バラク・オバマは「原発マネー」で大統領になった スポンサーは全米最大の原発所有企業、エクセロン
2011年3月16日。
東電福島第一原発から放出された最大の放射能雲が、飯館村の方角に流れていった。日本の最も美しい国土が奪われた。戦争が起きたわけでもないのに。
そんなさなか、海の向こうの狂った男が狂ったことを言い出した。
「ジョージア州の原発2基の建設について、約7500億円の融資保障を行う」(バラク・オバマ大統領)
私が見た「生涯で最も解せないニュース」である。理解不能。想像を絶している。納得できるわけがない。
「原発に投資をしてください。あなたがお金を貸して、たとえ、原発が動かなくても、貸したお金の7~8割は税金でお返しします」
14万人以上が家を失い、ふるさとを追われ、逃げ惑い、寒さに震えるなか、日本の同盟国のリーダーがそう言っているのだ。
「ジョージア州の原発2基」とは、サザン・カンパニー、WEC、S&Wが建設するボーグル原発である。
70年だ半ばから90年代の終わりまで、当初の計画の10倍のコスト超過を起こした極悪企業3社に巨額の税金投入?
オバマは、アホなのだろうか?
米国史上最大の税金泥棒に、被害額と同等の税金をくれてやる?
社内で殺人事件を起こした会社に?
「今こそチャンスだ。出馬しろ」
2002年秋。42歳になったばかりのバラク・オバマの背中を押したのは、地元シカゴの黒人経営者だったといわれている。
男の名は、フランク・クラーク。イリノイ州の電力会社コモンウェルズ・エジソンのCEOである。
コモンウェルズ・エジソンの親会社は、エクセロン。全米で最も多くの原発を抱える企業として有名だが、合併前はコモンウェルズ・エジソンが全米最大の原発所有企業だった。エクセロンが所有する原発11ヶ所のうち、6ヶ所がイリノイ州に立地している。原子炉は計12基。
2012年1月 トリチウム流出事故を起こしたバイロン原発
ウェスチングハウス社製
オバマは上院議員当選後、わずか4年で大統領の座にまで駆け上がる。
そのパワーの源はなんだったのか?
<(エクセロンは)2008年の大統領選では社員の個人献金だけで20万3663ドル(約1700万円)をオバマ陣営に献金(OpenSecrets.org調べ)。共和党の対抗馬ジョン・マケイン氏には3万6600ドル(約300万円)と差をつけた。>(水野博泰『日経ビジネス』2011年4月11日号)
エクセロンのジョン・ロジャース副会長が、オバマの選挙資金調達担当だったんだから……当然、金は集まるよ。
オバマの「集金係」で大統領補佐官を経てシカゴ市長にまで上り詰めたラーム・エマニュエルが投資銀行にいた4年間(1998~2002年)。彼がやった最大の仕事は、コモンウェルズ・エジソン、ユニコム、フェラデルフィア電力の合併――全米最大の原発所有企業エクセロンの誕生だった。
オバマの悪名高い選挙参謀、デイビッド・アクセルロッド。彼がかつて経営していたコンサルティング会社の最大の顧客がエクセロンだった。
「シカゴ原発マフィア」と呼びたくなるような人脈をバックに、バラク・オバマは「原子力の翼」を手に入れたのだ。
大統領となったオバマは、サウス・テキサス・プロジェクト原発を所有する電力会社NRGエナジーの最大株主、ウォーレン・バフェットを経済顧問としてホワイトハウスに招き入れた。
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