日立製作所の米原発建設計画が消えた!ルイジアナ州リバーベンド原発COL申請取り下げ
「『原子力ルネサンス』というものは(福島の)事故の前からそもそも存在していなかった」
ゼネラル・エレクトリックCEO ジェフリー・イメルト 2012年3月
6月21日。日立製作所の米原発輸出計画が消滅した。
米原子力規制委員会(NRC)は、ルイジアナ州リバーベンド原発3号機の建設・運転一括認可(COL)申請の取り下げを承認した。
原発を所有するエンタジー社は、2009年1月、以下の声明を発表していた。
「エンジニアリング、資材調達、建設(EPC)契約でGE日立と折り合わなかった」
2015年9月。ミシシッピー州グランドガルフ原発COL申請取り下げ。
今回の決定で「3・11」後に申請されたCOL、18件、28基のうち、6件、7基が消えた。
COL審査中のGE日立製原発はノースアナ原発3号機のみとなったが、同原発はバージニア州法務局から「計画を放棄せよ」と勧告されている。
2015年8月。バラク・オバマ政権は「クリーン・パワー・プラン」を発表。各州にCO2を削減する電源構成を調査させたが、バージニア州が下した結論は「原発に対する死刑宣告」だった。
「ノースアナ原発の建設費は19億3000万ドル。稼動後は電気料金が25%上昇する」
「天然ガスや太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電コストをはるかに上回る」
米国への原発輸出ができないことは、GE日立のボスによって予言されていた。
2012年3月。エネルギー業界最大の会議「CERAウイーク」の演壇に上がったGEのジェフリー・イメルトCEOはこう語っている
「『原子力ルネサンス』というものは(福島の)事故の前からそもそも存在していなかった」
英国フィナンシャル・タイムズのインタビューではさらに突っ込んだ発言をした。
「(原発を経済的に)正当化するのは非常にむずかしい」
<イメルト氏が世界のエネルギー情勢を展望した上で強調したのは米国でのシェールガス革命、日本における福島原発のメルトダウン(炉心溶融)、再生可能エネルギーの価格下落――の3点。具体的には、天然ガスはシェールガス革命で10年来の安値水準で推移しており、原発産業は「福島」後の追加コストと不確実性に直面、そして太陽光パネルは過去3年間で75%値下がりした結果、数カ国で小売り電力として価格競争力を持ちつつあるとFTの記事は言及している。>(日本経済新聞電子版 2012年8月7日)
世界最大のコングロマリットであるGEの売上のうち、原子力事業は1%にも満たない。
東電福島第一原発4号機建設のノウハウを授けた「師匠」GEの脱原発宣言に対し、日立製作所は沈黙したままだ。
安倍晋三よ!
日立製作所よ!
原発輸出はできない。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント