参院選 東京選挙区候補者 犬丸勝子さんを私は心の底から尊敬している!前の選挙時の原稿を読んでください!ムサシ東京支社に乗り込んで抗議したのは犬丸さんだけだ!!
高円寺の北口にはいい感じの広場があって、七夕の日のかんかん照りのなか、
犬丸勝子候補の到着をもう30分も待っている。
頭の片一方でこう思う。
「また道に迷っているんだろうなあ。衆院選、福岡で5千票も獲得したのに、なぜ、犬丸さんは東京から出馬したんだろう? 東京の地理も土地柄も知らないのに」
頭のもう一方で、「私の英雄」の言葉が燦然と輝いている。
<勝ち負けではない。何に美しさを感じるか? それをはっきりさせるのがプロ。今の野球は損得だけの野球だよ。>(江夏豊)
「損か? 得か?」……誰だって、そんな尺度で生きている。
2012年12月。犬丸勝子さんは、衆院選に無所属で立候補し落選。供託金300万円を没収された。
普通なら、これで懲りる。大金持ちでないかぎり、二度と無謀な挑戦などしない。
300万円をドブに捨て、犬丸さんはしばし、日常へと舞い戻った。
介護施設運営者。夜中に電話が鳴ると、一人暮らしの老人の自宅に車を走らせる。
闇。孤独。ヘッドライトのなかの雨。
「ちょっとの間、会えなくなるね」
老人たちにそう言い残し、犬丸さんは「魔都」東京にたった一人で乗り込んできた。
「衆院選は不正選挙なんです!」
新宿アルタ前。声を張り上げても、振り向く人すらいない。
「挨拶をしてきます」
平日の閑散とした新宿東口。最初に声をかけた初老の男はこう言った。
「わしはホームレスなんや。住民票あらへん。選挙に行けないんやから、握手しても無駄やで」
……泡沫候補。
「その言葉を聞くとさびしくなるね」と言って犬丸さんは笑った。
ならばなぜ、再び無謀を行うのか?
教師という安定した仕事を投げ捨て、どんな理由で、自ら「泡沫候補」の汚名を着るのか?
街頭演説を聴いていて、わが耳を疑った。
「政党さんから『うちから立候補しませんか?』と声をかけていただきました」
私が政治家になりたいと思っているなら、絶対にその誘いを受ける。既存政党から立候補をする。
なぜなら、供託金300万円が戻ってくる確率が格段に上がるからだ。組織が300万円を取り戻してくれる。
供託金返済が保障されているのなら、国政選挙ほど楽しいイベントはない。
参院選候補を応援している。それだけの理由で、私は今、電車もバスもただ乗りしている。なんの断りもなく、みなさんの血税をちょろまかし、私は0円でどこまでも移動する。
こんなバカな話がありますか!?
私は小博打が大好きな老いたパンクである。赤いスリムジーンズにチェックのシャツというチンピラな格好で、あの東京都庁というバカげた建物のなかを歩いていると、
「○○広告社ですが、事務所は決まりましたか?」
「××広告社です。お時間をいただけませんか?」
「便宜を図る準備はあります」
次から次に声をかけられる。
やつらは何者なのか?
ひとことで言えば、税金という名の砂糖に群がる蟻どもだ。
国政選挙とは、つまり、数年ごとに繰り返される「税金泥棒全国大会」にすぎないのである。
このありさまはなんだ!?
選挙の直前。テラッテラの薄笑いで「この国の未来」「希望」「活力」「奉仕」を語りながら、実は金の算段に没頭しているのが日本の政治家どもなのだ。
「税金をどう山分けするか?」
それしか頭にない。
そんなバカ合戦のさなか、我らが犬丸勝子候補は何をやっていたのか?
「衆院選が不正選挙ではない、ということを証明してください」
東京都選挙管理委員会の職員をガンガンにとっちめて、
「ならば、『ムサシ』に行きましょう」
犬丸勝子候補は、日本の選挙をほぼ一社独占する疑惑の企業「ムサシ」に単身乗り込んだ。
リチャード・コシミズさん! あんたは、取材をして「ムサシ」のことを書きまたか。
電話一本かけるわけではない。開票所を見学することすらしない。ただただ、パソコンの前に座りっぱなしで、
「ムサシの株主は安部晋三だ」「いや、ゴールドマン・サックスが黒幕だ」「いや、ユダヤ金融が」……その他いろいろ。
バカなこと言ってんじゃねえぞ!!
「不正選挙」をめぐるネットの言説の大部分が、ウソ、妄想、たわごとだということは、東京銀座の「ムサシ」東京支社に電話をして、行って見てくりゃ誰にでもわかる。
たった一人で行動! 納得するまで行動あるのみ。
犬丸勝子「伝説」を支えているのは、そんなシンプルな意思に他ならない。
やっても無駄? 損をするだけ?
「いやあ、中田さん。本当にお金がないのよ」
「不滅の女子」犬丸勝子さんがホテルのレストランでうなだれている。
そりゃそうだろうなあ、と思う。半年前に300万円を溶かしているんだから。
前途多難。一筋の光明すらない。
そう思っていたら翌日。
「中田さん、やってもらいたいことがあるの」
犬丸さんは、ある決意を固めていた。
「衆院議員会館に行きましょう!」
その決意、壮大な計画とは!?
「寄付金を募りたいんだけど、どこに行ったらいいかわからない、って中田さん、言ったでしょ?」
数日前、私は「寄付金をくれる会社はどこ?」と犬丸さんから問われ、「見当もつかない」
そりゃそうだろう。
じゃあ、大きな会社から行きますか? 飛込みでトヨタ自動車に押しかけてこう言うのか?
「不正選挙を訴えてます無所属の犬丸勝子でございます。寄付金をください」
……シュールだ。カフカの小説よりシュールだ。
ありえない話なのだが、犬丸勝子さんなら、本当にやっちゃうんじゃないの?
そう思わせてしまうのが、「不滅の女子」犬丸勝子の「不滅の女子」たる所以。
私が「一般企業からの寄付金は無理でしょう」と助言した。それを聞いた犬丸さんはどうする?
「国会議員からお金をもらえばいいのよ」
……?????
「ある人から聞いたのよ。資金不足になった参院選挙の候補者は、衆院議員のところに行って、お金をもらうのよ」
……(腰が抜けた)。
「これ、当然よね。なんで今まで気がつかなかったんだろう」
……(本当に腰が抜けた)。
亡くなった浜田幸一さんからこんな話を聞いたことがある。
「田中角栄のところに俺が行くだろ。そうしたら、100万円をポンとくれる。
その次に、角栄とケンカしている福田武夫のところに俺が行くだろ。やっぱり、100万円をポンとくれるんだよ。ギャハハ(笑顔がなぜかチャーミング)」
摩訶不思議な話ではある。しかし、これは自民党内部で行われていたゼニカネの流れ。
福岡で5000票しか集められなかった無所属の新人に、いったい、どの代議士がお金をくれるのか?
あまりの「不滅の女子」ぶりに呆然となった私、軽口を叩くしかなかった。
「じゃあさ、石原慎太郎さんのところから始めますか」
「そうね。あの悪党から金を取りましょう」
真顔だった。58歳「不滅の女子」は真剣だった。
「やってくれるでしょ?」
私はうめく。
「そんなこと、やりたくないですよ」
でもね。犬丸さんの提案が、日本の権力構造を暴き出していることもまた事実なのだ。
自民党と社会党が対立を極め、国会がまったく動かなくなったとき、ハマコー先生はこんなプラカードをぶら下げて、国会内を練り歩いた。
<社会党の国会対策委員長は、俺から○○○万円を受け取った>
55年体制とは何か?
口汚くののしり合っている与党も野党も、実は同じ支配層であり、ゼニカネを融通し合っていた。要するに、国会は八百長プロレスだった。
じゃあ、政権交代を経験した今はどうなのか?
何ひとつ変わってはいない。
与野党、官僚、マスコミは、堅牢な支配層を形成し、主権者であるはずの国民ははじき出されたままだ。だからこそ、
「投票する個人も政党も存在しない。だから私が立候補する」
「不滅の女子」犬丸勝子は立ち上がった。
この国には政治が存在するが、1億人はアウトサイダーのままなのだ。
<政治を私達国民の手に!>(犬丸勝子のスローガン)
今回の参院選。1億人のアウトサイダーを代表する候補はいるのか?
山本太郎さん?
違うな。生活の党が山本太郎さんを支えている。犬丸さんのポスターを貼っているのは100%ボランティアで作業は遅々として進まないが、太郎ちゃんのポスターは瞬時に貼り付け完了。組織のなせる業である。
かんかん照りの高円寺北口。ネットで必死に呼びかけたのだが、応援に駆けつけたのは、私を含めてたった3人。TBSのテレビカメラが動いているが、果たして放送はされるのだろうか?
私たちはどこに向かっているのだろう。
犬丸勝子さんから、始めてもらった名刺を見て、私は噴き出しそうになった。
<自分で政治をする党>
そう書いてあったからだ。
ミヒリペンネなど強烈な女性に囲まれていた時期でもあり、「女って自分勝手だね」と思ったが……いや、待て。
「自分」って「個人」だよね。「個人」って「一人」ってことだよなあ。
「一人で政治を決める」?……それって「独裁」じゃん!!
さすがの「不滅の女子」も「こりゃまずい」と思ったのか、「自分」にはボールペン手書きで「×」があり、上に「みんな」と手書きされている。
「みんなで政治をする党」?……「みんなの党」はすでにあるじゃん!!
一億人のアウトサイダーを真に代表する犬丸勝子候補がいる。人もまばらなら真夏の公園で手を振りかざし、声を張り上げている。
「バーコード『ピ』で日本の政治が決まっていいんですか!?」
たった3人の支援者は、猛暑のなか、汗を流し……。
私たちはどこに向かっているのだろう?
心に暗雲を抱え、しかし……。
犬丸勝子という人間に感動していた。
ここからは架空の会話。
「石原慎太郎のところに行っても、お金をもらえるわけないじゃん!! だって、犬丸さんは支配層じゃねえもの。犬丸さんは完全なアウトサイダーなの!」
私がそう言ったとしたら、犬丸勝子さんはこう答えるに違いない。
「アウトサイダー? 違います。私は参議院議員の候補者です」
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