内田樹「国民国家の株式会社化」≒「法人による人間支配」ゴジラの中の楽園に住む日本人2http://www.mag2.com/m/0001577514.html
<国民国家の株式会社化という政策の方向が40代男性を中心とした国民層を惹きつけているのだろうと思います。>
<つまり、株式会社と同じく、経済成長がそのまま唯一無二の国家目標に掲げられる。>
実は、このメルマガも同じテーマで立ち上げたつもりなんだな(全然、書けていませんが)。
株式会社≒法人≒白戸次郎。
生身の人間≒マリリン・モンロー。
「火星人襲来」みたいに、「法人」が人間社会を侵略し、支配していく様を描こうとした。それが動機。
<社会制度はすべて経済成長に資するかどうか、平たく言えばカネ儲けしやすい制度であるかどうかを規準にしてその適否が判定される。>
<民主主義制度が目指す対話による合意形成、少数意見の尊重、弱者救済、富の公平な配分などはいずれも効率的な意思決定・効率的なカネ儲けにとって障害となります。>
<だったら、そんなもの止めてしまえ。>
だから、ここまでは私も深く納得する。
株式会社、法人に支配された国家のリーダー像もおのずからこのようなものになる。
<それよりトップに権限も情報も資本も集中して、上意位下達で効果的に政策を起案し、実現してゆく方がいい。>
バブル期であろうが、「失われた20年」であろうが、日本の経済評論家はこう嘆き続けてきた。
「日本のビジネスマンは優秀だが、日本の経営者は欧米に比べてまったくダメだ。決断力がない。実行力がない」
こう言い続けた人は安倍晋三を批判する資格がない。
ついにこの国にも、法人に支配された国家にふさわしい経営者、リーダーが現れた。
「安倍は待ち望まれていた」と内田は言う。
<決められる政治やねじれ解消にあれほどメディアが言い立てたのは、民主的な合意形成システムはもう止めようという国民的気分が現に存在しているからです。>
<有権者が反民主主義的政策に対して強い抵抗を示さなかったのは、トップが全部決めて、下はそれに従うだけという仕組みが彼らの多くが現にそこに身を置いている株式会社のシステムそのままだったからです。>
深くうなずきながら、読み終えて……しかし。私の中に「?」マークが生まれ、増殖していく。
それだけなのか?
『週刊金曜日』の編集者がつけたタイトルがこれだ。
<独善的な安倍政権が支持される理由 民主主義よりカネが大事な日本人>
……うーん。私が編集者でも同じようなタイトルをつけたかもしれないが……。
それだけなのか?
本当に「結局はカネ」なのか?
この記事を読み捨てにできなかったのは、私が感銘を受けた小説を思い出したからだ。
小説の名は『沖で待つ』。作者は絲山秋子。
「感銘を受けた? アホか!?」
そんな読者の声が聞こえてきそうだ。
「なんでこんな小説が芥川賞をとったの?」
それが大方の評価だからだ。
おっしゃる通り。私も不思議だった。ただ、これだけは断言できる。
「この作品に最高の文学賞を与える国は、日本以外には絶対にない」
世にも奇妙な小説なのだ。
『沖で待つ』は、「ガール・ミーツ・ボーイ」の物語である。主人公、及川は住宅設備機器メーカーに就職し、「太っちゃん」こと牧原太と出会う。
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