西山さんちのデイジーくんは負けてしまった 涙は馬のたてがみに 心は遠い草原に
いろんな意味で重い敗北。4着。
勝浦正樹騎手は今年、まだ勝っていない。ただの一勝も挙げていないジョッキーが1番人気になったのが今年の弥生賞だ。
「勝浦を男にしなくちゃね」(追い切りに来た西山茂行オーナー)
ニシノデイジーは、西山さんの執念が生み出したクラシック候補だ。
「セイウンスカイ×ニシノフラワー」
それがニシノデイジーの母系。セイウンスカイは「ハイペリオン系最後のGⅠホース」で菊花賞3000メートルを逃げ切ったのだ。
その後、西山牧場は経営危機に陥り、セイウンスカイの父、シェリフズスターは一時、行方不明となった。
弥生賞の直前、勝浦騎手はこう語っていた。
「逃げることもあるかもしれない」
雨は降りやまず、重馬場となった。パドックでは落ち着いていたニシノデイジーだが、返し馬ではハミを噛み頭を振って暴走した。すでに重賞2勝のニシノデイジーは弥生賞で3着以内に入れなくても皐月賞に出走できる。
勝浦先生! ここで逃げなくてどこで逃げる?
12.7 - 11.7 - 12.5 - 12.5 - 12.4 - 12.3 - 12.2 - 12.1 - 12.3 - 12.6
これが弥生賞のラップタイム。馬場は最悪だったのだ。
勝浦騎手は、いつものとおり、手綱を抑え、行こうとするニシノデイジーとケンカした。
3ハロン目「12・5」を「11・9」で勝浦騎手が行けば、大逃げの形になっていた。
「おおっと! ニシノデイジーが行った! 勝浦が後続を引き離す!」
これが競馬の醍醐味であり、「穴牧場」西山牧場の本領だ。
そうなれば、今年最大の注目種牡馬ノヴェリスト産駒の社台ファーム生産馬、ラストドラフトは2番手。ニシノデイジーが大逃げを打ってバカ負けしていたら、私は今、笑って酒を飲んでいる。ニシノデイジーはダノンファンタジーのような「強い馬」ではないからね。
「勝浦を男にする」と西山さんが言った以上、ニシノデイジーは勝浦正樹騎手を背に皐月賞のゲートに入るのだろう。
逃げろ! 勝浦!
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