は「原発事故の影響とは考えづらい」と話している。
現場周辺は高台の住宅街で、1957年ごろに同市が旧大蔵省から購入し、
戸建ての市営住宅30棟が建てられたが、90年ごろから段階的に取り壊され、現在は更地。
無償で借りた地元町会が広場として利用していた。
18日に隣接する道路を簡易測定器を持ち散歩中の市民が高線量に気付いて、市に通報。
市の測定器が計測限界の同10マイクロシーベルトを超えたため、
県環境財団が21日に地表部を測り、最高同57.5マイクロシーベルトの値が出た。
市は21日から隣接する道路を通行止めにして半径3メートルを立ち入り禁止にし、
現場を土のうとブルーシートで覆った。
週明けの24日に文部科学省と詳細な調査をする。
近くの男性会社員(44)は
「生まれてからずっと住んでいるが、原子力に関係するものがあった記憶はない。母がよく通る場所なので心配です」
と不安そうに話していた。
東京都世田谷区では同3.35マイクロシーベルトを検出したが、原因は家屋内のラジウムだった。
【早川健人、橋口正】
柏の高放射線 原因はセシウム
NHK 10月22日 23時33分
千葉県柏市の空き地から21日、
1時間当たり最大で57.5マイクロシーベルトの高い放射線量が測定された問題で、
柏市が土を調べたところ、高濃度の放射性セシウムが検出されました。
市は文部科学省と連携して原因を調べるとともに対策をとることにしています。
柏市根戸の住宅や工場が立ち並ぶ地域にある空き地では21日、
地面を20センチほど掘り下げた地中で57.5マイクロシーベルトの高い放射線量が測定されました。
市が現場の土を採取して調べたところ、深さ30センチの土から
1キログラム当たり放射性セシウム134が12万4000ベクレル、
放射性セシウム137が15万2000ベクレルの
合わせて27万6000ベクレルの高濃度の放射性セシウムが検出されました。
一方、セシウム以外の放射性物質は検出されなかったということです。
現場の空き地は、市が所有する土地で、10年ほど前まで市営住宅などが建てられていたということです。
柏市は半径3メートル以内を立入禁止にして、近く現場の土を取り除くことにしています。
柏市は「なぜ放射性セシウムがあったのか、今の時点では分からない」としていて、
文部科学省と連携して原因を調べるとともに対策をとることにしています。
柏市の空き地の土から高濃度の放射性セシウムが検出されたことについて、
放射性物質に詳しい大阪大学の藤原守准教授は
「半減期が2年のセシウム134は、原子炉を動かしたときにできる物質で、通常は原子炉の中にしかないため、
今回検出されたのは福島第一原発の事故による放射性セシウムと考えられる。
局所的に濃度が高くなっていることから推測すると、側溝などで濃縮された放射性セシウムを含む土か、
福島第一原発近くの土が外から持ち込まれた可能性が考えられる。
土壌の分析をすれば、福島の土か、柏市内の土か、ある程度推定できると思う」と話しています。
千葉・柏の、セシウム調査前倒し 文科省、市の要請で
東京新聞 2011年10月23日 11時40分
千葉県柏市根戸の市有地で採取した土壌から
最大で1キログラム当たり27万6千ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で、
柏市は23日、文部科学省との現地調査を当初の予定より早め、同日午後に実施することを明らかにした。
調査は当初、24日の予定だったが、
22日の検査結果の重大性や天候を考慮し調査を早めることを市が要請、文科省が応じた。
市の担当者は「一刻も早く原因を解明することが必要」と話している。
柏市の市有地では、
地表から30センチの深さで1キログラム当たり27万6千ベクレルのセシウムが検出されたほか、
地表面でも同15万5300ベクレルが検出された。
(共同)
この件に関する新しい情報が出ましたら、
続きを読むに、追記します。
千葉県柏市で高い放射線量…原発事故と無関連?
(2011年10月21日21時11分 読売新聞)
千葉県柏市は21日、同市根戸の市有地の地表付近で毎時20マイクロ・シーベルト程度の高い放射線量を検出し、
30センチ以上掘った土中では57・5マイクロ・シーベルトを検出したと発表した。
局所的なため「福島第一原発事故との関連は考えにくい」としている。
市は原因を調べるとともに週明けに土の除去作業を始める方針。
高い値が出たのは、半径1メートルほどの範囲で、土を掘るほど放射線量が高くなった。
シートで覆い、砂を盛る応急処置をしたところ、0・45マイクロ・シーベルト程度に低減した。
市は立ち入り禁止のロープを張り、近づかないよう呼びかけている。
「高い放射線量を示す場所がある」との情報が住民から18日に寄せられ、市が19、20日に測ったが、
測定器の測定限界が最大10マイクロ・シーベルトで測定できず、千葉県環境財団が21日に測定した。
市によると、市有地には約15年前まで市営住宅や市職員寮があったが、
現在は空き地で、町内会などにレクリエーションの場として貸し出すなどしている。
柏・高放射線量地:原発由来の雨水 土壌蓄積…文科省調査
毎日新聞 2011年10月23日 21時46分(最終更新 10月23日 22時45分)

高い放射線量が測定された柏市有地。
コンクリート製の側溝の壁が破損しており、
写真上から流れてきた水が土壌に漏れだしたとみられる
=千葉県柏市根戸で2011年10月23日(文部科学省提供)
千葉県柏市根戸(ねど)の市有地で採取した土壌から
1キロ当たり最大で27万6000ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で
文部科学省は23日、現地調査を行い、
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムを含む雨水が現場の側溝から外に漏れ出し、
土壌に染み込んで蓄積された可能性が高いとの調査結果を明らかにした。
汚染土壌の投棄といった人為的な要因は否定され、原発事故そのものの影響の広がりが示された形だ。
柏市は文科省と協議し、除染の方法を検討する。
文科省放射線規制室によると、最も空間線量が高かった地点のすぐ横で、
深さ30センチ、幅30センチのコンクリート製側溝の壁が幅0.5~1メートル程度にわたって破損・欠落していた。
側溝は雨水を流すために設けられ、現場から下流部分は市道に沿って掘られている。
普段、どの程度の流量があったか不明だが、
上流部分に降った雨が集まって側溝を流れる際、破損部分から漏れ出たとみられる。
この日の文科省の測定では、
高線量の場所を覆っている防水シートをはがした際の地表部の空間線量は、
最大で毎時14.6マイクロシーベルト、地上1メートルでは同約2マイクロシーベルトだった。
防水シート周辺部の最大線量は同0.6マイクロシーベルトで、その外側よりやや高かった。
調査結果について、中矢隆夫・同室長は
「一般的に、雨どいの下の線量が高くなるように、雨水が集まる場所では線量が高くなる傾向がある。
似たような状況の場所は(首都圏で)他にもあると思う」と述べた。
また、放射性物質で汚染された土壌や焼却灰の投棄の可能性については「少ない」と話した。
市有地は、戸建ての市営住宅が95年に取り壊され、地元町会が広場として利用していた。
今回の問題は、散策中の市民が持っていた測定器の高線量に気付いて市に通報したのが発端。
21日の市の測定では毎時57.5マイクロシーベルトの異常に高い空間放射線量を記録した。
文科省の調査は当初24日を予定していたが、柏市が前倒しを要請し、23日に繰り上がった。
地元町会の三上謙吾会長(62)は
「想像できない線量だったが、原因がはっきりして良かった」と話した。
近所の無職、大野茂さん(74)は
「本当にそういう原因かなという思いは残る。ちゃんと除染してもらわないと安心できない。
早く再開できるようにしてほしい」と話した。【早川健人】
◇専門家「現状なら健康への影響小さい」
千葉県柏市で、非常に高い濃度の放射性物質を含む土壌が確認されたことで、
同市民や「ホットスポット」と呼ばれる放射線量が局所的に高い他の地域の住民に不安が高まっている。
専門家は同様の現象が発生しうるとした上で、現状の水準ならば健康への影響はほとんどないとしている。
松本義久・東京工業大准教授(放射線生物学)は
「柏市は街全体がホットスポットのようになっているため、今回のような非常に高濃度の土壌が生じたのだろう」
と分析。
「ただし、汚染土壌のデータから、内部被ばくの線量などを試算しても健康への影響はほとんどないと思われる」
と語った。
また、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)を現地調査した
笠井篤・元日本原子力研究所研究室長(環境放射能)は
「チェルノブイリ原発事故に比べると、柏市の値は1~2ケタ低く、汚染範囲もごく狭い場所に限られている。
冷静に対応してほしい」と呼び掛ける。
一方で、
「今後も同じような事象が各地で起きる可能性がある。
文部科学省は放射性物質の濃度だけではなく、健康影響の指標となる放射線量も一緒に発表すべきだ」
と述べた。【奥山智己、永山悦子】
柏のセシウム 原発事故関連強まる
東京新聞 2011年10月24日 07時00分

千葉県柏市根戸の市有地から
最大毎時五七・五マイクロシーベルト(一マイクロは一ミリの千分の一)の高い放射線量が検出された問題で、
文部科学省は二十三日、現地調査を行い、
検出地点の脇にある側溝のコンクリートが崩壊していることが分かった。
同省の中矢隆夫・放射線規制室長は
「福島第一原発事故の影響で放射性物質を含んだ雨水が、崩壊部分から流れ込んだのでは」と推測し、
放射性物質が濃縮、蓄積したとの見方を示した。
問題の側溝は、広さ約七千三百平方メートルの市有地のほぼ中央部。
コンクリート製で深さ三十センチ、幅三十センチ。一部が長さ約五十センチにわたって破損していた。
調査では側溝の数十センチ北側を数十センチ掘った地点で
ブルーシート越しに毎時一四・六マイクロシーベルトを計測した。
市有地は空き地で、側溝には市有地内の雨水が集まり生活排水などは流れていないとみられる。
調査後、中矢室長は雨水だけでこれほどの高濃度になるかどうかについて
「一般的に、雨どいの下などは高いが、周りの状況にもよる」と断定を避けた。
この現場では、二十一日の市の調査で、
地表の半径約一メートル(広さ約三平方メートル)の区域で高い放射線量を確認し、
地中三十センチの地点で最大毎時五七・五マイクロシーベルトを検出。
また二十二日の調査では、地下三十センチの土壌から、
最大で一キログラム当たり二七万六〇〇〇ベクレルの放射性セシウムを検出している。
柏市は、今後の対応は国の指示を待つ方針で、周辺の立ち入り禁止措置を続ける。
調査を眺めていた近くの住民男性は「市は学校などの施設だけでなく徹底的に調査してほしい」と話していた。
柏市放射線対策 不安払拭へ態勢強化 私有地除染も支援
東京新聞 2011年10月25日
さらなる放射線対策を二十四日に打ち出した柏市。
同市根戸の市有地で局所的に高い放射線量が検出された問題を受け、
私有地を含めた市内全域で即応態勢を強化するのが目的だ。
市の放射線対策室には市民からの問い合わせも相次いでおり、不安の払拭(ふっしょく)に全力を挙げている。
(横山大輔)
同市は福島第一原発事故後、同対策室を新設し、職員四人が専従で対応に当たってきたが、人員も増強する。
私有地の放射線量測定はこれまで、所有権などの問題があるため市は基本的に関与せず、
十一月中旬から開始予定の市民への測定器貸し出しを待つよう応対していた。
今回問題を受けた不安を解消するため、
今後は貸し出しだけでなく、市民から測定要望を受け付けるホットラインを開設し、私有地での測定に乗り出す。
市民が持つ線量計などで、地上一メートルで周辺より毎時一マイクロシーベルト以上高い線量が確認されれば、
市が測定した上、国への通報や除染などを市が支援する。
高放射線量地点が見つかった場合、国の方針に沿って国と協力して除染を実施。
市民と連携を図ることで市内全域で局地的な高放射線量地点の把握、一掃を目指したい考えだ。
市有地の測定も、これまで子ども関連施設を優先して行ってきたが、
十一月末までに市が所有・管理する施設や土地全てを対象に行う方針も決定。
雨水などに混じって高い放射線量が出やすい市道の側溝も対象にする。
毎日jp 2011年10月21日 21時35分 更新:10月21日 21時40分

57.5マイクロシーベルトの高い放射線量が検出された現場を土盛りし、放射線量を計測する市職員ら
=柏市根戸高野台で、午後7時20分、橋口正撮影
千葉県柏市は21日、
同市根戸高野台の市有地で毎時57.5マイクロシーベルトの高い放射線量を計測したと発表した。
同市周辺は東京電力福島第1原発事故の影響で比較的放射線量が高いが、
現場で線量が高いのは半径1メートルとごく限られた範囲のため、
同市放射線対策室の染谷誠一室長は「原発事故の影響とは考えづらい」と話している。
現場周辺は高台の住宅街で、1957年ごろに同市が旧大蔵省から購入し、
戸建ての市営住宅30棟が建てられたが、90年ごろから段階的に取り壊され、現在は更地。
無償で借りた地元町会が広場として利用していた。
18日に隣接する道路を簡易測定器を持ち散歩中の市民が高線量に気付いて、市に通報。
市の測定器が計測限界の同10マイクロシーベルトを超えたため、
県環境財団が21日に地表部を測り、最高同57.5マイクロシーベルトの値が出た。
市は21日から隣接する道路を通行止めにして半径3メートルを立ち入り禁止にし、
現場を土のうとブルーシートで覆った。
週明けの24日に文部科学省と詳細な調査をする。
近くの男性会社員(44)は
「生まれてからずっと住んでいるが、原子力に関係するものがあった記憶はない。母がよく通る場所なので心配です」
と不安そうに話していた。
東京都世田谷区では同3.35マイクロシーベルトを検出したが、原因は家屋内のラジウムだった。
【早川健人、橋口正】
柏の高放射線 原因はセシウム
NHK 10月22日 23時33分
千葉県柏市の空き地から21日、
1時間当たり最大で57.5マイクロシーベルトの高い放射線量が測定された問題で、
柏市が土を調べたところ、高濃度の放射性セシウムが検出されました。
市は文部科学省と連携して原因を調べるとともに対策をとることにしています。
柏市根戸の住宅や工場が立ち並ぶ地域にある空き地では21日、
地面を20センチほど掘り下げた地中で57.5マイクロシーベルトの高い放射線量が測定されました。
市が現場の土を採取して調べたところ、深さ30センチの土から
1キログラム当たり放射性セシウム134が12万4000ベクレル、
放射性セシウム137が15万2000ベクレルの
合わせて27万6000ベクレルの高濃度の放射性セシウムが検出されました。
一方、セシウム以外の放射性物質は検出されなかったということです。
現場の空き地は、市が所有する土地で、10年ほど前まで市営住宅などが建てられていたということです。
柏市は半径3メートル以内を立入禁止にして、近く現場の土を取り除くことにしています。
柏市は「なぜ放射性セシウムがあったのか、今の時点では分からない」としていて、
文部科学省と連携して原因を調べるとともに対策をとることにしています。
柏市の空き地の土から高濃度の放射性セシウムが検出されたことについて、
放射性物質に詳しい大阪大学の藤原守准教授は
「半減期が2年のセシウム134は、原子炉を動かしたときにできる物質で、通常は原子炉の中にしかないため、
今回検出されたのは福島第一原発の事故による放射性セシウムと考えられる。
局所的に濃度が高くなっていることから推測すると、側溝などで濃縮された放射性セシウムを含む土か、
福島第一原発近くの土が外から持ち込まれた可能性が考えられる。
土壌の分析をすれば、福島の土か、柏市内の土か、ある程度推定できると思う」と話しています。
千葉・柏の、セシウム調査前倒し 文科省、市の要請で
東京新聞 2011年10月23日 11時40分
千葉県柏市根戸の市有地で採取した土壌から
最大で1キログラム当たり27万6千ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で、
柏市は23日、文部科学省との現地調査を当初の予定より早め、同日午後に実施することを明らかにした。
調査は当初、24日の予定だったが、
22日の検査結果の重大性や天候を考慮し調査を早めることを市が要請、文科省が応じた。
市の担当者は「一刻も早く原因を解明することが必要」と話している。
柏市の市有地では、
地表から30センチの深さで1キログラム当たり27万6千ベクレルのセシウムが検出されたほか、
地表面でも同15万5300ベクレルが検出された。
(共同)
この件に関する新しい情報が出ましたら、

千葉県柏市で高い放射線量…原発事故と無関連?
(2011年10月21日21時11分 読売新聞)
千葉県柏市は21日、同市根戸の市有地の地表付近で毎時20マイクロ・シーベルト程度の高い放射線量を検出し、
30センチ以上掘った土中では57・5マイクロ・シーベルトを検出したと発表した。
局所的なため「福島第一原発事故との関連は考えにくい」としている。
市は原因を調べるとともに週明けに土の除去作業を始める方針。
高い値が出たのは、半径1メートルほどの範囲で、土を掘るほど放射線量が高くなった。
シートで覆い、砂を盛る応急処置をしたところ、0・45マイクロ・シーベルト程度に低減した。
市は立ち入り禁止のロープを張り、近づかないよう呼びかけている。
「高い放射線量を示す場所がある」との情報が住民から18日に寄せられ、市が19、20日に測ったが、
測定器の測定限界が最大10マイクロ・シーベルトで測定できず、千葉県環境財団が21日に測定した。
市によると、市有地には約15年前まで市営住宅や市職員寮があったが、
現在は空き地で、町内会などにレクリエーションの場として貸し出すなどしている。
柏・高放射線量地:原発由来の雨水 土壌蓄積…文科省調査
毎日新聞 2011年10月23日 21時46分(最終更新 10月23日 22時45分)

高い放射線量が測定された柏市有地。
コンクリート製の側溝の壁が破損しており、
写真上から流れてきた水が土壌に漏れだしたとみられる
=千葉県柏市根戸で2011年10月23日(文部科学省提供)
千葉県柏市根戸(ねど)の市有地で採取した土壌から
1キロ当たり最大で27万6000ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で
文部科学省は23日、現地調査を行い、
東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムを含む雨水が現場の側溝から外に漏れ出し、
土壌に染み込んで蓄積された可能性が高いとの調査結果を明らかにした。
汚染土壌の投棄といった人為的な要因は否定され、原発事故そのものの影響の広がりが示された形だ。
柏市は文科省と協議し、除染の方法を検討する。
文科省放射線規制室によると、最も空間線量が高かった地点のすぐ横で、
深さ30センチ、幅30センチのコンクリート製側溝の壁が幅0.5~1メートル程度にわたって破損・欠落していた。
側溝は雨水を流すために設けられ、現場から下流部分は市道に沿って掘られている。
普段、どの程度の流量があったか不明だが、
上流部分に降った雨が集まって側溝を流れる際、破損部分から漏れ出たとみられる。
この日の文科省の測定では、
高線量の場所を覆っている防水シートをはがした際の地表部の空間線量は、
最大で毎時14.6マイクロシーベルト、地上1メートルでは同約2マイクロシーベルトだった。
防水シート周辺部の最大線量は同0.6マイクロシーベルトで、その外側よりやや高かった。
調査結果について、中矢隆夫・同室長は
「一般的に、雨どいの下の線量が高くなるように、雨水が集まる場所では線量が高くなる傾向がある。
似たような状況の場所は(首都圏で)他にもあると思う」と述べた。
また、放射性物質で汚染された土壌や焼却灰の投棄の可能性については「少ない」と話した。
市有地は、戸建ての市営住宅が95年に取り壊され、地元町会が広場として利用していた。
今回の問題は、散策中の市民が持っていた測定器の高線量に気付いて市に通報したのが発端。
21日の市の測定では毎時57.5マイクロシーベルトの異常に高い空間放射線量を記録した。
文科省の調査は当初24日を予定していたが、柏市が前倒しを要請し、23日に繰り上がった。
地元町会の三上謙吾会長(62)は
「想像できない線量だったが、原因がはっきりして良かった」と話した。
近所の無職、大野茂さん(74)は
「本当にそういう原因かなという思いは残る。ちゃんと除染してもらわないと安心できない。
早く再開できるようにしてほしい」と話した。【早川健人】
◇専門家「現状なら健康への影響小さい」
千葉県柏市で、非常に高い濃度の放射性物質を含む土壌が確認されたことで、
同市民や「ホットスポット」と呼ばれる放射線量が局所的に高い他の地域の住民に不安が高まっている。
専門家は同様の現象が発生しうるとした上で、現状の水準ならば健康への影響はほとんどないとしている。
松本義久・東京工業大准教授(放射線生物学)は
「柏市は街全体がホットスポットのようになっているため、今回のような非常に高濃度の土壌が生じたのだろう」
と分析。
「ただし、汚染土壌のデータから、内部被ばくの線量などを試算しても健康への影響はほとんどないと思われる」
と語った。
また、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)を現地調査した
笠井篤・元日本原子力研究所研究室長(環境放射能)は
「チェルノブイリ原発事故に比べると、柏市の値は1~2ケタ低く、汚染範囲もごく狭い場所に限られている。
冷静に対応してほしい」と呼び掛ける。
一方で、
「今後も同じような事象が各地で起きる可能性がある。
文部科学省は放射性物質の濃度だけではなく、健康影響の指標となる放射線量も一緒に発表すべきだ」
と述べた。【奥山智己、永山悦子】
柏のセシウム 原発事故関連強まる
東京新聞 2011年10月24日 07時00分

千葉県柏市根戸の市有地から
最大毎時五七・五マイクロシーベルト(一マイクロは一ミリの千分の一)の高い放射線量が検出された問題で、
文部科学省は二十三日、現地調査を行い、
検出地点の脇にある側溝のコンクリートが崩壊していることが分かった。
同省の中矢隆夫・放射線規制室長は
「福島第一原発事故の影響で放射性物質を含んだ雨水が、崩壊部分から流れ込んだのでは」と推測し、
放射性物質が濃縮、蓄積したとの見方を示した。
問題の側溝は、広さ約七千三百平方メートルの市有地のほぼ中央部。
コンクリート製で深さ三十センチ、幅三十センチ。一部が長さ約五十センチにわたって破損していた。
調査では側溝の数十センチ北側を数十センチ掘った地点で
ブルーシート越しに毎時一四・六マイクロシーベルトを計測した。
市有地は空き地で、側溝には市有地内の雨水が集まり生活排水などは流れていないとみられる。
調査後、中矢室長は雨水だけでこれほどの高濃度になるかどうかについて
「一般的に、雨どいの下などは高いが、周りの状況にもよる」と断定を避けた。
この現場では、二十一日の市の調査で、
地表の半径約一メートル(広さ約三平方メートル)の区域で高い放射線量を確認し、
地中三十センチの地点で最大毎時五七・五マイクロシーベルトを検出。
また二十二日の調査では、地下三十センチの土壌から、
最大で一キログラム当たり二七万六〇〇〇ベクレルの放射性セシウムを検出している。
柏市は、今後の対応は国の指示を待つ方針で、周辺の立ち入り禁止措置を続ける。
調査を眺めていた近くの住民男性は「市は学校などの施設だけでなく徹底的に調査してほしい」と話していた。
柏市放射線対策 不安払拭へ態勢強化 私有地除染も支援
東京新聞 2011年10月25日
さらなる放射線対策を二十四日に打ち出した柏市。
同市根戸の市有地で局所的に高い放射線量が検出された問題を受け、
私有地を含めた市内全域で即応態勢を強化するのが目的だ。
市の放射線対策室には市民からの問い合わせも相次いでおり、不安の払拭(ふっしょく)に全力を挙げている。
(横山大輔)
同市は福島第一原発事故後、同対策室を新設し、職員四人が専従で対応に当たってきたが、人員も増強する。
私有地の放射線量測定はこれまで、所有権などの問題があるため市は基本的に関与せず、
十一月中旬から開始予定の市民への測定器貸し出しを待つよう応対していた。
今回問題を受けた不安を解消するため、
今後は貸し出しだけでなく、市民から測定要望を受け付けるホットラインを開設し、私有地での測定に乗り出す。
市民が持つ線量計などで、地上一メートルで周辺より毎時一マイクロシーベルト以上高い線量が確認されれば、
市が測定した上、国への通報や除染などを市が支援する。
高放射線量地点が見つかった場合、国の方針に沿って国と協力して除染を実施。
市民と連携を図ることで市内全域で局地的な高放射線量地点の把握、一掃を目指したい考えだ。
市有地の測定も、これまで子ども関連施設を優先して行ってきたが、
十一月末までに市が所有・管理する施設や土地全てを対象に行う方針も決定。
雨水などに混じって高い放射線量が出やすい市道の側溝も対象にする。
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コメント
30年以上この問題は解決しないような気がします。
よく分かりませんが、どうやら柏市で行われた除染(表土はぎ取り)の結果出た土、あるいは高い数値の放射能が検出された焼却灰を埋めてしまったのでは、ということのようですね。除染が本格的に始まれば、同様の事態が色んなところで起こるのでしょうね。
ところでki-koさんやここを訪れる皆さんは、「放射性物質汚染対処特措法」についての、環境省へのパブリックコメントはどうされましたか?
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14327
読むのに苦労して、分からないところがいっぱいですが、でもとにかくこのままいくと、ki-koさんが以前このブログ上で表明されていた意見の、ほぼ真逆のことが行われることになってしまいそうです。
骨子案によれば、除染の目標は2年で50%!セシウム134の半減期が2年だそうで、その減衰分が50%の中に含まれているので、除染の効果は最初からごく僅かと見込まれているようです。そこにどの位の費用が投入されるのか、全く触れられていません。もちろんチェルノブイリで除染が早々に諦められたことも。
そして除染実施にあたっては、「地元雇用の確保に配慮すること」。雇用はもちろん大事ですが、「ふくいち現場の声」の方が心配していた通り、利権化が懸念されます。
また「可能な限り廃棄物の再利用を推進」とのことで、「低レベル汚染物質」は、再利用されて全国へと拡散するようです。
そして廃棄物自体も、すでに細野原発相は「福島を最終処分場にしない」と明言しており、骨子案でも「国が責任を持って」処分場を確保する、とあるので、国の方針に沿って、他地域への拡散が現実のものとなりそうです。
読むと他にも問題点が満載のはずです。
一市民が声を上げても、マスコミも政府もまったく耳を傾ける態度すらみせないですが、でも声を上げ続けるほかないですよね。
諦めへと傾く気持ちを何とか奮い立たせて、コメントを送ろうと思います。
ところでki-koさんやここを訪れる皆さんは、「放射性物質汚染対処特措法」についての、環境省へのパブリックコメントはどうされましたか?
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14327
読むのに苦労して、分からないところがいっぱいですが、でもとにかくこのままいくと、ki-koさんが以前このブログ上で表明されていた意見の、ほぼ真逆のことが行われることになってしまいそうです。
骨子案によれば、除染の目標は2年で50%!セシウム134の半減期が2年だそうで、その減衰分が50%の中に含まれているので、除染の効果は最初からごく僅かと見込まれているようです。そこにどの位の費用が投入されるのか、全く触れられていません。もちろんチェルノブイリで除染が早々に諦められたことも。
そして除染実施にあたっては、「地元雇用の確保に配慮すること」。雇用はもちろん大事ですが、「ふくいち現場の声」の方が心配していた通り、利権化が懸念されます。
また「可能な限り廃棄物の再利用を推進」とのことで、「低レベル汚染物質」は、再利用されて全国へと拡散するようです。
そして廃棄物自体も、すでに細野原発相は「福島を最終処分場にしない」と明言しており、骨子案でも「国が責任を持って」処分場を確保する、とあるので、国の方針に沿って、他地域への拡散が現実のものとなりそうです。
読むと他にも問題点が満載のはずです。
一市民が声を上げても、マスコミも政府もまったく耳を傾ける態度すらみせないですが、でも声を上げ続けるほかないですよね。
諦めへと傾く気持ちを何とか奮い立たせて、コメントを送ろうと思います。
kehaar | 2011.10.23 17:30 | 編集
これからは福一から飛んでくる放射能だけでなく
地元の焼却所からの風向きや、どこに何を埋めたのか底まで監視しなくっちゃいけないんですね><;
地元の焼却所からの風向きや、どこに何を埋めたのか底まで監視しなくっちゃいけないんですね><;
ki-ko | 2011.10.23 20:15 | 編集